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第一章
三十
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◇◇◇
ジルヴィウスは、斜め前にあるシーラ用の業務スペースで本を読み込んでいる彼女を一瞥すると、手元の書類に視線を戻す。
自分が魔力消化体質者だと知ったあの日から、シーラはギーが渡した本を熱心に読んでいた。今読んでいるのは、表題も装飾もない黒革の本のようだ。
(あんな胸糞悪いものをシーラに読ませるのは気が引けるが……知っていたほうが回避できる危機も多くある。魔法も使えず自分を守る術を何も持っていないくせに、お人好しで無鉄砲で怖いもの知らずだからな、あいつは)
そんなシーラだからこそ惹かれたのだという思いは見て見ぬふりをして、ジルヴィウスは数日放置していた手紙を手に取った。
差出人の欄には馴染みのない名前が記され、受取人のところにはジルヴィウスではない名前が書かれている。
(そろそろこの名義も捨てるか。北部のくそ共が執念深くシーラの情報を集めているようだしな。あの家もギーに適当に処分を頼んで……あいつがもっと使えない奴だったら、さっさと首でも落として失踪扱いにしたんだがな)
なんだかんだ文句を言いつつも優秀な側近に内心舌打ちをしながら、馴染みのない相手からの、自分宛ではない手紙の内容を確認する。
手紙には、久々に家族に会えることの喜びや、道中での楽しい思い出、受取人への感謝などが書かれていた。
こうした手紙の書き方を差出人――ギーに教えたのはジルヴィウス自身だが、ただの表向きの文章とは思えないほど情感豊かに書き上げられた手紙を見ると、毎回破り捨てたい衝動に駆れて仕方なかった。
こんなものを読まされるくらいなら、シーラを軽んじたことへの罰は地下牢での折檻だけでよかったか、と思いながら、ジルヴィウスは中身を読み解いていく。
(以前ギーに広めさせた俺とシーラの婚姻話は順調に広まっているようだな。まぁ、だからこそ、北部の死に損ないも暴れてるんだろうが)
北部公爵城に忍ばせている密偵から届いた定期報告書を思い出しながら、ジルヴィウスはわずかに口元を歪める。
(そもそも先に仕掛けてきたのはお前のほうだ。穏便に済ませてやっただけ感謝してほしいくらいだがな)
北部公爵家への怒りでぐしゃぐしゃに握り潰された手紙を裏返すと、ジルヴィウスはそこにギーへの返信を端的に書いていく。
(ぼんくら息子の子を身籠ったアレの情報がもう少し欲しいところだな。城の最奥の塔に入れられていることと、順調に腹がでかくなってることだけはわかったが……あの狡猾な盗人も孫の誕生自体は楽しみにしてるのか? 何かと理由をつけて処分すると思ったが……だが、このまま生かしたとして、アレから産まれてくる子は果たして人の形をしてるかな)
ほのかな罪悪感と後ろめたさにわずかに胸が痛んだ気がしたものの、ジルヴィウスはそれらを気のせいだと一蹴する。
(俺も結局は薄汚い犯罪者だ。北部公爵と変わらず、な)
ジルヴィウスは小さく自嘲を漏らすと、手紙を折りたたみ燃やす。
手紙を包んだ炎はそのまま鳥の形に姿を変え、外へと飛んで行った。
それを見送ったジルヴィウスは、深く息を吐き出すと眉間を揉む。
するとすかさず、「ジル」と心配そうな声が聞こえた。
「具合悪い? 大丈夫?」
シーラはジルヴィウスの元までやって来ると、ぎゅっとジルヴィウスを抱き締める。
特に具合が悪かったわけではなかったが、ジルヴィウスは特に否定せずシーラに身を預けた。
「頭撫でられるのと、ほっぺ撫でられるのだとどっちがいい?」
「お前の好きにしていい」
魔法でシーラを浮かせ、自らの足の上に横向きで座らせると、彼女の頬に口付ける。
爽やかで少し甘いシーラ特有の香りを肺いっぱいに取り込みながら、ジルヴィウスはシーラの方に頭を乗せた。
シーラは何も言わず、甘やかすように頭や頬を撫でる。
(……俺がしたことを知ったら、さすがのお前も俺を軽蔑するかもしれないな)
あのときは善悪の区別がつかず、倫理感すら失い、ただシーラを取り戻すことだけを考えていた。シーラさえ取り戻せるなら、他のことなどどうでもよかった。
今もその気持ちに変わりはないが、もしシーラに軽蔑されたら、と思うと少しだけ胸が苦しくなる。
(だが、何度時間を巻き戻しても、俺は同じ選択をするだろう。お前を確実に取り戻すために。俺にとってお前以外は何の価値もないんだ)
ジルヴィウスは短く息を吐き出すと顔を上げ、愛おしそうに自分を見つめる若草色の瞳を見つめる。
(俺はこれからも、お前には言えないようなことをし続けるだろう)
