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第三章
八
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一言一句聞き逃さないようしっかり耳を傾けていたというのに、兄の言葉をすぐに呑み込むことができなかった。
(エルネスト様が……何? わたしが洗脳されて、それでジルを好きになってるんじゃないかって……エルネスト様がそう言ったの……?)
優しい眼差しで、いつも穏やかに微笑んでいた人物の姿が、脳裏に浮かぶ。
兄がそんな嘘をつくわけないとわかっているのに、にわかには信じられなかった。
まさかエルネストが、人を惑わすようなことを言うなんて。確信もないのに、人を貶めるようなことを、兄とジルヴィウスを仲違いさせるようなことを言うなんて。
まさか、そんな、と思う一方で、本当に意外だっただろうか、と冷静な自分が問いかけてくる。
(だって……わたしがエルネスト様の何を知ってるというの? エルネスト様とは、表面的な会話しかしなかったのに。エルネスト様が女性を妊娠させたと知ったとき、婚約者ではない女性と夜を共にしたことにも、婚前交渉をしたことにも驚いたのに。そんなことをする人だとは思わなかったって、あのときだって、そう思ったのに)
公明正大で清廉潔白。
誰にでも優しく物腰が柔らかな、みんなの“理想の王子様”。
シーラは、彼をそういう人物だと思って疑わなかった。だって、彼はどんなときでもその姿勢を崩さなかったから。
嫉妬や侮蔑、嫌味が飛び交う社交界の中で、彼だけはいつも真っ直ぐ純粋だった。周りに誰もいないなか、折れた花に「可哀想に」と声を掛けている姿を見たことがある。誰が落としたかもわからないゴミを拾ってハンカチに包んでしまっているのを見たし、誰かの陰口や悪口が飛び出したときは、さりげなく話題を変えたり、時には窘めることもあった。
高位貴族の跡取りであることを鼻にかけることもなく、彼は気さくに人々と言葉を交わした。
まったく隙のない、まさに“完璧”という言葉が似合う人だった。
けれど、本当にそんな人がいるのだろうか。
シーラにとってもっとも素晴らしい人であるジルヴィウスだって完璧とは言い難い。公爵としての仕事は完璧にこなしているが、排他的で攻撃的なところがあり、人当たりがいいとは言えない。
兄しか友人がいないところを見るに、シーラがただ優しいと思っていた昔もそうだったのだろう。
(ジルのことだって、一部しか知らなかった。だからエルネスト様のことも、きっと一部しか知らない。エルネスト様がいい人であることには変わりないだろうけど、わたしが知らない顔だってきっとある)
そう思うものの、もやもやとした気持ちが晴れず、シーラは無意識のうちに腰に回ったジルヴィウスの手を掴んでいた。
大きな手が優しく握り返してくれて、少しだけ気分が晴れる。
「……そうかもしれないって、思ったの? わたしがジルに洗脳されて、それで好きって思い込んでるのかもって……」
重く息を吐き出しながら、兄は「すまない」と小さく漏らす。
「ジルヴィウスがそんなことするわけないと思った。あいつはそんな奴じゃないって。だけど……お前が魔力消化体質者だから……」
「――っ」
「ジルヴィウスがそんな奴じゃないって思う一方で、その可能性も……あるんじゃないかって……。ジルヴィウスは何も言わなかったが、一緒にいるうちに魔力過多症なんじゃないかと思うことがあって……魔力過多症患者にとって、お前は喉から手が出るほど欲しい存在だ。お前はずっとジルヴィウスに好意的だったし、俺がいないときにもしかしたらって」
ジルヴィウスのことをそんな風に疑うなんて、と怒りにも似た気持ちが湧いてくるものの、責めるつもりはないと言ってしまった手前、何も言うことができず、シーラは唇を噛む。
「……言い訳になるが、あのときは俺もいっぱいいっぱいで……エルネストの言葉を有り得ないと切り捨てることができなかった。お前は狭い世界しか生きてないから、お前のためにジルヴィウス以外の可能性も見せたほうがいいと言われたら……」
