科学になぐさめられる時Ⅰ

michaelyamaguchi

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第Ⅶ章

切り札同士の邂逅

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ヒデキは西の空に消えていく流れ星を見送ると、束の間の感傷に浸った。
とうとうその日がやってくる。上手くやれるかやれないか。もう一息の辛抱だ。
「小夜子。」
と、一言呟くと、ヒデキは身を固くして、遠くから関の姿を確かめた。数人の男たちと一緒に、人気もなくなったクラブハウスに戻っていく。これからが勝負だ。全ては一瞬で片が付く。たとえそれが失敗であったとしても。
大ゴルフコンペの当日。街全体が華やぎ、誰も彼もが興奮した。大々的な警備体制が敷かれ、制服に身を固めた男たちは神経を尖らせ、その筋の若者たちはヤケに肩を怒らせていた。興奮の中の緊張と、陽気な笑顔の中の張り詰めた心。
しかし、今はすでにない。張り詰めた緊張は一旦途切れれば、もう後戻りすることは出来ない。
大成功に終わったコンペの後、街は既に弛緩していた。多くの警備陣もその筋の若者も、後はビールを呷って疲れを癒したかった。女でも誘ってしけこみたかった。そうだ、コンペは終わり、人々は家路についたのだ。もういいじゃないか。明日の緊張が再び始まるまで、暫く休ませてくれ。今日はよく働いたのだから。
ヒデキは一人待っていた。興奮の後の放心を、緊張の後の弛緩を。その時こそ絶好のチャンスに違いない。だからこそ、それは待たなければならない。決して焦ってはならない。しかし、逃してもならない。チャンスに二度目はないのだ。
もう少しだ。ヒデキは革ジャンの上から、スミス&ウェッソンの感触を確かめながら、深呼吸をした。

レオナはラブラドールの自室に戻っていた。この街に来てからというもの、毎日色々なことが起こる。色々あり過ぎて覚えていられないくらいだ。
レオナは靴のまま疲れ切った身体をベッドに投げ出した。今日も色んなことが起きた。心地よく疲れた。気持ちだけが疲れていなかった。
身体は疲れ切っているのに目が冴える、そんな時は牛乳を飲むと眠れるという。「ローマの休日」の科白だ。
飲んだのに眠ることが出来なかったオードリー・ヘップバーンは、夜のローマの街に出ていく。そしてグレゴリー・ペックと出会う、ローマの休日。
レオナにとっても、この街は休日であるはずだった。しかし、グレゴリー・ペックに出会う前に、小夜子と出会った。そしてその小夜子は、レオナよりも早くグレゴリー・ペックと出会っていたようだった。
レオナはもう一度小夜子の顔を思い出した。本当に可愛い小夜子は、やはり本当に憎らしかった。憎らしさが輝いてキラキラしていた。それが眩しすぎたのだ。だからいくら目を閉じても眠れないのだ。
こんな時、アインシュタインならどうするのだろう?しかし、アインシュタインは男だ、分かる訳がないか。
ふと窓を見ると、向こうからアインシュタインが舌を出すのが見えた。微妙に長い舌。ファンキーなオヤジだ。
「仕方ないわね。」
レオナは意を決して身体をおこすと、マセラッティーのキーを取り上げた。考えがまとまらない時、それはこれに限る。
「ビトルボも寂しがっていそうだものね。」
髪を後ろ手に巻き上げながら、レオナは部屋を後にした。

