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第一章
第十二話 志穂のチュートリアル②
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「さてと、何か要望や思い残すことはないですか? 送る先で考慮しますよ?」
持ってきたデザートを片っ端から食べ終わった女神様がベッドで仰向けに転びお腹を擦りながら聞いてきた。
「あー、言いづらいんですけど……魔王城の天辺とかに送って貰えたりって……できますか?」
「はい? あー、もしかして迷宮師になりたいんですか? 確かに迷宮師なりたいなら、普通の国に行くと少し危ないかもですし、魔族の大陸行くのが手っ取り早いかも知れないですね」
良く分からないが送って貰えるなら何でも良いかな~と相槌をうつ。
「あー、そうですねー?」
「では、『ジョブ』『所持金』『スキル』に30ポイントを振り分けてください」
起き上がった女神様が指を鳴らすとまたステータスボードが現れる。
「ジョブは全部で六つ在りますよ。良く吟味してみてくださいね~、一度選ぶと変えれませんから。二つ目のジョブを取るには、最初に取った方をレベル20まで上げてくださいね? スキルのレベルを上げるなら、初めは1、次は2、3という感じで必要値が上がっていくんで、良く考えてくださいね? そのポイント1につき、『金貨二枚』か『DP20万』にもできるんですよ? あとその金貨で行く前に買い物ができるようにもしておきますね『ショップ』から選んでいてくださいね」
『武人』専用スキル『技術』(戦士、騎士、弓士、武道家等)
『魔法師』専用スキル『魔法』(魔法使い、錬金術師、治癒術師、召喚師等)
『職人』専用スキル『製作』(商人、鍛治師、薬剤師、罠師等)
『操人』専用スキル『傀儡』(魔獣使い、精霊使い、蟲使い、影使い等)
『魔人』専用スキル『変身』(己の身に魔物の身体の一部を宿す事で力や能力を扱えるようになる。三~五個まで宿せる)
『迷宮師』『DP』(DPで無や異界より様々なモノを呼び出す事ができる)
専用スキルの中から覚えたスキルで様々な呼ばれ方をするらしい。
二つのジョブを鍛え上げた者は組み合わせによる上位のジョブになれたりもするらしい。
「因みに、金貨は1枚当たり日本円で『十万円』くらいですね。硬貨の価値は大体……」
聞いた限りではこうだった。
大金貨『百万円』
金貨『十万円』
大銀貨は『一万円』
銀貨は『千円』
大銅貨『百円』
銅貨『十円』
「あとジョブは初めの『レベル1』の分はポイントなしで取れますよ」
「これユニークスキルより悩むんですけど……」
「ゆっくりでも良いですよ? 私の漫画の続き読んで」
そう言うとベットに付属されてる棚に並ぶ本に手を伸ばす。
「それなら、買ってきたばかりの本ドアの前にあるんで好きに読んでて良いですよ。レア物ばかり仕入れたんで全部おすすめですよ」
「ほほう?」
這いずる。止めるとベッドから降りて紙袋まで駆け寄っていく。
「できればその本とかも持っていきたいんですけどね~」
「できますよ? ステータスボードに向けてアイテムボックスって念じてみてください。レベルの合計値と以下の重さならどんな物でもレベルの合計値の数まで入れれますよ」
なんと、新情報。試しに本棚ごと本をしまおうとしたら入らなかった。
「女神様? 入らないんですけど?」
「本棚は本が入ってたら複数として数えられますから無理ですよ~あとレベル上げてないでしょう?」
「レベル32にしても本32冊しか持って行けないじゃないですか!」
女神様は腕を組んで、その身体の大きさに合わない胸を腕に乗せて少し考えると提案する。
「魔法師と職人のジョブを取る事により、覚えられる錬金術師のスキルに『アイテムボックス』というのがありますからそれを取って、付与スキルも取れば鞄とかをアイテムボックスにできるんで、それに入れていくのはどうですか? 先に魔法師を20まで上げて付与魔法と空間魔法を取って、職人のレベルを1取っての専用スキルの収納上手を取れば造れると思いますよ」
「なんですと?」
魔法師レベル20に上げるて専用スキルからスキルを覚えようとしたらスキルポイントと言うものが目に入った。
「女神様? スキルポイントって言うのがあるんですけど?」
「レベル1につき1、手に入りますよ。先に30ポイントの方で魔法をレベル1で獲得したあとはスキルポイントでレベルを上げれますよ。スキルはレベル10になれば一つ上の位のスキルになります。レベルは『1』に戻りますけどレベルの合計値は加算されるから大丈夫ですよ」
