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第三章
二十九
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徐々に弱まっていく風にそろそろと目を開ければ、怒りで顔を赤黒くしたジルヴィウスの顔が間近にあった。
「じる……?」
恐るおそる名前を呼べば、彼は真っ直ぐどこかを見つめたまま、抱き締める腕に力を込める。
「遅くなって悪かった」
怒りを孕む低い声ではあったが、不思議とそれが深い安心感を与えてくれる。
彼の首に両腕を回し、力強く抱き締めながら何度も「ジル」と彼の名前を繰り返す。彼の名を呼ぶたびに体の震えは大きくなっていった。
先ほどまで張り詰めていた気が緩み始め、鼻の奥がツンと痛む。
けれど、今ここで泣くわけにはいかない。アデライドの前でこれ以上情けない姿は晒せない、と下唇を噛み締めていると、「なんてこと……」という女性の呟きが聞こえた。
滲む視界を正すように瞬きを繰り返し、ちらりと後ろを振り返る。
「――っ!」
そこに広がる光景に、思わず目を見開いた。
先ほどは気付かなかったが、扉は大きくひしゃげており、壁には大きな切り傷がいくつも付いている。棚は大きく抉れ、テーブルは折れ、花瓶は床でバラバラになっていた。
先ほどまでアデライドに押し倒されていたソファにも無数の切り傷があり、ところどころ綿が飛び出している。
ソファがそのような状態であるように、座ったままの彼女のドレスも無残に裂けていた。白磁のような彼女の肌にも無数の切り傷があり、彼女の髪と同じ、真っ赤な血が腕や頬を染めている。
そして何より衝撃だったのは、アデライドの表情だ。
先ほどまで艶やかに笑んでいた余裕そうな顔はどこかに消え、今は美しさの欠片などまるでない狂気に満ちた目でこちらを睨みつけていたのだ。
「ジルヴィウス……礼儀知らずの小僧がよくも……」
ぞっとするような殺気を孕んだ声に、体が大きく震えた。
彼女は怒りと憎しみを隠すことなく、毛を逆立てる。
「よくも私を傷付けたわねッ!」
彼女が叫ぶと同時に、いくつもの炎の槍がこちらに飛んでくる。
シーラは反射的に目を閉じ、ジルヴィウスの首筋に顔を埋めた。一瞬部屋を満たした熱気に思わず息も止めたシーラだったが、その熱気はジュウウッという音とともに消え去る。
恐るおそる目を開ければ、炎の槍は跡形もなく消え、辺りには水の球体が浮き上がっていた。
その球体は鞭のようにアデライドの元へと伸びていき、彼女の首を絞め宙に吊らす。
「先に俺のものに手を出したのはお前だろう。そもそも、お前が何部の公爵でなければ、この部屋に足を踏み入れた瞬間殺していた。たったそれだけの傷で済んだことを感謝するんだな、アデライド」
「ぐ、ぅ……っ!」
アデライドは苦しそうにもがくと、首を絞めるロープ状の水を掴んだ。すると水は弾け飛び、彼女はソファの上に落ちる。そして休む間もなく、ソファについた手から炎の波を出しこちらに向かわせた。
魔法での応酬というこれまで経験のないことに、ジルヴィウスに抱き着く腕に力を込めてしまう。けれど、魔力を失わせてしまうという自分の体質を考えれば、あまり彼にくっつくべきではないのかもしれない。
一瞬の葛藤のすえ抱き着く腕の力を緩めたものの、ジルヴィウスが思い切り足を踏み鳴らした音に驚き、反射的に腕に力を込め直す。
その瞬きの間に、アデライドから迫る炎の波はジルヴィウスの足元からせり出た氷の壁に阻まれた。
ジルヴィウスが片腕を振ると、部屋の床、壁、天井、壊れた調度品に至るまで、すべてが氷に覆われる。
「ううっ、ぐっ……!」
ソファと接していたアデライドの体の一部も凍り付いたようで、彼女は呻きながら必死に体を捩っている。
部屋中が氷に覆われるとさすがに肌寒く、体が小刻みに震えた。けれどそれも一瞬で、すでに温かいものに体が包まれる。氷が消えたわけではないから、きっとジルヴィウスが保温魔法をかけてくれたのだろう。
こうした状況のなかでも自分への気遣いを忘れないジルヴィウスに、やっと気持ちが落ち着き始める。停止していた頭が動き出し、だんだんと状況を理解してくる。
「……ジル」
深く息を吐き出し、自分のほうを向かせるようにそっと彼の頬に触れれば、彼は揺らめく金の瞳をシーラへと向けた。
「た、助けてくれてありがとう……でも、もういいよ……?」
「もういい? 何がいいんだ?」
「――あああッ!」
地の底から湧き上がるような叫び声に、はっとアデライドへと目を向ければ、彼女は肩を激しく上下させていた。
氷に覆われた肘から先は、どんどん赤く染まっていく。
(あれも、ジルが……?)