「どうかした? わたしの顔に何かついてる?」
小首を傾げたシーラの向日葵色の髪が、窓から差す光を受けて眩いほどに輝いている。
この世の光をすべて集めたかのような無垢な輝きを持つ目の前の人物に、ジルヴィウスはわずかに目を細めると、淡く色付いた唇に口付けた。
「ただ見ていただけだ」
「えっ……! それはそれでちょっと……恥ずかしいかも……」
そう言いつつ嬉しそうにはにかむシーラに、胸になんとも言えない甘やかな気持ちが広がっていく。
(お前といると、俺は少しだけ自分のことを好きになれる)
もう一度口付ければ、シーラは目を蕩けさせた。
もっとぐずぐずにシーラを溶かしたくて、シーラの口内に舌を捻じ込む。そのまま腿を撫で、スカートの中に手を入れたジルヴィウスだったが、シーラははっとしたように「待って」と顔を離した。
「ギーは外に出してるから、この部屋には誰も来ないぞ」
「っ、別に嫌ってわけじゃなくて、その……訳が分からなくなる前に、ジルにお願いしたいことがっ……!」
「なんだ」
シーラを執務机の上に座らせ、背中のボタンを外しながら服を脱がせば、シーラは恥ずかしげに瞳を濡らした。澄んだ若草色の瞳に自分が映っていることに心が満たされるのを感じていたジルヴィウスだったが、続くシーラの言葉に一気に心が冷え込む。
「その、そろそろお兄様にお手紙を出したくて……わたしが魔力消化体質者だったことを黙ってた理由は……なんとなくわかったけど、やっぱりお兄様自身に確認したいなって……。もちろん! 出すのはジルのタイミングでいいんだけど……! だめかな……?」
シーラの心の中には自分以外の人間の居場所もある、という事実に苛立ちが込み上げてくる。けれど、裾を掴まれ、上目遣いに見つめられれば、到底だめなどとは言えなかった。
「……わかった」
「! じゃあ――」
「だが、ここから直接お前の兄に手紙を出すことはできない。出す際も受け取る際も人や場所をいろいろと中継させるから、すぐに返事は来ないだろう。それでもいいか?」
「うんっ、もちろん! ありがとう、ジル」
シーラは花が綻ぶように笑むと、ジルヴィウスに抱き着き唇を重ねた。
素直に身を任せるシーラを窺いながら、ジルヴィウスはシーラにわからないよう、皮肉っぽく口元を歪める。
(……お前を傷付けないような人間でいられたらよかった)
シーラの細い首筋に舌を這わせながら、ジルヴィウスは自分を刻み付けるように、その首元に噛みついた。
ジルヴィウスは、斜め前にあるシーラ用の業務スペースで本を読み込んでいる彼女を一瞥すると、手元の書類に視線を戻す。
自分が魔力消化体質者だと知ったあの日から、シーラはギーが渡した本を熱心に読んでいた。今読んでいるのは、表題も装飾もない黒革の本のようだ。
(あんな胸糞悪いものをシーラに読ませるのは気が引けるが……知っていたほうが回避できる危機も多くある。魔法も使えず自分を守る術を何も持っていないくせに、お人好しで無鉄砲で怖いもの知らずだからな、あいつは)
そんなシーラだからこそ惹かれたのだという思いは見て見ぬふりをして、ジルヴィウスは数日放置していた手紙を手に取った。
差出人の欄には馴染みのない名前が記され、受取人のところにはジルヴィウスではない名前が書かれている。
(そろそろこの名義も捨てるか。北部のくそ共が執念深くシーラの情報を集めているようだしな。あの家もギーに適当に処分を頼んで……あいつがもっと使えない奴だったら、さっさと首でも落として失踪扱いにしたんだがな)
なんだかんだ文句を言いつつも優秀な側近に内心舌打ちをしながら、馴染みのない相手からの、自分宛ではない手紙の内容を確認する。
手紙には、久々に家族に会えることの喜びや、道中での楽しい思い出、受取人への感謝などが書かれていた。
こうした手紙の書き方を差出人――ギーに教えたのはジルヴィウス自身だが、ただの表向きの文章とは思えないほど情感豊かに書き上げられた手紙を見ると、毎回破り捨てたい衝動に駆れて仕方なかった。
こんなものを読まされるくらいなら、シーラを軽んじたことへの罰は地下牢での折檻だけでよかったか、と思いながら、ジルヴィウスは中身を読み解いていく。
(以前ギーに広めさせた俺とシーラの婚姻話は順調に広まっているようだな。まぁ、だからこそ、北部の死に損ないも暴れてるんだろうが)
北部公爵城に忍ばせている密偵から届いた定期報告書を思い出しながら、ジルヴィウスはわずかに口元を歪める。
(そもそも先に仕掛けてきたのはお前のほうだ。穏便に済ませてやっただけ感謝してほしいくらいだがな)
