20 / 40
20.さっさと来いよ転生者
しおりを挟む
8匹の豚達は大人しく座っていた。暴れる気配もない。ネズ公の魔力が消えた事ぐらい分かるだろうに、怒ったりしないのか。
魔族連中がちゃんと加減してくれたようで、数匹の豚ちゃんは顔面が肉まんにみたいになってる。傷跡が無く、スッキリした顔ばかりなのは治癒したからだろう。
ちゃんと半殺しにしたんだね。
馬鹿野郎共が。どこの狂戦士だよ。
このままだと死んじゃう!とか思って回復させたんだろハゲ。もっと小細工を覚えろよ。分かりやすいわ。
さてコイツらどうしてやろうか。マジで興味ねえわ。雌豚はさすがにブサイクそうだし……。興奮しないだろうな。じゃあ全員徴兵して突撃させるか、それとも売れたりするのだろうか。
「怪我人は治療しろ。女性陣は…………」
おいおい!クソエロいなボケッ!なんだよ、魔族全員エロ過ぎるだろ。
何だ?何でだ?人間の美的感覚で言えば化け物だ。
鮫肌だし爪が尖りすぎだし、翼が不気味だし、口裂け女ぐらい口がデカい。綺麗なのは目ぐらいか。
ムラムラする――――。
感覚がバグった?
美醜で言えば間違いなく醜。早押しなら誰にも負けない速さで答えられる。
なのに興奮する。サン○ウィッ○マンぐらい興奮してきた。
「標様?」
「はっ!?ああ、汁?何か汁が出たのか?」
「へ?い、いえ。私は標様と申しただけで……」
「あ、ああそう。ああ!女性陣は怪我人の治療に当たりなさい!さあ、俺の気が変わらない内に行くんだッ!」
「は、はい。失礼します」
マルガリータ、もといモモといい、なんかエロい目で見てしまう。この村で直視できるのはババアぐらいだ。
マジカヨ。
まあいいや。魔族に手を出したらイケないなんて使命はないしな。俺のプレイがいくら激しいからって、彼女たちを壊してしまうことはない。俺だって普通の事ぐらいできるっつーの。
ったく、何だ豚。悲しげだなあ、ネズ公がいなくて寂しいか。
臭え臭え。一気に萎えたわ。
「お前らどうしたい?一応希望を聞こう」
「王様は死んだのか?」
「殺した。次、許可なく質問したら殺す。どうしたいか希望を言え」
「――――新しい森に行きたい」
「行ってどうする。普通に暮らそうとか思ってんのか?」
「そうする。お前とは戦わないと約束する」
「復讐はいつでも歓迎よ。俺が聞いてんのは、普通に暮らせると思ってんのか?人間たちが攻めてくるとは考えないのか?そういう話よ。分かるか?」
「人間……。アイツらが仲間を殺した。だから戦った」
バカだな。知能レベルうんちだ。
肉弾戦車として前線に投入するぐらいだな。
転生者達の実力を測る良い当て馬になりそうだ。馬はいないか。当て豚、当て鳥、当て犬。語感悪いな。
「よしいいだろう。森へ行くことを許可する。ただし、期日は俺が指定する。そして、鳥と犬もまとめて全員で向かえ。分かったか?」
「いつだ?」
「ちょっと待て」
ニンニン、ニンニン、ニンニン。
トゥカナの街に居りますな。いつ来るんだ?ディキの手下はまだ諜報活動してるかな。大体の期日でいいから聞きたいところだ。
「んー未定だ。1週間以内には行かせてやる。それまで飯は今まで通りにしていい」
「分かったありがとう。皆で移動する。時間は守る。残飯と糞を食べる」
「よろしい。頭いいなお前」
「族長だから。ありがとう」
転生者達が動き出したら、コイツらともおさらばだな。ネズ公、ちゃんとミカちゃんを食べてれば殺さなかったのになあ。
※※※
「へえー広いじゃーん」
トゥカナの領主邸に来た私達は寛いでいた。御璽の押された書状を携え、道中はまさに国賓だった。2日の短い旅だったけど優雅で贅沢。文明は日本よりも遅れているけど、人々が頭を下げる姿に気分も高揚した。あの女がこの世界に居座りたがる理由がちょっとだけ分かった気がする。
それでも帰りたい気持ちは変わらない。
絶対に帰る。