言われる通りに「付与魔法」「空間魔法」「収納上手」取ると『アイテムボックス』と言うスキルが現れたので取ってみる。
「付与魔法」……レベルの数まで物に付与できる。生き物にかける場合は付与のレベル✕時間まで効果が持続する。
「空間魔法」……レベルに比例した大きさの空間を創り出す。使い方次第で様々な事ができる。
「収納上手」……レベルに比例して収納するのが上手くなる。
『アイテムボックス』……「空間魔法」と「収納上手」の「レベル✕レベル合計値」の重さ(kg)と「幅✕奥行き✕高さが合計値の正方形の空間」の大きさまで入れれる。
と成っていた。
「容量結構大きいね?」
容量を上げようと思って空間のレベルを15スキルポイントを使って「5」まで上げる。収納のレベルも6スキルポイント使って「3」まで上げる。
机の横に置いてあるお気に入りのリュックに付与かけてアイテムボックス化させると部屋にある物を片っ端から全部放り込む。
「全部入っちゃった」
リュックの口の大きさに入らないものは入れれ無かったが全部入った。
リュックをステータスボードの方のアイテムボックスに入れようとしてみたけど入らなかった。残念。
「女神様これかなり凄くないですか?」
返事がないので振り返ると女神様が袋の中の薄いノートのような本を見ながら……
「なんなんですかこれは? なんなんですかこれは? なんなんですかこれは?」
と永遠とリピートしている。
(また一人、我が腐海に沈んだか……)
信者を増やすことに成功した気配を感じながら残りのポイントを確認する。
30ポイントの方はレベルに「19」スキルの獲得に「3」使ったので残り「8」しかない。スキルポイントの方はピッタリ「0」だ。
「ん? ステータスポイント?」
スキルと同じかな? と思って試しにステータスに振ってみる。上げることはできても下げることはできないぽい。保留しておこう。向こうにいっても漫画とか描きたいなぁと思って職人のスキル欄から「紙製作」「本製作」「道具製作」を取り、リュックの中身を取られないように「罠製作」と「鍵製作」を取る。「あとは~」と魔法師のスキルを適当に眺めていると『不老魔法』と言うのを見つけた。
「女神様『不老魔法』っていうのがあるんですけど……向こう世界の人達って、こういうの覚えてる人多いんですか?」
女神様の肩を揺すり聞いてみる。
「はふぇ? あー、多分いないんじゃないですか? ここで30ポイントを使ってスキル覚える分には何も問題ないですけど、向こうでは適正がないと魔法師でもほとんどの人間は、魔法は覚えられませんし、職人の技術も学んで覚えた後じゃないとスキルポイントで上げることすらできないですよ」
「じゃあ、私が今覚えた収納上手、付与魔法、空間魔法とかも覚えてる人っていないですか?」
「収納上手は結構いますね。付与魔法はほとんどいません。空間魔法は多分いないんじゃないですか?」
(oh……マジですか~い、もっと慎重にスキル選べば良かった。漫画用のスキルにいっぱい割り振っちゃったんですけど……)
仕方なく残り4ポイントで「不老魔法」「回復魔法」「増減魔法」「薬剤製作」を選んだ。「不死魔法」「禁断魔法」「即死魔法」とかないかと思って探したけど出てこなかった。残念。
「女神様終わりましたよ~い。正気に戻ってください」
私が女神様の頭を軽くチョップすると正気に戻る。
「おっふっ……終わったんですか? どこまで話してましたっけ? もう教えることもなかったですかね? 買い物とかも済んでますか?」
そう言えばショップとやらは使ってなかったな。
「ショップって何でも買えたんですか?」
「スキルと似たようなものですよ。向こうで売ってるものを仕入れ値で何でも買えたはずですよ?」
「なるほど……」
そっちも上手く使えば色々できたかも知れないけど、もうお金に変える分のポイントないから良いや。
「もうなさそうですね。では送りますけど、どこの国に行きたいですか? 大きい国なら帝国の『竜姫の要塞都市』、王国の『魔導の楽園都市』、信国の『豊穣の神殿都市』、商国の『重壁の商業都市』の四つが在りますよ。中でも『時と空間の女神』を崇める『豊穣と神殿都市』はお勧めですよ? ご飯も美味しいですし、平和ですからきっと『時と空間の女神』様の思し召しですねぇ。向こうにいったら信仰してみてはどうですか?」