(……疫病の後処理とか、突然爵位を継いだ忙しさで、あのときのお兄様には余裕がなかった。そこに「わたしのため」なんて言われたら……揺らいじゃうのもしょうがないわ。お兄様がわたしのことを大切にしてくれてるのは、わたしが一番よくわかってるから)
やはり兄を責めることはできないな、と思う一方で、エルネストを問い詰めたい気持ちに駆られる。けれど、どんな説明をされたところで、彼を真に信じることはきっともうできない。だから問うだけ無意味だろう、とシーラは深く息を吐き出した。
「じゃあ、わたしが魔力消化体質者ってことを黙ってたのは、あの時点でわたしが自分のことを知ったら、洗脳してるかもしれないジルを選ぶと思ったから?」
「……そうだ」
「……わたし、洗脳なんてされてないよ」
言いながら、涙が滲んだ。
ジルヴィウスへの気持ちを疑われたことが悲しかったのはもちろんのこと、彼を諦めるしかなくて泣いた過去の日々が思い出され、悔しい気持ちになったのだ。彼を本気で好きでなければ、あんなに悲しく辛い思いなどしなかった。
「ああ、わかってる。……お前が洗脳されてると信じてたわけじゃないが……デビュタントから帰って来たお前が部屋で一人泣いてるのを見て……お前は本当にジルヴィウスを好きだったんだと思った。それから、俺は取り返しのつかないことをしたとも。……そのあともお前に教えなかったのは、完全に俺のエゴだ。今更縁談を断るようなことになったら、勘のいい奴にはお前が魔力消化体質者だとバレてしまうし、北部公爵家を敵に回すことにもなる。絶対にお前を守れると確信を得られない限り、お前に魔力消化体質者だと教えることも、北部公爵家との縁談を断ることも無理だと思った」
「……」
(お兄様の判断は正しいわ。それに……たとえ魔力消化体質者だと教えられて、縁談を断ることができると言われても、多分わたしは断らなかった。ジルとはずっと音信不通で……もう希望はないと思ってたから)
シーラは自分を落ち着かせるように深呼吸をすると「わかった」と頷いた。
抱えていた疑問に答えを得られても、心の靄は晴れない。むしろ、過去のことを思い出して、余計にもやもやしていく。けれど、これは自分で決着をつけるべき感情だと、シーラは己の思いを呑み込んだ。
「ありがとう、お兄様。お兄様は魔力消化体質者の特例事項を知ってたのか、知ってたならどうして教えてくれなかったのかが一番気になってたことだから、答えてもらってよかったわ。あと……本当はわたしの結婚を先延ばしにしてた理由も訊きたかったんだけど、それは今話を聞いててだいだいわかっちゃった。お兄様は、葛藤してたんだよね。エルネスト様の言葉を信じたわけじゃないけど、嘘だとも言い切れなくて……何が一番わたしのためになるのか迷ってたから、なかなか結婚には踏み切れなかった。違うかな?」
「いや、お前の言う通りだ。婚約の解消も簡単なことではないが、結婚はその比じゃない。お前に何かあっても、結婚したあとじゃ俺は手が出せない。もし俺の判断が間違ってたら……そう思うと、簡単に結婚を許すことはできなかった」
真っ直ぐ自分を見つめる兄の目には、強い意志が感じられた。
厳しい状況のなかでも、自分を見捨てず大事にしてくれた兄。
何が最良なのか考え続けてくれていた兄。
兄の気持ちを考えると、やっぱり彼を責めることはできないな、とシーラは小さく笑んだ。
(そもそもお兄様に悪いところはないもの。お兄様を惑わすようなことを言った人が悪い――あれ、でも……)
ふと新たな疑問が湧き、シーラは小首を傾げる。
「じゃあ……突然結婚を許した理由は? 成人して……半年くらい経ったころかな? 突然、話を進め始めたよね? あれはどうして?」
「それは――」
「それは俺の指示だ」
突然聞こえた声に、シーラは勢いよく横を向く。
彼の金の双眸はいつの間にかシーラへと向けられていた。
(エルネスト様が……何? わたしが洗脳されて、それでジルを好きになってるんじゃないかって……エルネスト様がそう言ったの……?)