福井は正座をしたまま、既に一時間が経っていた。クラブハウスのゲストルームには、福井たちを残して、他に誰もいなかった。
関とその男たちは、よほど今日のコンペの大成功が頭に来たらしい。それはある程度予想はしていたことだった。
利権は争いを生む、それが業界だ。そしてその争いを梃子にして、その利権は独り歩きを始める。利権と争いがその次の利権を引き寄せ、争いと利権がそうした争いを育てる。その争いと利権の振り子運動を、巧妙に操作できるかできないか、それが問題だ。
でっぷりと太った関は、すでに一升瓶を半分ほど空けていた。眼が血走っているのがはっきりと見て取れる。
「あのにー、ワシのにー、スコアはにー、いくつだったのかにー?」
福井が縮みあがる様に、ただただ恐縮したそぶりを見せると、後ろに並んでいた数人の男の最もガタイの良いのが低い声で答えた。
「92です。」
「クンニだって、フクイちゃん、クンニだって。スケベがこのー。」
と言いながら、関は福井のオデコに自分のオデコをなすりつけた。関のオデコの脂が、福井の額に、ニチャリと音を立てて付着した。冷や汗と悪寒とともに、脂とも汗ともつかないようなものが福井の頬を伝う。
「クンニは何位なのかなもし。」
福井は答えなかった。すると再び体格のいい角刈り男が答えた。
「小夜子さんを除けば、一位です。」
「除けばー、除けばー、一位だって。福井、一位なのね、ワシ、イチイ。」
関は、
「イチイ、イチイ」
と喚きながら、今度は福井のあらゆる顔のパーツに、関の鼻の脂をこね付け回してきた。
「ウムワ、オェ。」
福井は声にならない声を漏らした。
こいつは酷かった。唇を奪われるなどという甘いものではない。額と鼻のダブル脂のダブルの粘着攻撃だ。こいつはしかけられたものにしか分からない、マニアックでスプラッターな嫌悪感だ。口臭は日本酒で、こっちもべとついた甘い臭いが鼻をつんざく。オマケに髪の毛からはポマードにフケの絡まった臭いまでしてくる気がする。こんなことなら殴られた方がましだ。蹴られた方がましだ。爪の皮を剥がされた方がましだ。
しかし、こんなことで負けていてはいけない。福井は誇り高き業界人なのだ。鼻持ちならなさでは、何処の誰にも負けることはないのだ。面の皮と札束の厚みだけが、己の生きざまなのだ。
「イチイ、イチイ、イチイタケオ!」
意味の分からない奇声を発しながら、関はなおも一升瓶をラッパ飲みしていた。その目は座っているかと思うと踊ってもいる。身体は泳いでいる。実にいい表現が日本語にはあるものだ。
確かにこの関は、その身体と年齢に似合わず、物凄いドライバーショットを飛ばすのだった。なのでスコアも確かに、小夜子に続いて二位だった。ただし、パットは、腰が痛いと言う理由で、全てOKパットではあったのだったが。
「ワシのインタビューは、何回ありましタカーハナダ?イヒイヒイヒ、ワカーハナダ?」
関はなおも福井の顔面を、これでもかというくらい額と鼻で撫でまわしていた。
福井はそれでも、精神の平衡は保っていた。こんなヤクザにデカい面をされて堪るか。こちとらそれこそ、食うか食われるかの広告業界だ。そんじょそこらのヤクザなんぞより、札束は飛び、血の雨も降るのだ。変態だって、ロリコンだって、マザコンだっているんだ。舐めろと言われれば、靴の裏も舐めるし、相手をしろと言われれば、有閑マダムだろうが、「もう許して」と言われるまでバックでやり続けてきたのだ。負けて堪るか、コノヤロウ。
「いやぁ、何回だったでしょうか。あれはぁ、確かぁ、・・・」
「一回!」
再び体格のいい、よく見ればそっちの気があるんじゃないかと思える角刈りの男が、福井を見下ろしながら叫んだ。これには福井はたじろぎ息を吞んだ。
すると関はヒョイとソファの上に飛び乗って、一升瓶をマイク代わりにしたかと思うと、歌い出した。
「♫ユエンナキバラハウド♫、♫クライオーダタイ♫」
プレスリーだ。ジェイルハウスロックだ。
関は、ツイストしながら一升瓶を振り回したかと思うと、酔いも年齢も感じさせない身のこなしから、ターンをして福井の前に膝でスライディングしてきた。
「小夜子は何回だにー?ハウメニーテームズ川?」
教養があるのかも、趣味の所在も、分からなかったが、センスがないことだけは確実だった。
「いやぁ、あれはたしかぁ、二回、いや三回、いや、・・・」
「三十五回!」
よく見ると「さぶ」の紙面を飾っていそうな角刈りの男が、再び大声を張り上げた。
畜生、一人じゃ何もできないくせに、と福井は思った。いくら脅したって金を持っているのはこっちだ。田舎ヤクザなどにはない人脈も持っているのもこっちだ。世の中、金とコネだ。人様の宣伝費でデカい面するのだ。嘘八百並べ立てて、芸者を上げるのだ。冠付けさせて、付けた分の金はごっそり代理店が持って行くのだ。
何が、「現場には一銭も降りてこない」だと。
バカ野郎、それが当たり前だ。現場なんぞ、冠が付こうが付くまいが、やっていることは同じだろう。こちとら口先三寸、企画書ペライチで金を出させるんだ。汗水垂らそうと、身体を張ろうと、そんなことで動く金なんて、一銭もないんだ。
さぁ、もうここらで切り上げよう。十分奴らの愚痴は聞いてやった。どうせ後から利権のおこぼれでも恵んでやれば、それで丸く収まるのだ。犬みたいにホイホイついてくるのだ。仁義も任侠もビジネスの前には座敷犬なのだ。悔しかったら吠えてみろ、このかっぺヤクザ。
福井はおもむろに立ち上がると、関の前に立ちはだかった。
「組長、もうここら辺で、話しを次に進めましょう。コンペ一つでこのざまじゃぁ、これから始まるデカい利権の話が出来ないじゃありませんか。」
「これからの利権?」
関が福井の顔を伺った。
ほーら、寄ってきた。この犬が。なつけこのバカ犬目。三回回ってワンと吠えてみろ。さっきみたいに踊ってみろ。
「そうですよ組長。道路なんざ、造ってしまえばそれで終わり。その次に来るのが、本当の利権ていうものじゃないですか。」
その通りだ。道路は飽くまで、道は道だ。その道が何を運んでくるのか、それこそが本当の地域開発、あるいは地域破壊。いずれにせよ、それが本当においしい利権の正体なのだ。だからこそ、元をただせば、その道の利権を獲得したものこそ、本当の利権への一番切符を握ることになる。
このかっぺは、そんな事さえ分からない。
「勿論、私は抜かりありませんから。組長のいない地域開発なんて、クリープの入っていないコーヒーみたいなもの、いや、本番しないAVみたいなもの、いや、加勢大周のいないクイズ番組みたいなもの。
まー、とりもなおさず、そこは十分に考えさせてもらっておる次第でありまして、リゾート、原発、ダム、にゴミ処理場、更にはテーマパークまで何でもござれのこの福井、よりどりみどりの赤、青、黄色、組長には何でも好きなものをご用意させていただく所存でおります。はい。」
これで決まりだ。これでさよなら、かっぺヤクザ、だ。
「言いたいのはそれだけか?」
驚いて福井は関の顔を見つめた。
その眼は既に酔ってはいなかった。
「お前が平賀のところのハンタロウとつるんでいるってのはわかっている。そいつはいいさ。だがな、金や利権じゃぁ済まされねぇ、人の筋まで違えようってことなら、俺は許さねぇぞ。」
人の筋?こいつは何を言っているのだ。
「お前らが平賀の奴までコケにしようって魂胆なら、こっちにも身の振り方ってものがあるってことよ。
さぁ、夜はまだ長げぇぞ。ゆっくり楽しもうや。」
そう言うなり、関は振り返り、顎で福井の方をしゃくった。「さぶ」の表紙をはじめとした五人の屈強な男たちが、福井を取り囲んだ。
犬は確かに吠えた。大した吠え方じゃないと福井は思おうとした。しかし、身体は素直だった。福井は生まれて初めて尿道が縮みあがるような恐怖感を覚えた。

