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喪失
第58話 脳機能ユニット
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翌日、伊緒は自分の意識が完全にしゃんとなった、ような気がする。
そうなるともうじっとしているのがどうにももどかしく、あまり痛くなくなった身体をおして小さな病院内をうろついた。許可を取れば院外にも出られるとわかり、早速外の空気を吸いに出かける。幸運にもすぐそばにレオナルディのテイクアウトショップがあるのを見つけた。走って行きたいところだったがそうもいかず、まだ少々痛い身体を引きずって店まで行き、パワフルトリプルを買って中庭で食べることにした。こんなことで気持ちが晴れるわけでもないが、少しは気を紛らわせることになるかも知れない、そんな気がした。
蒸して天気が悪いせいか人っ子一人いない中庭を病院内に見つけた伊緒。これ幸いに、とベンチの一つに腰かける。そして厚焼きパテ三枚に厚切りベーコン二枚、それにダブルチーズが挟まったパワフルトリプルバーガーにかぶりつく。トマトもレタスもオニオンもピクルスもあるとは言え、塩分も脂質も栄養もカロリーも考慮されない背徳的な味に伊緒の舌と胃が快哉をあげる。ほんの一瞬、伊緒は底知れぬ心痛を忘れる事が出来た。伊緒は時々親指を舐めつつ、この健康への冒とくを体現したバーガーに夢中になっていた。その時、遠く離れたベンチに二人連れの女性が腰掛けたのに伊緒が気づくはずもない。
伊緒から遠く離れたベンチに座ったのは二人連れで、何やらやけに親密に見える。二人は体を抱え込んで震えているように見える女子中学生と、立派な花束を持った長身の女性形メイドアンドロイドであった。二人は身を寄せ合っては、ひそひそと会話をしていた。何やら気の進まない様子の子供をアンドロイドがあやすように諭しているのが分る。
伊緒はささやかながらも満腹と満足を手に入れ、少し調子に乗って景気づけにハンバーガーの包みに息を吐いて膨らませ、ポンと叩き割った。その音にびっくりした一人と一機が伊緒に視線を向ける。そして音の主が伊緒だと知って驚く。
「伊緒!」
「伊緒さんだったのですか」
「あれ?」
二人のうち中学生に見えたのは希美代で、アンドロイドはジルであった。伊緒と同じく包帯と絆創膏が痛々しい希美代は中庭の玉砂利を勢いよく踏みつけ怖い顔をして速足で伊緒に近づく。棘のある目つきで伊緒を睨む。
「ちょっと、あんたなんだか随分呑気じゃない。ハンバーガーなんか平らげてさ」
「あ、あはは……」
「病室にいらっしゃらなかったので、どうしようか思案していたところだったのです。思ったよりもお元気そうで良うございます」
「あ、ありがとうございます」
「ちょっと何よ随分態度違うじゃないっ」
「い、いや、だって希美代さん怖い」
伊緒が希美代とジルの無事を喜ぶより先に、希美代は鋭い目つきで伊緒に食って掛かる。たじたじとなる伊緒の様子を見てふざけているとでも思ったのか、紀美代の感情が爆発した。
「何言ってるのよ心配してたんだからっ! ほ、ほんとっ心配してたんだからっ…… わ、私がっ、私のせいでっ、シっ、シリルがっ……」
「希美代さん……」
「お嬢さま……」
最後はほとんど泣き声になって、ベンチに腰かけた伊緒の手を握ってがっくりとうな垂れ膝をつく。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
今は本当に泣いている希美代。伊緒は思った。自分こそがもっと上手くやれていたら、他にいい方法を思いついていたら、足元で震えて泣いている小さな希美代を危険にさらしたり辛い思いをさせたりせずに済んだのに、と。
「私が、私がいいかげんな作戦を立てるからこんなことになっちゃって…… 本当にごめんなさい。ただの廃棄よりひどい死なせ方をさせちゃって、私、私っ--」
「そんなことない。それを言うならあたしだっておんなじだよ。希美代さんのせいじゃないよ。誰のせい、って言うなら、それはみんなあたしのせい。あたしが希美代さんやジルさんを巻き込んじゃったのがいけないんだ」
泣きながら頭を乱暴に振る希美代の背中をジルは優しく抱きかかえる。その彼女も沈痛な面持ちだった。
「ああ、そうだ。太賀さんと栄原さんは大丈夫だったんだよね」
悲しみにふけってばかりではいけない、と涙を拭いて面を上げる希美代。
「……ぐすっ。二人共爆発から遠く離れていたから無傷。それでもスクラップの破片が飛んできたりしたみたいだけど」
「よかったあ。二人にまで怪我をさせていたらどうしようかと思っちゃったよ。それにしてもやっぱりすごい爆発だったんだね。希美代さんもジルさんも大変だったね」
「わっ、私はいいのよ、ぐしっ。でもジルが私をかばってひどいダメージを受けて――」