優しい眼差しで、いつも穏やかに微笑んでいた人物の姿が、脳裏に浮かぶ。
兄がそんな嘘をつくわけないとわかっているのに、にわかには信じられなかった。
まさかエルネストが、人を惑わすようなことを言うなんて。確信もないのに、人を貶めるようなことを、兄とジルヴィウスを仲違いさせるようなことを言うなんて。
まさか、そんな、と思う一方で、本当に意外だっただろうか、と冷静な自分が問いかけてくる。
(だって……わたしがエルネスト様の何を知ってるというの? エルネスト様とは、表面的な会話しかしなかったのに。エルネスト様が女性を妊娠させたと知ったとき、婚約者ではない女性と夜を共にしたことにも、婚前交渉をしたことにも驚いたのに。そんなことをする人だとは思わなかったって、あのときだって、そう思ったのに)
公明正大で清廉潔白。
誰にでも優しく物腰が柔らかな、みんなの“理想の王子様”。
シーラは、彼をそういう人物だと思って疑わなかった。だって、彼はどんなときでもその姿勢を崩さなかったから。
嫉妬や侮蔑、嫌味が飛び交う社交界の中で、彼だけはいつも真っ直ぐ純粋だった。周りに誰もいないなか、折れた花に「可哀想に」と声を掛けている姿を見たことがある。誰が落としたかもわからないゴミを拾ってハンカチに包んでしまっているのを見たし、誰かの陰口や悪口が飛び出したときは、さりげなく話題を変えたり、時には窘めることもあった。
高位貴族の跡取りであることを鼻にかけることもなく、彼は気さくに人々と言葉を交わした。
まったく隙のない、まさに“完璧”という言葉が似合う人だった。
けれど、本当にそんな人がいるのだろうか。
シーラにとってもっとも素晴らしい人であるジルヴィウスだって完璧とは言い難い。公爵としての仕事は完璧にこなしているが、排他的で攻撃的なところがあり、人当たりがいいとは言えない。
兄しか友人がいないところを見るに、シーラがただ優しいと思っていた昔もそうだったのだろう。
(ジルのことだって、一部しか知らなかった。だからエルネスト様のことも、きっと一部しか知らない。エルネスト様がいい人であることには変わりないだろうけど、わたしが知らない顔だってきっとある)
そう思うものの、もやもやとした気持ちが晴れず、シーラは無意識のうちに腰に回ったジルヴィウスの手を掴んでいた。
大きな手が優しく握り返してくれて、少しだけ気分が晴れる。
「……そうかもしれないって、思ったの? わたしがジルに洗脳されて、それで好きって思い込んでるのかもって……」
重く息を吐き出しながら、兄は「すまない」と小さく漏らす。
「ジルヴィウスがそんなことするわけないと思った。あいつはそんな奴じゃないって。だけど……お前が魔力消化体質者だから……」
「――っ」
「ジルヴィウスがそんな奴じゃないって思う一方で、その可能性も……あるんじゃないかって……。ジルヴィウスは何も言わなかったが、一緒にいるうちに魔力過多症なんじゃないかと思うことがあって……魔力過多症患者にとって、お前は喉から手が出るほど欲しい存在だ。お前はずっとジルヴィウスに好意的だったし、俺がいないときにもしかしたらって」
ジルヴィウスのことをそんな風に疑うなんて、と怒りにも似た気持ちが湧いてくるものの、責めるつもりはないと言ってしまった手前、何も言うことができず、シーラは唇を噛む。
「……言い訳になるが、あのときは俺もいっぱいいっぱいで……エルネストの言葉を有り得ないと切り捨てることができなかった。お前は狭い世界しか生きてないから、お前のためにジルヴィウス以外の可能性も見せたほうがいいと言われたら……」