北部公爵家への怒りでぐしゃぐしゃに握り潰された手紙を裏返すと、ジルヴィウスはそこにギーへの返信を端的に書いていく。
(ぼんくら息子の子を身籠ったアレの情報がもう少し欲しいところだな。城の最奥の塔に入れられていることと、順調に腹がでかくなってることだけはわかったが……あの狡猾な盗人も孫の誕生自体は楽しみにしてるのか? 何かと理由をつけて処分すると思ったが……だが、このまま生かしたとして、アレから産まれてくる子は果たして人の形をしてるかな)
ほのかな罪悪感と後ろめたさにわずかに胸が痛んだ気がしたものの、ジルヴィウスはそれらを気のせいだと一蹴する。
(俺も結局は薄汚い犯罪者だ。北部公爵と変わらず、な)
ジルヴィウスは小さく自嘲を漏らすと、手紙を折りたたみ燃やす。
手紙を包んだ炎はそのまま鳥の形に姿を変え、外へと飛んで行った。
それを見送ったジルヴィウスは、深く息を吐き出すと眉間を揉む。
するとすかさず、「ジル」と心配そうな声が聞こえた。
「具合悪い? 大丈夫?」
シーラはジルヴィウスの元までやって来ると、ぎゅっとジルヴィウスを抱き締める。
特に具合が悪かったわけではなかったが、ジルヴィウスは特に否定せずシーラに身を預けた。
「頭撫でられるのと、ほっぺ撫でられるのだとどっちがいい?」
「お前の好きにしていい」
魔法でシーラを浮かせ、自らの足の上に横向きで座らせると、彼女の頬に口付ける。
爽やかで少し甘いシーラ特有の香りを肺いっぱいに取り込みながら、ジルヴィウスはシーラの方に頭を乗せた。
シーラは何も言わず、甘やかすように頭や頬を撫でる。
(……俺がしたことを知ったら、さすがのお前も俺を軽蔑するかもしれないな)
あのときは善悪の区別がつかず、倫理感すら失い、ただシーラを取り戻すことだけを考えていた。シーラさえ取り戻せるなら、他のことなどどうでもよかった。
今もその気持ちに変わりはないが、もしシーラに軽蔑されたら、と思うと少しだけ胸が苦しくなる。
(だが、何度時間を巻き戻しても、俺は同じ選択をするだろう。お前を確実に取り戻すために。俺にとってお前以外は何の価値もないんだ)
ジルヴィウスは短く息を吐き出すと顔を上げ、愛おしそうに自分を見つめる若草色の瞳を見つめる。
(俺はこれからも、お前には言えないようなことをし続けるだろう)
「どうかした? わたしの顔に何かついてる?」
小首を傾げたシーラの向日葵色の髪が、窓から差す光を受けて眩いほどに輝いている。
この世の光をすべて集めたかのような無垢な輝きを持つ目の前の人物に、ジルヴィウスはわずかに目を細めると、淡く色付いた唇に口付けた。
「ただ見ていただけだ」
「えっ……! それはそれでちょっと……恥ずかしいかも……」
そう言いつつ嬉しそうにはにかむシーラに、胸になんとも言えない甘やかな気持ちが広がっていく。
(お前といると、俺は少しだけ自分のことを好きになれる)
もう一度口付ければ、シーラは目を蕩けさせた。
もっとぐずぐずにシーラを溶かしたくて、シーラの口内に舌を捻じ込む。そのまま腿を撫で、スカートの中に手を入れたジルヴィウスだったが、シーラははっとしたように「待って」と顔を離した。
「ギーは外に出してるから、この部屋には誰も来ないぞ」
「っ、別に嫌ってわけじゃなくて、その……訳が分からなくなる前に、ジルにお願いしたいことがっ……!」
「なんだ」
シーラを執務机の上に座らせ、背中のボタンを外しながら服を脱がせば、シーラは恥ずかしげに瞳を濡らした。澄んだ若草色の瞳に自分が映っていることに心が満たされるのを感じていたジルヴィウスだったが、続くシーラの言葉に一気に心が冷え込む。
「その、そろそろお兄様にお手紙を出したくて……わたしが魔力消化体質者だったことを黙ってた理由は……なんとなくわかったけど、やっぱりお兄様自身に確認したいなって……。もちろん! 出すのはジルのタイミングでいいんだけど……! だめかな……?」
シーラの心の中には自分以外の人間の居場所もある、という事実に苛立ちが込み上げてくる。けれど、裾を掴まれ、上目遣いに見つめられれば、到底だめなどとは言えなかった。
「……わかった」
「! じゃあ――」
「だが、ここから直接お前の兄に手紙を出すことはできない。出す際も受け取る際も人や場所をいろいろと中継させるから、すぐに返事は来ないだろう。それでもいいか?」
「うんっ、もちろん! ありがとう、ジル」
シーラは花が綻ぶように笑むと、ジルヴィウスに抱き着き唇を重ねた。
素直に身を任せるシーラを窺いながら、ジルヴィウスはシーラにわからないよう、皮肉っぽく口元を歪める。
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