追放された支援術師〜着いてきてくれた仲間たちと最強を目指す〜

高峰悠華

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猫耳の奴隷少女たち

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今日の買い物で欲しいものがある。パーティの皆んなに納得してもらうことが大事だけど。

「今日の買い物で、奴隷を買おうと思ってる。」

「え?」

「どうしてです?」

あーうん。この反応が普通だよね。俺も昨日まではそんなこと考えなかったし。でも今はそう言う選択肢もあるって知ってるからね。

「ほら、俺たちのパーティって5人居るのに前衛がユニさんだけじゃん。俺もモニカもメイリアもソフィーさんも全員後衛だし。」

「確かに・・・」

「あと2人くらい前衛が居たらバランス良くなると思うんだ。出来れば小回りが効くタイプがいい。防御系の剣士だけだと素早い相手に苦戦するかもしれないし。」

「なるほど。そういうことでしたら賛成です。」

みんな賛成してくれたようだ。やっぱり前衛は必要だと思うんだよね。

「じゃあ奴隷商の所に行こうか。」

奴隷商に到着した俺たちはまず店の中を見て回る。広いな・・・

「ようこそお客様。お探しの奴隷はどのような奴隷でしょうか?」

物腰丁寧なのに胡散臭い片眼鏡の男が話しかけてきた。

「スピードがあってある程度力もあるタイプがいいですね。あと出来たら小回りが効くタイプ。」

そう答えると奴隷商は、

「うーん・・・」

顎に手を当てて大袈裟に悩む雰囲気を出しはじめた。

「どうかしました?」

「いえ、お客様の希望に合う奴隷が居るんですがねぇ。」

もったいつけて答えようとしない。

「何か問題があるんですか?」

「実は呪いにかかってまして持ってあと半年なんですよ。そして双子でしてね。片方が離れると自害しようとするんです。」

双子か・・・それはそれで好都合だ。

「なるほど、ちょっと仲間と相談してくる。」

俺は一旦仲間たちと離れるとモニカたちに相談した。

「モニカ、解呪ってできるか?」

「一応できますけど、そんな強いものは解けませんよ?」

「でしたら、私の停止魔法で呪いを現在の状態で停止しておいてモニカさんが強力な解呪を身につけるか何か解呪の方法が見つかるまで凌ぐのはどうでしょう?」

「よし、それで行こう。」

「では私とメイリアさんの二人でその奴隷を見に行きましょう。」

「お願いします。」

「それじゃあ私たちは店の入り口付近で待ってるわね。」

「分かった。すぐ戻る。」

俺は急いでモニカたちと別れると奴隷商の元へ戻ってきた。

「で、そんな訳ありなんですからモチロン割引してくれるんですよね?」

「モチロンでございます!何でもあの奴隷は双子で一緒じゃないと自害するとまで言ってる問題児!こちらとしても引き取っていただけるなら有り難い!!」

「確か獣人族でしたよね?店の入り口にあった相場だと確か・・・1人当たり金貨300枚と。」

「ええ、その通りでございます。」

「じゃあ2人まとめて400でどうだ?」

「流石にそれは商人を舐めすぎではないでしょうか?」

なるほど・・・流石に通らないか。

「ふーん・・・じゃあ480でどうです?」

「うーん・・・わかりました!金貨480枚で交渉成立です!」

「それじゃあ一括で。」

金貨の入った袋を手渡し購入する。

丁度そこでメイリアさん達が帰ってきた。横にいた奴隷は小さな2人の女の子だった。猫耳かな。

アレは。猫人族だったかな正式には。確かに敏捷性抜群だ。

「それではこの隷属の首輪の所有権を貴方様に譲渡します。」

首輪の所有権の書き換えを終了し奴隷商の店を後にする。

「よし、取り敢えずこの子達の服買ってから呪い止めるか。」

流石にボロっちい布だけじゃあ可哀想だ。

「そう言えば名前とか聞いてなかったな・・・」

まぁ後で聞けば良いかと思いつつ近くの衣料品屋に入る。

「すみませーん。彼女達に似合いそうな服一式見繕ってくれないですか?」

