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仁と私のストーリー①
しおりを挟む仁丹…。
それは彼のあだ名…。
彼らの世代では有名人…。
なぜなら彼は現役の暴力団だから…。
私は彼と出会って初めて経験した事。
人間関係が広がった事。
心の温かさを伝えてくれた事。
職業柄は世間に背いているけれど、わたしは彼と共に過ごせる日々を幸せに思う。
そして、私は彼と出会えなければ人生どうなってたか分からなかった程、どん底だった。
今があるのは彼のお陰だと感じています。
彼と私のストーリーが始まり、それと同時に私は母親ではなく女を選んだ。
「 」…良子
『 』…仁
《 》…ゲスト
初めのキッカケ…
仁と私のストーリー ①
2014年12月暦は…師走
世間では年度末の準備に入っているなか、私は親との同居に上手く行かず次女を引き連れ突発的に家をでました。
住む家も、仕事も何もないまま家を飛び出しました。
路頭に迷う日々を過ごす覚悟をした瞬間、昔馴染の知人より連絡がありました。
住み込みで子連れでも働き口があると言われ、私にとっては好条件の話だと思いすぐ返答をしました。
そして、仕事内容を聞きに名古屋市まで走りました。
すると知人は
《身体張る仕事はできるか?》
私は
「どんな仕事でもやるよ」
「私にとっては文句のない環境だし、とにかくまとまったお金が欲しい」
そう答えると知人は淡々と話始めました。
《あるおばあさんの介護ではなく保護だ》
《息子から財産を奪われる環境から救って報酬をもらう》
あるようでないような奥の深い話にすがるつもりで仕事に就きました。
そんな矢先に知人からご飯を誘われ知人宅に行きました。
そこで出会ったのが今の彼…。
仁丹でした。
優しそうなおっとりした感じで、現役の暴力団には私の印象では感じなかった。
何となく世間話から番号を交換し、初めは仁が
『軽く遊べる女性を紹介してくれやん?』
『正月限定でいいから』
それを聞いた私はちょっと引いてしまい曖昧な返答をした。
それから聞きたい事や仕事の取り次ぎの話やらで、ちょくちょく連絡がくるようになった。
年末 も近い頃、仁と電話をした。
『正月の事やけど、良子ちゃんが俺と過ごさへん?』
「私?」
『何か予定ある?』
「今の所予定は立ててないけど…」
『俺と過ごすのは嫌?』
その時の仁の印象が悪くなかったし、すごく心の暖かさを感じる人だなと好感をもっていて、一緒に過ごすのも悪くないなと思いました。
だから、断る理由がなかった。
「予定立てておくよん」
とOKの返事をした。
仁は返事をした日から毎日連絡をくれるようになった。
何も用事はないけれど、仕事が終わると仁と待ち合わせをしてぶらぶらと時間を過ごした。
一緒にいる時間が増えてくたびに仁の存在が大きくなっていくのが自分で分かった。
それに何よりも隣にいる居心地が凄く良かった。
仁も何気に私に興味を持ってるのが私に伝わった。
この頃の仁は凌ぎに詰まっていたようで、いつも弱気な気持ちを私に打ち明けていた。
自然と私は力になれる事があるのなら協力してあげたいと思った。
きっと私はすでに仁の心に入り込んでいたんだと今はそう思う。
大晦日…。
私は昼頃まで仕事にもがいていた。
本当ならば私の仕事の任務は休みを取れる状況ではなかったのだけれど、2日間だけ頂き仁との約束の時間を待った。
仁はこの日、組の行事で年越しをする事になっていたのでいつ身体が空くのかは未定だった。
最初に連絡があった時は
『早く帰れるかもしれへん』
『この後の予定がある事を本部長に話したら親父さん(組長)に予定の事を言ったら帰れるようにできるんじゃない?って言ってくれたから早い時間でも出れる?』
「いつ言われても大丈夫なようにスタンバイはしておくよ」
『定期的に連絡するわ。電話でてな?』
「分かったよ。電話待ってるわ」
その後仁は、何度も連絡してきてまだ帰れない事を逐一私に伝えてくれた。
仁はその度に
『ごめんな。ちゃんと待っててな。ほんとにごめんな』
と何度も謝ってくれるので大晦日を本当に私と過ごす事を楽しみにしていてくれた事が伝わった。
電話でごめんな…。と謝り
メールでごめんな…。と謝る。
そんな仁に私は
「ずっと謝ってばっかりじゃん。そんなに謝る事じゃないし、私は終わるのを待ってるから大丈夫だよ」
「そんなに気にせんといて」
そしてまた仁は
『うん。ごめんな』
私は何度も笑ってしまった。
仁は子供のまま大人になった、少年の心を持ったような人で、見た目は味のついた現役の人…。
中身は暴力団には向かない人情味を持った人。
そのイメージが私の中にインプットされた。
気持ちが一つになった…
仁と私のストーリー ②
1月1日は下の子と仁とまったり過ごし、夜には初雪が降った。
けれど下の子が遊んで過ごす環境ではなかったので、少し機嫌が悪いまま一夜を過ごした。
翌2日の日を迎えたけど、状況が変わらなかったので、仁の家から実家に帰ろうと思ってたら、やっぱり仁も雰囲気をよく思ってなかったようでギクシャクしはじめた。
「そろそろ帰るわ」
『子供がぐずりだしたら俺もどうしたらいいかわからんでそうした方がいいと思う』
「分かった。そうする」
帰る準備をして階段をおりると仁が引き止める言葉を言ってくれる。
これ以上居ても子供の機嫌が直るものでもないと思い大雪の中私は仁の家をでた。
外は凄く寒かった。
雪のなか今後の事を考えた。頭の中は上の娘の事を思い出していた。
現役の暴力団…。
上の娘の時もそうだった。上の娘の父親も当時は現役の暴力団だった…。
幸せを掴む事ができなかったシングルマザーの始まり…。
女としても、家族としても幸せを掴む事ができなかった選択…。
私はいつもそう。
先の事を考えないでその時の感情で周りまでも巻き込んでしまう。
学習出来ないわけではないけれど、なぜかいつも先の人生を考えようとしない。
けれど、後悔はない。
最初のとまどい…
仁と私のストーリー ③
仁との付き合いは最初から悲惨だった。
私が泊まり込みの仕事のため、誤解が生じたり何せ彼は心配症だった。
私が言ってる事や現状を説明しても一度では中々信じてもらえず、口論ばかりの日々で、上手くいかない事が 悩みの種だった。
一言で言えば合わないって思った。
先行きが不安に思ったし、最初からつまづくくらいならここで終わろうと思った。
でも、そういう事にもならず口論は激しくなった。
こんな喧嘩ばかりの状況は今までになかったから、口論さえもしんどかった。
仁の場合は喧嘩の中でも疑いや思い込みが激しく、私が伝えてる事実は受け止めない。
知り合いや友人、前の彼女達の吹き込みや、誤情報ばかりを優先して話を信じる。
だから、私がそこはとかそれは違うと訴えて鎮めようとしても全く信じてもらえない。
こんな事の繰り返し…。
正直先に進まない口論に頭を悩ませた。
時間を起き、掛かってくる電話もメールもシカトした。
言葉がきつくなり、眉間にシワを寄せている自分の顔つきが嫌になった。
ちょっと一息おいて向き合うしか手段がなかったから自己判断でシカトを続けた。
『良子…声が聞きたい…俺が悪かった…』
『連絡待っとる…』
仁の反省の言葉…。
私と同じ気持ちになってくれた…。
すぐに連絡した。
仁は優しい声で私を招いてくれた。
私は
「会える?すぐそっちに行くから…」
優しい仁の言葉と気持ちが私には愛しくてたまらなかった。
仁の優しい言葉は私の心を温かくしてくれる。
仁の気持ちは私の存在を居心地良くしてくれる 。
私の大好きな空間だった。
喧嘩さえなければ私は誰よりも一番愛される幸せな女だと本気で思えた。
この思いがいつまで続くのだろうとこの時は思っていたけど、振り返っている今の私の気持ちは全く変わらず今でも仁を
愛して愛して病まない。
壁にぶつかりつまづいた…
仁と私のストーリー④
仕事と恋愛の両立にはほど遠く、つまづく日々の中、人生最大のどん底に落ちた…。
私の仕事に災難が起きました。
泊まり込みでの介護と保護… 。
特殊な内容にやりがいをもち、睡眠を削って、時には仁との約束をぶちきって専念してきた仕事…。
信用してた知人だからこそ引き受けた仕事…。
私は最終的にだまされた…。
突然、依頼者の家族に打ち切りにさせられ、泊まり込みも突然の解除。
労働対価も打ち切りのせいで3ヶ月分ももらえない状態でストップがかかった。
頭が真っ白になった。
明日からの家は?