「いやいや、凄く魅力的な提案ですけど、今回だけは魔王城の天辺でお願いします」
「本当に『継承の魔王都市』に行くんですか? 貴女と同じ人間族はほとんどいないですよ?」
女神様が「ほんとにぃ~? いいのぉ~?」っと名残惜しそうにしている。やたらとお勧めの街に送りたいらしい。私が黙って頷いていると諦めたのかため息を吐きながら本を差し出してくる。
「仕方ないですね~。はい、中々面白い本でしたよ」
「ほほぅ、お目が高いですね。宜しければ差し上げますよ?」
「え! 良いの? 本当に?」
女神様が目を見開き、本を抱き締めて頬を染めながらもじもじしている。
「それ布教用ですから、青い紙袋の中身は全部差し上げますよ」
「oh……貴女はもしかして女神様ですか?」
「女神様は貴女ですよ~?」
ぷるぷる震えながら混乱している女神様に紙袋を押しつけ、それ以外の紙袋はリュックにしまう。
「さて、ではお願いします」
もう持っていくものも全部しまったし、ユニークスキルでいつでも漫画やアニメも見れそうなので思い残すことも無い。
「貴女はとっても良い人ですね……一日で私にこれだけの供物を捧げた人間は貴女が初めてですよ? そうですね……特別に女神の祝福を与えましょう」
「はい?」
女神様が指を鳴らすと輝く光の粒子が私を包み込み、光が収まると何も変わったところはなかった。
「ステータスボードに『女神の祝福』というスキルが増えているはずですよ。それを使えばいつでもどこでも好きなときに、私に〝供物〟を捧げることができるでしょう。供物を捧げ、願いを願えば供物の質と気分次第で『時と空間の女神』様が願いを叶えてくれるでしょう。本来は信国のトップに立つ大神官しか持っていない能力ですよ」
にこにこ微笑みながら、供物を捧げろと言われている気がする。というか、この女神様が『時と空間の女神』で間違いない気がする。
「わぁ、ありがとうございます~。大切に使いますね~」
私は棒読みで答えると女神様が良い笑顔で頷き、両腕を広げ神々しさを演出しながら天を仰ぐ。
「さあ、迷える人間よ。我が世界に旅立つが良い………」
ゆっくりと浮き上がり私の身体が煌めく光の渦に包まれていく。
「貴女の旅路に祝福……ヘッブシッ! ああ、折角の決め台詞がぁ!」
こうして、とっても残念な感じで、私はこの世界から消え旅立ったのだった……
~志穂ちゃんのチュートリアル~完~!
~次回の志穂ちゃんと魔王城での活躍にご期待ください~
持ってきたデザートを片っ端から食べ終わった女神様がベッドで仰向けに転びお腹を擦りながら聞いてきた。
「あー、言いづらいんですけど……魔王城の天辺とかに送って貰えたりって……できますか?」
「はい? あー、もしかして迷宮師になりたいんですか? 確かに迷宮師なりたいなら、普通の国に行くと少し危ないかもですし、魔族の大陸行くのが手っ取り早いかも知れないですね」
良く分からないが送って貰えるなら何でも良いかな~と相槌をうつ。
「あー、そうですねー?」
「では、『ジョブ』『所持金』『スキル』に30ポイントを振り分けてください」
起き上がった女神様が指を鳴らすとまたステータスボードが現れる。
「ジョブは全部で六つ在りますよ。良く吟味してみてくださいね~、一度選ぶと変えれませんから。二つ目のジョブを取るには、最初に取った方をレベル20まで上げてくださいね? スキルのレベルを上げるなら、初めは1、次は2、3という感じで必要値が上がっていくんで、良く考えてくださいね? そのポイント1につき、『金貨二枚』か『DP20万』にもできるんですよ? あとその金貨で行く前に買い物ができるようにもしておきますね『ショップ』から選んでいてくださいね」
『武人』専用スキル『技術』(戦士、騎士、弓士、武道家等)
『魔法師』専用スキル『魔法』(魔法使い、錬金術師、治癒術師、召喚師等)
『職人』専用スキル『製作』(商人、鍛治師、薬剤師、罠師等)
『操人』専用スキル『傀儡』(魔獣使い、精霊使い、蟲使い、影使い等)
『魔人』専用スキル『変身』(己の身に魔物の身体の一部を宿す事で力や能力を扱えるようになる。三~五個まで宿せる)
『迷宮師』『DP』(DPで無や異界より様々なモノを呼び出す事ができる)
専用スキルの中から覚えたスキルで様々な呼ばれ方をするらしい。
二つのジョブを鍛え上げた者は組み合わせによる上位のジョブになれたりもするらしい。
「因みに、金貨は1枚当たり日本円で『十万円』くらいですね。硬貨の価値は大体……」
聞いた限りではこうだった。