レオナはほどなくして、その海沿いの道が嫌いになっていた。
判で押したようなテトラポットの黒い影と、延々と続く護岸壁に、怒りさえ感じていた。そのコンクリートの壁は、人が海に近づこうとするのを頑なに拒否していた。波から人を護るためなのか、それとも海から人を隔離するためなのか。いずれにせよその壁は、厚すぎて、長すぎる。利権が無用に厚くさせ、その利権がまた別の利権を呼んで長くさせたのだ。スプレーで書かれた落書きだけが、微かに人の匂いを思い起こさせた。
レオナは道を山の方に曲がった。
深刻になるのはよそう。今度の高速道路の意味など、レオナにとっては何の関係もないのだ。たとえその高速道路が、レオナ自身嫌悪感を抱く、ああした護岸壁と同じようなものになろうとも、それと仕事とは別物だ。
山へと向かう道は、急に険しくなった。険しくなった分だけ、親しみが増した。海辺に面するこの街は、急激にせり寄せる険しい山々を背にした、海と山の豊かな自然を持っていた。
山は例によってカーブが多い。舗装されていない支道もあちこちあるようで、何処へどう 繋がっているのかは、地図でも覚束なかった。
レオナは心地よくタイヤを軋ませながら、人気も車の気配もない山道のカーブを攻めた。ビトルボは直線もいいが、カーブもいい。悪いのは見かけだけだ。
「あれ、いないのかなぁ。こういう所には大体いるはずなんだけどなぁ。」
暴走族、いや、走り屋とでもいうのだろうか。