「そのことはもうおっしゃらないで下さいまし。ジルもかようにしてすっかり修復されましたゆえ」
「ほら、また変な喋り方してる。脳機能のダメージがまだ抜けてないの。帰ったらまたチェックするから」
「かしこまりました」
「……ああ、あの、これは良く無い知らせなんだけど。脳機能のことで」
希美代はジルから伊緒に視線を移し、実に申し訳なさそうな表情になる。希美代たちが今日ここに来たのは、伊緒のお見舞いではなく、この「悪い知らせ」を伝えるのが一番の目的なのかもしれない。伊緒はそう直感した。
「……うん」
伊緒は生唾を飲み込んでその悪い知らせを待った。
「私の退院後、私たち事故の遺留品を追っていったの。だけどその中にシリルの躯体の破片ははあれども脳機能ユニットが無くて……」
「ないなんて…… そんなことあるんだ」
これは伊緒にも意外だった。完全に壊れてしまっていたならまだしも、見つからないだなんて、そんなことはあるのだろうか。
「警察や消防が拾い忘れたのかもって、昨日は事故現場を直接捜索したりもしたの。でも見つからなくて」
「そうか……」
「多分、多分、だ、けど…… ばっ、爆発の熱風と衝撃でっ…… うっ、ううっ……」
「……」
伊緒は生気のない眼で足元の玉砂利に視線を落とす。
「……」
希美代の後ろから肩を掴んで身を寄せ、主とともに涙を流さんばかりのジル。
何も見えていない眼をして伊緒はぼんやりと考える。
よくよく考えてみれば、伊緒としてはもうシリルは死んだと認識していたのだ。今更脳機能ユニットが見つからなくても何ら思うことはない。乾いた表情で嗚咽する希美代に言葉をかける。
「いいんだ、いいんだよ希美代さん。あたしもう覚悟を決めていたんだ。それよりも怪我をおして探してくれただなんて、本当にありがとう。こちらこそごめんなさい」
手を握り合って希美代はしばし涙を流していたが、それも収まると三人で病室へ向かった。ジルが花束を活けて床頭台に置く。
三人で一時間以上ぽつりぽつりと話をしてから紀美代とジルは帰って行った。その会話の中には、伊緒が入院中に思い描いていたある事柄について希美代にアドバイスを求めたものもあった。
それからさらに二日後、ようやく伊緒は退院の運びとなった。これで食べたいものが食べられる。好きな時間に寝られる。しかし、シリルのいない毎日は伊緒にとってなんの意味があるのだろうか。
父と共に自動運行車から降りて懐かしの我が家へ。古くて汚いが住み慣れた我が家へ帰りつく。
退院の嬉しさと自宅の懐かしさでさえ、伊緒の気分を少しも軽くしてはくれなかった。荷物を持って雨戸が占めっ放しの自室に入る。
無言で立て付けの悪い雨戸を開けようとした。
そうなるともうじっとしているのがどうにももどかしく、あまり痛くなくなった身体をおして小さな病院内をうろついた。許可を取れば院外にも出られるとわかり、早速外の空気を吸いに出かける。幸運にもすぐそばにレオナルディのテイクアウトショップがあるのを見つけた。走って行きたいところだったがそうもいかず、まだ少々痛い身体を引きずって店まで行き、パワフルトリプルを買って中庭で食べることにした。こんなことで気持ちが晴れるわけでもないが、少しは気を紛らわせることになるかも知れない、そんな気がした。
蒸して天気が悪いせいか人っ子一人いない中庭を病院内に見つけた伊緒。これ幸いに、とベンチの一つに腰かける。そして厚焼きパテ三枚に厚切りベーコン二枚、それにダブルチーズが挟まったパワフルトリプルバーガーにかぶりつく。トマトもレタスもオニオンもピクルスもあるとは言え、塩分も脂質も栄養もカロリーも考慮されない背徳的な味に伊緒の舌と胃が快哉をあげる。ほんの一瞬、伊緒は底知れぬ心痛を忘れる事が出来た。伊緒は時々親指を舐めつつ、この健康への冒とくを体現したバーガーに夢中になっていた。その時、遠く離れたベンチに二人連れの女性が腰掛けたのに伊緒が気づくはずもない。
伊緒から遠く離れたベンチに座ったのは二人連れで、何やらやけに親密に見える。二人は体を抱え込んで震えているように見える女子中学生と、立派な花束を持った長身の女性形メイドアンドロイドであった。二人は身を寄せ合っては、ひそひそと会話をしていた。何やら気の進まない様子の子供をアンドロイドがあやすように諭しているのが分る。
伊緒はささやかながらも満腹と満足を手に入れ、少し調子に乗って景気づけにハンバーガーの包みに息を吐いて膨らませ、ポンと叩き割った。その音にびっくりした一人と一機が伊緒に視線を向ける。そして音の主が伊緒だと知って驚く。
「伊緒!」
「伊緒さんだったのですか」
「あれ?」
二人のうち中学生に見えたのは希美代で、アンドロイドはジルであった。伊緒と同じく包帯と絆創膏が痛々しい希美代は中庭の玉砂利を勢いよく踏みつけ怖い顔をして速足で伊緒に近づく。棘のある目つきで伊緒を睨む。
「ちょっと、あんたなんだか随分呑気じゃない。ハンバーガーなんか平らげてさ」