大金貨『百万円』
金貨『十万円』
大銀貨は『一万円』
銀貨は『千円』
大銅貨『百円』
銅貨『十円』
「あとジョブは初めの『レベル1』の分はポイントなしで取れますよ」
「これユニークスキルより悩むんですけど……」
「ゆっくりでも良いですよ? 私の漫画の続き読んで」
そう言うとベットに付属されてる棚に並ぶ本に手を伸ばす。
「それなら、買ってきたばかりの本ドアの前にあるんで好きに読んでて良いですよ。レア物ばかり仕入れたんで全部おすすめですよ」
「ほほう?」
這いずる。止めるとベッドから降りて紙袋まで駆け寄っていく。
「できればその本とかも持っていきたいんですけどね~」
「できますよ? ステータスボードに向けてアイテムボックスって念じてみてください。レベルの合計値と以下の重さならどんな物でもレベルの合計値の数まで入れれますよ」
なんと、新情報。試しに本棚ごと本をしまおうとしたら入らなかった。
「女神様? 入らないんですけど?」
「本棚は本が入ってたら複数として数えられますから無理ですよ~あとレベル上げてないでしょう?」
「レベル32にしても本32冊しか持って行けないじゃないですか!」
女神様は腕を組んで、その身体の大きさに合わない胸を腕に乗せて少し考えると提案する。
「魔法師と職人のジョブを取る事により、覚えられる錬金術師のスキルに『アイテムボックス』というのがありますからそれを取って、付与スキルも取れば鞄とかをアイテムボックスにできるんで、それに入れていくのはどうですか? 先に魔法師を20まで上げて付与魔法と空間魔法を取って、職人のレベルを1取っての専用スキルの収納上手を取れば造れると思いますよ」
「なんですと?」
魔法師レベル20に上げるて専用スキルからスキルを覚えようとしたらスキルポイントと言うものが目に入った。
「女神様? スキルポイントって言うのがあるんですけど?」
「レベル1につき1、手に入りますよ。先に30ポイントの方で魔法をレベル1で獲得したあとはスキルポイントでレベルを上げれますよ。スキルはレベル10になれば一つ上の位のスキルになります。レベルは『1』に戻りますけどレベルの合計値は加算されるから大丈夫ですよ」
言われる通りに「付与魔法」「空間魔法」「収納上手」取ると『アイテムボックス』と言うスキルが現れたので取ってみる。
「付与魔法」……レベルの数まで物に付与できる。生き物にかける場合は付与のレベル✕時間まで効果が持続する。
「空間魔法」……レベルに比例した大きさの空間を創り出す。使い方次第で様々な事ができる。
「収納上手」……レベルに比例して収納するのが上手くなる。
『アイテムボックス』……「空間魔法」と「収納上手」の「レベル✕レベル合計値」の重さ(kg)と「幅✕奥行き✕高さが合計値の正方形の空間」の大きさまで入れれる。
と成っていた。
「容量結構大きいね?」
容量を上げようと思って空間のレベルを15スキルポイントを使って「5」まで上げる。収納のレベルも6スキルポイント使って「3」まで上げる。
机の横に置いてあるお気に入りのリュックに付与かけてアイテムボックス化させると部屋にある物を片っ端から全部放り込む。
「全部入っちゃった」
リュックの口の大きさに入らないものは入れれ無かったが全部入った。
リュックをステータスボードの方のアイテムボックスに入れようとしてみたけど入らなかった。残念。
「女神様これかなり凄くないですか?」
返事がないので振り返ると女神様が袋の中の薄いノートのような本を見ながら……
「なんなんですかこれは? なんなんですかこれは? なんなんですかこれは?」
と永遠とリピートしている。
(また一人、我が腐海に沈んだか……)
信者を増やすことに成功した気配を感じながら残りのポイントを確認する。
30ポイントの方はレベルに「19」スキルの獲得に「3」使ったので残り「8」しかない。スキルポイントの方はピッタリ「0」だ。
「ん? ステータスポイント?」
スキルと同じかな? と思って試しにステータスに振ってみる。上げることはできても下げることはできないぽい。保留しておこう。向こうにいっても漫画とか描きたいなぁと思って職人のスキル欄から「紙製作」「本製作」「道具製作」を取り、リュックの中身を取られないように「罠製作」と「鍵製作」を取る。「あとは~」と魔法師のスキルを適当に眺めていると『不老魔法』と言うのを見つけた。
「女神様『不老魔法』っていうのがあるんですけど……向こう世界の人達って、こういうの覚えてる人多いんですか?」
