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第一章
三
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ギーが重厚な黒檀の扉をノックすると、中から「入れ」と声が聞こえた。
トランクの持ち手を握り締めながら、ギーに促され室内に入る。
(わあ……)
ジルヴィウスの執務室は壁一面が黒く、調度品の色味も暗いものばかりだった。それでも不思議と陰鬱に感じないのは、吹き抜けになった高い天井や、鮮やかな真紅の絨毯のおかげだろうか。もしくは、調度品の黒檀が、木の温かみを感じさせるのかもしれない。
(――ううん。きっと、ジルがいるからね。ジルがいるから、華やかに見えるの)
ジルヴィウスは、執務机の真後ろにある大きな窓の側に立ち、煌めく金の瞳をシーラへと向けていた。自分を真っ直ぐ見つめるその瞳は力強く、シーラの目も自然と彼に惹きつけられる。
「それでは、私はこれで失礼いたします」
(……!)
思わず二人きりの世界に浸りそうになったシーラは、ギーの声にわずかに肩を跳ねさせる。
今この場にはギーもいたということを思い出し、シーラは案内してくれたお礼を言おうと口を開く。しかし、シーラが何か言うより早くジルヴィウスが動き出し「待て」とギーを制した。
「まだいろ」
短く命令したジルヴィウスは、執務机の前に置かれた三人掛けソファに腰を下ろした。長い足を組み、再びシーラへ目を向けたジルヴィウスは、長机を挟んだ向かい側のソファに座るよう視線で示す。
(え……いいのかな……?)
自分の判断に自信が持てず、窺うようにギーを振り返る。ギーは不機嫌そうな雰囲気を醸し出していたものの、シーラと目が合うと努めてにこやかに頷き返してくれた。
それに安堵し、シーラは慎重に歩みを進める。
ソファの横にトランクを置き、まるでそこだけ時間の流れが違うかのように、ゆっくりとソファに座った。
黒い革張りのソファはふわりと柔らかく、体がわずかに浮いた。思わずバランスを崩しそうになるものの、それをなんとか堪えると、背筋を伸ばす。
真っ直ぐ視線を上げた先で、彼の琥珀のような瞳は、変わらずシーラを捕らえていた。
ジルヴィウスが自分を見ている。
ジルヴィウスの目に自分が映っている。
今、目の前にジルヴィウスがいる。
たったそれだけのことが、この上なく嬉しかった。
「あ、の……」
絞り出すように出た声は、小さく震えていた。
緊張か歓喜か、心臓が激しく脈打っている。そのせいか息苦しくて、話そうと思ってもこれ以上声を出すことができない。
(ずっと……ずっと楽しみにしてたのに……! 昨日だって、何話そうって考えてたのに……!)
ただ静かに自分を見据えるジルヴィウスに、だんだんと体温が上がってくる。
羞恥で顔が熱くなっているのを感じていると、ジルヴィウスが短く息を吐き出した。
呆れられてしまっただろうか、と焦るシーラとは裏腹に、ジルヴィウスは鷹揚に片手を挙げた。挙げた手を軽く振れば、執務机の上にあった書類が一枚、ひらりと宙に浮かぶ。浮かんだ紙は、インク瓶と羽根ペンとともにシーラの前の長机に置かれた。
「婚姻誓約書だ。空いてる欄に名前を書け」
「――えっ?」
ジルヴィウスに言われたことがすぐには理解できず、シーラは一拍置いて、目の前に置かれた書類に目を落とした。
その書類には確かに、婚姻に関する誓いが記されていた。
「……」
シーラは、震える指先を一度強く握り込むと、羽根ペンを取った。すでに書かれていたジルヴィウスの名前に並ぶように、己の名を記していく。文字が震えないよう、慎重にペン先を滑らせながら、シーラは軽く唇を噛んだ。
(……なんとなく、予想はしてたじゃない)
あの手紙が来たときから、なんとなく、式は挙げないのだろうという気はしていた。式は挙げずに婚姻誓約書に名前だけを記入して、それで終わらせるつもりなのだろう、と。
もちろん、それで構わないと思っていた。ジルヴィウスと式を挙げたいという気持ちがないわけではないが、彼から「妻に」と望まれただけでも幸運だったのだと、シーラはその思いを飲み込んだ。
ジルヴィウスの妻になれるだけで、シーラは十分満足だったからだ。
(でも……)
さすがに、これは予想外だった。
式は挙げないにしても、婚姻誓約書の署名は教会で行うと思っていた。
ウェディングドレスを着なくても、列席者がいなくても、教会で婚姻誓約書に署名すれば、それはほとんど式を挙げたのと同義だと。だから、式は挙げなくてもいいのだと。そう思っていただけに、この事務的なやり取りには、冷や水を浴びせられたような心地になった。
“妻”というのはただの役割、役職なのだと、突き付けられているような気分だった。
(“執務室で誓約書に署名”って……仕事みたい)
だがそれも仕方がない、とシーラは小さな笑みを浮かべる。そもそも、ジルヴィウスは「シーラに好意を抱いているから娶りたい」とは言っていない。理由もわからないのに勝手に舞い上がって、一度捨てたはずの“もしかして”を、再び夢見たのが悪いのだ。
シーラは内心自嘲を漏らしながら、羽根ペンを置いた。するとすかさず婚姻誓約書が舞い上がり、ジルヴィウスの目の前に浮く。
彼は何かを確認するようにそれをじっと眺めると、指を鳴らした。それを合図に、広がっていた婚姻誓約書は棒状に丸まり、紐で縛られる。最後に封蝋が押されたかと思うと、婚約誓約書はギーの手元に飛んでいった。
「大司教本人に必ず手渡しし、証明書を貰ってこい」
「……かしこまりました」
ギーはどこか諦めたように息をつくと、一礼して執務室を出て行った。
「あ……」
素早く退室したギーに、思わず小さな声が漏れる。
ジルヴィウスに会いたかった気持ちに変わりはないが、今二人きりになるのは、少々心許なかった。
「あいつが気に入ったのか?」
「!?」
間近で聞こえた声に、シーラの体が大袈裟なくらい跳ねた。
叫ばなかった自分を心の中で褒めつつ、慌てて振り返れば、いつの間に移動したのか、ジルヴィウスが隣に腰掛けていた。
(ち、近い……!)