この戦いを終わらせて、必ず。
決意を胸にすると自然と手に力が入っていた。この手袋は魔族の皮を剥いで作ったものらしい。魔法耐性が向上する上に、剣を使う私には大切な滑り止めになる。
とても良く手に馴染むし、色も悪くない。手の甲の材質がザラザラしていて、そこだけがマイナスポイントだと思う。
1人に1部屋与えられる程の敷地。
与えられた部屋も寂しくなる程に広い。天蓋付きのベッドに、私には必要ないダークブラウンの机。煌々とする間接照明に手を掛けようかという時、ノックの音が聞こえた。
「はーい」
「よっ」
「幸大。どうしたの?」
「暇だったからさ。邪魔?」
「ううん」
彼の表情は何時もよりも暗い。
当然だ。
死ぬかもしれないのだから。神様から能力を貰っても、絶対はない。
しかも相手は魔王だ。
この世界を長年苦しめた悪の権化で、私達がいなければ、人々は平和に生きられない。
私達には関係のない話。
だけどやるしかない。
私達が帰る条件が魔王と魔族を殺すことだから。
「明日だな」
「うん」
「さすがに恐くね?寝れそうもないわ」
「――寝ないと力が出ないでしょ」
「確かに」
「一緒に寝る?」
「邪魔じゃない?」
「いいよ。この部屋広くて心細いから」
「分かるわー。無駄に広いよな。庶民だから慣れてないわ」
「やっぱ心細くないや。友梨佳、庶民じゃないし」
「はあー?ウザッ。小学校から同じ公立校だろうが」
明日か。
「ヤッとく?」
「寝ないわけ?」
「そんなに眠い?」
「あんまり」
「かもーん友梨佳ちゃん」
「キモッ。ハハハ」
明日だ。
間接照明に手を掛ける寸前、部屋の影が動いた気がした。なんだろう。
手の影が動いただけか。私も緊張しているみたいだ。
※※※
「ディキ~ちょっといいか~?」
魔族連中は俺に認められたのをいい事に魔法をバンバン使っている。しかも上手い。俺よりも早くて的確で激ウマ。
ソッチなら俺も早くて上手いんだけどな。
ボロボロになった牢屋を魔法で消して、そこに野戦病院を建てた。牢屋は石で出来てたのに、何で家や病院は木造なのか。木が好きな民族性なのかと棟梁的な存在の女に尋ねてみたら「簡単だから」らしい。
サバサバ系かよ。コイツ絶対ヤリ○ンだろ。
おっといけねえ、偏見がすごいや。
ヤリ手の棟梁が建てた病院には野郎がたくさん眠っている。本来なら出向くなんて真似はしない。そんな時間があるなら風俗にでも行きたい。向こうにも魔族専門店があったからなあ。
しかし、転生者達は待ってくれない。
青頭がいい例だ。俺の熟女チャンスを奪ってイキリ散らすゴミだ。そんなのと似た奴らがうようよいるんだから、おちおち射○もできねえわけよ。
全員片して、楽しみたいね。しっぽりと夜を明かしたいね。
というわけで、頭が抉れたとか言ってたディキのところへ来たわけだ。
頭に響くかと思って優しい声で、そろーりと部屋へ入った。
――――モグラ叩きだ!
ベッドの周りには数名の人間たちが、床から頭だけ出してブツブツと唱えている。
神への祈りだろうか。
ていうかここ3階なんだけど、2階の天井から下半身が出てるのかね。
まさか、そういうプレイの最中!?
天井から出てくるモノをいじる的な?
難解だ。屈折している。
「標様!」
ディキが驚くと、念仏が止まり視線が集まった。
おっと。
俺はヤオイだろがユリだろうが認める質なんで、ここは潔く引くとしよう。
奴隷の情事を咎めるなんざ、主人としてあるまじき。
俺の性癖も屈折しているんだ。俺に気を使うなんて野暮なことしてくれるなよ?どんどんヤッちゃって構わないぜっ!
「ケケケ。お前たち無礼だぞ、出てこい」
「はっ」
何してんの!見たくない見たくない!野郎のナニなんか見たくないんだ!
「ケケケ。標様?どうされました?」
車に引かれる寸前みたいな、一人演技をかましていると、ディキの素っ頓狂な声がした。
いいんだな?見ても。
マジで見るよ?
