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第21話ランガの森ダンジョン編②
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王国騎士団第4連隊所属のミラー大隊長は、ギルド協会支部長の話を聞きながら目を細めた。彼の隣に座るヘルトリング中隊長は熱心にメモをとっている。
「つまり、冒険者になって間もない16歳の少女がゴブリンの群れを殲滅し、ネームドに致命傷を与えたという話で間違いないと?」
「はぁ……先ほどから何度も申し上げてるじゃありませんか。クエストに参加したギルマス及び、生存者の全員がそう証言しているのですから。偽りなどございません」
ルドルフのギルド協会支部長は疲れ果てた顔で答えた。
「そうか。ではこれで失礼する」
ミラー大隊長がソファから立ち上がり歩きはじめる。
ヘルトリング中隊長も慌てて立ち上がると、ギルド協会支部長へ丁寧にお辞儀をして部屋をあとにした。
「うさん臭い話だ。ネームドと渡り合った少女、何と言ったか? マリー……フォード」
「マリア・バンフォード。初級ランクAの冒険者です。大剣を使う剣士です」
すかさずヘルトリング中隊長がフォローする。
「直接会って確かめれば済む話だ。よもや騎士団が調査に来るとは思いもするまい。英雄気取りでいい気になってる若造め。思い知らせてやる」
ミラー大隊長が意地の悪い笑みを浮かべた。
小さな田舎町ロームの防具屋は女性客で溢れかえっていた。若くて凛々しい店主を一目見ようと集まった女性客が半分、そしてあとの半分は、今まで見たことのないような美しい刺繍が施された下着を買い求めに来た女性客だった。
「大繁盛で良かったね」
「うちはランジェリー店じゃない! 防具屋だ。下着を宣伝してくれなんて、俺は一言も言ってないぞ」
女性客の去った店内で、ハルトがマリアをにらむ。
「別に宣伝したわけじゃないって。お風呂で着替えてるときに、よく聞かれるのよ。こんな綺麗な刺繍のブラ、他にないでしょ。それにほら、ベックが常連になったじゃない」
マリアが気まずそうに早口で話をそらす。
「そうだぞノロマ。防具だろうが下着だろうが、売れたら金になるんだ。新米が文句言うなっ」
「お前はいつからマリアの味方になったんだ?」
「コイツ、けっこういいヤツだぞ。目上の者を敬う姿勢がなっとる」
ノ―ムがマリアからもらったクッキーにかじりつきながら話す。
「食べ物で買収されやがって」
マリアが笑いながらハルトへクッキーを差し出した。
「みんな、人が来るわよ」
団らんで和む店内にシルフが飛び込んできた。
「客か?」
「違う。ベックもいるけど、あとの2人はおそらく騎士ね。銀髪の少女とデブのおっさん」
「ちょっとシルフ、言い方……」
マリアが思わず吹き出す。
「ノ―ム、大人しくしてろよ」
「ハルト、ブラでも防具でもいから売りつけろよ」
「そいつらが客ならな」
ハルトは店の扉に視線を向け、マリアに目配せすると店の奥へ入って行った。
「つまり、冒険者になって間もない16歳の少女がゴブリンの群れを殲滅し、ネームドに致命傷を与えたという話で間違いないと?」
「はぁ……先ほどから何度も申し上げてるじゃありませんか。クエストに参加したギルマス及び、生存者の全員がそう証言しているのですから。偽りなどございません」
ルドルフのギルド協会支部長は疲れ果てた顔で答えた。
「そうか。ではこれで失礼する」
ミラー大隊長がソファから立ち上がり歩きはじめる。
ヘルトリング中隊長も慌てて立ち上がると、ギルド協会支部長へ丁寧にお辞儀をして部屋をあとにした。
「うさん臭い話だ。ネームドと渡り合った少女、何と言ったか? マリー……フォード」
「マリア・バンフォード。初級ランクAの冒険者です。大剣を使う剣士です」
すかさずヘルトリング中隊長がフォローする。
「直接会って確かめれば済む話だ。よもや騎士団が調査に来るとは思いもするまい。英雄気取りでいい気になってる若造め。思い知らせてやる」
ミラー大隊長が意地の悪い笑みを浮かべた。
小さな田舎町ロームの防具屋は女性客で溢れかえっていた。若くて凛々しい店主を一目見ようと集まった女性客が半分、そしてあとの半分は、今まで見たことのないような美しい刺繍が施された下着を買い求めに来た女性客だった。
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「うちはランジェリー店じゃない! 防具屋だ。下着を宣伝してくれなんて、俺は一言も言ってないぞ」
女性客の去った店内で、ハルトがマリアをにらむ。
「別に宣伝したわけじゃないって。お風呂で着替えてるときに、よく聞かれるのよ。こんな綺麗な刺繍のブラ、他にないでしょ。それにほら、ベックが常連になったじゃない」
マリアが気まずそうに早口で話をそらす。
「そうだぞノロマ。防具だろうが下着だろうが、売れたら金になるんだ。新米が文句言うなっ」
「お前はいつからマリアの味方になったんだ?」
「コイツ、けっこういいヤツだぞ。目上の者を敬う姿勢がなっとる」
ノ―ムがマリアからもらったクッキーにかじりつきながら話す。
「食べ物で買収されやがって」
マリアが笑いながらハルトへクッキーを差し出した。
「みんな、人が来るわよ」
団らんで和む店内にシルフが飛び込んできた。
「客か?」
「違う。ベックもいるけど、あとの2人はおそらく騎士ね。銀髪の少女とデブのおっさん」
「ちょっとシルフ、言い方……」
マリアが思わず吹き出す。
「ノ―ム、大人しくしてろよ」
「ハルト、ブラでも防具でもいから売りつけろよ」
「そいつらが客ならな」
ハルトは店の扉に視線を向け、マリアに目配せすると店の奥へ入って行った。
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