先ほどの沈んだ気持ちはどこへやら、一気に体温が上がり、心臓が暴れ馬のように跳ねまわっている。突然の近距離に思わず体を引いたシーラだったが、ジルヴィウスはすぐにシーラの腰を抱き、さらに距離を詰めた。
「婚姻誓約書に署名した直後に名残惜しそうに他の男を見ていたかと思ったら、近付いた夫から距離を取ろうとするとはな。とんだ新婦がいたものだ」
「……は……?」
ジルヴィウスの言っていることが何一つ理解できなくて、シーラはぽかんと口を開ける。
ただ呆然とジルヴィウスを見つめていたシーラだが、徐々に彼の相貌が近付いて来ていることに気付き、咄嗟にジルヴィウスの胸を押した。
(!? えっ、かたっ!? 動かないっ……!)
押し返そうと必死に力を込めてみるものの、ジルヴィウスの体はびくともせず、ついに鼻先が触れ合うほどに彼が近付いた。
(えっ……えっ!?)
訳が分からず、シーラは思い切り目を瞑る。
それとほぼ同時に、唇には柔らかいものが押し当てられた。
トランクの持ち手を握り締めながら、ギーに促され室内に入る。
(わあ……)
ジルヴィウスの執務室は壁一面が黒く、調度品の色味も暗いものばかりだった。それでも不思議と陰鬱に感じないのは、吹き抜けになった高い天井や、鮮やかな真紅の絨毯のおかげだろうか。もしくは、調度品の黒檀が、木の温かみを感じさせるのかもしれない。
(――ううん。きっと、ジルがいるからね。ジルがいるから、華やかに見えるの)
ジルヴィウスは、執務机の真後ろにある大きな窓の側に立ち、煌めく金の瞳をシーラへと向けていた。自分を真っ直ぐ見つめるその瞳は力強く、シーラの目も自然と彼に惹きつけられる。
「それでは、私はこれで失礼いたします」
(……!)
思わず二人きりの世界に浸りそうになったシーラは、ギーの声にわずかに肩を跳ねさせる。
今この場にはギーもいたということを思い出し、シーラは案内してくれたお礼を言おうと口を開く。しかし、シーラが何か言うより早くジルヴィウスが動き出し「待て」とギーを制した。
「まだいろ」
短く命令したジルヴィウスは、執務机の前に置かれた三人掛けソファに腰を下ろした。長い足を組み、再びシーラへ目を向けたジルヴィウスは、長机を挟んだ向かい側のソファに座るよう視線で示す。
(え……いいのかな……?)
自分の判断に自信が持てず、窺うようにギーを振り返る。ギーは不機嫌そうな雰囲気を醸し出していたものの、シーラと目が合うと努めてにこやかに頷き返してくれた。
それに安堵し、シーラは慎重に歩みを進める。
ソファの横にトランクを置き、まるでそこだけ時間の流れが違うかのように、ゆっくりとソファに座った。
黒い革張りのソファはふわりと柔らかく、体がわずかに浮いた。思わずバランスを崩しそうになるものの、それをなんとか堪えると、背筋を伸ばす。
真っ直ぐ視線を上げた先で、彼の琥珀のような瞳は、変わらずシーラを捕らえていた。
ジルヴィウスが自分を見ている。
ジルヴィウスの目に自分が映っている。
今、目の前にジルヴィウスがいる。
たったそれだけのことが、この上なく嬉しかった。
「あ、の……」
絞り出すように出た声は、小さく震えていた。
緊張か歓喜か、心臓が激しく脈打っている。そのせいか息苦しくて、話そうと思ってもこれ以上声を出すことができない。
(ずっと……ずっと楽しみにしてたのに……! 昨日だって、何話そうって考えてたのに……!)
