僕に双子の義兄が出来まして

サク

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悠暉と球技大会 千春視点

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「足、足、足、足、だだだだ大丈夫。痛めてない?怪我してない?3階から、飛び降りるなんて無茶苦茶だよ。痛めてない?何処か違和感とか、衝撃って、後から来るかもだから千秋君も千春君も、千冬君と久森君と一緒に診てもらおう?」

泣きそうに顔を歪めながら、こちらに話しかける悠暉。自分の事より他人ばかり心配している。

「なら、悠暉も診てもらおう」
「悠暉も怪我をしているだろう」

そう、悠暉は怪我をしている。先ほどのバスケ、他の生徒や先生たちはボールを追うため、ボールを持っていない生徒は見ていなかっただろう。

悠暉はチームメイトを守る為、最初に何度か重い攻撃を受けている。チームメイトが、対応を出来るようになったら、その頻度が減り無くなったが、受けた傷は、無くなりはしないだろう。
こういう時、繕うことが上手くて困る。

誰も、クラスメイトさえ、チームメイトさえ、気づかずにいる。
ボールよりも悠暉を見ていた俺と千秋はすぐに気づいた。石田達も気づき、顔を歪ましていた。

悠暉が入る前は久森が皆を庇っていたのだろう。だから、悠暉は久森を最初に長く休ませていた。
俺達の言葉に久森はやっぱりと呟いた。

「え?」

わからず、不思議そうな千冬に腹が立つ。昼に悠暉に忠告されていたのに軽く考え、対策もしなかった。
千冬と千夏にはのちほど、注意を入れようか。

呼んでいた土岐と木戸は指示通り、裏門の方に車をつけて待っていた。


検診の結果、当たり前に俺と千秋は何ともなかった。悠暉の説明を聞いて驚いていたが、大丈夫だろうけど、もし何か違和感あったらおいで、とのことだ。

千冬の足は捻挫をしていた。スポーツ大会と言えば血の気が盛んな学校だねと言われていた。足に巻いてあったテーピングの仕方を教えて欲しいと言われ、悠暉が教えながら、診察が終わった千冬の足をテーピングしていた。

悠暉の知り合いの爺友の中に名医と名高い人がいたから、その人にやり方を教えて貰ったのだろう。

久森は赤くなっている所多く、青担になっている所もあったが思っていたより数が少なく悠暉は少し安堵していた。鍛錬のし過ぎは駄目だよ。医者に久森はそう言われていた。

問題は悠暉だ、青担だらけだった。特にお腹と背中には大きなものが並んでいた。この子、いじめでも受けているのかい、そう医者が驚愕して、警察と学校になんて言って動き出そうとするのを、悠暉が慌てて止めていた。

「筋肉の差かな。僕だって筋トレしているのに、僕に付くはずの筋肉、どこに旅立っているのだろう。早く、戻っておいで、カムバック。ムキムキ」

自分と、久森の身体を見比べて、遠い目をした悠暉は、深刻そうにそう呟いていた。

吹き出しそうになった。悠暉の隣にいた久森君と前にいる医者は吹き出していた。
そんな、久森と医者に悠暉は不思議そうな顔をしていた。先ほどの呟きは無意識なのだろう。

久森は身体が大きく、幅もあり、がっしりしていた。昔から柔道をしていて、実家も道場を営んでいるとのことだ。二人のその姿に千冬は唖然として固まっていた。三人は熱が出る可能性が高いということで薬を貰った。

学校に、病院から直帰で家に帰ることを連絡しする。悠暉と千冬の荷物は千夏が、久森の荷物は久森の家の近くに住むクラスメイトが届けてくれることになった。そのことを久森に伝え、車で家へと送って行った。
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