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最終章 終わりの刻
After Day 2
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「少佐、王女はなんと?」
運転席に座った少尉がそうリマイナに訊ねた。
「知らないよ、もう会いたくもない」
リマイナのその返答を聞いた少尉は「何も聞かずに帰ってきたのですか」と笑った。
その言葉にリマイナはうっと言葉を詰まらせた。
思えば何かを伝えたかったのだろうか。
「顔も合わせたくないよ、出来れば死んでいた方がよかった」
リマイナはそう言って手をプラプラとさせた。
ロレンス中佐がモスクワから東に逃げる車列を追撃している最中に王女を見つけたと知った時は歓喜に沸いた。
これはイギリスとの交渉材料に使えると、誰もが喜んだ。
だが、独英両陣営はカミラ王女の生存を秘匿した。
リューイと同じだ。
カミラ王女を担ぎ上げ、徹底抗戦されてはたまった物ではない。
そもそも、王女がソ連へ援軍に行った事すら秘匿され、彼女はスコットランドにある別荘で病死したと報じられた。
戦時中故に物資が渇望し、満足な医療を受けられなかったことが原因とされ、これが一気に和平への傾きを強めさせた。
結局、王女の捕獲は何の意味も持たず、それどころ扱いが難しいパンドラの箱の様に扱われた。
「死んでいた方がよかった、それは何のために?」
少尉はリマイナにそう尋ねた。
「だってそうでしょう──」
「現状生きていても死んでいても、何も変わらない。それなのに死んでいた方がよかった。とは?」
リマイナの言葉を遮るように少尉がそう尋ねる。
その問いにリマイナは言葉を詰まらせた。
「貴女にはもう一つ違う理由がある。違う?」
少尉はそう言って軍帽を後部座席に放り投げた。
銀で艶のある髪にどこか幼げな顔立ち。
彼女こそ、リューイ・ルーカスであった。
今は、ヘレンと名乗っていた。
「どういう意味?」
リマイナはそうとぼけた。
「王女の言う、金色の戦女神」
リューイはそう呟く。
そして、小さく息を吸うとこう尋ねた。
「それは、貴女。リマイナ・ルイのことよね?」
リューイの言葉を聞いた瞬間、リマイナは吹き出した。
何を突然可笑しなことを言うのだろうか。
親友とはいえ質が悪い冗談だと笑う。
「10年ほど前かしら。軍学校にいたときの話」
リューイは思い出す様に空を見上げた。
「いろいろあったねぇ」
リマイナは周囲を眺めながらそう笑った。
その言葉にリューイはこう答えた。
「最初、出会ったとき、貴女は私の名前を知っていた」
「そりゃぁ、軍学校で特段優秀な女性士官がいるって聞いたら、名前くらい知ってるよ」
リマイナはそう言って笑った。
初めてリマイナとリューイが会ったのは第3学年に進級してから。
機甲科の寮で相部屋となった二人は以後10年来のつながりを得る。
「貴女、最後に小さくこうつぶやいたわよね?」
リューイはそう言って笑みを浮かべた。
「『まだ、私のことは知らないんだよね』って」
リューイは一言一句その言葉を覚えていた。
「そんなこと言ったかな?」
「えぇ、言ったわよ」
とぼけようとするリマイナにリューイは釘を刺した。
そして静かに言葉をつづけた。
「私は最初、ミハウェル・トゥハチェンスキと貴女が同類だと思っていたわ」
リューイの言葉にリマイナは「へぇ?」とこぼした。
何処かまだ余裕のあるリマイナにリューイは言葉を続ける。
「あのソ連軍士官は史実には存在しない、第1親衛戦車大隊も、エレーナ・アルバトフも、史実には存在しない」
そう続けたリューイにリマイナは微笑んだ。
「貴女の存在が歪めたんじゃない?」
バタフライエフェクト、ほんのわずかな違いが大きな変化もたらす。
それもあるかもしれない。
だが、
「違うわ、あの男も転生者よ。でも史実とは違う世界の」
リューイは一歩核心に迫った。
「私の名前、顔を知っていた。最初の作戦で私の戦術をことごとく看破した」
リューイは好敵手との思い出を広げていく。
「それでも、少しの食い違いがあった。それは何か」
彼女の言葉にリマイナは興味深そうな表情を浮かべる。
まるでリューイを試すかのような。
「リューイ・ルーカスという女性士官が存在した世界線。でも、転生者の魂が入ってない世界」
リューイはそう言ってハンドルから右手を話すと胸に手を当てた。
「本来この体に宿るはずだった魂が活躍した世界線から、トゥハチェンスキは転生して来た」
その言葉を聞いた瞬間、リマイナの表情が険しくなった。
彼女の反応を見て、リューイは自らの仮説が正しいと確信を得た。
「そして、リマイナ・ルイも同じだと、最初は思った」
リューイそう言ってため息を吐いた。
それならすべての辻褄は合う。
だが、一つ納得がいかない異物がもう一人。
「でも、それはカミラ王女が否定した」
カミラ・ローズ。
ただならぬ信仰心で人ならざる力を手に入れた狂信者。
