三角コーナー

猩々飛蝗

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   旅に出て幾星霜、私は漸くこの道行の目的を果たした。
 私によってのみ縁を定義でき、それのみで私の縁を定義できる三角コーナーをみつけたのだ。
 長い道のりだった。また曲がりくねっていた。凹凸が激しかった。勾配の緩急たるや躁鬱のごとき様相であった。
 定住もした。働きもした。そうして定年になるまで働いて金を貯めては目的のために移動を続け、求める三角コーナーを探し続けた。
 私はもう長くないだろう、ペンを持ち上げるのすら億劫だ。少し時間がかかりすぎた……
 さて、肝心の、私が求めていた三角コーナーの話をしよう。
 それはあるとき突然私の脳裏に閃いた。
 三角コーナーと地球は接続している。
 三角コーナーと宇宙は接続している。
 三角コーナーと世界は接続しているのだ。
 ここで、三角コーナーの縁は世界を定義している。
 宇宙を、地球を、私を、すべてを。
 さて、この時、その縁は、どちらのものだろうか。
 世界は、三角コーナーだったのだ。
 一生かかっても見つけ出せないはずだ、私は既に答えの中にあったのだから。
 そしてこのことは、私の悲願が達成されていることを示してもいる。
 私は、三角コーナーなのだ。
 世界である三角コーナーと私はそれぞれを隔てる縁によって定義される。この時どちらがどちらの空白であってもかまわない。
 どうだ、神もご照覧あれ、私は遂に三角コーナーとなったぞ!
 私は既に三角コーナーだったのだ。
 最初から――
 あの三角コーナーも知らなかったことにやっと気づけたのだ。誰かこの偉業を認めてほしい、次に私が抱いた願いはそのようなもので、だから今この手記を書いている。
 しかし――聊か、疲れた……少し、眠るとしよう――




――手記はここで途切れている……
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