仕事は?
労働対価は?
私と子供はどうなるの?
知人に話を突っ込む。
「この状態でどうなんの?もしかしてホンマに撤収で終了?」
《そんな事はない。何の為に今まで身体かけてやってきたんだ?》
《労働対価はこれから請求する。きちんと貰える段取りはできているんだから》
へっっ?これから?
「ちょっと待ってよ!これまでに支払われてない労働対価は?明日からの住みかや生活はどうしたらいいん?」
「いくらかもらわんと路頭の日々が待ってるやん」
《それはきちんと考えてあるから心配するな》
《とりあえず準備段階に入るから明日は何とか泊まる場所を確保できんか?》
「そんなのないよ。心配するなって言うけどプランがないのに不安になるやん」
「聞いてる話と展開が変わってきてるのに安心する方がおかしいよ」
解決があるはずはなく言い合っても仕方がないので今日の所は一旦ひいた。
考えてもしょうがないのは分かってるけど…。
考え込んでいたら仁からの着信…。
『仕事終わったん?』
「終わったよ…」
『もう寝んの?』
「チビがまだ寝てないからもうちょい起きてる」
『今日はこれやんの?』
「今日はやめとく…明日からちょっと現状が変わったからバタバタするでさ…」
『どうしたん?何かあったん?……言えやん事なん?』
「…。…。仕事が明日までになった…。他の仕事があると思うで仕事は大丈夫やと思うんやけど…」
『そこから通うん?』
「そんな事はできやんよ。おばあさんの家やし…。それが出来るなら助かるけどな…」
『住む所どうすんの?あんの?』
「仕事の人が何とか考えてくれてると思う…」
考えてくれてるはずはないに等しいのに…。
強がりからか見栄を切ってしまった。
素直に話して相談すればいいのに余計な所で強がる。
男に好かれないあかんタイプのストライクゾーン!
仁には何も相談できず当日を迎えた。
この日は仕事ではなく撤退の為の荷造りで夕方を迎えた。
伊藤(知人の名前)はその場しのぎの今後あるであろう仕事の予定をさらっと述べ、自分は仕事が残ってると言いつけとっとと解散した。
何か気力が一気に抜けた…。
この先の事を考えるのを一旦ストップさせ、今日の宿はビジネスホテルに決めて娘と宿泊先に向かった。
宿泊先に着き腰をおろしたとたん、不安が襲ってきた。
労働対価がでるまでこんな生活では所持金が持たないし、娘を振り回してては娘が不安定になってしまう事を心配した。
でもどうすることも私にはできないし、知人をこのまま信じて連絡をまち、再びそこで仕事を続けた方がいいのかどうかの判断もできないまま、置かれたレールを走る結果になった。
夜中に仁から着信があった。
『今、どこ?』
「ビジネス!チビと二人できたよ」
『ずっとビジネス?』
「とりあえず今日だけ?!」
『寝るところが毎日違ったら子供がかわいそうちゃう?』
その言葉が私の不安の的に入り、腹をたててしまい、
「そんな事言われんでも私が一番分かってるわ」
「そやけど、突然の事態やから仕方ないやん。別に仁には迷惑かけてないでいいやろ!!」
完全な八つ当たり…。
余計な言葉まで言ってしまい後に戻る余裕すらなくなっていた。
『心配で言っただけで切れられたらこっちが腹立つわ。いっつも良子は俺の事考えやんと言うな‼』
「自分で分かってる事言われたら腹立つやろ⁉」
「もういいわ…電話切るわ」
『ごめん…何か困った事あったら言うておいでよ。怒らんとってな。ごめんな』
仁にとっては十分過ぎるほどの気を使ってくれた。
明日の朝10時にはチェックアウト…。
明日は日曜日…。
仕事の依頼もない…。
その後娘とどこで過ごそうか?
所持金に余裕などない。
イライラが止まらなかった。
朝を迎えてしまった…。
足取りが進まないままチェックアウト…。
そして目的ないまま車を発信させた。
車は走り続けるが、方向性も目的もない。
考えが浮かばない。
時間だけが過ぎる。
少し身体を休めたい…。
目についたのは大きなゲームセンターの駐車場だった。
時間は3時すぎ…。
寝てる娘を見たら可哀想で涙がでてきて、逆にいい加減な扱いをした知人に腹が立ち、今の思いをぶつけようと連絡した。
「色々考えてみたんやけど、やっぱり子供が傍におっては何の仕事もできんし、信用もつかんと思う」
「けど、私は小さい下の子を連れて実家を飛び出してきた身分やから現状は何も変えられへん」
「だから子供を一時的だけ児童相談所に預け入れて仕事をする方法をとろうと思う」
『そこまでの覚悟を決めた事は間違ってないと思うぞ。つらいかもしれんがこの選択も方法の一つやと俺は思う』
私は正直、正しいか間違いか何かはわからない。この時は判断能力さえ働かなかったし、選択肢なんてあるわけない。
明日から娘を食べさす事もできなかったら私たちはの垂れ死んでしまう。
追い詰められての決断に、伊藤は冷静な態度でまるで他人事のような言葉…。
会社経営者としての部下の扱いに残酷を感じた。
私は伊藤に対して疑問を抱きだした。
最悪な決断…
仁と私のストーリー ⑤
翌日、私は考えていた通り娘の生活の保障が、今の器量ではできないので母として失格と言われてしまうけど、何とか娘だけでも生活保障してもらえるように児相(児童相談所)に娘を連れて訪問しました。
色々複雑なので理解してもらえるかどうか不安だったけど、話終わった時には全て把握してもらっていました。
『お母さんの厳しい環境は理解出来ました』
『いろんな事が重なっているので娘さんもちょっと不安定なのかもしれないね』
『お母さんが希望する一時的な保護としては環境や状況によって異なるので厳しいかもしれない』
『お母さんもとても身体と心がかなり疲れていると思うよ』
『だから希望としては、児相(児童相談所)に預けて生計が成り立っように努力するまでは娘さんを私達がお預かりしても大丈夫?』
『そう考えてる?』
「はい…すぐ迎えに行くのでお願いします」
涙がとまらない……。
こんな経験をあってはならないし、子供にさせてはならない。
この日から私は娘の最低な母親になった。
365/1日… の確率…
信実の愛=本音の裏側が本音…
仁と私のストーリー ⑥
仁と迎えた最初の春…。
何気に聞いた誕生日。私の耳がピクンと反応した。
「えっ?!マジで?!4月28日?…私も4月28日なんだけど…」
『うそやっ?!マジで?…』
お互いおどろいた…。
私はこんな偶然もあるんだとうれしかった。
けれど、同じ誕生日が逆に私を苦しめる事になるなんて思ってなかった。
私と仁の生活は相変わらずけんかの多い日々だった。
理由はその時によって違うけど、たどり着く内容はほぼ毎回変わらない。
なぜか理由からかけはなれて、行き着く口論の内容は毎度おんなじ。
仁はなぜ過去の話を引っ張り出してけんかのたびに引き出すのか?
私には理解できなかった。
「なんで過ぎたことを今になって言うの?」
『お前がそういう態度で言うからやないか』
「今の問題に何の関係性もないやん。挙げ足をとるかのように責めてこんといて」
『関係性は一緒やないか』
???
一緒?
違うことくらい分かってるんじゃないの?
