春休みの過ち

くねひと

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#2 ば、爆発しちゃうよ

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「手こずらせてくれたな」
 ガッチリ後ろ手に縛り上げられ再び仰向けにされると、ジュンは僕の太股辺りにまたがった。
「脱がすからね」
 ジュンの指がパンツに伸びる。

「だ、駄目! 本当に駄目だよ」
 僕は体を揺すって抗った。そんな僕を弄ぶように、ジュンはゆるゆるとパンツを脱がしていく。

「あれ、何だい、こんなに大きくなってる。羞ずかしくないの?」
 そう、僕の肉茎は腹にくっつく程の反り返しを見せていた。顔が真っ赤にほてる。
「ほら、肢を抜きな」
 足首から抜かれたパンツは無造作にベッドの端に放り捨てられた。
 ジュンの手で素裸にされた僕は、せめて自分の局部だけでも隠そうと体をよじり、うつ伏せになろうとするのだが、ジュンにまたがられていてはそれもできない。

「大事なところがモロ見えだよ」
「は、羞ずかしいよ。もういいだろ………」
「でも本当はこんな風にされて嬉しいんじゃないの?こんなにビンビンに張り切っているよ」
 そう言いながらジュンは僕の熱い肉茎を軽くつまみ上げる。

「あ、駄目、手を離して。でないと………」
「でないと、どうなるんだい?」
「ば、爆発しちゃうよ」
「こうされるとかい?」

 ジュンは僕の肉茎をぎゅっと握りしめると、おもむろにゆっくりと上下にしごき始めた。
「や、止めて!」
 けたたましい悲鳴を上げて、僕は体をよじり、ジュンの指から逃れようとするが、後ろ手に縛り上げられている身では逃れられる訳もなかった。

「抵抗したって無駄だよ」
 ほらっ、ほらほらっ……
 着実にジュンは僕を追い詰めていく。僕は歯を喰いしばって耐えるしかない。
 でも、そんな僕をあざ笑うかのようにジュンの指は軽やかに動き、そして僕は羞ずかしいあえぎ声を出さざるを得ないのだった。
「はっ…はあっ…、あ…、あっ、ああ……」
 ジュンの指の動きが早く、そしてより激しくなる。
(駄目だ、逝ってはいけない……。自分の精を噴き散らす様をジュンに見られたくない)
 そう頭の中では思っても、執拗な刺激を受け続ける肉体はもろかった。
「い、くっ!」
 自ら屈服したことを告げると、僕は目をつぶり、顔を横にねじった。
「うわっ…」
 歓声のような、驚きのようなジュンの声。白濁色の精が勢いよくほとばしり、僕の裸の胸、そして腹に噴き散った。高圧電流のような痺れが瞬時に股間から全身に伝わっていく。

(ジュンの………、ジュンの手で逝かされてしまった………)

 性的快感は激しいものだったが、同時に瞬発的なものでもあった。潮が引くように、快感が治まってくると、絶頂感が強かった分その反動は大きく、僕はたまらなく惨めな気持ちに陥った……。
 
 ジュンは無言でティッシュペーパーを丸め、噴き散らされた精を丁寧に拭い取ってくれる。
「すごい量だな、ほら」
 悪戯っぽく、ジュンは丸まったティッシュをわざと鼻先に突きつけてくる。つんと鼻を突く精の青臭い匂い。
 僕は哀しくなった………。

 そして意地悪く笑うジュンの顔も心なしか、沈んでいるようにも見えた。
 何かとてつもない過ちを犯してしまったかのような悔いを笑いの影に隠しているようだ。内心ではちょっとやり過ぎたと後悔しているのかもしれない。

 小学生ならばまだ度の過ぎた悪ふざけですむかもしれない。でもこれが中学生だったら、もう許されはしないだろう。ましてやジュンと僕は高校生なのだ。

 二人は気が付かない間に、いや気が付かないふりをして目に見えない一線を越えてしまったのだ………。
 もう僕たちは普通の友達関係には戻れない。
 僕もジュンも黙り込み、何とも気まずい時間に二人は包み込まれていた………。
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