大抵の地方のこうした山道のカーブやコーナーには、名前が付いているものである。例えば、ナオキのカーブとか、トシヤのコーナーといった具合だ。高二の夏、パトカーに追われたCBRが、曲がり切れず激突したのがナオキのカーブであり、卒業したての春に、猫をよけ損ねて電柱に直撃したクレスタが、いつも停めてあったのがトシヤのコーナーである。中にはタクヤの踏切などという洒落にならない大惨事もあれば、ミナ子の歩道橋などという居たたまれないものもある。
しかし、それが地方の良いところでもある。都会では、それこそ毎年、何十人、何百人と交通事故で死ぬのだから、一々名前なんて付けていたら、一体誰の名前なのか分からなくなってしまう。その上、毎年変わってしまうのなら、折角つけた名前の意味がない。全く世知辛い世の中というものである。その点地方はまだ風情があるというものだ。
レオナはその手の話が好きだった。だからその手の子達とは割と仲が良かった。彼らと仲良くなるのは簡単だ、走りのバトルに勝てばいい。
ビトルボの走りとレオナの腕があれば、土地勘はなくとも大抵は勝つことができる。その上、ドリフトで8の字スピンでも見せればイチコロである。なおかつ、見かけがカローラのビトルボは、よく見るとマセラッティーだから、微妙に彼らの自尊心を傷つけることはないのだ。彼らはドイツには多少歯向かうが、イタリアには滅法弱いのだ。
バトルで仲良くなると、缶ジュースをおごる。すると彼らは一様に口を開く。
「やっぱ、煙草はショッポだよ。他のは軽くて喫った気がしねぇもん。」
ここから彼らの話が始まるのだ。まずはショッポだ。
「俺も色んな事やってきたよ。色んな世の中、見させてもらったよ。」
そうだ、彼らは一様に経験豊富なのだ。
「俺もそろそろ良い年だし、こんなこと年食ってまでやろうとは思っちゃいないね。」
そうなのだ、彼らははじめっから『良い年』なのだ。免許を取れるようになった瞬間、タバコが吸えるようになった瞬間、彼らはれっきとした『オジン』になれるのだ。
ここにきて、やっと矢沢フリークのレオナの出番だ。
「何言ってんのよ。何で矢沢は四十過ぎてロックンローラーなのよ。ルイジアナなのよ、バスでトラベリンするのよ。あんた、矢沢好きなんでしょ。夜中のハイウェイで、奴は行っちまって、あんたは残っちゃったんでしょ。」
そうだ、地方に矢沢は外せないのだ。
「その残ったあんたが、良い年こいてやってられなかったら、矢沢はどうなるのよ。矢沢は人生なんでしょ。ユーミンとは違うのよ。サザンとは違うのよ。所詮ブスは中央フリーウェイ辺りでチャラチャラやってりゃいいのよ。そこらのサーファーは、エリーとかクラウディアとか、パツ金の尻でも追っかけてりゃいいのよ。
こちとら矢沢でしょ。チッチチッチって言って針が刺さるんでしょ。刺さっても死なないんでしょ。そうよね、死なないわよね、だって矢沢なんだから死ぬわけないのよ。不滅なのよ。I LOVE YOU O・Kってなもんよ。『オーケー、サイコー』、で良いのよ。風呂にも入らないのにバスタオル羽織るのよ。恥ずかしいとか、世間体とか、そんなもん関係ないのよ。だから時間まで止めちゃうのよ。時間まで止めるなんて、アインシュタインだってビックリ仰天よ。」
レオナは止まらない。
「ちょっとあんた、しっかりしなさいよ。やめたらだめ。矢沢が悲しむわ。ナオキのカーブはどうしたのよ。トシヤのコーナーはどうするのよ。諦めちゃだめよ。貴方も立派に名前を残しなさいよ。刻みなさいよ、この土地の、この道に。そのために走るんでしょ、そのための矢沢なんでしょ。さぁ、勇気を出してもう一度走り出すのよ。」
レオナは彼らの肩を叩きながら続けた。
「誰にでも迷いはあるわ。あなたもちょっと横道に逸れただけ。そんなあなたを決して矢沢も責めやしないわ。外した指輪は今でもお前のものだって言ってくれるわ。だから大丈夫。今ならやり直せる。さぁ、行くのよ。そして、あなた自身の手で青春を取り戻すのよ。」
レオナは彼の両肩を揺さぶり続けた。そうやって、その隣の彼にも、またその隣の彼にも、レオナは声援を送り続けた。
そうだ、彼らが立派に名前を残せる高速道路だ。永遠に語り継がれるための道路だ。そのためのレオナなのだ。
そう考えると、レオナはウキウキしてきて堪らなくなってきた。このちょっとサディスティックな感じが堪らないのだ。一周回っちゃって、丁度帳尻が合っちゃう感じなのだ。利権と金と行政じゃないのだ。薄汚れた業界なんて、ライフがヴェインなのだ。そんな汚い奴らのためではない。目の前にいる若者たちのための高速道路だ。命がけの高速道路だ。そのためのレオナなのだ。
「さぁ、走るわよ。」
レオナは勢いよくビトルボに乗り込むと、アクセルを吹かせた。続々と彼らもそれぞれの車に乗り込んだ。
『着いて来なさい。』
レオナは軽く頭を振って合図すると、強烈な排気音とともに、猛烈な勢いで走り出していった。

