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第11話ゴブリン襲来編⑤
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ランガの森は異様に静まり返っていた。鳥のさえずりも、動物の鳴き声も聞こえない。普段と違う森の気配に、集結した冒険者たちの間に緊張感が広がっていく。
「ゴブリンだからといって気を抜くな! 単独行動は禁止。必ずパーティで行動し、連携を怠るな」
ゴブリン殲滅クエストに参加する3つのギルド総勢122名が、『ブルースター』のギルドマスターに注目する。
総指揮を担当するローガンが冒険者たちを前に声を張り上げながら、紅一点である金髪美少女剣士に視線を送る。マリアはローガンに見向きもせず、ただ静かに作戦の開始を待っていた。
「作戦を開始する! 先遣隊、森の中へ!」
ローガンの合図で5名の冒険者が森に足を踏み入れた。いずれも軽装備でスピードに特化した冒険者たちである。等間隔で1列に並んだ5人の冒険者が、周囲を警戒しながら歩調を合わせて進んでいく。
冒険者の一人がゴブリンを発見し、他の冒険者たちに手で合図を送った。冒険者たちが大声を上げてゴブリンを挑発し、踵を返して走り出す。ゴブリンたちが奇声を上げて冒険者を追いかける。森を抜けた冒険者たちのあとから数秒おいて、ゴブリンの集団が飛び出してきた。
「攻撃始めっ!」
ローガンの合図で魔法剣士たちが一斉に攻撃魔法を放った。
鋭い氷の刃が次々とゴブリンの体を貫いていく。すべてのゴブリンが倒れたあとも攻撃の手は緩まず、上空に浮かび上がった魔法陣から無数の氷の刃が降り注いだ。
「攻撃やめ!」
制止の合図を受けて、魔法剣士たちの攻撃が止んだ。
森の入り口は体を氷柱で貫かれたゴブリンの死体が転がり、一面に紫色の血の海が広がっている。
冒険者たちが作戦の成功に歓喜の声を上げる。剣を振り上げて雄叫びを上げる者、抱き合って喜び合う者。浮足立つ冒険者たちを傍目に、マリアだけはジッと森を見据えていた。
(おかしい、数が少なすぎる。20匹もいないなんて……)
マリアの大剣を構える手に力が入る。
「おい、マリア。ビビってんのか? こっちの七割は中級冒険者だ。魔法剣士だっている。ゴブリンごときに負けるはずねぇ。万年ランクCのお前なんかが出る幕ねぇよ」
マリアと同じパーティで後衛を担当するベックが仲間と高笑いする。
マリアは彼の言葉に耳を貸さず、大剣を構えたまま注意深く森を観察した。
「まだ来るぞ。 魔法剣士は備えよ! 魔法攻撃で打ち損じたゴブリンは、前衛部隊で仕留めよ!」
ローガンが指示を終えた次の瞬間、一人の魔法冒険者の顔面に矢が突き刺さり地面に倒れた。
「木の上よ! みんな、防御態勢!」
マリアの叫び声が響いたときには、冒険者たちの頭上から矢の雨が降り注いでいた。
「ゴブリンだからといって気を抜くな! 単独行動は禁止。必ずパーティで行動し、連携を怠るな」
ゴブリン殲滅クエストに参加する3つのギルド総勢122名が、『ブルースター』のギルドマスターに注目する。
総指揮を担当するローガンが冒険者たちを前に声を張り上げながら、紅一点である金髪美少女剣士に視線を送る。マリアはローガンに見向きもせず、ただ静かに作戦の開始を待っていた。
「作戦を開始する! 先遣隊、森の中へ!」
ローガンの合図で5名の冒険者が森に足を踏み入れた。いずれも軽装備でスピードに特化した冒険者たちである。等間隔で1列に並んだ5人の冒険者が、周囲を警戒しながら歩調を合わせて進んでいく。
冒険者の一人がゴブリンを発見し、他の冒険者たちに手で合図を送った。冒険者たちが大声を上げてゴブリンを挑発し、踵を返して走り出す。ゴブリンたちが奇声を上げて冒険者を追いかける。森を抜けた冒険者たちのあとから数秒おいて、ゴブリンの集団が飛び出してきた。
「攻撃始めっ!」
ローガンの合図で魔法剣士たちが一斉に攻撃魔法を放った。
鋭い氷の刃が次々とゴブリンの体を貫いていく。すべてのゴブリンが倒れたあとも攻撃の手は緩まず、上空に浮かび上がった魔法陣から無数の氷の刃が降り注いだ。
「攻撃やめ!」
制止の合図を受けて、魔法剣士たちの攻撃が止んだ。
森の入り口は体を氷柱で貫かれたゴブリンの死体が転がり、一面に紫色の血の海が広がっている。
冒険者たちが作戦の成功に歓喜の声を上げる。剣を振り上げて雄叫びを上げる者、抱き合って喜び合う者。浮足立つ冒険者たちを傍目に、マリアだけはジッと森を見据えていた。
(おかしい、数が少なすぎる。20匹もいないなんて……)
マリアの大剣を構える手に力が入る。
「おい、マリア。ビビってんのか? こっちの七割は中級冒険者だ。魔法剣士だっている。ゴブリンごときに負けるはずねぇ。万年ランクCのお前なんかが出る幕ねぇよ」
マリアと同じパーティで後衛を担当するベックが仲間と高笑いする。
マリアは彼の言葉に耳を貸さず、大剣を構えたまま注意深く森を観察した。
「まだ来るぞ。 魔法剣士は備えよ! 魔法攻撃で打ち損じたゴブリンは、前衛部隊で仕留めよ!」
ローガンが指示を終えた次の瞬間、一人の魔法冒険者の顔面に矢が突き刺さり地面に倒れた。
「木の上よ! みんな、防御態勢!」
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