なぜ同じ事にこだわるのか疑問だった。でもその理由が分かった。
仁のトラウマ…。
仁の過去を最初の頃に話してくれた事があった。
仁は今までに刑務所を7~8回程務めあげているから彼女との交際が長続きする事はほとんどなく、苦い経験の繰り返しで今がある。
仁は相手にいつも真剣なのに、彼女側は仁と交際するとメリットがあるらしく、そこそこの好きの感情で彼女のポジションにつき、嫌になれば去っていく彼女が多かった。
その目的は様々らしいけど、そんな出会いばかりで彼女達が語る気持ちや感情に疑いをもち、信用する事ができない。
本音の裏側が本音…。
難しいけど、これが仁の考え方。
「好きやから一緒におりたいんよ。だからこうやって喧嘩してても別れずここに戻ってきてるやん」
「なんでそんな事が分からんの?」
『好きならそんな態度はせぇへん。』『ただ今は他にええ人おらんし、俺ととりあえずおれば金はかからん』
『喰わしてくれるでおるだけで他にすきな人できたらそっちにいくつもりなんやろ』
『すいとるだけ吸いとるんやろ?違うか?』
『ホンマに俺の事好きなら俺を喰わせるだけの金を運んでくるのが女や』
『でもお前はそんな努力もせん。金あっても出さん。そんなんで好きやからって言われて信じれるか?』
喧嘩した時の仁の口癖…。
またトラウマからの仁義スタイル…。
私は頭の中でこの下りのタイトルを勝手につけため息をつく。
仁が言う事は分からないわけではないよ。
だって凌ぎが回らずしんどい時期に出会ったから、いろんな悩みを聞いてきたんやから。
だから、仕事がおわれば仁の家に向かいごはんやたばこ、時にはガソリン代も助けた時期があった。
そこからが交際のスタートなので仁は私がお金が目的じゃない事くらい分かってると思ってた。
だから風俗で働いて助けるからって言って仁の目の前で面接の予約もしたよね?
けれど、風俗の仕事はさすがに仁は割りきれなかったのか賛成しなかった。
『他の男に身体みせるのを考えるだけで気がおかしくなるわ。他に色々あるやないか?!』
「そやけど…あんたが言う喰わせろって時給ナンボの次元では到底おっつかへんで」
「組代やら色々諸々で仁が言うてる金額の一部にもならへん。そんなんでどうしろ?って言うの?」
そんなやり取りで話した事があった。
私は仁が言うことや、喧嘩して暴言を吐く言葉一つ一つを正面で受け入れてたので本音として理解してきた。
けれど仁は言う…。
『俺が喧嘩して吐く言葉には思ってない言葉でも言うてまうでな…』
それってひどくない??
『仕事でも金をようけ稼げって言ってるんじゃないよ』
『パートでもいい。金を稼ぐ姿勢が大事であって金の多さじゃない』
?????…
どういう事?
喧嘩の度に言われるお金の事…。
だったら喧嘩の時の暴言はどんな意味がこもってんの?
簡単に言うけど、私は真剣に聞いて真剣に答えて傷ついてる事を気づいてる?
仁はどんな思いでどんな事を考えているのか分からなくなった。
愛の深さで伴う行動力…
仁と私のストーリー ⑦
誕生日を迎える4月…。
私には仁には言えない秘密の悩みがあった。
それは、共通の知人がいて仁にとっては兄貴分にあたる人にお金を借りていた。
毎月返済を頑張っていたけど、全てを失ってしまった私に返済能力もなく返せなくなった。
知人からの連絡もとらなくなってどうしようもできなくなった。
今まではこんなだらしない事をしたことはないので罪悪感があった。
仁にはその内バレる。
バレて知られるまずいことはないので自分から打ち明けた。
「竹さんとこから借金してる。毎月15000円返済してたけど、先月からストップしてる」
「はっ⁉ マジで?! それははらわなアカンヤロ?何でや?!ないんか?」
「払えるお金がない…」
『払う金ははらわなあかんで俺が出すから納めてこい』
自分の借金を誰かに埋めてもらう…。
現状に情けなく思い仁の心遣いに感謝し、ありがたく頂きました。
けれど、今回はクリアしたけど来月からは甘えるわけにはいかないと思いながらも先行きがないまま過ぎていきました。
そう考えると月日は早くまた返済能力のないまま返済日を迎えました。
お金がない状態でお金のかかる事を考えると、無いのは無いとしか行き着かない事に気付き、そこで出た結果は開き直りでした。
人は善にもなれるし、悪にもなれるとはこの事なんでしょうか?
返済を気にする仁を振り切り私は開き直り…
人が一番やってはいけない行動を数月過ごしてしまう結果…。
ゴール地点は相手の怒りと苛立ちでした。
何気にでてしまった着信。
言い訳ができるはずもなく問い詰められる。
仁との付き合いを黙り続けてきたのにあっさり認めてしまった仁…。
黙り続けた訳は仁のほうに返済の責任がいってしまうから…。
けれど、仁は認め完済の約束を交わす…
えっ?! なんでっ?! …。
私の判断は仁の業界では間違ってる。でも…。
「なんで認めるん?私は違うって言ってるのにそっちが認めたらどうなるか分かってるやろ?」
「そこだけは避けてきたんちゃうん?」
『事実やもん。認めやな…全額払うからもうええやん』
「迷惑かけるのが嫌でそのスタイルにしてきたのになんでよ…」
『やっぱり払うもんはちゃんとはらわな…』
『どんなお金にしろ向こうは間違ってないよ…』
『俺が払うんやでええやん…』
仁が言ってる事に間違いはない。
でも、私は出させてしまった事と責任をとれない現状に情けなくなった。
感謝…! 感謝…!
ここまで抱え込んでくれる仁の気持ちがありがたかった。
けれど私は感謝と気持ちとは裏腹な態度を取り言ってはいけない事を言ってしまう。
「なんで払うの…? なんで認めるの…?」
「払わんといてって言ったやん…」
気持ちを裏切る最低な言葉。
仁は顔を見ずつぶやく…。
『払って終わったんやでもうええやん…』
『俺が勝手に払ったんやからそれでいいやん…』
私は人間失格や…。
仁に言わせてしまったセリフ…。
私は甘える事ができない不器用な可愛くない女だと確定した。
「ごめんな… ありがとう…」
要約言えたタイミングが悪い言葉…。
私は仁の気持ちと感情を傷つけてしまった…。
一生忘れない2人の為だけの記念日…
仁と私のストーリー ⑧
私と仁の誕生日!
後5日… 。後4日…。
二人の誕生日までカウントダウン。
どうしよう…。
お金がない…。
当然の現状。
住まいも仕事もあるはずがなく、もちろんお金もない。
そして一緒に居るはずの娘もここには居ない。
児相(児童相談所)に預けてから2日後、緊急と判断し、裁判所の決定通知の内容は住居不定のため、行政勧告…。
南山寮施設に入所。
すごく申し訳ない決断。
けれどそうする術しか思い付かなかった。
娘にとってはわたしといる環境より行政にお願いする方が安心だと思う。
今年に入って住む家も仕事もお金も そして…
娘…。
全て失った。
私は下の娘だけではなく、親と同居が上手くいかずとっさに飛び出した家に上の娘を置いてきてしまった。
家を出る時に上の娘には尋ねた。
「もうお母さん、さっちゃん(娘がオバアちゃんを名前で呼んでいる)と生活するの無理やから出ていくからあんたも用意して」
『はっ?学校あるやん。無理っ💢いかん』
「お母さんが出ていくのにおれるわけないやろ?」
💢はやくっ!用意してっ💢」
『みすずはいきたくないって言ってるやん…』
私の勝手な行動に娘は泣きながら抵抗した。
私は出ていく事しか考えがなく娘が嫌がる態度をみて連れていくのをあきらめ、あっさり出ていった。
普通はそんな事できない。
私は最低だ。
4月28日… 。
ない… 。 ない…!
プレゼントを買うお金がない… 。
私は仁に少し早いプレゼントを貰っていた。
クロム・ハーツのピアス…。
これいくらすんの?!