痛々しい姿に、心臓が低く脈打っていく。
口の中が渇いていくのを感じながら小さく喉を鳴らすと、アデライドは乱れた髪の隙間からジルヴィウスを見つけ、口元を歪ませた。
「笑わせるわ。あんたみたいな化け物が“愛”だなんて……。人間のふりしたって化け物は人間にはなれな――っぐぅ……!」
「口だけは達者だな、アデライド。そのご自慢の顔をぐちゃぐちゃにすれば二度と余計な口は利かないか?」
肘辺りまであった氷が徐々に上へと伸びていき、彼女の頬にかかったあたりで、アデライドは「いやあ!」と声を上げた。
「そんなことをしてみなさい、ジルヴィウス! どんな手を使ってでも、あんたの前でその小娘を無残に殺してやるわッ!」
「アデライドッ!」
(だめっ……!)
「っジ――」
「そこまでだ!」
部屋中に響き渡る大きな声に、一瞬、空気が止まった。一拍遅れて、声のしたほうへ目を向ければ、杖をついた老人が開け放たれた扉の近くに立っていた。
(あの人は……)
彼は数人の従者を引き連れながら室内に足を踏み入れると、杖で氷の張った床を叩く。
氷は杖先から徐々に水へと変化していき、それが波となって天井まで昇ると弾けるようにどこかへと消え去った。
「まったく、他人のヴィラで好き勝手暴れよって……。――南部公爵。とっくに南部に帰っているはずのおぬしが何故ここにいる?」
「……あら。これは西部公爵。ご機嫌麗しゅう」
西部公爵は、ふん、と鼻を鳴らすと、アデライドに向け顎をしゃくった。後ろに控えていた従者は素早くアデライドの元へ行き、彼女を抱え上げると姿を消す。
アデライドたちが姿を消すと、ジルヴィウスは忌々しげに舌打ちをした。
「モルガン……余計なことを」
「何が余計だ! 人目のあるところでこれ以上やって南部の娘の身に何かあってみろ! 公爵家同士、それも当主同士の争いなど、王家の介入必至だぞ! やるなら目立たないようにうまくやれ!」
「目撃者なんていないことにすれば問題ないだろ」
「うちの者に手を出してみろ! おぬしを苦しませることぐらいはできるのだからな!」
老人は荒れた呼吸を整えるように肩で息をすると、ジルヴィウスへ向けていた目をシーラへと向けた。
「このような初対面になってしまい残念だ。そして申し訳ない。うちの使用人の教育不足のせいで夫人には迷惑をかけた」
胸に手を当て頭を下げた老人――西部公爵に、シーラも慌てて頭を下げる。
「い、いいえ! わたしが軽率に通していいと言ってしまったんです! あっ、えと、初めまして、シーラ・ユニス・バウスコールと申します……!」
ジルヴィウスに抱き上げられたままという不格好なものだったが、先ほどまでの厳しい顔つきを柔らかなものに変え、西部公爵は頷いた。
「モルガン・ルノー・ロージェルだ。せっかくの新婚旅行に水を差してすまなかったね。詫びといっては何だが、別のヴィラを用意させよう。もちろん、警備も使用人も新しい者たちを用意する」
「いえっ、そんな――」
西部公爵は柔らかく微笑んでシーラを制止すると、表情を引き締めてジルヴィウスを見た。
「夫人を連れて二階で待機していろ。すぐに案内を送る」
「礼は言わないぞ、モルガン」
「あっ、ありがとうございます、西部公爵様!」
ジルヴィウスの言葉に被せるようにお礼を伝えれば、モルガンは気難しげな顔をすぐに綻ばせる。
「構わぬとも。ゆっくり休まれるといい、夫人」
「……ふん」
何も言わず西部公爵の横を通り過ぎるジルヴィウスに代わりもう一度お礼を口にすれば、西部公爵は軽く手を振って微笑んだ。
「じる……?」
恐るおそる名前を呼べば、彼は真っ直ぐどこかを見つめたまま、抱き締める腕に力を込める。
「遅くなって悪かった」
怒りを孕む低い声ではあったが、不思議とそれが深い安心感を与えてくれる。
彼の首に両腕を回し、力強く抱き締めながら何度も「ジル」と彼の名前を繰り返す。彼の名を呼ぶたびに体の震えは大きくなっていった。