ちっ。勘違いかよ。恥ずっ。いい上司ぶりたかったのに、恥ずっ。
「ケケケ。標様もトゥカナの件でございますか?」
「俺も?なんか情報あんの?」
「ケケケ、ございます。話せ」
あらヤダ。美男子じゃないの。ショタじゃないのよ。金持ちでぶよぶよのババアがぺろりしちゃいそうだわ。
「はっ。チェリーフィズと申します、お見知りおき頂ければ幸いでございます」
「チェリーフィズ。人気大爆発しそうな名前だ」
「はっ、有難き幸せ」
え?何が有り難いの?コイツ、とりあえず言っとけばいいやとか思ってんだろ。
可愛いから許すけど。
「情報プリーズ」
「はっ。敵の出発は明日の朝6時でございます」
「早いな。んで、移動は徒歩か?馬車とか乗り物で来るか?それとも瞬間移動か?」
「偵察が数名、付近に瞬間移動してきます。それ以外はこの村の近くまで馬車移動。その後、徒歩に切り替えるようです」
「馬車は停まってたか?」
「はっ」
「お前らの裏をかこうと、嘘の情報を流した可能性は?」
「それはございません。バレるようなヘマは……」
「わーってるよ。でも可能性はあるだろ?」
「そんな気配は全く感じませんでした……」
「ケケケ、チェリーフィズ下がれ。情報を集めた私めの所感でございますが、よろしいですか?」
「もちのろん」
「若いです」
「若い?」
国王の代理であるマリアーネという女の子は弱冠16歳。
そして転生者共も大体そのぐらいの歳だろう。青頭に聞いてないわ。
奴らは力を信じて疑わず、ここに来て夢のような生活を送っている。そこには慢心と、誰もがひれ伏すという誤解がある。
どうやら転生高校生達は、嘘の歴史をしっかり刷り込まれているらしい。
魔王はクソ、魔族はゴミ。人はとにかく苦しめられていて、助けてほしい。そんな声に応じたということになっているそうだ。
実際は家に帰るために仕方なくらしいが。
それでも贅沢な暮らしに慣れれば、失うのが怖くなるだろう。良いように使われていると分かっていても、逃げられなくなる。
きっとそんな奴もいる。
男には美女を与えて、女には財と権力を与えて。
きっちり仕込まれた若者が、必死に考えた策だそうだ。
「ケケケ。青臭いガキの無謀な計画でございます」
「だな。作戦でもなんでもない。正面突破だろ」
「こうも愚かな作戦を国が立案するはずもない。その通り、転生者が計画したのです」
「じゃあ、チェリーボーイから聞いた内容は信じていいってことか」
「その通りでございますが、もう1つの計画が同時に進行するので、そちらもお話してよろしいですか?」
「もう1つね。どうぞ」
「王国は弱りきった両者を諸共消し去る気でございます。ケケケ」
「国って怖いねー」
猿回しが佳境に差し掛かった頃合いで、王国の騎士が群がって来るそうだ。
どっちも邪魔だから。
故郷に帰る術などない。転生者は向こうで死んでいるからだ。神様に聞いたから間違いない。
しかし魔族を消すには力がいる。ならばと転生者を呼び出して、餌を与え、ベルを鳴らすとヨダレを垂らすまでに飼い慣らした。そして嘘の歴史を信じ込ませ、使い捨てにする。誓約という名の嘘をついて、俺たち諸共消し去るそうだ。
若いマリアーネも転生高校生たちも知らない。老獪なジジイ共が考えついたであろう策だ。
張り切る若者には好きにさせ、淡い計画で満足させる。
そして国は裏で糸を張り巡らせておく。俺とガキ共が削り合いボロボロになったところで糸を断ち切ってやれば、一網打尽というわけだ。
傲慢な正義の番人達が、己の保身か希望の鍵を手にするためにやって来る。苦心して創り上げた堅牢な天守閣が砂上の楼閣だと認識できない程に若い者たちが去来する。
そんなガキに魔王と魔族はボロボロになるだろうと思っているカスが、その裏には控えている。ニチャニチャと脂ぎった手でチンポをシゴきながら愉悦に浸ってるのさ。
「楽しみで仕方ない」
「ケケケ。何かお考えが?」
「王国まとめて犯してやろっと」
「ケケケ、壮大なお考えです。時が必要かと」
「ゆったりやるさ。とりあえずはガキんちょの鼻っ柱を叩き折るか」
「標様」
「ん?」
「死体はなるべく魔族に頂けませんか」
「へ?んまあ別にいいけど。なんで?」
「苗床にしたく存じます」
何?創造神は死姦ダイスキっ子なの?
