ルシアナのマイペースな結婚生活

ゆき真白

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第二部 - 第一章

酔ったレオンハルト(五)※

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「言われた通り気持ちよくなれて偉いな、ルシアナ」
「……はい」

 優しく頬を撫でられ、ほうっと息が漏れる。
 言われている内容は少々あれだが、なんであれレオンハルトに褒められるのは嬉しかった。

「んぅ、ぁ……」

 ずるりと彼のものを引き抜かれ、思わず声が漏れる。
 度重なる絶頂で敏感になったルシアナの肌を撫でながら、レオンハルトは目を細めた。

「後ろを向くんだ、ルシアナ。どうすればいいか、わかるだろう?」
「はい……」

 ルシアナは小さく息を吐くと、気だるい体を起こす。そのとき、いまだ天を向いたままのレオンハルトのものが視界に入った。

(いつもだったらすでに一度は果てていらっしゃるのに……)

 やはり感覚が鈍くなっているからうまく快感を得られないのだろうか、と思いつつ、ルシアナはベッドに伏せる。
 羞恥で体温が上がるのを感じながら、上半身をベッドに沈め、見せるつけるように臀部を上げる。

(レオンハルト様に気持ちよくなっていただけるなら、なんだってしたいわ)

 いつも以上に愛でられれば、自分は本当におかしくなってしまうかもしれない。そんな恐怖がほのかにあるものの、レオンハルトのためであればいくらでも付き合いたいと思った。

(だからと言って恥ずかしくないわけではないけれど――)

「――っ」
「いい眺めだな」

 大きな手が太腿を撫で上げ、ぴくりと尻が震える。わざわざ確認しなくても、蜜がたらりと垂れたのがわかる。
 レオンハルトはそのまま尻を揉むと、割れ目に熱いものを擦り付けた。

「ルシアナのものでぬるぬるだな。気持ちよさそうでよかった」
「ふ、ぁ、あっ」

 蜜を広げるように何度か秘裂を往復すると、彼はゆっくり腰を進めていく。蕩けた隘路はどんどん彼のものを呑み込んでいき、彼のものを放したくないときゅうきゅう締め付けた。

「貴女の体は本当に素直で健気だな。だから、いつも少しだけ意地悪をしたくなるんだ」

 え、と思ったのも束の間、彼に腰を掴まれ、どきりと胸が高鳴った。
 これから訪れるであろう衝撃を想像し、思わずシーツを握り込む。けれど、いくら待ってもそのときはやって来なかった。

(……?)

 いったいどうしたのだろう、と身じろいだところで、腰を掴んでいたレオンハルトの手がルシアナの脇腹を撫でた。彼の両手はそのままゆっくり上へとのぼっていき、垂れた胸の膨らみを両手で揉み込んでいく。

「んっ……」

 体重をかけないように気を付けているのか、覆うように体を倒しているにも関わらず、重さはあまり感じなかった。その代わり、深く刺さった彼のものが内臓を押し上げ、気持ちよさと圧迫感に吐息がかすかに震える。

「っふ、ん……」
「貴女の体はなめらかで、柔らかくて、瑞々しくて、とても気持ちいいな、ルシアナ」

 レオンハルトはその感触を確かめるかのように、たぷたぷと乳房を揺らす。まるでマッサージでもするかのようにしばらく胸を揉み込んでいたレオンハルトは、柔らかな胸のなかで唯一硬さのある頂を突如摘まみ上げた。

「ひぁっ、あっ」
「ああ、今中が締まったな。気持ちよかったか? ルシアナ」
「ぁ、ン……きもち、ですっ……っんん!」

 一方の頂は指先で挟んで捏ね、もう一方は指の腹で擦り上げながら、レオンハルトが深く息を吐き出した。

「いじるたびに貴女の体が俺を締め付ける。いつかここだけでも果てられるようになろう。な?」

 そうしてみせる、という強い意志を感じる囁きに、シーツを握り込む指先が震える。
 彼の手によってすでに十分淫らに変えられているというのに、まだこれ以上があると言うのだろうか。

(こわい……けれど、うれしい)

 レオンハルトに触れられ、体が変化していくたび、彼の色に染まっていっているようで嬉しかった。自分が気持ちよさそうにするとレオンハルトも嬉しそうで、「えらい」と褒めてくれるのも喜ばしい。
 この体をレオンハルトのためだけの存在に変えてくれるというのなら、拒否する理由などどこにもないのだ。

(レオンハルト様の好きにしてほしい。――いいえ、好きにされたいのだわ)

