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16.解決と帰宅
マーガレイド農園からジャムを盗んだことを、正直に白状したポーマ子爵。
小屋に火をつけたのは、先ほど逃げ出そうとした庭師だったことも明かした。
そして執事と共謀して、ジャムを他国に売りさばいていたのだとか。
「あの馬鹿夫のせいで、わたくしまでこんな目に……」
子爵夫人もがっくりと項垂れながら、連行されていく。彼女の部屋から開封済みのジャム瓶が発見されたのだ。
どうやら、盗品と知りながら食べていた様子。
そして地下室で見つかったジャムは……
「証拠品として一時押収という形になりますが、あとで必ず農園にお返しいたします」
警官の説明に、私はほっと胸を撫で下ろす。
戻って来るまでに時間はかかるだろうけれど、きっとマーガレイド夫妻も喜んでくれると思う。
屋敷の周辺には、騒ぎを聞きつけた野次馬が集まって来ていた。
あとのことは警察に任せて、私とクラレンス様は馬車に乗り込んだ。
「ありがとうございます、クラレンス様。あなたのおかげで放火犯を捕まえることが出来て、ジャムも取り返せました」
私は感謝を込めて、深く頭を下げた。
「そんな、礼を言われることなんて何もしてないよ」
クラレンス様は、蚊の鳴くような声で言った。頬がほんのりと赤く染まっている。
照れている様子の婚約者に、私は小さく吹き出す。
「クラレンス様、可愛い」
「か、可愛くないよ。可愛いのは君の方だ……」
視線を逸らしながらぼそっと言い返すクラレンス様に、私も頬が熱くなる。
狭い車内に漂う甘酸っぱい雰囲気に耐えられず、話題を変えることにした。
「それよりクラレンス様って、武術を習っているんですか? 子爵をガッ、ドン、バターンッて取り押さえてましたけど……」
言葉でどう表現すればいいか分からず、擬音だらけになってしまった。
だけど私を守ってくれた時のクラレンス様はすごかった。
警官よりも早く動いて、ポーマ子爵をあっという間にねじ伏せてしまったんだから。
一瞬の出来事に、警官たちもポカーンと口を開けていた。
「えっと……護身術をちょっとだけ習ってるんだ。さっきもシャロンが危ないと思って、無我夢中だったよ」
照れ臭そうに話すクラレンス様。無我夢中だったわりには、やけに落ち着いていたような。
まあ、人間追い込まれると逆に冷静になるって言うものね。
「とりあえず子爵も捕まって、これで一件落着ですね! あとでマーガレイド農園にも報告に行かなくちゃ」
「……どうだろう。今回の事件、子爵が一から計画したとは思えないんだ」
クラレンス様が難しそうな顔で言う。
「だって彼には、農園に火をつける動機がない」
「……黒幕がいるってことですか?」
私が問いかけると、クラレンス様は無言で頷く。
クラレンス様の予想は当たっていた。
その後の取り調べで、ポーマ子爵はある人物から、農園に火をつけるように依頼されたことを自供したのだ。
その人間の名前を聞いて、私は怒りと衝撃を覚えた。
小屋に火をつけたのは、先ほど逃げ出そうとした庭師だったことも明かした。
そして執事と共謀して、ジャムを他国に売りさばいていたのだとか。
「あの馬鹿夫のせいで、わたくしまでこんな目に……」
子爵夫人もがっくりと項垂れながら、連行されていく。彼女の部屋から開封済みのジャム瓶が発見されたのだ。
どうやら、盗品と知りながら食べていた様子。
そして地下室で見つかったジャムは……
「証拠品として一時押収という形になりますが、あとで必ず農園にお返しいたします」
警官の説明に、私はほっと胸を撫で下ろす。
戻って来るまでに時間はかかるだろうけれど、きっとマーガレイド夫妻も喜んでくれると思う。
屋敷の周辺には、騒ぎを聞きつけた野次馬が集まって来ていた。
あとのことは警察に任せて、私とクラレンス様は馬車に乗り込んだ。
「ありがとうございます、クラレンス様。あなたのおかげで放火犯を捕まえることが出来て、ジャムも取り返せました」
私は感謝を込めて、深く頭を下げた。
「そんな、礼を言われることなんて何もしてないよ」
クラレンス様は、蚊の鳴くような声で言った。頬がほんのりと赤く染まっている。
照れている様子の婚約者に、私は小さく吹き出す。
「クラレンス様、可愛い」
「か、可愛くないよ。可愛いのは君の方だ……」
視線を逸らしながらぼそっと言い返すクラレンス様に、私も頬が熱くなる。
狭い車内に漂う甘酸っぱい雰囲気に耐えられず、話題を変えることにした。
「それよりクラレンス様って、武術を習っているんですか? 子爵をガッ、ドン、バターンッて取り押さえてましたけど……」
言葉でどう表現すればいいか分からず、擬音だらけになってしまった。
だけど私を守ってくれた時のクラレンス様はすごかった。
警官よりも早く動いて、ポーマ子爵をあっという間にねじ伏せてしまったんだから。
一瞬の出来事に、警官たちもポカーンと口を開けていた。
「えっと……護身術をちょっとだけ習ってるんだ。さっきもシャロンが危ないと思って、無我夢中だったよ」
照れ臭そうに話すクラレンス様。無我夢中だったわりには、やけに落ち着いていたような。
まあ、人間追い込まれると逆に冷静になるって言うものね。
「とりあえず子爵も捕まって、これで一件落着ですね! あとでマーガレイド農園にも報告に行かなくちゃ」
「……どうだろう。今回の事件、子爵が一から計画したとは思えないんだ」
クラレンス様が難しそうな顔で言う。
「だって彼には、農園に火をつける動機がない」
「……黒幕がいるってことですか?」
私が問いかけると、クラレンス様は無言で頷く。
クラレンス様の予想は当たっていた。
その後の取り調べで、ポーマ子爵はある人物から、農園に火をつけるように依頼されたことを自供したのだ。
その人間の名前を聞いて、私は怒りと衝撃を覚えた。
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