ハルカ・カナタの宇宙戦争

morikawa

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第1章

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「マスター? どうかしかましたか? 大丈夫ですか?」

 ハルカの声で私ははっと我に返る。いつの間にか地球に戻って来てたみたい。

 船は出発した時と同じく、庭の上に浮かんでいる。シートがシュッと小さな音を立てて、私の体を固定から解放した。

「ううん、何でもないよ。昔のこと思い出してただけ」

 私は立ち上がってハルカの方を向く。ハルカもコードが全部外れて、裸で立っていた。う~ん、やっぱりなんか笑っちゃう光景だよね。

 昔のことを全部思い出したせいか、なんだかすごく落ち着いた気分。

 今日はハルカに流されっぱなしだったけど、今ならさっきからずっと言いたかったことがきちんと話せそう。と言っても、まずはこの格好を何とかしてからだけど…

 私達は手早く服を着ると、船の外に出た。

 日はまだまだ高い。ずいぶんと時間が経ったみたいに感じてたけど、ほんの数十分のことだったんだね。

 そんなことを考えながら、入る時と逆に、こんどはゆっくりと地上へ向けて降下する。ふわりと宙に浮かんだまま、私はハルカの手を取った。

「ごめんね、色々忘れてて。でも全部思い出したよ」

「…そうですか、それは良かったです。でもまさか完全に忘れているとは思いませんでしたよ」

「ふふふ。まあ私のすることだからね。それにハルカが妹ってのがしっくりきすぎてたんじゃない?」

「そうですか」

 そう言ってちょっとうつむくハルカを、私は強く抱きしめた。そしてそのまま庭へ着地する。

「ごめんね、最初いらないって言っちゃって。でもそれで良かったと今は思うよ。船のハルカもカッコいいけど、やっぱり私は妹のハルカが一番好き。それがずっと言いたかった」

「マスター…」

 私の腕の中でハルカが少し動く。足場も安定したことだし、私はもっともっとぎゅっとハルカを抱きしめた。

「ハルカもそう思ってたんでしょ? 今日は少し変だったもんね。何か難しいことも色々言って自分を納得させようとしてたみたいだけど、やっぱり私の妹として、私や両親や友達と居た方が楽しいでしょ?」

「…そうですね」

 ハルカは小さく頷く。

「だから、戦闘艦じゃなくて、私の妹として、ずっと一緒に居て。私の妹として、私を助けて」

「分かりました、カナタ」

 ハルカもぎゅっと私を抱きしめてくれた。私達は何も話さず、暫くそうしていた。
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