プレゼントは値段ではないけど、仁の生活スタイルは現役である限り常に上級の生活を維持する。
だから安い服、安い車は使用しない。
ハードルがすでに高いから低くはできない。
どうしょう…。
誕生日を祝う価値なし…。
『良子は仕事してないし、収入がないで俺のプレゼントはええよ』
お金がないからプレゼントを買ってないと察した仁の言葉…。
「ごめんな。今日までは買えやんだけど絶対渡すから遅れて渡すから待って欲しい」
『無理せんでええよ…』
本当は欲しかったプレゼント。
お金さえあれば買っていたプレゼント。
何だか誕生日は苦しかった。
しこりを残したまま数日が過ぎた。
2日に1回のペースの喧嘩。
いつのまにか生活スタイルの一部になっているような疲れる喧嘩。
この日から私の苦しみが始まった。
『お前はどうせ俺の事なんかちっとも好きじゃないやないか?!💢』
「はっ?好きじゃないのに付き合ってんの?!💢」
「そんな奴どこ探してもおらんやろ?嫌いなら別れてるわ💢」
『誕生日のプレゼントもくれやんやないか?!💢』
『好きならくれるわ』
『俺から貰ってくくせにお前は買ってもくれへん』
何っ💢?! こいつっ💢?!
お金がないから買えないって分かってるくせに、ここで言える事がないからって挙げ足とるか?!💢
仁の言い方はホンマにきつい…。
憎くてたまらない相手に向かって言葉を吐く。
この言葉にぴったり当てはまる顔つきと暴言で私を責める…。
びどいわ…。
弱味握られてるみたいやん…。
プレゼント買えなかった理由知ってるやん…。
知ってて言うてるならもっときついで…。
この喧嘩の日から仁はプレゼントを渡すまで喧嘩の度に私を責める言葉を言い続けた。
母として残酷な選択…
女としての幸せな選択…
仁と私のストーリー ⑨
下の娘を児相(児童相談所)に預けた後、住む場所を無くした現状を察して仁が言ってくれた。
『俺の所へおいで…』
そう言って手を差しのべてくれた。
そして
『俺と結婚しょ』
『下の子引き取ってみんなで生活しよよ』
『…うん!結婚する…』
久しぶりの号泣…。
タイミングが良いプロポーズ。
すごく嬉しかった事を今でも覚えてる。
仁は本当に心のある温かい人だと確信した。
仁を私は決して裏切れない…。
心が繋がった瞬間を感じたからその思いを思い出せば絶対に私は裏切る事はないと思う。
私は仁の思いや気持ちを胸に刻んだ。
だけど、現実を考えると現役の暴力団との結婚はすごく厳しい。
なぜならいろんな規制がかかるからだ。
何に対しても名義人にはなれないし、レンタカーで車を借りる事だって罰せられる。
一般社会の中で1人の人間として生きて行くことすら必死な暴対法。
冷静になると考えてしまうけど、結婚に対して引け目などない。
この人と思えた自分の判断を信じて仁について行こうと決めた!
私の先行きが進まないまま月日だけが過ぎていく。
仁と私は相変わらず喧嘩が絶えない日々になやまされている…。
ぴったり交わらない運命にあるのだろうか!?
私の母はこう言う。
《あんたたちは気が合わなくて喧嘩をするんじゃないんよ》
《お互いが好きすぎてるから、合わなくなってるんよ》
あっ?! なるほどー。
母の意見に驚いた!!
逆の発想なんて考えもつかなかった。
やっぱり年の数だけ生きてきただけはある人です。
私はこの言葉を聞いてすごく安心しました。母の言葉はずっと私の頭の中に残っています。
傍に居てくれたから…
今が在る私の再出発…
仁と私のストーリー ⑩
夏に近づく6月…
私は要約名古屋市に住まいを抱える事ができた。
ここにくるまでにはホントに色々あり、大変だった。
母とのわだかまりも解決し、上の娘と一緒に住む事になった。
引っ越し先と引っ越しの日にちを仁には伝えていない。
そこには私なりの理由があった。
荷物が片付き部屋がきちんと完成したら
知らせるつもりで内緒のまま引っ越しをし、片付けに時間を費やした。
また口論…,。
『お前はどこにおんのや?💢』
『えっ?なんで?』
『用事あるって言って会おうとせんやないか?!💢』
「引っ越しの話せんけど引っ越ししたんやろ?」
『どうせ俺が必要なくなったで引っ越しも言わんのやろ?💢』
確かに引っ越しは言ってない。
けれど言ってない理由が違う。
仁はするどいけど…。
考え方がいつも悪い方向へいってしまう。
私はどんなに言われても引っ越しした事は認めずごまかし続けた。
家完成…。
けれど、家の事ばかり突っ込まれて否定してる間に、とうとう言いづらくなって言うタイミングを逃した。
言えない… 。言えない…。
どうしよう?
仁の考え方だと多分、呼びたくないけど俺がしつこいで言った…。
そう理解される。
頭を悩まされてるけど、考え方が違うからきちんと言わないとまた喧嘩になる。
私は誤解を招かないように
喧嘩にならないように
仁に伝えた。
やっぱり…。
伝わらなかった…。
サプライズのつもりだったのに…。
売り言葉に買い言葉で引けない口論に結局、
「娘に考慮してあんまり来て欲しくない…」
そう答えた私…。
仁と喧嘩すると、なぜか思いとはかけ離れた言葉を吐いてしまう。
嘘をつく事は基本的に嫌い…。
相手が嘘で救われる事もあるけど、大半は傷ついたり落ち込んだり良くない結果がほとんど…。
自分が嫌なことは相手だって嫌に決まってる。
辛い思いをするなら嘘をつかず本音で話す。
私はその事を貫いている。
これは嘘になるの?
なんで来ないでと言う理由になってしまったのか記憶喪失になってる。
いつ来ても、ずっと居てもいい存在の人なのになんで分かってくれないんだろう。
なぜか私もおいでよと言えない自分がいた。
第一号の来客は仁ではなく友達のけいちゃんだった。
しばらくは泊まりで家にいるよ。
すごくワケありで、私でよければ守ってあげたいと思う程の状況だった。
価値観… 環境…温度差…存在価値…
対象的な2人…
仁と私のストーリー ⑪
けいーちゃんが家に来たことで、仁との喧嘩は一応納まった。
初めから素直に呼べば良かったと反省した。
普段は生活リズムのサイクルが本当に時間に追われている。
身体が疲れていようが食べていく為には容赦しない。
だから会話もほとんどはずまない。
そんな中で日頃思った事や感じた事を感動よく伝えるタイミングも見失っている状態。
特に仁は照れやなのでかしこまって言うとごまかされて雰囲気台無し。
だから、感謝の気持ちや言葉を言えてないから素直になるのがこれまた難しい。
いつも喧嘩の原因になってしまう。
『お前は感謝の気持ちがない💢当たり前と思っとる』
『そんな態度やから俺は腹が立つ💢』
この言葉に私の怒りの火が付く。
「はっ?💢」
「誰が当たり前に思ってんの?💢」
「こっちの気持ちも分からんくせに言うな💢」
「それに仁が私の為にしてくれた事をそんな風に言うたら値打ち下がるやろ?💢」
「そういうふうに言わんといて💢」
『どんな思いでしてあげたかお前は分かってへんでやないか💢』
『はっ?💢』
もう二人は止まらない。
完全に気持ちがすれ違っている。
伝えなきゃ!
その時に感じた気持ちを素直に伝えなきゃっ。
心では分かってる…。
強がりすぎて甘えられない…。
いつからだろう?!
仁の心にすがれなくなったのは…。
仁に言われた事がある。
『良子…何でそんなに弱いんや!もっと強くなれ!!』
強くなれの言葉の意味が理解できず、気持ちだけが強くなってしまった。
完全な破棄違い…。
仁…。
仁も素直にストレートに言葉を使ってよ…。
ひねくれてる事は分かってるよ。
いつまで続くの?
私も仁が言わなくなるまで引かないよ…。
二人の喧嘩の終わりはどこ?
言い合いして解決する答えが出るの?