最初はそう思っていた。
「彼女の洗脳が効かないのはなぜか私と貴女だけだった」
「不思議だねぇ」
誤魔化す様に言葉を開いたリマイナにリューイは鼻で嗤った。
「スターリンやソ連軍全体を操れるほどの力を持っていながら、私と、貴女だけを操れない? そんなのはおかしいわ」
リューイの言葉にリマイナは何も答えない。
「だってそうよね、力を与えたのは貴方なんだから」
リューイの言葉にリマイナはため息を吐いてこう答えた。
「正解だよ」と。
だが、その直後リマイナは拳銃を取り出すとリューイの頭に拳銃を押しつけた。
「それを知ってどうするの?」
「特に何も。結局リマイナがいなければ勝てなかったしね」
「それならよかった」
リマイナはそう言って拳銃を懐にしまった。
するとどこかはかなげな表情で外を眺めた。
「王女の暴走は予想外だった」
その言葉にリューイは驚いた。
「へぇ、神様でもそんなことあるんだ」
「神と言っても全知全能じゃないのよ」
リマイナは嘲るように笑った。
それを見て意外そうな顔をしたのはリューイだった。
神なら何でもできると思っていた。
「おかしいと思わなかったの? リューイが当てた場所に寸分違わず砲弾を当てるなんて」
そう呆れたように笑うリマイナにリューイは「貴女ならできると思ってたから」と答えた。
「私には何も才能なんてないんだよ。神の力で事象を捻じ曲げて来ただけ」
リマイナの言葉にリューイは「だから、あんなに射撃が上手かったのね」と笑った。
すべてが終わった今、リマイナが神であることに嫌悪感は抱かなった。
「これからも、親友でいいのよね?」
リューイの問いにリマイナは驚いたような顔をした。
「戦女神だか何だか知らないけど、貴女は私の親友。よね?」
その問いにリマイナは満面の笑みを浮かべた。
もちろん、と答えたリマイナはリューイに抱き付いた。
「ちょっと?! 危ないって!」
突然のことに驚いたリューイがそう抗議の声を上げた。
二人の車は静かに郊外の道を走っていった。
「ねぇ、リマイナ」
「なぁに?」
「私、本を書こうと思うの」
「どんな?」
「『ラトビア転生記』なんてどう?」
「私たちしか理解できないじゃん」
「いいのよ。万人に好かれなくてもいいの。ほんの少しでも私の本を愛してくれる人がいるなら」
「変わってるね」
「そんなの、貴女が一番知ってるじゃない」
「それもそうだね」
「あぁ、そうだ」
「ん?」
「今まで、ありがとう」
ラトビア転生記 ~TSしたミリオタが第二次世界大戦のラトビアを救う~【完結】
運転席に座った少尉がそうリマイナに訊ねた。
「知らないよ、もう会いたくもない」
リマイナのその返答を聞いた少尉は「何も聞かずに帰ってきたのですか」と笑った。
その言葉にリマイナはうっと言葉を詰まらせた。
思えば何かを伝えたかったのだろうか。
「顔も合わせたくないよ、出来れば死んでいた方がよかった」
リマイナはそう言って手をプラプラとさせた。
ロレンス中佐がモスクワから東に逃げる車列を追撃している最中に王女を見つけたと知った時は歓喜に沸いた。
これはイギリスとの交渉材料に使えると、誰もが喜んだ。
だが、独英両陣営はカミラ王女の生存を秘匿した。
リューイと同じだ。
カミラ王女を担ぎ上げ、徹底抗戦されてはたまった物ではない。
そもそも、王女がソ連へ援軍に行った事すら秘匿され、彼女はスコットランドにある別荘で病死したと報じられた。
戦時中故に物資が渇望し、満足な医療を受けられなかったことが原因とされ、これが一気に和平への傾きを強めさせた。
結局、王女の捕獲は何の意味も持たず、それどころ扱いが難しいパンドラの箱の様に扱われた。
「死んでいた方がよかった、それは何のために?」
少尉はリマイナにそう尋ねた。
「だってそうでしょう──」
「現状生きていても死んでいても、何も変わらない。それなのに死んでいた方がよかった。とは?」
リマイナの言葉を遮るように少尉がそう尋ねる。
その問いにリマイナは言葉を詰まらせた。
「貴女にはもう一つ違う理由がある。違う?」
少尉はそう言って軍帽を後部座席に放り投げた。
銀で艶のある髪にどこか幼げな顔立ち。
彼女こそ、リューイ・ルーカスであった。
今は、ヘレンと名乗っていた。
「どういう意味?」
リマイナはそうとぼけた。
「王女の言う、金色の戦女神」
リューイはそう呟く。
そして、小さく息を吸うとこう尋ねた。
「それは、貴女。リマイナ・ルイのことよね?」
リューイの言葉を聞いた瞬間、リマイナは吹き出した。
何を突然可笑しなことを言うのだろうか。
親友とはいえ質が悪い冗談だと笑う。
「10年ほど前かしら。軍学校にいたときの話」
リューイは思い出す様に空を見上げた。
「いろいろあったねぇ」
リマイナは周囲を眺めながらそう笑った。
その言葉にリューイはこう答えた。
「最初、出会ったとき、貴女は私の名前を知っていた」
「そりゃぁ、軍学校で特段優秀な女性士官がいるって聞いたら、名前くらい知ってるよ」