先ほどまで張り詰めていた気が緩み始め、鼻の奥がツンと痛む。
けれど、今ここで泣くわけにはいかない。アデライドの前でこれ以上情けない姿は晒せない、と下唇を噛み締めていると、「なんてこと……」という女性の呟きが聞こえた。
滲む視界を正すように瞬きを繰り返し、ちらりと後ろを振り返る。
「――っ!」
そこに広がる光景に、思わず目を見開いた。
先ほどは気付かなかったが、扉は大きくひしゃげており、壁には大きな切り傷がいくつも付いている。棚は大きく抉れ、テーブルは折れ、花瓶は床でバラバラになっていた。
先ほどまでアデライドに押し倒されていたソファにも無数の切り傷があり、ところどころ綿が飛び出している。
ソファがそのような状態であるように、座ったままの彼女のドレスも無残に裂けていた。白磁のような彼女の肌にも無数の切り傷があり、彼女の髪と同じ、真っ赤な血が腕や頬を染めている。
そして何より衝撃だったのは、アデライドの表情だ。
先ほどまで艶やかに笑んでいた余裕そうな顔はどこかに消え、今は美しさの欠片などまるでない狂気に満ちた目でこちらを睨みつけていたのだ。
「ジルヴィウス……礼儀知らずの小僧がよくも……」
ぞっとするような殺気を孕んだ声に、体が大きく震えた。
彼女は怒りと憎しみを隠すことなく、毛を逆立てる。
「よくも私を傷付けたわねッ!」
彼女が叫ぶと同時に、いくつもの炎の槍がこちらに飛んでくる。
シーラは反射的に目を閉じ、ジルヴィウスの首筋に顔を埋めた。一瞬部屋を満たした熱気に思わず息も止めたシーラだったが、その熱気はジュウウッという音とともに消え去る。
恐るおそる目を開ければ、炎の槍は跡形もなく消え、辺りには水の球体が浮き上がっていた。
その球体は鞭のようにアデライドの元へと伸びていき、彼女の首を絞め宙に吊らす。
「先に俺のものに手を出したのはお前だろう。そもそも、お前が何部の公爵でなければ、この部屋に足を踏み入れた瞬間殺していた。たったそれだけの傷で済んだことを感謝するんだな、アデライド」
「ぐ、ぅ……っ!」
アデライドは苦しそうにもがくと、首を絞めるロープ状の水を掴んだ。すると水は弾け飛び、彼女はソファの上に落ちる。そして休む間もなく、ソファについた手から炎の波を出しこちらに向かわせた。
魔法での応酬というこれまで経験のないことに、ジルヴィウスに抱き着く腕に力を込めてしまう。けれど、魔力を失わせてしまうという自分の体質を考えれば、あまり彼にくっつくべきではないのかもしれない。
一瞬の葛藤のすえ抱き着く腕の力を緩めたものの、ジルヴィウスが思い切り足を踏み鳴らした音に驚き、反射的に腕に力を込め直す。
その瞬きの間に、アデライドから迫る炎の波はジルヴィウスの足元からせり出た氷の壁に阻まれた。
ジルヴィウスが片腕を振ると、部屋の床、壁、天井、壊れた調度品に至るまで、すべてが氷に覆われる。
「ううっ、ぐっ……!」
ソファと接していたアデライドの体の一部も凍り付いたようで、彼女は呻きながら必死に体を捩っている。
部屋中が氷に覆われるとさすがに肌寒く、体が小刻みに震えた。けれどそれも一瞬で、すでに温かいものに体が包まれる。氷が消えたわけではないから、きっとジルヴィウスが保温魔法をかけてくれたのだろう。
こうした状況のなかでも自分への気遣いを忘れないジルヴィウスに、やっと気持ちが落ち着き始める。停止していた頭が動き出し、だんだんと状況を理解してくる。
「……ジル」
深く息を吐き出し、自分のほうを向かせるようにそっと彼の頬に触れれば、彼は揺らめく金の瞳をシーラへと向けた。
「た、助けてくれてありがとう……でも、もういいよ……?」
「もういい? 何がいいんだ?」
「――あああッ!」
地の底から湧き上がるような叫び声に、はっとアデライドへと目を向ければ、彼女は肩を激しく上下させていた。
氷に覆われた肘から先は、どんどん赤く染まっていく。
(あれも、ジルが……?)