私達は違う。
何の解決もしないまま疲れきってその場は納まる。
いい大人の喧嘩の仕方じゃない。
一言で言えば大人げない。
愛でお金が動く…
お金で愛は動かない…
考え方も気持ちもすれ違う…
仁と私のストーリー⑫
私は我慢と素直さが足りない。
仁は我慢と辛抱が足りない。
私は2人の欠点を言うならこう述べる。
仲が良い時期を振り返る…。
ほんのわずかな記憶しかない…。
寂しいよ…。
こんなに好きなのにどうしていつもぶつかるの?
この時私は孤独を感じた。
仁は喧嘩に疲れるといつもこう話す。
『喧嘩せんと仲良くしたいよ。笑って過ごそ』
こう話す時の仁の顔はホントに笑顔の似合う微笑みをする。
その顔が私は1番好き…。
私は一時の感情で仁と人生を共に生きると決めたわけじゃない。
仁の器にノックアウトしたから…。
仁は私の1番最低な魅力のない時にプロポーズしてくれた。
お金も仕事もそして帰る場所もない、勿論自分を着飾る器量も全くない時に心底好きになってくれた。
着るもの、持つもの、飾るもの全て完璧に見られるようにお金をかけて気を使ってる人が、私の見てくれダメ、生活能力ダメ、何1つ良いとこない私に心でぶつかってくれた。
仁の心は私の最高の人になった。
だから私は喧嘩が絶えず、笑いのない日々を過ごす時期が長くても、笑いの絶えない日々が必ず来ると信じて…。
私は仁がいる…。
生活を共にしている。
『もうそんな事言われるとしんどいわ💢』
『出て行け』
「あんたが出て行けって言ったんやでな。2度と引き留めんといてよ」
「全部きれいに荷物持っていくわ💢」
「2度と帰ってくるか?!」
「自分の事しか考えてない人に何もかもやってあげるか?!💢」「使用人ちゃうわ」
『お前の為にやってあげても俺に逆らうやないか?!💢』『普通は口答えせんぞ!』
お金に執着は昔からない。
世の中はお金というのも理解できる。
無いより有る方が勝ち組になれる。
けれど…。
心はお金では動かないと私は信じてる。
心が通い合わなければ今の私達は存在しないし、こんなにヤキモキしない。
でも、仁はお金の事で愛情の度合いを語る。
もう、ホントに噛み合わない…。
毎日、毎日気持ちの確かめあいの口論に疲労がピークになってた。
ほんの束の間の小さな喜び…
小さな幸せ…
仁と私のストーリー ⑬
仁がなばなの里の無料券を突然持ってきて
『イルミネーションやっとるみたいやで開催してる間に行こか笑』
「マジ?!ホンマに連れて行ってくれんの?うれしいんだけど…笑」
何か心地良い空気が吹いてんだけど…。
この日から口論が無くなった。
穏やかな日々が始まった。
仁に優しさがあり、言葉や態度も改めてくれた。
私も自然に仁に優しくなれた。
『いつも勝手でごめんな』『こんな俺と一緒におってくれてありがとう』
「急にどうしたん?居りたいからおるだけだよ。こちらこそありがとう」
うれしすぎて心臓がドキドキした。しばらくドキドキが止まらなかった。
やっぱり私が思ってる仁の姿で安心した。
なばなのイルミネーション当日、私は子供のようにワクワクしていた。
朝から私も仁も穏やかで、喧嘩の日々が嘘のように仲がよかった。
仁は私の事をいつもほっとけないと言う。
その言葉の通りの行動と態度だったので仁を益々好きになった。
仲が良いのが当たり前が喧嘩が当たり前になっていたのでそれだけで何もかも吹っ飛んだ。
私の知らない世界での生き残り方…
仁と私のストーリー ⑭
私は仁と付き合いしていく中で、仁の兄弟分、兄貴分、舎弟、組長、同じ業界の人、女の知人、様々な人と知り合えた。
私は特に女の人と知り合える事が単純にうれしかった。
昔馴染の友達とはしばらく疎遠だったので電話したり、会って御飯食べたりできる事が楽しかった。
けれど仁は私に忠告する。
『人をすぐに信用するな!俺だけを信じろ』
なぜなら私はすぐ人を信じてしまう。
疑う事を知らないからだ。
傷ついて後から知ってしまう。
裏切られた事を…。
『相手の腹を探りながら会話をしていけ』
仁が私によく言う台詞…。
一線を置いて当たり触りのない会話は経験があるけど、腹を探る?!って事は人を嵌めたりする為に仲良くなって近づいたりするの?
私がそんな的になれば間違いなく人間不振になってしまう。
『良子、俺らの世界はヒガミやネタミがしょっちゅうあるで人を嵌めるぐらい簡単な事や』『だから何でもかんでもすぐに信用しとったら嵌められるぞ』
そんな事考えた事もないし、疑って話聞いてたらまともに対応出来ない。
何人か知り合えたけど、今の現状で連絡を取り合ってる人は1人もいない。
考えれば分かる。
仁の言う通りネタミやヒガミでこじれたから…。
ヤクザの世界をまともに見てると、人は人との揉み合いで目ではみれない所で踏んづけ合っている。
笑ってコミュニケーションをとっているが笑いの裏では笑っていない。
この世界では自分が生き残るには喰っていけるかのワンマンプレーである事を目の当たりにした。
仁はこの世界に30年費している。
なぜ仁が存在するのかは組の親父さんの生き様に心底惚れて同じ人生を歩んでいるから…。
女では到底分からない仁義…。
仁達は私達一般人よりも深い人生を歩み、人に揉まれながら自分が喰っていく為の庭を自分の頭と全身を生かして日々生活していると私は感じた。
仁は今を生きる中で、自分の歩みを誇り高くもち、食べていく為の生活資金、今後詰まった時の蓄え資金、全てにおいてしっかり生計を立てている。
私はその経済力の力に尊敬している。
私という存在価値の意味…
積み重ねた物が崩れ壊れていく…
仁と私のストーリー⑮
別れた… 。 別れた…。
仁との人生に挫折してしまった。
ここ最近の喧嘩はかなり荒れていた。
私が他に男を作っている疑惑や、仁との昔の彼女(たまたま私の知ってる友達)との浮気疑惑やら2人だけの感情の問題では済まなくなり、ボロボロの状態。
私はワガママなのだろうか…。
仁に気持ちの余裕が無くなってるのか私の対応や、約束事の予定まで頭に入らなくなった。
今まで通り、仁が出かける前の支度の補助や、頼み事まで横柄になり口調がきつくなった。
『俺の準備手伝えよ。時間がないんやで💢』
「チョット待ってよ💢」
「時間がないってあんたがチンタラして好きな事をやってたんやんか💢」
「それをなあたかも私が動かんで遅れとるみたいな感じに言わんといてよ💢」
「さっきから私は準備を手伝えるように待ってるやんか💢」
『ゴチャゴチャ言うから進んでいかんのやないかっ💢』
『仕事の時ばっかりゴタゴタいいやがって💢』
いつもそう…。
このセリフを言うのは仁で
セリフを言うきっかけを作るのも仁…。
仁の嫌な所を1つ言うならかなりの勝手者だと思う。
凌ぎにかかる時間は分かってるのに、思い立った事の予定をパンパンにいれて、やり終わらないと気が済まない。
自分ではこなせるつもりで動いても完璧にはならない。
当然時間が迫ってくる。
私も勿論、仁のサイクルを一緒に行動する。
『お前は何もしてへんで楽やないか』
『少しは動け』
『使えやんな。普段は何もしてくれやんのやでこれぐらいセーよ』
いくら喧嘩して言い合いになっても、流せる言葉とそうでない言葉がある。
使えやん…?
何もしてへん…?
楽でいい…?
そんな目線で私をみてたん?
極力仁のサイクルで、仁と同じ行動をして負担を減らしてあげられればと思って共にしてるのにその言い方は流せなかった。
家政婦じゃない?!
便利屋じゃない?!