魔族連中がちゃんと加減してくれたようで、数匹の豚ちゃんは顔面が肉まんにみたいになってる。傷跡が無く、スッキリした顔ばかりなのは治癒したからだろう。
ちゃんと半殺しにしたんだね。
馬鹿野郎共が。どこの狂戦士だよ。
このままだと死んじゃう!とか思って回復させたんだろハゲ。もっと小細工を覚えろよ。分かりやすいわ。
さてコイツらどうしてやろうか。マジで興味ねえわ。雌豚はさすがにブサイクそうだし……。興奮しないだろうな。じゃあ全員徴兵して突撃させるか、それとも売れたりするのだろうか。
「怪我人は治療しろ。女性陣は…………」
おいおい!クソエロいなボケッ!なんだよ、魔族全員エロ過ぎるだろ。
何だ?何でだ?人間の美的感覚で言えば化け物だ。
鮫肌だし爪が尖りすぎだし、翼が不気味だし、口裂け女ぐらい口がデカい。綺麗なのは目ぐらいか。
ムラムラする――――。
感覚がバグった?
美醜で言えば間違いなく醜。早押しなら誰にも負けない速さで答えられる。
なのに興奮する。サン○ウィッ○マンぐらい興奮してきた。
「標様?」
「はっ!?ああ、汁?何か汁が出たのか?」
「へ?い、いえ。私は標様と申しただけで……」
「あ、ああそう。ああ!女性陣は怪我人の治療に当たりなさい!さあ、俺の気が変わらない内に行くんだッ!」
「は、はい。失礼します」
マルガリータ、もといモモといい、なんかエロい目で見てしまう。この村で直視できるのはババアぐらいだ。
マジカヨ。
まあいいや。魔族に手を出したらイケないなんて使命はないしな。俺のプレイがいくら激しいからって、彼女たちを壊してしまうことはない。俺だって普通の事ぐらいできるっつーの。
ったく、何だ豚。悲しげだなあ、ネズ公がいなくて寂しいか。
臭え臭え。一気に萎えたわ。
「お前らどうしたい?一応希望を聞こう」
「王様は死んだのか?」
「殺した。次、許可なく質問したら殺す。どうしたいか希望を言え」
「――――新しい森に行きたい」
「行ってどうする。普通に暮らそうとか思ってんのか?」
「そうする。お前とは戦わないと約束する」
「復讐はいつでも歓迎よ。俺が聞いてんのは、普通に暮らせると思ってんのか?人間たちが攻めてくるとは考えないのか?そういう話よ。分かるか?」
「人間……。アイツらが仲間を殺した。だから戦った」
バカだな。知能レベルうんちだ。
肉弾戦車として前線に投入するぐらいだな。
転生者達の実力を測る良い当て馬になりそうだ。馬はいないか。当て豚、当て鳥、当て犬。語感悪いな。
「よしいいだろう。森へ行くことを許可する。ただし、期日は俺が指定する。そして、鳥と犬もまとめて全員で向かえ。分かったか?」
「いつだ?」
「ちょっと待て」
ニンニン、ニンニン、ニンニン。
トゥカナの街に居りますな。いつ来るんだ?ディキの手下はまだ諜報活動してるかな。大体の期日でいいから聞きたいところだ。
「んー未定だ。1週間以内には行かせてやる。それまで飯は今まで通りにしていい」
「分かったありがとう。皆で移動する。時間は守る。残飯と糞を食べる」
「よろしい。頭いいなお前」
「族長だから。ありがとう」
転生者達が動き出したら、コイツらともおさらばだな。ネズ公、ちゃんとミカちゃんを食べてれば殺さなかったのになあ。
※※※
「へえー広いじゃーん」
トゥカナの領主邸に来た私達は寛いでいた。御璽の押された書状を携え、道中はまさに国賓だった。2日の短い旅だったけど優雅で贅沢。文明は日本よりも遅れているけど、人々が頭を下げる姿に気分も高揚した。あの女がこの世界に居座りたがる理由がちょっとだけ分かった気がする。
それでも帰りたい気持ちは変わらない。
絶対に帰る。
この戦いを終わらせて、必ず。
