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第3章
「貴族の妖精」
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歩いていると辺が不意に暗くなっていった。
「そろそろ休むか」
ダイキはそう言うと、私を連れてある宿屋に入っていった。
「お?ダイキじゃないか」
つるっパゲのおじさんが言った。
「よう、ヒルディーおじさん今日空いてるか?」
「おう!空いてるぞー!なんだダイキ、彼女作ったのか?」
「ちげぇーよ」
楽しげな雰囲気に私も心が踊った。
「初めまして、ヒルディーさん。零と言います」
「ああ、初めまして。零ちゃん、こんな古い宿屋に来てくれてどうもありがとう」
「いえいえ、とてもアンティークな感じで素敵だと思いますよ」
「零ちゃんお世辞上手いねぇ!」
楽しげな笑い声が宿屋中に響いた。
「ヒルディーおじさん、代金の件なんだけどいくらぐらい?」
ダイキは少し心配しながら聞いた。
「そうだなー。こんな素敵な彼女がいるんだ。今回のみタダでよろしい!」
「え?まじかよ、いいの!?」
「おう!」
にっこりとしたヒルディーにダイキは嬉しくなった。
「ヒルディーおじさん、ありがとう!」
「ありがとうございます!ヒルディーさん」
私とダイキはすかさずお礼を言った。
ーーーーガチャ
部屋に入ると私は窓から外を見た。
「私がいた場所。どこにあるのかな…」
そう呟くと布団に入り目を閉じた。
ーーーーチチチッ
「ん?雀の鳴き声?」
私は気になって窓から顔を出した。
「元の…私のいた世界?」
どうやら私は帰ってきたみたいだ。
「なんで今帰ってきたんだろう…」
私は考えながら日付を見た。
「え?」
「3月22日?時間が…動いていない?」
私が召喚された日にちと一緒だった。
ーーRin♪
『帰ってこい』
「誰の声?」
ーーRin♪
(まただ…意識が…薄れて……いく)
「よう、零!ちゃんと眠れたか?」
目の前に赤い髪の男がいる。
「ダイキ、私…」
ダイキは不思議そうに私を見つめた。
「どうした?零」
「現実世界に戻って、声が聞こえた」
「声?それはどんな?」
「わからない。男の人の声だった。低い声で『帰ってこい』って私に言った」
「城に向かうか。多分真実はそこに行けば分かると思う」
「うん」
私とダイキは宿屋を出て、城へと繋がるゲートを通った。
「悪い零、俺が行けるのはここまでなんだ」
「そっか、わかった。ダイキありがとう」
「おう!気をつけろよ!」
ダイキと私が別れると声が聞こえてきた。
「エリナ様そんなに急がないでください!」
どこかで聞き覚えがある声だった。
「シン、遅いわよ?もっと早く出来ないの?」
透き通った綺麗な声が聞こえた。
「あなたがエリナ様ですか?」
私は真っ先に聞いた。
「ええ、そうよ?あなたは?」
「私は零です。突然ですが、ここにいる貴族は何人いるんですか?」
「貴族?あなた、そんな事が知りたいの?」
「はい、それと性別も教えてほしいです」
「あなた貴族でも狙っているのかしら?」
「いいえ、私はここにいるかもしれない貴族に呼び出されたので」
私はそう言うと手の甲にある紋章を見せた。
「その紋章…!」
紋章を見たエリナが顔色を変えた。
「軍兵、この者を捉えなさい!」
エリナが声を掛けると一気に私の周りに軍兵が集まった。
「え、どうゆうことなんですか?」
「零さん?でしたっけ、あなたが持つその紋章は…破滅の妖精ユラの紋章よ」
「破滅の妖精!?」
「そう、あなたはその紋章を持っているので破滅の妖精の手下…又は破滅の妖精のお気に入りの人間。と、いうことになるわ」
「もう一つ聞いていいですか?」
「なにかしら?」
「この紋章を持っている人はどうなるんですか?」
「…そうね、とりあえず無意識にこの国の者たちを殺すでしょうね」
「殺す?殺さない方法ってないんですか!?」
「方法ね、あるにはあるのよ…でも、それが難しいのよ」
「教えてください!私傷つけたくないんです!」
「へぇ?あなた面白いわね、ならやってみる?名付けて、『破滅の妖精退治』ってとこかしら?」
私の周りに集まっていた軍兵が下がっていった。
「破滅の妖精も一応貴族なんですよね?」
「まぁ、そうなるわね。けどアイツは破門されているのよ。殺しをしたからね」
「そうでしたか」