ただ静かに自分を見据えるジルヴィウスに、だんだんと体温が上がってくる。
羞恥で顔が熱くなっているのを感じていると、ジルヴィウスが短く息を吐き出した。
呆れられてしまっただろうか、と焦るシーラとは裏腹に、ジルヴィウスは鷹揚に片手を挙げた。挙げた手を軽く振れば、執務机の上にあった書類が一枚、ひらりと宙に浮かぶ。浮かんだ紙は、インク瓶と羽根ペンとともにシーラの前の長机に置かれた。
「婚姻誓約書だ。空いてる欄に名前を書け」
「――えっ?」
ジルヴィウスに言われたことがすぐには理解できず、シーラは一拍置いて、目の前に置かれた書類に目を落とした。
その書類には確かに、婚姻に関する誓いが記されていた。
「……」
シーラは、震える指先を一度強く握り込むと、羽根ペンを取った。すでに書かれていたジルヴィウスの名前に並ぶように、己の名を記していく。文字が震えないよう、慎重にペン先を滑らせながら、シーラは軽く唇を噛んだ。
(……なんとなく、予想はしてたじゃない)
あの手紙が来たときから、なんとなく、式は挙げないのだろうという気はしていた。式は挙げずに婚姻誓約書に名前だけを記入して、それで終わらせるつもりなのだろう、と。
もちろん、それで構わないと思っていた。ジルヴィウスと式を挙げたいという気持ちがないわけではないが、彼から「妻に」と望まれただけでも幸運だったのだと、シーラはその思いを飲み込んだ。
ジルヴィウスの妻になれるだけで、シーラは十分満足だったからだ。
(でも……)
さすがに、これは予想外だった。
式は挙げないにしても、婚姻誓約書の署名は教会で行うと思っていた。
ウェディングドレスを着なくても、列席者がいなくても、教会で婚姻誓約書に署名すれば、それはほとんど式を挙げたのと同義だと。だから、式は挙げなくてもいいのだと。そう思っていただけに、この事務的なやり取りには、冷や水を浴びせられたような心地になった。
“妻”というのはただの役割、役職なのだと、突き付けられているような気分だった。
(“執務室で誓約書に署名”って……仕事みたい)
だがそれも仕方がない、とシーラは小さな笑みを浮かべる。そもそも、ジルヴィウスは「シーラに好意を抱いているから娶りたい」とは言っていない。理由もわからないのに勝手に舞い上がって、一度捨てたはずの“もしかして”を、再び夢見たのが悪いのだ。
シーラは内心自嘲を漏らしながら、羽根ペンを置いた。するとすかさず婚姻誓約書が舞い上がり、ジルヴィウスの目の前に浮く。
彼は何かを確認するようにそれをじっと眺めると、指を鳴らした。それを合図に、広がっていた婚姻誓約書は棒状に丸まり、紐で縛られる。最後に封蝋が押されたかと思うと、婚約誓約書はギーの手元に飛んでいった。
「大司教本人に必ず手渡しし、証明書を貰ってこい」
「……かしこまりました」
ギーはどこか諦めたように息をつくと、一礼して執務室を出て行った。
「あ……」
素早く退室したギーに、思わず小さな声が漏れる。
ジルヴィウスに会いたかった気持ちに変わりはないが、今二人きりになるのは、少々心許なかった。
「あいつが気に入ったのか?」
「!?」
間近で聞こえた声に、シーラの体が大袈裟なくらい跳ねた。
叫ばなかった自分を心の中で褒めつつ、慌てて振り返れば、いつの間に移動したのか、ジルヴィウスが隣に腰掛けていた。
(ち、近い……!)
先ほどの沈んだ気持ちはどこへやら、一気に体温が上がり、心臓が暴れ馬のように跳ねまわっている。突然の近距離に思わず体を引いたシーラだったが、ジルヴィウスはすぐにシーラの腰を抱き、さらに距離を詰めた。
「婚姻誓約書に署名した直後に名残惜しそうに他の男を見ていたかと思ったら、近付いた夫から距離を取ろうとするとはな。とんだ新婦がいたものだ」
「……は……?」
ジルヴィウスの言っていることが何一つ理解できなくて、シーラはぽかんと口を開ける。
ただ呆然とジルヴィウスを見つめていたシーラだが、徐々に彼の相貌が近付いて来ていることに気付き、咄嗟にジルヴィウスの胸を押した。
(!? えっ、かたっ!? 動かないっ……!)
押し返そうと必死に力を込めてみるものの、ジルヴィウスの体はびくともせず、ついに鼻先が触れ合うほどに彼が近付いた。
(えっ……えっ!?)
訳が分からず、シーラは思い切り目を瞑る。
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