福井はロープで吊し上げられていた。それ程の高さではない。足がつきそうでつかないぐらいの高さだ。それに、素っ裸だった。服を破らないためと、見えるところを傷つけないためだった。屈強な男たちが五人がかりでゆっくりと優しく脱がせていったのだった。丁寧に縄で縛られ、吊し上げられたのだ。よくぞまぁ、こんな縄の縛り方が出来るものだ。ヤクザはみんなボーイスカウト出身なのか。どこかのポルノビデオで見たことのある光景だった。見たのは飽くまでブラウン管の向こう側での話だ。それが何故か今はこちら側にいる。
それだけで、福井の神経は既に破綻に瀕していた。やはりヤクザはヤクザなのだ。この言いようもない現実感は一体なんだ?高倉健も菅原文太も鶴田浩二も嘘つきだ。フィクションと現実は圧倒的に違うのだ。何たってかんたって、無茶苦茶に怖いのだ。歯が浮いて、足が踊って、小便が垂れてくるのだ。その上、そいつらは人が小便まで漏らしているのに、笑おうともしないのだ。
普通だったらここ等で科白の一つもあっていいだろうに。
「オイ、こいつ、漏らしやがったよ。」
せめてそれぐらい言ってくれよ。そう言って教養のない笑いを見せてくれよ。そうすればこっちだって悔し涙の一つでも流せるってもんじゃねぇーかよ。
いきなりボディーに食らった。そうだ。そうこなくっちゃ。こうでなきゃ、このシーンはおさまりが付かない。パンチを食らう前に失禁しただけだ。後から編集すれば計算は合う。だから、ここで福井は気を取り直して後ずさりをする。そして哀願するような目つきで許しを請う。しかし、そこには無情の暴力が立ちはだかる。この暴力は避けきれない。逃げることは出来ない。
そう思った瞬間、福井の眼に炎が宿るのだ。不正と虐待と全体主義への怒りが、福井の心に目覚め、そしてその怒りが炎となって、男たちを焼き尽くすのだ。

と、なるはずなのに、何もされない。
失禁した福井は、裸のボディーに軽くパンチを入れられただけで、後はそのままほったらかされているのだ。そんな時の方が居たたまれない時もある。
ダラダラと、そんな時間が続いた。男たちは何の感情も見せず、思い出したように福井を殴った。
それ程の痛みはなかった。しかし、肉体的ダメージがそれほどない分、惨めさが増した。居場所がないのだ。立場がないのだ。耐えようにも何に耐えて良いのか、良く分からないのだ。萎縮し始める精神を止めようがなかった。殴るなり蹴るなり脅すなりすかすなり、早くして欲しくて堪らなかった。何もされる前に負けそうな気がして、気が気でならなかった。
福井の神経がねじれ始めようとする頃、ようやく関が口を開いた。
「さぁ、聞こうか。お前とハンタロウが描いた絵だということは分かっている。お前は金、ハンタロウは利権、それはそれでいいこった。良くある話よ。それが平賀に行こうと、こっちにこようと、どちらにしろ若いのが四五人死んで、片が付く。いつものことさ。」
いつものことなのか。ならばいつも通りにすればいい。その何時もに福井はいないはずだ。
「でも、今回だけは違うみたいだなぁ。」
裸のまま、福井は何と答えればいいのか分からなかった。分からなかったが、言葉は続けて欲しかった。関が口を閉ざし、再びあの時間が来ると思うと、身の毛がよだつようで怖くて仕方がなかった。
「平賀の奴は、暢気だからよ。三代目ってのはそんなもんよ。何時までも歴史は続くって思っていやがる。だからハンタロウみてぇな、頭しか切れねぇ、半端な奴がのさばるのさ。
ただな、世の中、そんな奴だけじゃぁねぇってことを、わからなけりゃいけねえぞ。」
福井は何度も頷いた。お願いだから、言葉を続けて欲しかった。
「小夜子って子はいい娘だよ。眼を見ればわかる。しかし、ハンタロウはいけねぇ。俺どころか、平賀の奴まで追い込むつもりだ。」
そう言って、関は立ち上がった。右手には日本刀を持っている。鞘からだけでは、真剣なのか、模造品なのかは良く分からなかった。ただ、おもちゃでないことだけは、理解できた。
音もなく、五人の男たちが再び福井を取り囲んだ。ローキック、足に来た。しかし、吊られている福井の身体は反動で逃げてしまう。そよ吹く風の柳なのか、そのため痛みは少ないような気がした。すると、背中から羽交い絞めされた。三発目、四発目、胸とか腹とか、良く分からなかったが、今度は本気で痛かった。
「ハンタロウの狙いは何だ。切り札は一体、何なんだよ。」
関の言葉に続いて、再びローキックが来た。脛に当たると、反動も何もなかった。今度は思いのほか痛かった。
痛みの中、福井は切り札とは何かを考えた。福井の知る限り、何か奥の手のようなカードは何も思い当たらなかった。福井は金、ハンタロウは利権、他に残る物などありはしない。
更にキックとパンチは続いた。肩、脇腹。腰、骨と内臓が悲鳴を上げた。しかし、何故か福井の精神は冷静だった。いや、非現実的だった。さっきとは裏腹に、現実はフィクション以上にフィクションのようだった。肉体の痛みと反比例して、精神は高ぶって行った。
『切り札とは一体何なんだ?』
関が日本刀を抜いた。
それでも福井には、まだ何か非現実的だった。
関は振り被り、日本刀を一気に払った。次の瞬間ロープが切れ、福井の身体はもんどりうって床に転がっていた。
「さぁ、言いな。お前はよく頑張った。素っ裸でよくここまで耐えたもんだ。俺にはもうお前を痛めつけようなんて、思わないさ。だから吐いちまいな。」
目の前の床を見て、初めて福井に現実感が戻った。安心感からもう一度失禁しそうになった。頭の中がぐるぐる回った。
『切り札?あるとするならそれは、、、』
「ほら、吐けよ。」
関の日本刀の切っ先が福井の目の前にあった。福井は恐る恐るその刃の根元を見上げた。自然と口を衝いて言葉が出た。
「香坂レオナ。」