共存共栄…。
生涯共にするパートナーだから…。
気持ちが1つにならない…。
不満、嫌な所、勝手な言い分…。
気がついたらお互いに自分の事ばかり主張するようになった。
限界で心が壊れた。
声が枯れるくらいの勢いで仁に暴言を吐いて別れた…。
家に着いて仁と別れた事が悲しくて夜中だったけどたまらなくなり、気がついたらけいちゃんに泣きながら電話してた。
「けいちゃん…別れてしもた…。頭のなかメチャクチャになってしもて、酷い言葉を仁に投げつけていっぱい傷つけてしもた。」
「家に帰ってきて、1人になったら仁の事ばかり頭に浮かんで、好きやのにどうしても譲れやん事があって…」
「それを分かってくれんかったら、これから先もずっと嫌な思いするから引かれへんかった」
泣きべそをかくくらい泣いたのはどれくらいぶりだろう?
けいちゃんは黙って聞いてくれた。
『りょうちゃんの気持ちはすごく分かるよ。私もそれはあるもん』
けいちゃんは聞き上手だなと感じた。
けいちゃんの聞き方は素直な気持ちが自然に話せて安心できた。
「こんなに仁が大事な存在になってるなんて今になって分かってしもた」
『仁丹さんもりょうちゃんの存在は大きいと思うから戻ってくると思うよ』
けいちゃんの言葉に私は救われた気がした。
けいちゃんは仁の先輩を私が紹介して交際してたけど、ここも一筋縄ではいかず、次から次にぶつかる問題に挫折していた状況だった。
「けいちゃんも大変な時期やのにごめんね…」
『りょうちゃんから久しぶりの電話で嬉しかった』
『私で力になれないけど、それでも良ければ話は聞くよ』
『私は、りょうちゃんの事友達だと思ってるし、りょうちゃんは思ってないかもしれないけど、友達だと思って欲しいし、りょうちゃんの性格は好きだから…』
『それに私は、何度もお世話になってるし、何度も救われたから…』
けいちゃん…。
あの日、あの時間に対応してくれた事はどんなに安心感が生まれたかわからないよ。
私こそ救われた…。
あの日のけいちゃんの優しさは今でも、これからも忘れない…。
けいちゃん…。
もし、この先悩みや、哀しみに遭遇した時は私がけいちゃんの力になりたい。
心から思ってる…。
価値観…信頼…愛情…
2人でいても孤独…
仁と私のストーリー⑯
もー嫌っ! 限界っ‼💢
何度同じ事を繰り返せば暗い闇から脱出できるの?
光はどっち向きに輝いてんの?!
別れた後、また戻る事が出来た…。
お互い別れてから気づいた相手の存在の大きさ…
何だろう…?
今までの異性と違う間隔は…?
仁と離れると不安になり、絶対的必要な存在なのに、すぐ口論になり、悔しい思いや、寂しい思いの感情が交差する。
起きてから寝るまでの間ずっと仁の事ばかりで頭も心もいっぱいになる…。
こんな経験は私にとってない間隔…。
私は身体があまり健康的ではない…。
そのせい? 違う…!
ずっと考えてるけど今までの違いが分からない…。
私は仁に対して信用が足らないと今でも思っている。
なぜか…?
仁は性格なのか、過去に何かあったのか、私もよく分からないが自分の所有物を触られたり、観察されたりにすごく敏感である。
人はある程度の警戒はもっているけど、血の繋がった血縁者や、家族、恋人、気持ちを許した間柄との警戒心は緩くなって1つ屋根の下での生活を許される。
私と仁の間柄も同棲生活が長いから信用は勿論の事、心も気も許してる間柄だと少なくても私はそう思ってた。
『あれっ?!ここに置いてあった〇〇が無い?!』『良子っ?!どこにやったんやっ?!』
「えっ⁉〇〇?」
「私は仁の物を勝手に触らないから分かんない」
「自分でどこかに移動さしたか、もっていったんちゃうの?」
『そんなわけないやないかっ?!』
『ここにきちんと置いといたわ💢』
『それが無いっておかしいやろ?!💢』
「はっ?💢」
「ちょっと待って💢」
「そこになかったら私が盗んだとでも言うの?💢」
「そんな〇〇私には必要ないし、あんたの私物は黙って取らんし、大体触らへん!💢」
『ちょっと探してくれよ。』
『あったのにないのはおかしすぎるやろ?!』
『何回盗られたら済むんやっ?!💢』
「えっ?!」 「盗むっ?!」
「誰が?!」 「あんたっ⁉」
「私に泥棒って言ってんの💢?」
「そう聞こえるんやけどっ?!」
「2人しかこの部屋に住んでるもんがおらんからそういう事やろな💢」
「言っとくけど、あんたの物は勝手に触った事ないし、言うてから触ってるつもりやけど?!💢」
「〇〇が見つかったら謝ってよっ?!💢」
仁はよく物の置いた場所を忘れる…。
その度に毎回こんな会話で騒ぎになる。私はこの騒動が何よりも傷つく…。
『ないっ⁉』
この言葉が部屋から聞こえると胃が響き一日のやる気が無くなってしまう…。
私は探すのに協力はするけど、その時に私が行く所、探そうと手を伸ばす所に敏感に反応する。
『そんな所なんかにないわっ?!何触っとんのっ?!💢』
えっ?! 探してるんだよ…
仁は酷い…。
私に信用がないの…?
ホントに心の底からそんな目線で盗んだと思ってるの…?
そんな事感じてたら同じ屋根の下で過ごす事は無理だよ…
探してる仁の呟きと動きが静かになった。
「……チョットっ?!」
「💢〇〇あったん?」
『………。あったよ…』
『おかしいな~こんな所にしまった覚え無いんやけどな~』
「ふざけるなっ?!💢」
「あったならあったって言ってよっ💢」
「あんたが移動さしてるんやんっ💢」
「謝ってよっ?!💢」
『俺はこんな所置いてないわっ?!💢……』
『…ごめん!』
「冗談じゃないわっ💢」
「毎回こんな泥棒扱いされてっ💢」
「結局いつも自分が忘れてるだけやん💢」
仁は私の怒りの言葉を聞き流すかのようにシレッとしている。
なにもなかったかのような態度を私がしているので傷付いて落ち込んでるとは思っていない。
だから仁の中で私に対しての罪悪感など感じていないと認識した。
2人の間に壁…距離…絆…
空回りする信実の愛…
仁と私のストーリー⑰
人は社会に揉まれて生きていく事が使命だと思う。
その中で信用、信頼が生まれ、人は成長し、それぞれに人脈ができ、人として認められると私は思っている。
恋人や、夫婦間でもそれは変わらない。
絆が生まれなければ共存共栄はできない。
難しい課題だけど人と人が生きていくための土台だと私は思っている。
私と仁はそこが欠けているんだろうか?!
私は仁に警戒をした事もないし、絶対的信頼を持っている。
だから仁も同じだと思ってる。
けれどこんな事がある度深く傷つき考えさせられる。
初めの交際の時からそうだった。
信用の所で状況も行動も言葉も崩れ、全てが猜疑心に変わってしまう。
私は仁との間がこんなに上手くいかない事情が今ここで分かってしまった…。
たまに感じてしまう心を許していない言葉や行動をする仁の態度に…。
どうしてそうなのかは、仁にしか分からないけど、仁は自分しか信用しない事と、人の手を借りて物事をこなしているけど、自分でやりこなさないと納得をしない。
なぜなら仁は…。
人に心を許す事はないから…。
残酷だけど、私は少なくとも仁と生活していてそう伝わった…。
確率の運命だから特別だった…
2人の笑顔が消える瞬間…
仁と私のストーリー⑱
2016年4月…。
仁と2度目の誕生日を迎えようと、今年もカウントダウン…。
後…5日…。 …後…2日…。
今年の誕生日は喧嘩でギクシャクしている2人の関係性にリセット…。
笑いの日々になるように、気持ちを改めて歩んで行こうと思い、仁に伝えたかったことがあった。
後…1日…。
27日は午前中は何も起きなかった。
だけど、ここの2.3日は予定があったけど仁の調子が悪かったので詰まってた。
だからこの日に予定をパンパンに詰めた…。
私は頭の中で
今日は仁と行動を共にしたくない…。
拒否反応が起きた。
もうこの時点で精神面が現界だった。
「ちょっとしか寝てないからそんなにこなせへん」
「私は今日は無理っ」
『何でやっ!昨日の予定ができへんだで溜まってるやないか⁉』
「実家にお金も渡しにいかなあかんから付き合えんよ」
『1人で行くからええよ…』
仁は半分不貞腐れて了承した。
もう私は予定がスムーズに行かなくて、苛立つ声も言葉も聞きたくない…。
仁の苛立ちの矛先が必ず私に向かってくる…。
それを分かった上でついて行く…。
もう…そんな気力…残っていない…。
予定を朝からこなす段取りなのに行こうとしない。
仁の電話から着信が入る…。
仁と仲の良い知人からかかってきた。
話が弾んでいるようで長電話している。
夕方、名古屋で合流する約束をとりつけた。
会話を意識して聞いているわけじゃないけど、スピーカーにして話しているのでわたしにも2人の会話は聞こえる。
何の話の下りかはわからないが、私の耳が反応した。
《仁丹はええやんか…》
《良子ちゃんは一途で仁丹だけだし、仁丹の事きちんと考えて男を立てれる子やからええ子だわ》
「はっ?良子は男を立てれへんよ」
「そういう事できやん奴やで」
《そんな事ないよ。この間も仁丹の事立てていうてたよ》
「何て言うてたん?」
《それは教えんよ。内緒…。でもきちんと立ててたよ》
仁の返答はショックだった。
知人に私をけなす事を言って欲しくなかった。
確かに仁を立てる事までできてないかもしれない。
仁にとったら出来が悪いと思う。
でも、私は仁との関係が上手くいかないのに外で起点を効かせて臨機応変は無理っ!