決意を胸にすると自然と手に力が入っていた。この手袋は魔族の皮を剥いで作ったものらしい。魔法耐性が向上する上に、剣を使う私には大切な滑り止めになる。
とても良く手に馴染むし、色も悪くない。手の甲の材質がザラザラしていて、そこだけがマイナスポイントだと思う。
1人に1部屋与えられる程の敷地。
与えられた部屋も寂しくなる程に広い。天蓋付きのベッドに、私には必要ないダークブラウンの机。煌々とする間接照明に手を掛けようかという時、ノックの音が聞こえた。
「はーい」
「よっ」
「幸大。どうしたの?」
「暇だったからさ。邪魔?」
「ううん」
彼の表情は何時もよりも暗い。
当然だ。
死ぬかもしれないのだから。神様から能力を貰っても、絶対はない。
しかも相手は魔王だ。
この世界を長年苦しめた悪の権化で、私達がいなければ、人々は平和に生きられない。
私達には関係のない話。
だけどやるしかない。
私達が帰る条件が魔王と魔族を殺すことだから。
「明日だな」
「うん」
「さすがに恐くね?寝れそうもないわ」
「――寝ないと力が出ないでしょ」
「確かに」
「一緒に寝る?」
「邪魔じゃない?」
「いいよ。この部屋広くて心細いから」
「分かるわー。無駄に広いよな。庶民だから慣れてないわ」
「やっぱ心細くないや。友梨佳、庶民じゃないし」
「はあー?ウザッ。小学校から同じ公立校だろうが」
明日か。
「ヤッとく?」
「寝ないわけ?」
「そんなに眠い?」
「あんまり」
「かもーん友梨佳ちゃん」
「キモッ。ハハハ」
明日だ。
間接照明に手を掛ける寸前、部屋の影が動いた気がした。なんだろう。
手の影が動いただけか。私も緊張しているみたいだ。
※※※
「ディキ~ちょっといいか~?」
魔族連中は俺に認められたのをいい事に魔法をバンバン使っている。しかも上手い。俺よりも早くて的確で激ウマ。
ソッチなら俺も早くて上手いんだけどな。
ボロボロになった牢屋を魔法で消して、そこに野戦病院を建てた。牢屋は石で出来てたのに、何で家や病院は木造なのか。木が好きな民族性なのかと棟梁的な存在の女に尋ねてみたら「簡単だから」らしい。
サバサバ系かよ。コイツ絶対ヤリ○ンだろ。
おっといけねえ、偏見がすごいや。
ヤリ手の棟梁が建てた病院には野郎がたくさん眠っている。本来なら出向くなんて真似はしない。そんな時間があるなら風俗にでも行きたい。向こうにも魔族専門店があったからなあ。
しかし、転生者達は待ってくれない。
青頭がいい例だ。俺の熟女チャンスを奪ってイキリ散らすゴミだ。そんなのと似た奴らがうようよいるんだから、おちおち射○もできねえわけよ。
全員片して、楽しみたいね。しっぽりと夜を明かしたいね。
というわけで、頭が抉れたとか言ってたディキのところへ来たわけだ。
頭に響くかと思って優しい声で、そろーりと部屋へ入った。
――――モグラ叩きだ!
ベッドの周りには数名の人間たちが、床から頭だけ出してブツブツと唱えている。
神への祈りだろうか。
ていうかここ3階なんだけど、2階の天井から下半身が出てるのかね。
まさか、そういうプレイの最中!?
天井から出てくるモノをいじる的な?
難解だ。屈折している。
「標様!」
ディキが驚くと、念仏が止まり視線が集まった。
おっと。
俺はヤオイだろがユリだろうが認める質なんで、ここは潔く引くとしよう。
奴隷の情事を咎めるなんざ、主人としてあるまじき。
俺の性癖も屈折しているんだ。俺に気を使うなんて野暮なことしてくれるなよ?どんどんヤッちゃって構わないぜっ!
「ケケケ。お前たち無礼だぞ、出てこい」
「はっ」
何してんの!見たくない見たくない!野郎のナニなんか見たくないんだ!
「ケケケ。標様?どうされました?」
車に引かれる寸前みたいな、一人演技をかましていると、ディキの素っ頓狂な声がした。
いいんだな?見ても。
マジで見るよ?