その言葉を聞くと、男たちはバタバタと出て行った。関もゆっくりと日本刀を鞘にしまうと、何も言わずに出て行った。男の一人が福井のスーツを探り、上着のポケットからボルボのキーを持ち去るのが見えた。
福井は縛られたまま床に脱力した。裸のまま、何とか仰向けに姿勢を変えた。天井を見上げた。これが今の福井にとっての現実だった。
『き、切り札?』
福井は虚空を見つめながら、大きく深呼吸をした。

くねくねとした山の支道で何度か迷いながらも、レオナは街へと戻る道を走っていた。ラブラドールへはそれほどかからないだろう。もう走り屋たちの夜も更けた。今夜はぐっすりと眠れることだろう。明日は夕方から、中央のお偉いさん達との会合があるだけだ。
気が付けば、予定の一週間ももう明日で、いや、正確に言えば今日で終わりである。
悪い一週間ではなかった。
突然、二台のベンツが物凄いスピードで煽ってきた。何処からともなく現れたその車は、あからさまな敵意をその車体から漲らせていた。
それでもレオナは、
「懲りないわねぇ。」
と、笑みを浮かべる余裕があった。最近の子供たちはベンツくらい乗っていてもおかしくはない。この時間となっては多少面倒臭いこともないが、売られたケンカだ、買うのが仁義だ。
殆どレオナがアクセルを踏みかけた時、その二台のベンツの後方から、更にもう一台のボルボが追ってくるのが見えた。よく見れば、見慣れた福井のボルボだ。
『こんなところまで追っかけてくるなんて、可愛いところがあるじゃないの。』
そう思ったからこそ、レオナはアクセルから足を離したのだ。それがまさか、こんな展開になろうとは、夢にも思わなかった。

ハンタロウは放心状態の福井を見降ろしていた。シンイチロウがハンタロウの部屋に担ぎ込んできてからというもの、殆ど呆けたままの状態だった。時たま思い出したように、
「レオナさん。」
と、呟いた。
あまりに遅い福井の帰りを訝って、ハンタロウがシンイチロウを探しにやらなければ、どうなっていただろう。
シンイチロウはクラブハウスのゲストルームで、ロープで縛られた状態の全裸の福井を見つけ、ハンタロウの部屋に担ぎ込んできたのだ。見つけた時、福井は海老のように体をくねらせ、天井を見つめて泡を吹かせていたと言う。涙を流しながら。
「福井さん、一体何処の誰にやられたんでしょうかね。」
好奇心丸出しのシンイチロウをどやしつけながら、ハンタロウは事の成り行きを、辛抱強く福井に問い質した。レオナの名前ばかり繰り返す福井だったが、端々の言葉の断片を総合すれば、関の脅しにレオナの名前を喋ったと言う事のようだった。
「レオナって、あのイメージガールの良い女のことですよね。それがどうしたって言うんですか?」
「つまり、関は俺の切り札が、そのレオナとかいう女だと思い込んだ、ということだ。」
「切り札?切り札って言ったら、ヒデキのアニキの事じゃねぇーんですか。」
「その通りだ。それを、関はこの知らない福井に無理やり吐かせたということらしい。
よりによって、こいつは自分が惚れている女の名前を口走った。だからこいつは泣いている。」
ハンタロウはそう言ってため息をついた。確かにレオナもある意味では切り札ではあった。だから福井がレオナの名前を出したのも、あながち間違いだとは言えない。大きなプロジェクトに欠かせないもの、それを落とす役割。それは切り札と言ってもおかしくはない。
ハンタロウと福井にとって、このプロジェクトに欠かせないものは二つ残っていた。官僚と政治家、この二つである。どんなプロジェクトでも、それが大きければ大きいほど、役人が介在する。道路なら建設省と運輸省、これは外せない。そしてその役人を動かすのが代議士。
こいつらへの切り札がレオナだった。金と色は何処へ行っても付きまとう。明日の会合でその渡りをつける。それで今回のキャンペーンの段取りは完成する。色と金、そしてその向こうにある利権。
そのために福井はレオナを育ててきたと言うわけだ。金はどこに行っても金。しかし、色はその色自体がどれほどの輝きを放つかによって、全く変わってくる。色は物理的な見かけだけではない。それがどれくらい増幅されたイメージを持つか、つまり、ハードウェアだけでなく、ソフトウェアが胆になる。
レオナは既に道路建設に対して、ある種の付加価値、つまり、利害の綱引きには無関係な、無垢な女神としてのイメージを有している。それこそが絶対の色としての本質なのだ。
多分、レオナ本人は嫌がることだろう。しかし、それもレオナの研究費と抱き合わせと言う事になれば、結局レオナも折れるしかない。別に身体を売れということじゃない。逆に、いくらで売れる自分なのかが勝負なのだ。いずれにせよ身体の一つや二つ張らないことには、学者などやってはいられないのだから。
しかし、それは飽くまで表の世界でのことだ。関が本当に知りたがっていた切り札とは?今頃その切り札は何をやっているのか?
ハンタロウは静かにソファに座った。そして待つことにした。いずれにせよ、そのもう一つの切り札が、手札を開くのはもうすぐだ。

