乙女ゲーのヒロインに転生しました〜攻略対象の王太子が悪役令嬢にベタ惚れな件について〜

ねぎまのねぎ

文字の大きさ
1 / 1

乙女ゲーのヒロインに転生しました〜攻略対象の王太子が悪役令嬢にベタ惚れな件について〜

しおりを挟む
「星の瞳の聖女」

それは、大人気の乙女ゲームの名前だった。
豪華声優陣に見目麗しいイラスト。
きゅんとするような恋愛にドキドキする展開。

私は、そんなゲームのヒロインに転生したらしい。






「アリス!お待たせ。」
「モニカ。そんな焦らなくても良かったのに。」
「ごめんごめん。アリスとお出かけすると思ったら居ても立っても居られなくて。」
「…もう。モニカはお転婆なんだから。」

モニカ=デレス。彼女は聖女アリス=エーヴェルの親友だ。こちらが心配になるほどアリスが大好きでアリスの為なら我が身を厭わない。

「でも、どうしたの?急に行きたいカフェがあるからって出かけるなんて。」
「え?いや、ちょっと、甘い物が食べたくなって…!」
「あー、あるよね。そういう事。」

(危なかった…!)

まさか悪役令嬢と王太子がお忍びデートだからだとは到底言えない。







アリスは転生者だ。前世はしがない日本人女性。そしてこの世界でもある乙女ゲー、「星の瞳の聖女」が大好きなオタクでもあった。

それに気づいたのはアリスが5歳の時。発熱も命の危機も無く、ある日すんなりと思い出した。

(あ、私ヒロインだ。)

そう気づいた直後、「じゃあ、悪役令嬢も転生者なのかしら」とも思った。

(だってそうよね。巷では悪役令嬢モノ人気だったし…。)

そして「悪役令嬢が転生者」という裏付けがとれたのはその7年後の時。

アリスは12歳。悪役令嬢は13歳。悪役令嬢の婚約者である王太子は15歳の時だ。

ゲームではアリスと王太子が初めて会うシーン。王太子は悪役令嬢に疲れ、外で休もうとしたが、先にアリスがいた。2人は一目で恋に落ちるものの、王太子が悪役令嬢に呼ばれ渋々帰っていくというストーリーだ。

(ここに王太子が来るのよね…。)

王太子が来たらどうしようか。ゲームではアリスは屈託なく話しかけていたがそれは王太子と知らなかったから。王太子と知っている今ではそんな事は出来ない。

そう考えていると声が聞こえた。

「アル様?本当に行かなくてよろしいですの?」
「なんで行かなくてはならないんだいレティ?2人で行くならまだしも僕1人で行くなら意味はない。今日は君とのデートだし。」
「でも、お疲れのようですし…!」
「疲れている?いや、全然そんな事はないよ。」
「でも…!」

(あー、これあれだ。悪役令嬢が転生者で良い人で王太子に溺愛されてるやつだ。)


なら話は簡単。アリスはその場をそっと離れた。





「あああああアル!?ちょ、何して!」
「え?だって僕らはカップルだよ?これくらいいいじゃないか。」

(すげーあつあつやんけ。)

アリスはモニカとケーキを楽しみながら隣のカップルー悪役令嬢レティシアと王太子アルフレッドーをそっと見ていた。

「な、なんていうかすごいね。」
「うん…。そうね…。」

王太子が悪役令嬢を溺愛しているのは知っていたがまさかここまでとは。

(いや他所でやれよ。)

確かにカップルが多いとはいえ王族とお貴族様なのだから貸し借りぐらい出来るだろう。

(目に毒なんだよなぁ。)

いまだに婚約者がいないアリスにとって隣のカップルは迷惑でしかない。

「…出ようか。」
「そうだね。」

アリスとモニカはそっと店を後にした。







その後。18歳になった悪役令嬢と王太子が結婚することが決まり国内はお祝いムーブに包まれていた。

そして、アリスは聖女として活躍しながら公爵様に見初められ結婚しましたとさ。

めでたしめでたし。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

原産地が同じでも結果が違ったお話

よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。 視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

無実ですが、喜んで国を去ります!

霜月満月
恋愛
お姉様曰く、ここは乙女ゲームの世界だそうだ。 そして私は悪役令嬢。 よし。ちょうど私の婚約者の第二王子殿下は私もお姉様も好きじゃない。濡れ衣を着せられるのが分かっているならやりようはある。 ━━これは前世から家族である、転生一家の国外逃亡までの一部始終です。

婚約者が聖女を選ぶことくらい分かっていたので、先に婚約破棄します。

黒蜜きな粉
恋愛
魔王討伐を終え、王都に凱旋した英雄たち。 その中心には、異世界から来た聖女と、彼女に寄り添う王太子の姿があった。 王太子の婚約者として壇上に立ちながらも、私は自分が選ばれない側だと理解していた。 だから、泣かない。縋らない。 私は自分から婚約破棄を願い出る。 選ばれなかった人生を終わらせるために。 そして、私自身の人生を始めるために。 短いお話です。 ※第19回恋愛小説大賞にエントリーしております。

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

追放先で気づいた。この世界の精霊使いは全員、聞き方を間違えている~最安もふもふ白狐と始めた、問いかけの冒険~

Lihito
ファンタジー
精霊と暮らす世界で、ノエルはギルドを追い出された。処理ミスは誰より少ない。でも「やりづらい」の一言で、理由には足りた。 手元に残ったのは、最安で契約した手のひらサイズの白い子狐だけ。言葉はたどたどしいし、力もない。誰が見ても「使えない」と笑う精霊だ。 たどり着いた町では疫病が広がっていた。高額な精霊が三度探して見つからない薬草。ノエルは最弱の白狐と半日で見つけ出す。 力で勝ったんじゃない。聞く範囲を絞り、段階を分け、小さな鼻に合った問いを重ねただけ。 ——なぜこの世界では、誰も精霊への「聞き方」を知らないのか。 その違和感が、ノエルの旅を動かしていく。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

婚約破棄が聞こえません

あんど もあ
ファンタジー
私は、真実の愛に目覚めた王子に王立学園の卒業パーティーで婚約破棄を宣言されたらしいです。 私には聞こえないのですが。 王子が目の前にいる? どこに? どうやら私には王子が見えなくなったみたいです。 ※「承石灰」は架空の物質です。実在の消石灰は目に入ると危険ですのでマネしないでね!

処理中です...