 ルシアナは小さく喉を鳴らすと、彼の言葉を了承するように、こくりと頷いた。
 ふ、と空気が揺らめき、彼が笑ったことがわかる。
 今、彼の目を見れないことが残念だった。きっと、あの捕食者のような獰猛な眼差しで自分を見ているに違いない。
 ルシアナを食らい尽くしたいと、凶悪な欲望を滲ませた、あの眼差し。
 鋭く光るシアンの瞳を思い出しただけで、体は歓喜に震えた。

「一人で勝手に気持ちよくなっているのか?」
「ぁ、ごめ、なさ……」
「謝る必要はない。一緒に気持ちよくなれるように、俺が努力すればいいんだからな」

 体を覆っていたレオンハルトの体が離れ、ひやりとした空気が背中を冷やす。それに一瞬、思考が冷静になりかけたものの、腰を掴んだレオンハルトが一気に最奥を貫いたことですぐに頭が真っ白になった。

「ひゃっ、やあっああっ、っぁ、ああっ」

 ぐちゅっ、ぬちゅっ、という水音と、肌がぶつかり合う打擲音が、嬌声と混じり合ってやけに大きく聞こえてくる。けれど、それを恥ずかしいと思う隙などなかった。
 彼は普段、ルシアナをくすることばかり考えて愛でてくるのだが、こうして後ろから抱くときだけは、彼自身の快楽を追い求めるように少しだけ動きが激しくなるのだ。

「あぁあっ、っあ……ひあっ、ぁっ、だめっ……あぁっ……!」

 陽根は無遠慮に隘路を往復し、くびれの出っ張りがごりごりと襞を擦り上げていく。
 普段はあれだけルシアナが傷付くことを厭っているというのに、本当に叩かれているのではと思うくらい、ぱんっぱんっという肉を打つ音が大きく響いている。
 それが、余計にルシアナの情欲を掻き立てた。
 レオンハルトにすっかり慣らされた体は、どこをどう愛でられても快楽を拾っていくのだが、こうして遠慮なく彼に求められるのは、与えられる快感以上の悦楽をルシアナにもたらした。
 普段、この上ないほど大事に大切に愛され、守られているからこそ、レオンハルトの好きにされているという状況を喜ばしく感じるのだ。

「あっ、レオンハルトさまっ、れおんはるとさまぁっ」

 自分を愛してくれている人物を確かめるように、ルシアナは何度も彼の名を口にする。
 顔の下のシーツは涙と涎でびっしょりと濡れていたが、そんなこと気にせず享楽に耽る。

「っひ、あ、ああっ、だめ……! だめ、だめっ、レオンハルト様っ……! だ――っ!」

 屹立の先端が腹側をぐりっと擦り、びくんっと腰が跳ねた。隘路は思い切り彼のものを締め上げるものの、彼はそんなこと意にも介さない様子で腰を打ち付け続ける。
 普段であれば今ぐらいのタイミングでレオンハルトも果てるのに、今日は本当にまだまだ続いてしまいそうだ。

「あっ、ふぅっ……ぅんっ、っああ……!」

 彼の宣言通り、最早なにも考えられず、ただ快楽に身を任せ嬌声を上げることしかできない。
 だんだん気が遠くなり始めたところで、ふと、彼の片手が腰を離れ、汗ばんだルシアナの背を撫でた。彼の手はゆっくりと背中を這っていき、肩甲骨を撫で、肩に触れたかと思うと、曝け出されていたルシアナの首を掴んだ。
 掴む手の力は決して強くなく、軽く押さえつけるようなものだったが、無防備な急所を掴まれているという事実に、ぞくりと背筋が冷えた。けれどそれも一瞬で、彼に支配されているという喜びと絶え間なく与えられる悦楽が、すぐに恐怖を上回る。

「は、ぁっ……っあ――!」

 這い上がってくるような快感に、体の力が抜け始めたところで、うなじに触れていた手が喉へと回る。彼はそのまま喉を絞めないように、顎を押し上げる形でルシアナの体を引き起こした。
 下から突き上げられるまま体を揺らし、導かれるままぼんやりと彼を見上げれば、そこには想像した通りの眼差しで自分を見つめるレオンハルトがいた。
 射貫くようなシアンの瞳に、ぎゅっと隘路が狭まる。

「あっ、は……れお、れおんはるとさまっ……れおんはるとさ、っぁああ――!」

 びくんっと腹が震え、レオンハルトはそれを抑え込むように腹を抱え込む。少しして、小さな呻き声とともに腹の奥に熱いものが広がった。

(……よかった、れおんはるとさまも……)

 きちんと果てられてよかった、という思いは言葉にならず、ルシアナは安堵と多幸感に包まれたまま意識を手放した。
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