ヒデキは、少し離れた場所にスティードを止めた。関がクラブハウスから移動したのは計算外だった。しかし、全てが計算通りに行くわけではない。それは百も承知の上だ。関の事務所なら、何度か使いに行ったことがあるから、内部の構造は分かっている。相手の人数も、立っていそうな場所も想像は付く。
ビルの周辺に見張りはいないようだった。念のため、通りに見えるベンツは、全て空気を抜いてパンクさせた。ビルの五階から屋上に上がる。どこにでもある変哲のない雑居ビル。夜に人気は少ない。逆に好都合かもしれない。鉄柵にロープを縛り付け、二階までの間合いを測る。ヘルメットにゴーグル、革ジャンにブーツ、ガラスを割って飛び込むにはうってつけだ。胸のホルスターには、スミス&ウェッソンがしっかりと収まっている。ロープを握った。ヒデキは意を決して、鉄柵を乗り越えた。

関の事務所の二階で、レオナは男たちに取り囲まれていた。目の前には、大ぶりのデスクにふんぞり返った関が座っている。
「あんたには悪いがなぁ、今日一日は俺に付き合ってもらう。くれぐれも変な気は起こさないように、注意してもらいたい。」
関は口を開くと、そう静かにレオナに語り掛けた。
いくらその口調が静かだろうと、周りは男たちに取り囲まれていた。机の上の注射器には、エイズ撲滅のマークをあしらった消毒済みのシールが貼られている。何がエイズ撲滅だ。それが、五本、六本、七本。

あの時、福井のボルボから降りてきたのは、見ず知らずのこの男達だった。男達は何を聞いても何も答えなかった。仕方なくレオナは男達の運転するベンツとボルボに誘導され、この場所に連れて来られたのだった。
一体、レオナに何をしろというのか?何か失礼があったのなら、素直に謝ろうとは思う。しかし、何もしてはいないのだ。関とは福井を介してしか知らないし、当の福井はどこへ行ったのか、行方が分からない。このまま二の腕に注射器を突き立てられるのか、それともその前にアダルトビデオよろしく、犯されでもするのだろうか。
そう思う間もなく、関は言葉をつづけた。
「さぁ、レオナちゃん、ちょっとゆっくりして行こうか。あんたは取りあえず静かにしていてくれるだけで良いのだから。何も心配することはないんだよ。」

『さぁ、どうしよう。』
レオナは考えた。一瞬閃いたのは、志穂美悦子だ。そう、あの千葉真一の愛弟子にして、日本の女性スタントマンとしてのパイオニア、アクション女優としての第一人者、通称「悦ちゃん」だ。
『悦ちゃんなら、どんな感じになるだろう?』

悦子は自然と間合いを測っていた。目の前に座る関との距離、両隣、そして後ろに立つ男たちの配置と間隔。そして自分の足の長さとスカートの丈。
「あの、その前に一つ、お話したいことがあるんですけど。」
おもむろに切り出す悦子。怪訝な表情を浮かべる相手。
「耳をお貸しいただけませんか。」
そう言う悦子に、相手は怪訝な表情のまま身体を前に身を乗り出した。その瞬間、
「ちょっと手を貸してね。」
左手の男に言うなり、悦子は身体を左の男に預け、思いっきり身体を傾けたかと思うと、スカートの裾をからげながら右足で正確な横中段蹴りを放った。ピンヒールが、耳を傾けた相手の右耳の上、側頭部をピンポイントで射貫く。
相手はもんどりうって横倒しに吹っ飛んだ。男たちは一瞬戸惑った。その隙に悦子は手を取った左の男の懐に入りながら、相手のネクタイを掴み、そのまま巴投げで投げた。素早く身を起こし出口を伺った。しかし、遠い。投げられた男に代わって、別の男が後ろから羽交い絞めにしてきた。悦子は右足のヒールで相手の右足を踏みつけると、左のエルボーで男の左顔面を強打する。バランスを失った男の同じ顔面へ、回転しながら右のハイキックを叩きこむ。正面から別の男が突っ込んでくる。すかさず中段の後ろ回し蹴りを、相手の脇腹にねじ込むように突き刺す。右手の男が注射器を取り上げた。他の二人が出口を塞ぐように、退路に立ちはだかった。脇腹を押さえながら、男が起き上がる。
「よお、ねぇちゃん、舐めたマネしてくれるじゃねぇか。」
悦子は胸ぐらを掴まれ、取り押さえられた。

