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舞台裏
70.男たちの報連相〈第三者side〉
〈第三者side〉
デニスはブリトニーと付き合う事で、多くの男子生徒から反感を買っていたが、本人の強さとある人物たちの暗躍により邪魔されない状態が続いていた。
そしてデニスの婚約者として認知されていたステファニーのほうはというと……。
昼休みのカフェテラス。
人が多く席の確保に苦労していたステファニーに、声を掛けようと狙う者たちがいた。
見た目から、きっと何処ぞの伯爵令息だろうと思われる三人で、ステファニーやシンシアに声を掛けようとしている所から、次男以降の婿入り希望者なのだろう。
もう席を確保してあって、あとは声をかけ一緒に食べようと誘うだけだ。
しかし、それは実行直前で阻止された。
「あの子たちに何か用か?」
「何だよ、邪魔すん……」
振り返るとそこには黒髪の男子生徒と、その友人らしき白金の髪とレンガのような赤毛の男子が立っていた。
「あ……ブラッドリー先輩」
「グイド先輩とサミュエル先輩も!?」
「え? 先輩? 失礼しました!」
三人が咄嗟に頭を下げる。
彼らは同じ騎士科の後輩らしい。
「で、ここで何を?」
三人は困惑して目配せし合っている。
彼女たちに声をかけるのは不味かったのだとは分かるのだが、何が先輩たちの逆鱗に触れたのかは理解できていないらしい。
「こいつらはきっと、知らなかったんだろう。な?」
「「はい!」」
聡い二人は元気よく返事をした。
しかし一人鈍い奴が混ざっていたようだ。
彼はコーンイエローの明るい金髪のシンシアでは無く、蜂蜜色の金髪のステファニーに視線を向け。
「えーと俺らは、あの金髪の令嬢たちと……」
「ほーぉ……」
ブラッドリーの低い声に三人の後輩はビシッと直立した。
それに苦笑したグイドが優しく語りかける。
「シンシア嬢も、ステファニー嬢も、メイシーの友だちなんだ」
「え? あ、はい……」
「メイシーの友達だからね。やっぱりパートナーは、それ相応の人でないとね」
「そそそ、そうですよね、もちろんです。……な?」
真ん中の一人がそう言うと、横の二人も首が取れそうなほどブンブンと頷いた。
貴族の爵位より、学園内の上下関係に厳しい騎士科では先輩の言葉は絶対だ。
そして報・連・相は速やかに、迅速に、確実に行われる。
斯くしてメイシー・ウェイト伯爵令嬢、ステファニー・グランデ辺境伯令嬢、シンシア・オールディ侯爵令嬢の三人は、手を出してはいけない令嬢として彼らの中に浸透していった。
デニスはブリトニーと付き合う事で、多くの男子生徒から反感を買っていたが、本人の強さとある人物たちの暗躍により邪魔されない状態が続いていた。
そしてデニスの婚約者として認知されていたステファニーのほうはというと……。
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人が多く席の確保に苦労していたステファニーに、声を掛けようと狙う者たちがいた。
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もう席を確保してあって、あとは声をかけ一緒に食べようと誘うだけだ。
しかし、それは実行直前で阻止された。
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「で、ここで何を?」
三人は困惑して目配せし合っている。
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「こいつらはきっと、知らなかったんだろう。な?」
「「はい!」」
聡い二人は元気よく返事をした。
しかし一人鈍い奴が混ざっていたようだ。
彼はコーンイエローの明るい金髪のシンシアでは無く、蜂蜜色の金髪のステファニーに視線を向け。
「えーと俺らは、あの金髪の令嬢たちと……」
「ほーぉ……」
ブラッドリーの低い声に三人の後輩はビシッと直立した。
それに苦笑したグイドが優しく語りかける。
「シンシア嬢も、ステファニー嬢も、メイシーの友だちなんだ」
「え? あ、はい……」
「メイシーの友達だからね。やっぱりパートナーは、それ相応の人でないとね」
「そそそ、そうですよね、もちろんです。……な?」
真ん中の一人がそう言うと、横の二人も首が取れそうなほどブンブンと頷いた。
貴族の爵位より、学園内の上下関係に厳しい騎士科では先輩の言葉は絶対だ。
そして報・連・相は速やかに、迅速に、確実に行われる。
斯くしてメイシー・ウェイト伯爵令嬢、ステファニー・グランデ辺境伯令嬢、シンシア・オールディ侯爵令嬢の三人は、手を出してはいけない令嬢として彼らの中に浸透していった。
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