(……疫病の後処理とか、突然爵位を継いだ忙しさで、あのときのお兄様には余裕がなかった。そこに「わたしのため」なんて言われたら……揺らいじゃうのもしょうがないわ。お兄様がわたしのことを大切にしてくれてるのは、わたしが一番よくわかってるから)
やはり兄を責めることはできないな、と思う一方で、エルネストを問い詰めたい気持ちに駆られる。けれど、どんな説明をされたところで、彼を真に信じることはきっともうできない。だから問うだけ無意味だろう、とシーラは深く息を吐き出した。
「じゃあ、わたしが魔力消化体質者ってことを黙ってたのは、あの時点でわたしが自分のことを知ったら、洗脳してるかもしれないジルを選ぶと思ったから?」
「……そうだ」
「……わたし、洗脳なんてされてないよ」
言いながら、涙が滲んだ。
ジルヴィウスへの気持ちを疑われたことが悲しかったのはもちろんのこと、彼を諦めるしかなくて泣いた過去の日々が思い出され、悔しい気持ちになったのだ。彼を本気で好きでなければ、あんなに悲しく辛い思いなどしなかった。
「ああ、わかってる。……お前が洗脳されてると信じてたわけじゃないが……デビュタントから帰って来たお前が部屋で一人泣いてるのを見て……お前は本当にジルヴィウスを好きだったんだと思った。それから、俺は取り返しのつかないことをしたとも。……そのあともお前に教えなかったのは、完全に俺のエゴだ。今更縁談を断るようなことになったら、勘のいい奴にはお前が魔力消化体質者だとバレてしまうし、北部公爵家を敵に回すことにもなる。絶対にお前を守れると確信を得られない限り、お前に魔力消化体質者だと教えることも、北部公爵家との縁談を断ることも無理だと思った」
「……」
(お兄様の判断は正しいわ。それに……たとえ魔力消化体質者だと教えられて、縁談を断ることができると言われても、多分わたしは断らなかった。ジルとはずっと音信不通で……もう希望はないと思ってたから)
シーラは自分を落ち着かせるように深呼吸をすると「わかった」と頷いた。
抱えていた疑問に答えを得られても、心の靄は晴れない。むしろ、過去のことを思い出して、余計にもやもやしていく。けれど、これは自分で決着をつけるべき感情だと、シーラは己の思いを呑み込んだ。
「ありがとう、お兄様。お兄様は魔力消化体質者の特例事項を知ってたのか、知ってたならどうして教えてくれなかったのかが一番気になってたことだから、答えてもらってよかったわ。あと……本当はわたしの結婚を先延ばしにしてた理由も訊きたかったんだけど、それは今話を聞いててだいだいわかっちゃった。お兄様は、葛藤してたんだよね。エルネスト様の言葉を信じたわけじゃないけど、嘘だとも言い切れなくて……何が一番わたしのためになるのか迷ってたから、なかなか結婚には踏み切れなかった。違うかな?」
「いや、お前の言う通りだ。婚約の解消も簡単なことではないが、結婚はその比じゃない。お前に何かあっても、結婚したあとじゃ俺は手が出せない。もし俺の判断が間違ってたら……そう思うと、簡単に結婚を許すことはできなかった」
真っ直ぐ自分を見つめる兄の目には、強い意志が感じられた。
厳しい状況のなかでも、自分を見捨てず大事にしてくれた兄。
何が最良なのか考え続けてくれていた兄。
兄の気持ちを考えると、やっぱり彼を責めることはできないな、とシーラは小さく笑んだ。
(そもそもお兄様に悪いところはないもの。お兄様を惑わすようなことを言った人が悪い――あれ、でも……)
ふと新たな疑問が湧き、シーラは小首を傾げる。
「じゃあ……突然結婚を許した理由は? 成人して……半年くらい経ったころかな? 突然、話を進め始めたよね? あれはどうして?」
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