リマイナはそう言って笑った。
初めてリマイナとリューイが会ったのは第3学年に進級してから。
機甲科の寮で相部屋となった二人は以後10年来のつながりを得る。
「貴女、最後に小さくこうつぶやいたわよね?」
リューイはそう言って笑みを浮かべた。
「『まだ、私のことは知らないんだよね』って」
リューイは一言一句その言葉を覚えていた。
「そんなこと言ったかな?」
「えぇ、言ったわよ」
とぼけようとするリマイナにリューイは釘を刺した。
そして静かに言葉をつづけた。
「私は最初、ミハウェル・トゥハチェンスキと貴女が同類だと思っていたわ」
リューイの言葉にリマイナは「へぇ?」とこぼした。
何処かまだ余裕のあるリマイナにリューイは言葉を続ける。
「あのソ連軍士官は史実には存在しない、第1親衛戦車大隊も、エレーナ・アルバトフも、史実には存在しない」
そう続けたリューイにリマイナは微笑んだ。
「貴女の存在が歪めたんじゃない?」
バタフライエフェクト、ほんのわずかな違いが大きな変化もたらす。
それもあるかもしれない。
だが、
「違うわ、あの男も転生者よ。でも史実とは違う世界の」
リューイは一歩核心に迫った。
「私の名前、顔を知っていた。最初の作戦で私の戦術をことごとく看破した」
リューイは好敵手との思い出を広げていく。
「それでも、少しの食い違いがあった。それは何か」
彼女の言葉にリマイナは興味深そうな表情を浮かべる。
まるでリューイを試すかのような。
「リューイ・ルーカスという女性士官が存在した世界線。でも、転生者の魂が入ってない世界」
リューイはそう言ってハンドルから右手を話すと胸に手を当てた。
「本来この体に宿るはずだった魂が活躍した世界線から、トゥハチェンスキは転生して来た」
その言葉を聞いた瞬間、リマイナの表情が険しくなった。
彼女の反応を見て、リューイは自らの仮説が正しいと確信を得た。
「そして、リマイナ・ルイも同じだと、最初は思った」
リューイそう言ってため息を吐いた。
それならすべての辻褄は合う。
だが、一つ納得がいかない異物がもう一人。
「でも、それはカミラ王女が否定した」
カミラ・ローズ。
ただならぬ信仰心で人ならざる力を手に入れた狂信者。
最初はそう思っていた。
「彼女の洗脳が効かないのはなぜか私と貴女だけだった」
「不思議だねぇ」
誤魔化す様に言葉を開いたリマイナにリューイは鼻で嗤った。
「スターリンやソ連軍全体を操れるほどの力を持っていながら、私と、貴女だけを操れない? そんなのはおかしいわ」
リューイの言葉にリマイナは何も答えない。
「だってそうよね、力を与えたのは貴方なんだから」
リューイの言葉にリマイナはため息を吐いてこう答えた。
「正解だよ」と。
だが、その直後リマイナは拳銃を取り出すとリューイの頭に拳銃を押しつけた。
「それを知ってどうするの?」
「特に何も。結局リマイナがいなければ勝てなかったしね」
「それならよかった」
リマイナはそう言って拳銃を懐にしまった。
するとどこかはかなげな表情で外を眺めた。
「王女の暴走は予想外だった」
その言葉にリューイは驚いた。
「へぇ、神様でもそんなことあるんだ」
「神と言っても全知全能じゃないのよ」
リマイナは嘲るように笑った。
それを見て意外そうな顔をしたのはリューイだった。
神なら何でもできると思っていた。
「おかしいと思わなかったの? リューイが当てた場所に寸分違わず砲弾を当てるなんて」
そう呆れたように笑うリマイナにリューイは「貴女ならできると思ってたから」と答えた。
「私には何も才能なんてないんだよ。神の力で事象を捻じ曲げて来ただけ」
リマイナの言葉にリューイは「だから、あんなに射撃が上手かったのね」と笑った。
すべてが終わった今、リマイナが神であることに嫌悪感は抱かなった。
「これからも、親友でいいのよね?」
リューイの問いにリマイナは驚いたような顔をした。
「戦女神だか何だか知らないけど、貴女は私の親友。よね?」
その問いにリマイナは満面の笑みを浮かべた。
もちろん、と答えたリマイナはリューイに抱き付いた。
「ちょっと?! 危ないって!」
突然のことに驚いたリューイがそう抗議の声を上げた。
二人の車は静かに郊外の道を走っていった。
「ねぇ、リマイナ」
「なぁに?」
「私、本を書こうと思うの」
「どんな?」
「『ラトビア転生記』なんてどう?」
「私たちしか理解できないじゃん」
「いいのよ。万人に好かれなくてもいいの。ほんの少しでも私の本を愛してくれる人がいるなら」
「変わってるね」
「そんなの、貴女が一番知ってるじゃない」
「それもそうだね」
「あぁ、そうだ」
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「今まで、ありがとう」
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