そんなに器用だったら悩んでないよ。
けれど、仁の知人の言葉は嬉しかった。
結局、時間が遅くなり実家に行く予定を組んでくれる事で結局私も行く事になった。
最終的に仁の顔を見ると Yes と答えていた。
今日絶対に済ませたい予定は、岐阜県に行く事。
遠方なので中々行けなかったから、どうしても今日は済ませたい。
最初は、事故した車の修理が出来上がったので取りにいった。
だけど、仕上がった車の状態が思う出来ではなかったのでもう一度修理に出す事になった。
車に関してはこだわりがあるので完璧にする。
車屋さんでつまづいた。
予定より時間がかかってしまって仁が焦りだした。
『岐阜の住所調べてっ💢』
「何店?」
『〇〇!』
「そこは載ってないけど、南店じゃない?」
『違うっ!💢〇〇やっちゅうの💢』
「ないみたいなんやけど…」
………。………。
『もしもし?』
『あのさ…。岐阜のあの店って何店やった?』
『うん…。南店なんかなぁ?』
はっ?……?!
仁のとった行動が信じれなかった。
私が携帯のインターネット上で調べて〇〇店がないから焦っているのに、仁は私を放置するかのように岐阜の女の知人に電話で尋ねている…。
私が南店じゃないの?
って聞いた時は怒りながら否定していたのに、知人に同じ事言われてそうかもしれへんなぁ~と納得している。
私の立場と扱いがひどすぎる…。
まただ…。
信用されてない…。
「ちょっとっ‼💢ばかにしてんの?💢」
『何でやっ!』
「一生懸命、言うてる店舗ないから探しまくってんのに人に聞くなら最初から調べてって言わんといてっ‼」
「結局信用してないんやんかっ‼」
私はこの事がきっかけでこの後は仁と話す事を夕方まで出来なかった。
仁は段取りが思うように進まない事にイライラしてたけど、私が怒っているのが分かっているから自分のイライラを抑えているのが伝わった。
大体こういう日は会話がないので、仁は知人達に電話を掛けまくる。
夕方近くになって雰囲気を変えようと話すタイミングを仁に委ねる。
そういうタイミングは私と仁はばっちりで上手く伝わるので徐々に和んでくる。
この雰囲気で明日の誕生日を迎えたいと願いをかけた。
夕方の知人との待ち合わせが夜遅くに変更になった為、一度家に戻り支度し直してから再出発となった。
「だったら実家に寄るのは待ち合わせの前に寄ってくれたらいいよ」
一旦、帰宅…。
『身体がしんどいな。もう、今日は会わんでもええやろ?』
「それやったら早く決めてくれんと、実家は…?」
『………。』「……。」
「もういいわ…💢」
「シャワー浴びたらいってくるわ💢」
いつもそう…。
私の予定は後回しになるので、忘れられてるか、その日にはできない…。
だから、自分の用事は自分でこなすべきだといつも後になって思う。
28日になるまで後30分…。
仁は自分の部屋で思うように過ごしていた。
2人の間に沈黙がひたすら続く…。
12時回った…。
携帯のLINEに友達からハッピーバースデーのコメントが1件…2件と届く…。
仁の電話から着信音…。仁はでない…。
そのすぐに私の電話からも着信音が鳴る…。
着信相手は仁の舎弟からだった。
『姐~。誕生日おめでとう!』
「ありがとう」
『兄貴に電話いれたんやけど、きちんと一緒に居てる?』
「うん。多分横になってるよ」
『それなら良かった…。』
ずっと仲が良くない事を知っているので気にかけてくれていた。
そろそろ実家に向かわないと親が寝付いてしまう。
仁の部屋を覗いた。
「仁…そろそろいってくるわ…。」
仁は目を瞑って横になっている。
でも、私は起きている事を知ってるよ。
家を出て実家に向かう道中に仁から着信…。
眠くてカバンから電話を出す気力がない。
2回連続で鳴ったけど、電話を取り出せなかった。
コンビニで止まり、電話を取り出し仁にかける…。
だけど何も言わない…。
眠くてイライラしてきた私は
「何かしゃべってよっ‼💢」
電話から車で走ってる音が聞こえる。
『男と待ち合わせしてでれんかったんか⁉』
「はっ?実家に向かってるんやけどっ‼💢」
『メールがいっぱい鳴ってたやろ⁉💢』
「鳴ってたよ。💢誕生日のコメントで友達からいっぱいねっ‼💢」
『俺は家をでた』
「何の為に⁉💢」
仁は私の行動に完全に勘違いをしている。
何で誕生日迎えた日に他の男?
仁の考えてる事が理解できない…。
また、私の話聞いてなかったの?
実家に行くっていったよね?
私はこういうゴタゴタがあると自分の事が全てできなくなる。
仁は多分、私が何もかもできなくなる事は知らないと思う。
途中で家に戻る…。
ホンマや…。
家に居らんやん…。
着替えもないやん…。
気力をなくして電話を握りしめたまま眠りについてしまった。
目を覚ましたのは28日の夜だった…。
着信が44件…。
ほとんど仁から…。
もう誕生日終わるよ…。
仁は私と過ごせなくて平気みたいだね…。
【♪今年は絶対プレゼントを誕生日までに買って…♪】
【♪2人の和む時間が中々ないから、誕生日は2人で過ごして…♪】
母に
【♪「その年で誕生日を楽しみにしてるん?」
一言ツッコまれる程、だいぶ前から
誕生日をカウントダウンして…♪】
バカだ…。
1人ではりきって…。
誕生日を子供のように楽しみにして…。
大声で泣いた…。
切なすぎて感情が全部とんだ…。
メールを確認した。
《愛してます…》
《良子が居ないとやっぱりダメだよ…》
《何処にいるの…?》
どうして?
私は家にいるじゃん!
「何それ?」
仁はそれを知ってる…。
知っててどうしてこんなメール打てるの?
家出したまま帰って来ようとしないのは仁…。今日は何か言えない予定でもあったの?