女神様の肩を揺すり聞いてみる。
「はふぇ? あー、多分いないんじゃないですか? ここで30ポイントを使ってスキル覚える分には何も問題ないですけど、向こうでは適正がないと魔法師でもほとんどの人間は、魔法は覚えられませんし、職人の技術も学んで覚えた後じゃないとスキルポイントで上げることすらできないですよ」
「じゃあ、私が今覚えた収納上手、付与魔法、空間魔法とかも覚えてる人っていないですか?」
「収納上手は結構いますね。付与魔法はほとんどいません。空間魔法は多分いないんじゃないですか?」
(oh……マジですか~い、もっと慎重にスキル選べば良かった。漫画用のスキルにいっぱい割り振っちゃったんですけど……)
仕方なく残り4ポイントで「不老魔法」「回復魔法」「増減魔法」「薬剤製作」を選んだ。「不死魔法」「禁断魔法」「即死魔法」とかないかと思って探したけど出てこなかった。残念。
「女神様終わりましたよ~い。正気に戻ってください」
私が女神様の頭を軽くチョップすると正気に戻る。
「おっふっ……終わったんですか? どこまで話してましたっけ? もう教えることもなかったですかね? 買い物とかも済んでますか?」
そう言えばショップとやらは使ってなかったな。
「ショップって何でも買えたんですか?」
「スキルと似たようなものですよ。向こうで売ってるものを仕入れ値で何でも買えたはずですよ?」
「なるほど……」
そっちも上手く使えば色々できたかも知れないけど、もうお金に変える分のポイントないから良いや。
「もうなさそうですね。では送りますけど、どこの国に行きたいですか? 大きい国なら帝国の『竜姫の要塞都市』、王国の『魔導の楽園都市』、信国の『豊穣の神殿都市』、商国の『重壁の商業都市』の四つが在りますよ。中でも『時と空間の女神』を崇める『豊穣と神殿都市』はお勧めですよ? ご飯も美味しいですし、平和ですからきっと『時と空間の女神』様の思し召しですねぇ。向こうにいったら信仰してみてはどうですか?」
「いやいや、凄く魅力的な提案ですけど、今回だけは魔王城の天辺でお願いします」
「本当に『継承の魔王都市』に行くんですか? 貴女と同じ人間族はほとんどいないですよ?」
女神様が「ほんとにぃ~? いいのぉ~?」っと名残惜しそうにしている。やたらとお勧めの街に送りたいらしい。私が黙って頷いていると諦めたのかため息を吐きながら本を差し出してくる。
「仕方ないですね~。はい、中々面白い本でしたよ」
「ほほぅ、お目が高いですね。宜しければ差し上げますよ?」
「え! 良いの? 本当に?」
女神様が目を見開き、本を抱き締めて頬を染めながらもじもじしている。
「それ布教用ですから、青い紙袋の中身は全部差し上げますよ」
「oh……貴女はもしかして女神様ですか?」
「女神様は貴女ですよ~?」
ぷるぷる震えながら混乱している女神様に紙袋を押しつけ、それ以外の紙袋はリュックにしまう。
「さて、ではお願いします」
もう持っていくものも全部しまったし、ユニークスキルでいつでも漫画やアニメも見れそうなので思い残すことも無い。
「貴女はとっても良い人ですね……一日で私にこれだけの供物を捧げた人間は貴女が初めてですよ? そうですね……特別に女神の祝福を与えましょう」
「はい?」
女神様が指を鳴らすと輝く光の粒子が私を包み込み、光が収まると何も変わったところはなかった。
「ステータスボードに『女神の祝福』というスキルが増えているはずですよ。それを使えばいつでもどこでも好きなときに、私に〝供物〟を捧げることができるでしょう。供物を捧げ、願いを願えば供物の質と気分次第で『時と空間の女神』様が願いを叶えてくれるでしょう。本来は信国のトップに立つ大神官しか持っていない能力ですよ」
にこにこ微笑みながら、供物を捧げろと言われている気がする。というか、この女神様が『時と空間の女神』で間違いない気がする。
「わぁ、ありがとうございます~。大切に使いますね~」
私は棒読みで答えると女神様が良い笑顔で頷き、両腕を広げ神々しさを演出しながら天を仰ぐ。
「さあ、迷える人間よ。我が世界に旅立つが良い………」
ゆっくりと浮き上がり私の身体が煌めく光の渦に包まれていく。
「貴女の旅路に祝福……ヘッブシッ! ああ、折角の決め台詞がぁ!」
こうして、とっても残念な感じで、私はこの世界から消え旅立ったのだった……
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