「はいは~い♪可愛い女の子用のお洋服ですね!」

やけにテンションの高い女の店員が対応に来る。

「この子達に似合う服3着ほど見繕ってください。」

「了解しました~♪」

テンション高いなぁ。女物の服の店なんか来るの初めてだから膝笑ってんのに俺。

「お客様にはどれが似合われると思いますか?」

「そうですね・・・これなんてどうでしょうか?」

「いいですね~♪お客様センスありますよ~」

こんな感じで服選びは終了した。

「お客様、こちらはサービスになります。」

手渡されたのは白いワンピースを2着。

「ありがとうございます。」

いい店だったな。

今度モニカたちに教えてあげよう。

「さて、じゃあこれを・・・」

「私が着替えさせる!」

メイリアの積極的な性格はこういう時に助かる。

「お、おう・・・任せたぞ?」

「はいは~い♪」

元気だな・・・

「それじゃあ一旦宿に戻って呪いを停止させよう。」

今宿でソフィーさんが停止魔法を用意してくれている。2人分となれば1人の魔力じゃ足りないだろうからモニカに俺の支援魔法《魔力譲渡》を付与したヒモで魔力を供給してもらってる。一回使ったらただのヒモに戻るけど。

「それじゃあ行くか。」

2人を連れて宿に向かうと入り口に皆んなが集まっていた。

「あ、終わったみたいね。」

「こっちも準備できましたよ。」

「では早速始めましょう。」

ソフィーさんがが二人に近づき眩い光を放った。

直視したら目潰れるんじゃねぇかってくらい眩しい。

光が徐々に収束し、ようやくまともに目を開けられるようになった。

「成功しました。」

「よし、君たちの呪いは停止魔法で停止されてるからこれ以上進行することはないよ。」

そう伝えると彼女たちの目には涙が浮かび泣き出した。

それもそうだ。半年後に死ぬかもしれないなんて怖いに決まってる。

「もう大丈夫だよ。」

モニカが優しく声をかけると、

「あ、あのっ・・・」

双子の片割れが話しかけてきた。

「ん?どうしたの?」

「あ、あの、私たちを買ってくださり、あ、ありがとうございました。」

「本当に、あんな狭い所で死ぬかもしれなくて・・・でも外に出れてこんな綺麗な服も着せてくれて・・・」

うん、やっぱり女の子なんだな。いや女の子のことなんか全くわからんけど。普通に嬉しいな。

「これからよろしくね。」

「「はい!よろしくお願いします!!」」

こうして新しい仲間が増えた。

そこで問題なのは奴隷の契約内容と隷属の首輪だ。目立つし首輪の。

まず、奴隷の首輪の契約を破棄してから。《契約遵守》を付与したペンダントを用意した。ペンダントはその辺の雑貨屋で買った高くないものだが。これに魔法を付与して。

「よし、じゃあ【契約】だ。」

《契約遵守》を付与した物を相手に渡して契約を宣言すると発動する。

「契約内容は、『戦闘時は俺たちの指示に従う。』だ。」

そう言うと2人は少し驚いたような顔をしたがすぐに首肯した。

そして2人ともにペンダントを首にかける。

「これで完了だ。2人とも何か変化はあるかい?」

そう聞くと2人がキョトンとした顔になった。

「あれ?それだけですか?」

「え、うん。だって買った理由が戦闘時に前衛になれる人が欲しいからだし。その仕事さえこなしてくれたらあとはもう自由よ。」

「「ありがとうございます!」」

「よし、それじゃあ今日は疲れてると思うから部屋に戻ってゆっくり休むといいよ。」

そう言って解散しようとしたところで、名前聞いてないの思い出した。

「そういえば名前は?」

「私は姉のレイサです。」

「私は妹のレイラです。」

「そうか、俺はユウ。改めてよろしくね。」

そう挨拶すると2人も

「「こちらこそよろしくお願いします!」」

「それじゃあお休み~。」

「おやすみなさい!」

「おやすみなさい!」

新たに2人をパーティに加えた。最近ユニさん仲間にしたばかりだけど。しばらくは連携の練習かな。
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