2人の誕生日は最低の日になった。
誕生日や2人のイベントになるような事はもう期待しない…。
仁の気持ちが益々わからなくなった…。
けれど、確かめる事を私は諦めてしまった。
仁と付き合う前は自分の誕生日は嫌な記憶を思い出すから来て欲しくなかった。
けれど、仁に出会って同じ誕生日だと知って楽しみに変わってからは過去を思い出さなかった。
けど、今年はまた大泣き…。
過去に大泣きした誕生日を思いだしてしまい多少パニックになった。
もう、誕生日はいらない…。
今年の誕生日は仁の舎弟に食事をごちそうになった。
気持ちが少し落ち着いた…。
舎弟…ありがとう…。
積み重ねた2人の愛の深さに…
リセット…残酷過ぎる愛…
仁と私のストーリー⑲
今、私たちは去年と違う住まいで暮らしている。
1年経った4月…新しく引っ越した。
ふた部屋のスペースでワンルームになっているが広い。
真ん中にアコーディオンの仕切り板が作られているのでふた部屋に仕切る事が出来る。
仁の心理に気づいてしまった私は部屋を別々に使い、寝床も別々に…。
余計に上手くいくはずもない2人の関係も崩れて終わりに向かっているよう
…。
関係を絶ちたいとも思っていないし、良い方向に向かうのであれば修復したい。
けれど、これ以上仁が私を受けいれる事が出来ないなら…。
ハッピーエンドにはならないから…。
今まで私が心で感じ、仁と共に同じ道を歩み続ける気持ちも決意も私だけの思いでは一緒には生きていけない…。
仁…。
私を心の底から受け入れて欲しかった。
今でも愛情の深さは変わらない。
もしかすると今のほうが深いかも知れない…
けれど全てにおいて片思いだった…。
2人でいても孤独を感じた理由(わけ)が分かってしまった今の私は…。
仁を遠くから眺めるしか出来ない…。
喧嘩する度に荷物を一式持って騒動…!
引き止めてくれると分かっても言葉が欲しかった私…!
《愛してる…》
《離れたくない…》
心で確認したくて何度も迷惑をかける行動を繰り返して言わせてた言葉…。
もうそんな時には聞きたくない…。
言わせて聞くほど切ない事はもう避けるよ…。
今度はホントに最後…。
黙って仁の側から離れる事を決めてる…。
仁…。
仁から見て私はどんな存在になってるの?
私は欲しいものを買ってもらうより、仁との絆が欲しかった…。
ただ純粋に愛しただけなのに…
原点に戻りたい…
仁と私のストーリー⑳
仁…。
この本をかきながら私は1人でも多くの人達に読んで貰えるように、共感できるような事柄を内容にしようと最初は思った。
けれど、書き始めていくうちに…
仁が伝えてくれた言葉…。
暴言を吐いて口論になった事…。
仁が私の為にしてくれた行動…。
1つ1つが私の心と頭の中にはっきり覚えている事。
この事が私の…。
仁を愛する形…。
色々あった中でどれも全て鮮明に覚えてる。
だからこの本は私が仁に私の全てを伝えたいと言う思いで書いたよ。
山口組が昨年分裂し、裏切りの連続や、仲間が去った涙の場面や、仁1人だけでは背負う事が出来ないくらい涙してたよね。
しばらくは組に身を尽くし、家に帰ってこれなかった。
私も外出の規制を仁に出された。
外出する度電話を繋げて見守ってくれた。
会えない寂しさを電話で埋めてくれた。
別々の生活の中、私の生活を考えてくれた。
たまに会える時に生活費、困っている事、全て満たしてくれた。
私が会えない寂しさで、仁を困らせる事をいっぱい言ったのに、仁はいつものように口論する訳ではなく、私を宥めて落ちつかせてくれた。
帰ってきた時も穏やかに口論なく過ごしてくれた。
「こんな時に戻りたいわ…」
私が言うと、仁は何も言わず答えなかった。
今の2人が穏やかに過ごせない理由が私は分かっている気がする。
2人の気持ちに愛情はあると思う。
けれど、口論が多すぎて相手と話す行為や、日常での出来事、悩みや相談ができる空間をなくしてしまったんだと思う。
最終的には相手の不満まで目に付くようになってきた。
仁は私に嘘まで重ねるようになった。
こんなに真っ直ぐすぎる2人なのに…。
1つ1つ壊れていってる事に私は気づいているがもうどうする事もできない。
ケンカに時間を費やしても…
それでも出会えた運命に幸せに思う…
仁と私のストーリー21
私と仁のストーリーを本として書くきっかけになったのがある時の私の一言だった。
「仁…これから迷惑かけるかもしれないから話すけど、身体が色々悪くて仁よりは長生きできないよ」
「この前神経がおかしくなって足と手が使えやんくて歩けなかったやろ?」
「あんな風にまたなるかも分かんないよ」
『俺もいつまた、懲役にいかなあかん時がくるかもしれへんからさ』
『りょうこ…写真いっぱい撮ろう。』
『それで良子…本書いて…』
「本…?良子と仁の今までを書くの?」
『そう…。俺が出版するお金はだすから…』
どうしてそんな事を思ったのかは仁にしか分からない。
今まで本を書いてと言ってきた人は1人もいなかった。
仁にとって今までの人生の中で私と言う存在は特別な人になっていたんだろうか?
仁は仲良くなるきっかけは何でもいい。
仲良くなった時に必ず愛情の言葉をかけてくれる…。
その瞬間が私は大好き。
この本を読んで仁はどう思うだろう?
喧嘩が大半の内容に不満を抱くのだろうか?
私は仁がこの本を読んだ時に別れを告げるかもしれない。
だけど、2人の関係性が良い時は考えない事を私達は喧嘩ばかりだったから、沢山相手の事を考えてきたと思う。
この本で私は仁に今まで伝えた思いや、投げかけた言葉の意味を理解してくれる事を祈っている。
喧嘩は確かに嫌な空気と辛い思いだけが残ってしまうけど、それでも仁に出会えた事、仁と生活出来る事、初めて経験した事は私の人生の最後の恋愛としてアルバムに残せれたらと今も心から想ってる…。
仁….。
私に本を書かせてくれてありがとう。
私の思いが全て詰まった…。
私と仁だけのストーリー…
END
あとがき
本を書き終わって3ヶ月が過ぎようとしてる。私と仁の現在は変わらずケンカの日々…。
誰が何が悪いわけではなく、口論をしている。私は仁の思うようにいかなくなると機嫌のままぶつかってけしかけてくる瞬間が大嫌い…。
周りの人達は口を揃ってこう言う…。
嫌なら別れなよ…。
好きなら我慢しなよ…。
お互い誰よりも分かっている事…。
今度こそ…今回は許せない…。
離れないとダメになる…。
けれど、また元のサヤに戻る…。正直、自分でもここまでなればと思うが、願いをかけて仁の元へ…。
お互い1人になれば絶対的に必要な存在だと実感する…。
分かっているのに2人になると破茶滅茶になる…。
気持ちを改めて仕切り直し、落ち着いて向き合う…。
想い合う気持ちを重視に…。
でも、仁は感情を思うままにまた同じ事を繰り返す…。
自分さえ良ければ、自分の事を中心に…。
この考え方…。
私が上手くいかない生活リズム…。
気持ちがないと感じ、私の事を考えてくれてないと思い…そう思える瞬間が多々あるのはおそらく、自分を後回しにする生活スタイルになってしまったからだ…。
やらなきゃいけない事も、やりたい事も、自分を着飾る事も、子供達に買ってあげたい物も、出来なくなったから…。
だから、仁に言われる言葉に不満をもち素直に受け入れられなくなって口論が絶えなくなってしまったんだと理解した。
これから先もずっと、今と変わらずの生活スタイルなら不満は解消されないし、2人はケンカの繰り返し…。
でも、愛してる気持ちは最初の頃と全く変わらず今でも気持ちは変わらないから仁の傍にいたいと思う…。
こんな経験は初めて…気持ちと行動が一致しない恋愛…。
あなたなら私の恋愛をどう感じますか?
愛…?
依存…?
執着…?
恩人…?
最後に…喧嘩する度に色んな人達を巻き込んで迷惑をかけてきました。相談に乗ってくれた人…。
仲裁に入ってくれた人…。
そして、喧嘩の度に電話をかけ、当たられたり、取っ組み合いになりそうな2人を止め、時には私を迎えにきてくれたり、行き先に送ってくれたり、出ない私の電話に何度もかけ、仁の伝言を伝えてくれたり、仲良くしてくれたらそれでいいよ。とずっと最初から見守ってくれたり…。私達が散々、巻き込んでしまった仁のお義父さん…。私は1番にお義父さんに感謝と謝罪を伝えたいと思っています。2人の為に本当にありがとう。そして私の母…。
いつまでも子供のように迷惑かけてごめんね…。そして今の私達を理解してくれてありがとう。
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