私は、この国の者を傷つけないようにするために破滅の妖精を倒すことを目的とした。
「そろそろ休むか」
ダイキはそう言うと、私を連れてある宿屋に入っていった。
「お?ダイキじゃないか」
つるっパゲのおじさんが言った。
「よう、ヒルディーおじさん今日空いてるか?」
「おう!空いてるぞー!なんだダイキ、彼女作ったのか?」
「ちげぇーよ」
楽しげな雰囲気に私も心が踊った。
「初めまして、ヒルディーさん。零と言います」
「ああ、初めまして。零ちゃん、こんな古い宿屋に来てくれてどうもありがとう」
「いえいえ、とてもアンティークな感じで素敵だと思いますよ」
「零ちゃんお世辞上手いねぇ!」
楽しげな笑い声が宿屋中に響いた。
「ヒルディーおじさん、代金の件なんだけどいくらぐらい?」
ダイキは少し心配しながら聞いた。
「そうだなー。こんな素敵な彼女がいるんだ。今回のみタダでよろしい!」
「え?まじかよ、いいの!?」
「おう!」
にっこりとしたヒルディーにダイキは嬉しくなった。
「ヒルディーおじさん、ありがとう!」
「ありがとうございます!ヒルディーさん」
私とダイキはすかさずお礼を言った。
ーーーーガチャ
部屋に入ると私は窓から外を見た。
「私がいた場所。どこにあるのかな…」
そう呟くと布団に入り目を閉じた。
ーーーーチチチッ
「ん?雀の鳴き声?」
私は気になって窓から顔を出した。
「元の…私のいた世界?」
どうやら私は帰ってきたみたいだ。
「なんで今帰ってきたんだろう…」
私は考えながら日付を見た。
「え?」
「3月22日?時間が…動いていない?」
私が召喚された日にちと一緒だった。
ーーRin♪
『帰ってこい』
「誰の声?」
ーーRin♪
(まただ…意識が…薄れて……いく)
「よう、零!ちゃんと眠れたか?」
目の前に赤い髪の男がいる。
「ダイキ、私…」
ダイキは不思議そうに私を見つめた。
「どうした?零」
「現実世界に戻って、声が聞こえた」
「声?それはどんな?」
「わからない。男の人の声だった。低い声で『帰ってこい』って私に言った」
「城に向かうか。多分真実はそこに行けば分かると思う」
「うん」
私とダイキは宿屋を出て、城へと繋がるゲートを通った。
「悪い零、俺が行けるのはここまでなんだ」
「そっか、わかった。ダイキありがとう」
「おう!気をつけろよ!」
ダイキと私が別れると声が聞こえてきた。
「エリナ様そんなに急がないでください!」
どこかで聞き覚えがある声だった。
「シン、遅いわよ?もっと早く出来ないの?」
透き通った綺麗な声が聞こえた。
「あなたがエリナ様ですか?」
私は真っ先に聞いた。
「ええ、そうよ?あなたは?」
「私は零です。突然ですが、ここにいる貴族は何人いるんですか?」
「貴族?あなた、そんな事が知りたいの?」
「はい、それと性別も教えてほしいです」
「あなた貴族でも狙っているのかしら?」
「いいえ、私はここにいるかもしれない貴族に呼び出されたので」
私はそう言うと手の甲にある紋章を見せた。
「その紋章…!」
紋章を見たエリナが顔色を変えた。
「軍兵、この者を捉えなさい!」
エリナが声を掛けると一気に私の周りに軍兵が集まった。
「え、どうゆうことなんですか?」
「零さん?でしたっけ、あなたが持つその紋章は…破滅の妖精ユラの紋章よ」
「破滅の妖精!?」
「そう、あなたはその紋章を持っているので破滅の妖精の手下…又は破滅の妖精のお気に入りの人間。と、いうことになるわ」
「もう一つ聞いていいですか?」
「なにかしら?」
「この紋章を持っている人はどうなるんですか?」
「…そうね、とりあえず無意識にこの国の者たちを殺すでしょうね」
「殺す?殺さない方法ってないんですか!?」
「方法ね、あるにはあるのよ…でも、それが難しいのよ」
「教えてください!私傷つけたくないんです!」
「へぇ?あなた面白いわね、ならやってみる?名付けて、『破滅の妖精退治』ってとこかしら?」
私の周りに集まっていた軍兵が下がっていった。
「破滅の妖精も一応貴族なんですよね?」
「まぁ、そうなるわね。けどアイツは破門されているのよ。殺しをしたからね」
「そうでしたか」
私は、この国の者を傷つけないようにするために破滅の妖精を倒すことを目的とした。
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