痛々しい姿に、心臓が低く脈打っていく。
口の中が渇いていくのを感じながら小さく喉を鳴らすと、アデライドは乱れた髪の隙間からジルヴィウスを見つけ、口元を歪ませた。
「笑わせるわ。あんたみたいな化け物が“愛”だなんて……。人間のふりしたって化け物は人間にはなれな――っぐぅ……!」
「口だけは達者だな、アデライド。そのご自慢の顔をぐちゃぐちゃにすれば二度と余計な口は利かないか?」
肘辺りまであった氷が徐々に上へと伸びていき、彼女の頬にかかったあたりで、アデライドは「いやあ!」と声を上げた。
「そんなことをしてみなさい、ジルヴィウス! どんな手を使ってでも、あんたの前でその小娘を無残に殺してやるわッ!」
「アデライドッ!」
(だめっ……!)
「っジ――」
「そこまでだ!」
部屋中に響き渡る大きな声に、一瞬、空気が止まった。一拍遅れて、声のしたほうへ目を向ければ、杖をついた老人が開け放たれた扉の近くに立っていた。
(あの人は……)
彼は数人の従者を引き連れながら室内に足を踏み入れると、杖で氷の張った床を叩く。
氷は杖先から徐々に水へと変化していき、それが波となって天井まで昇ると弾けるようにどこかへと消え去った。
「まったく、他人のヴィラで好き勝手暴れよって……。――南部公爵。とっくに南部に帰っているはずのおぬしが何故ここにいる?」
「……あら。これは西部公爵。ご機嫌麗しゅう」
西部公爵は、ふん、と鼻を鳴らすと、アデライドに向け顎をしゃくった。後ろに控えていた従者は素早くアデライドの元へ行き、彼女を抱え上げると姿を消す。
アデライドたちが姿を消すと、ジルヴィウスは忌々しげに舌打ちをした。
「モルガン……余計なことを」
「何が余計だ! 人目のあるところでこれ以上やって南部の娘の身に何かあってみろ! 公爵家同士、それも当主同士の争いなど、王家の介入必至だぞ! やるなら目立たないようにうまくやれ!」
「目撃者なんていないことにすれば問題ないだろ」
「うちの者に手を出してみろ! おぬしを苦しませることぐらいはできるのだからな!」
老人は荒れた呼吸を整えるように肩で息をすると、ジルヴィウスへ向けていた目をシーラへと向けた。
「このような初対面になってしまい残念だ。そして申し訳ない。うちの使用人の教育不足のせいで夫人には迷惑をかけた」
胸に手を当て頭を下げた老人――西部公爵に、シーラも慌てて頭を下げる。
「い、いいえ! わたしが軽率に通していいと言ってしまったんです! あっ、えと、初めまして、シーラ・ユニス・バウスコールと申します……!」
ジルヴィウスに抱き上げられたままという不格好なものだったが、先ほどまでの厳しい顔つきを柔らかなものに変え、西部公爵は頷いた。
「モルガン・ルノー・ロージェルだ。せっかくの新婚旅行に水を差してすまなかったね。詫びといっては何だが、別のヴィラを用意させよう。もちろん、警備も使用人も新しい者たちを用意する」
「いえっ、そんな――」
西部公爵は柔らかく微笑んでシーラを制止すると、表情を引き締めてジルヴィウスを見た。
「夫人を連れて二階で待機していろ。すぐに案内を送る」
「礼は言わないぞ、モルガン」
「あっ、ありがとうございます、西部公爵様!」
ジルヴィウスの言葉に被せるようにお礼を伝えれば、モルガンは気難しげな顔をすぐに綻ばせる。
「構わぬとも。ゆっくり休まれるといい、夫人」
「……ふん」
何も言わず西部公爵の横を通り過ぎるジルヴィウスに代わりもう一度お礼を口にすれば、西部公爵は軽く手を振って微笑んだ。
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