「あ、あはは……」
「病室にいらっしゃらなかったので、どうしようか思案していたところだったのです。思ったよりもお元気そうで良うございます」
「あ、ありがとうございます」
「ちょっと何よ随分態度違うじゃないっ」
「い、いや、だって希美代さん怖い」
伊緒が希美代とジルの無事を喜ぶより先に、希美代は鋭い目つきで伊緒に食って掛かる。たじたじとなる伊緒の様子を見てふざけているとでも思ったのか、紀美代の感情が爆発した。
「何言ってるのよ心配してたんだからっ! ほ、ほんとっ心配してたんだからっ…… わ、私がっ、私のせいでっ、シっ、シリルがっ……」
「希美代さん……」
「お嬢さま……」
最後はほとんど泣き声になって、ベンチに腰かけた伊緒の手を握ってがっくりとうな垂れ膝をつく。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
今は本当に泣いている希美代。伊緒は思った。自分こそがもっと上手くやれていたら、他にいい方法を思いついていたら、足元で震えて泣いている小さな希美代を危険にさらしたり辛い思いをさせたりせずに済んだのに、と。
「私が、私がいいかげんな作戦を立てるからこんなことになっちゃって…… 本当にごめんなさい。ただの廃棄よりひどい死なせ方をさせちゃって、私、私っ--」
「そんなことない。それを言うならあたしだっておんなじだよ。希美代さんのせいじゃないよ。誰のせい、って言うなら、それはみんなあたしのせい。あたしが希美代さんやジルさんを巻き込んじゃったのがいけないんだ」
泣きながら頭を乱暴に振る希美代の背中をジルは優しく抱きかかえる。その彼女も沈痛な面持ちだった。
「ああ、そうだ。太賀さんと栄原さんは大丈夫だったんだよね」
悲しみにふけってばかりではいけない、と涙を拭いて面を上げる希美代。
「……ぐすっ。二人共爆発から遠く離れていたから無傷。それでもスクラップの破片が飛んできたりしたみたいだけど」
「よかったあ。二人にまで怪我をさせていたらどうしようかと思っちゃったよ。それにしてもやっぱりすごい爆発だったんだね。希美代さんもジルさんも大変だったね」
「わっ、私はいいのよ、ぐしっ。でもジルが私をかばってひどいダメージを受けて――」
「そのことはもうおっしゃらないで下さいまし。ジルもかようにしてすっかり修復されましたゆえ」
「ほら、また変な喋り方してる。脳機能のダメージがまだ抜けてないの。帰ったらまたチェックするから」
「かしこまりました」
「……ああ、あの、これは良く無い知らせなんだけど。脳機能のことで」
希美代はジルから伊緒に視線を移し、実に申し訳なさそうな表情になる。希美代たちが今日ここに来たのは、伊緒のお見舞いではなく、この「悪い知らせ」を伝えるのが一番の目的なのかもしれない。伊緒はそう直感した。
「……うん」
伊緒は生唾を飲み込んでその悪い知らせを待った。
「私の退院後、私たち事故の遺留品を追っていったの。だけどその中にシリルの躯体の破片ははあれども脳機能ユニットが無くて……」
「ないなんて…… そんなことあるんだ」
これは伊緒にも意外だった。完全に壊れてしまっていたならまだしも、見つからないだなんて、そんなことはあるのだろうか。
「警察や消防が拾い忘れたのかもって、昨日は事故現場を直接捜索したりもしたの。でも見つからなくて」
「そうか……」
「多分、多分、だ、けど…… ばっ、爆発の熱風と衝撃でっ…… うっ、ううっ……」
「……」
伊緒は生気のない眼で足元の玉砂利に視線を落とす。
「……」
希美代の後ろから肩を掴んで身を寄せ、主とともに涙を流さんばかりのジル。
何も見えていない眼をして伊緒はぼんやりと考える。
よくよく考えてみれば、伊緒としてはもうシリルは死んだと認識していたのだ。今更脳機能ユニットが見つからなくても何ら思うことはない。乾いた表情で嗚咽する希美代に言葉をかける。
「いいんだ、いいんだよ希美代さん。あたしもう覚悟を決めていたんだ。それよりも怪我をおして探してくれただなんて、本当にありがとう。こちらこそごめんなさい」
手を握り合って希美代はしばし涙を流していたが、それも収まると三人で病室へ向かった。ジルが花束を活けて床頭台に置く。
三人で一時間以上ぽつりぽつりと話をしてから紀美代とジルは帰って行った。その会話の中には、伊緒が入院中に思い描いていたある事柄について希美代にアドバイスを求めたものもあった。
それからさらに二日後、ようやく伊緒は退院の運びとなった。これで食べたいものが食べられる。好きな時間に寝られる。しかし、シリルのいない毎日は伊緒にとってなんの意味があるのだろうか。
父と共に自動運行車から降りて懐かしの我が家へ。古くて汚いが住み慣れた我が家へ帰りつく。
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