『あちゃー、悦ちゃん万事休す。』
「ちょっと、ちょっと、レオナちゃんてば、どうしたのかな。気分でも悪くなっちゃったのかな。」
心配そうに関が声を掛けた。
「おい、ちょっと、おしぼりかなんか持ってきてあげなさい。」
気が付くと、関の指示で横の男がおしぼりを差し出してくれた。
「あ、ありがとう。」
レオナは落ち着きを取り戻した。どうやら志穂美悦子の出番はなさそうだ。しかし、相変わらずこれからの流れが見えてこない。
「あ、もうこんな時間だ。」
というと、関はおもむろにシャツをたくし上げ、でっぷりとしたお腹を突き出した。
『うわ、こ、これは、大胆にも本人自ら強姦という流れなわけ?私これから強姦されるの?でも、強姦って、自分から先に脱いじゃうものなの?でも、脱ぐなら下の方が良いんじゃないかしら、、、』
すると右隣の男が、注射器をおもむろに取り上げた。
『きゃぁ、今度は注射なの?私注射されちゃうわけ?それって麻薬でしょ、覚せい剤でしょ、シャブって言うんでしょ。でもどこに打つわけ?腕はまだたくし上げてないけど、いいのかな、もしかして太腿?それにしては針が細くないかしら、どうなのかしら、、、』
男はその注射器を、関のむき出しのお腹に突き立てた。
眼が点になるレオナ。
「ごめんね、レオナちゃん、丁度時間でね。糖尿病のインスリンの注射なんだよね。毎日五回打たないといけないからさ、時間が決まっているんだよね。」
無事注射も打ち終わり、関はシャツをベルトの中にしまって、改めてレオナに向き直った。
「さてと、冗談はこれくらいにしておくかね。」
関は穏やかな表情で話し出そうとしていた。どうやらレオナを危険な目に合わせる気はなさそうだった。しかし、このまま帰してくれはしないことだけは確かだった。
空気が変わり、新たな緊張が空間を包んだ。
その時だった。
突然、背後の窓が割れたかと思うと、革ジャンの青年が飛び込んできた。その手には、しっかりと鉄の塊が握りしめられていた。
「誰だ?」
関が打って変わった険しい声で、その青年に向かって言った。ヘルメットとゴーグルで顔は覆われていた。銃を構えた青年は、一言ため息をつくと低い声で呟いた。
「アインシュタイン。」
銃声と共に、拳銃が火を噴くと、それとほぼ同じ瞬間、関の額からも血が吹いた。瞬く間に噴き出る血が辺り一面を染めた。
一瞬、レオナは辺りに吹き飛ぶ血しぶきが、現実のものとは思えずその美しさに茫然としていた。
その青年は男たちに銃口を向けながら、レオナの手を引いた。そして強引に引っ張られたかと思うと、後ろ手に飛び散ったガラス窓を開け放った。
レオナの耳に青年の言う言葉が届いた。
「飛べ!」
二人は二階から宙に舞った。瞬間、アスファルトに叩きつけられると思ったが、その前に二人はボルボの屋根の上に落ちていた。心の中で福井に感謝した。
ボルボの屋根から転げ落ちるように降りると、レオナは直ぐそばに停めてあったビトルボに飛び乗った。
「こっちよ。」
一瞬の躊躇いもなく、その青年はビトルボの助手席に飛び込んできた。
「落ち着け、奴らのベンツは全部動けないようにしてある。あんたには悪いが、もう少しの間、俺に付き合ってもらう。」
この青年がヒデキだと、レオナは確信した。いや、本当はそうでなければいいのにと、思ったのかもしれなかった。そうだとしたら、つくづく小夜子が憎らしかったからだ。
レオナはこの青年にビトルボの走りを見せたいと思った。そんな気持ちになっている自分がおかしかった。
「シートベルトしておきなさいよ。でないと、すっ飛んでも知らないから。」
驚く青年の顔を横目に、レオナは本気でビトルボを唸らせた。
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