放課後の図書室

くねひと

文字の大きさ
28 / 45

#28 奴隷に許された言葉

 元々貞操帯は女性向けのものしかなかった。夫が十字軍遠征の間、妻の浮気を封じる目的で作られたものだ。
 ざっくり言うと、薄い金属でできているパンツで、トイレで用を足すのに不自由しないが、性交はできない造りになっている。
 鍵が付いていて勝手に外すことはできない。鍵はもちろん出征する夫が持っていくのだ。

 しかし現代では男性向けの貞操帯も普及している。
 こちらは男性の浮気を封じるという目的もあるにはあるのだろうが、どちらかと言えば純粋にSMプレイを楽しむものだ。
 主に金属製だが、たまにプラスチックのものもある。どちらも肉茎が普通の状態、分かり易く言えば勃起しておらず筒先が下を向いている状態で固定する造りになっている。

 男性が何らかの性的興奮状態になれば、自然と肉茎は硬化しようとする。
 しかし貞操帯を科せられていると思うように硬化できない。その上強烈な痛みが貞操帯の装着者を襲う。ここが女性の貞操帯と大きく異なる点だ。だからこそSMプレイ向けに開発されたのだろう。

 肉茎を押さえつけるという原理から言えば、マコトのスクール水着も一種の貞操帯のようなものだ。
 事実、マコトは反り返らせたくても反り返すことができず、ずっと苦しみ続けている。
 そして林が僕に施した貞操縛りも原理は全く同じだった。

 ただスクール水着は単に上から押さえつけるだけなのに、貞操縛りは肉首を括り上げているため、スクール水着の何倍もの痛み、苦しみがもたらされるのだった。
 この苦しみから逃れるためには肉茎を平常な状態に鎮めなければならない。
しかしいくら頭でそう思っても、絶え間なくバイブの振動を受け続けている肉茎は、僕の体の一部でありながら完全に僕のコントロール下を離れていた……。

「…と……、止…め…て………」
「ああ? 今何か言ったかあ?」
「バ…、バイブを………」
「バイブを何だよ?」
「バイブを……、止めて………」
「人にものを頼むときはもっと丁寧に言えないのかよ!」

 黒瀬は僕をたしなめながら、しかしバイブは正確に僕の肉頭にセットされ、振動を与え続けていた。
 疼くような快感……。
 そして骨身に堪える痛み……。
 男であることがこんなに苦しいとは…。

 いっそ肉茎がなくなってしまえば良いのに…。
 そうも思うが、実際にこの苦しみから解放されるためには黒瀬に懇願し続けるしかなかった。
「ああ…、バイブを止めて………、く、下さい…」
「そう、そう言えばいいんだよ」

 割と素直に黒瀬がバイブのスイッチを切った。
 僕は思わず太い息を吐く。
 まだ肉茎は細紐に引っ張られ、その痛みは消えないが、刺激がなくなれば徐々に軟化していく筈だ。

「うわっ!」
 しかし、黒瀬はほんの少しバイブを止めただけでまたスイッチを入れたのだ。
「と、止めて! バイブを止めて下さい!」
 僕はまた必死に懇願する。

 するといつの間に近づいていたのか、竜崎が僕の耳元でささやいたのだ。
 今度はこうお願いするんだ……。
 少し前ならそんな言葉、絶対に拒んだだろう…。
 だけど、ここまで追い詰められた今、僕はもう彼らの思うがままだった。

「ご、ご主人様、どうぞお許し下さいませ」
「もっと大きな声で!」
「ご主人様、どうぞお許し下さいませ!」

 バイブが止まる。
 しばしの安堵……。しかし数秒後にはまたスイッチが入れられる。

「ご主人様、どうぞ……、どうぞお許し下さいませ…」
 僕は延々と奴隷に許された懇願のセリフを言わされ続けたのだった………。
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

上司と俺のSM関係

雫@23日更新予定
BL
タイトルの通りです。読む前に注意!誤字脱字あり。受けが外面は一人称私ですが、砕けると僕になります。