ちっ。勘違いかよ。恥ずっ。いい上司ぶりたかったのに、恥ずっ。
「ケケケ。標様もトゥカナの件でございますか?」
「俺も?なんか情報あんの?」
「ケケケ、ございます。話せ」
あらヤダ。美男子じゃないの。ショタじゃないのよ。金持ちでぶよぶよのババアがぺろりしちゃいそうだわ。
「はっ。チェリーフィズと申します、お見知りおき頂ければ幸いでございます」
「チェリーフィズ。人気大爆発しそうな名前だ」
「はっ、有難き幸せ」
え?何が有り難いの?コイツ、とりあえず言っとけばいいやとか思ってんだろ。
可愛いから許すけど。
「情報プリーズ」
「はっ。敵の出発は明日の朝6時でございます」
「早いな。んで、移動は徒歩か?馬車とか乗り物で来るか?それとも瞬間移動か?」
「偵察が数名、付近に瞬間移動してきます。それ以外はこの村の近くまで馬車移動。その後、徒歩に切り替えるようです」
「馬車は停まってたか?」
「はっ」
「お前らの裏をかこうと、嘘の情報を流した可能性は?」
「それはございません。バレるようなヘマは……」
「わーってるよ。でも可能性はあるだろ?」
「そんな気配は全く感じませんでした……」
「ケケケ、チェリーフィズ下がれ。情報を集めた私めの所感でございますが、よろしいですか?」
「もちのろん」
「若いです」
「若い?」
国王の代理であるマリアーネという女の子は弱冠16歳。
そして転生者共も大体そのぐらいの歳だろう。青頭に聞いてないわ。
奴らは力を信じて疑わず、ここに来て夢のような生活を送っている。そこには慢心と、誰もがひれ伏すという誤解がある。
どうやら転生高校生達は、嘘の歴史をしっかり刷り込まれているらしい。
魔王はクソ、魔族はゴミ。人はとにかく苦しめられていて、助けてほしい。そんな声に応じたということになっているそうだ。
実際は家に帰るために仕方なくらしいが。
それでも贅沢な暮らしに慣れれば、失うのが怖くなるだろう。良いように使われていると分かっていても、逃げられなくなる。
きっとそんな奴もいる。
男には美女を与えて、女には財と権力を与えて。
きっちり仕込まれた若者が、必死に考えた策だそうだ。
「ケケケ。青臭いガキの無謀な計画でございます」
「だな。作戦でもなんでもない。正面突破だろ」
「こうも愚かな作戦を国が立案するはずもない。その通り、転生者が計画したのです」
「じゃあ、チェリーボーイから聞いた内容は信じていいってことか」
「その通りでございますが、もう1つの計画が同時に進行するので、そちらもお話してよろしいですか?」
「もう1つね。どうぞ」
「王国は弱りきった両者を諸共消し去る気でございます。ケケケ」
「国って怖いねー」
猿回しが佳境に差し掛かった頃合いで、王国の騎士が群がって来るそうだ。
どっちも邪魔だから。
故郷に帰る術などない。転生者は向こうで死んでいるからだ。神様に聞いたから間違いない。
しかし魔族を消すには力がいる。ならばと転生者を呼び出して、餌を与え、ベルを鳴らすとヨダレを垂らすまでに飼い慣らした。そして嘘の歴史を信じ込ませ、使い捨てにする。誓約という名の嘘をついて、俺たち諸共消し去るそうだ。
若いマリアーネも転生高校生たちも知らない。老獪なジジイ共が考えついたであろう策だ。
張り切る若者には好きにさせ、淡い計画で満足させる。
そして国は裏で糸を張り巡らせておく。俺とガキ共が削り合いボロボロになったところで糸を断ち切ってやれば、一網打尽というわけだ。
傲慢な正義の番人達が、己の保身か希望の鍵を手にするためにやって来る。苦心して創り上げた堅牢な天守閣が砂上の楼閣だと認識できない程に若い者たちが去来する。
そんなガキに魔王と魔族はボロボロになるだろうと思っているカスが、その裏には控えている。ニチャニチャと脂ぎった手でチンポをシゴきながら愉悦に浸ってるのさ。
「楽しみで仕方ない」
「ケケケ。何かお考えが?」
「王国まとめて犯してやろっと」
「ケケケ、壮大なお考えです。時が必要かと」
「ゆったりやるさ。とりあえずはガキんちょの鼻っ柱を叩き折るか」
「標様」
「ん?」
「死体はなるべく魔族に頂けませんか」
「へ?んまあ別にいいけど。なんで?」
「苗床にしたく存じます」
何?創造神は死姦ダイスキっ子なの?
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる