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第一章
第25話
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「それだけ言うなら僕のオーラもわかるんだよね?」
煽るような口調とバカにするような顔で言った。
「なんやムカつくなぁ、当たり前やろ。耳かっぽじってよう聞きぃや。
ぱっと見て分かるんは奇妙な空の色やな。透き通った綺麗な空の色をしているかと思えば、毎秒ごとに赤黒いおぞましい雰囲気の空に変化しよる。その空の下、広がるものは様々な生き物の臓物や骨。それを食い漁る飢えた鬼。そんな悲惨な光景のすぐそばに綺麗な花畑が広がっていて幾人かの人が幸せそうに笑いあっとる。その光景を囲むように見たことない文字の羅列がびっしり空まで昇っとる。そんなとこやな」
なんか大分カオスなのは分かった。
「しっかし、今まで見たなかでも上位には届くぐらい気持ち悪いオーラやな。やっぱ性根が腐っとるんやろうな」
何をいってるんだか、僕ほど綺麗な心の持ち主はこの世にいないと自負している。目が腐りきって正しいものも見れてないんだな。可哀想に。
「でもそのオーラって見えたところで何か変わるの?」
ただ見えるだけなら何の役にもたたない。
「あー、なんやったか。あのー、ユニーク、魔法ゆうたか? それがなんか変化?、するんやとか聞いたな」
へえ、それが本当なら覚えておいて損はないな。でも全部は分からないんだ。
「でも知らんで、聞いた話ってだけなんや」
「誰に聞いたの?」
そう、それなら本人に聞けばいいのだ。それをしゃべった本人と。こんな木に話しかけるくらいなんだからよっぽどかわいそうなやつに違いない。そんな頭がおかしい人物なら是非ともお友だちにしたい。
「ワイがまだ、自我をもって間もない頃や。尋常じゃないオーラを放つ一匹のアンデッドがフラりと現れた。そいつはワイに近づいてこういった、『俺の姿は何に見える?』と」
「で?」
「素直にゾンビ以外の何に見えるっちゅうねんって言ったんや。そしたら『そうか、これならどうだ?』ってゆうてオーラを引っ込めたら、あら不思議!ひょろっとした出で立ちの若い人間が現れたんや」
「そいつも、不死身やった。あんたと違うんは、まるっきりアンデッドってことやな。もう何百年も生きとるらしい。でもなんで、オーラについて聞いたんやと不思議に思って聞いたら」
「どうだったの?」
「友達がほしかった、やと。不死身なのが気持ち悪いゆうて排斥されたみたいでな、人間以外の友達がほしかったって言うとった。自分も人間やのにな。
苦しい、辛い、寂しいが口癖の暗い奴やった。見た目はまんま人族のくせして、お腹すいたら自分の臓物を喰らう変な奴やった」
それは人間社会に溶け込めるわけないなぁ。控えめにいっても変人、もっと言うなら化け物だ。僕は嫌いじゃないけど。会えたらどの部位が好きか聞いてみようか。
「そいつが話し相手が出来て嬉しかった、お友達連れてまた遊びに来る、言うたから、待っといたるわ言うたら、笑って去ってって直ぐそこの老害が現れたんや」
「へぇ。じゃあ律儀に待ってるんだね」
「? 何でそうなる?」
「え、だって約束覚えて置き手紙してきたんでしょ? 『この花屋で待っとる』って地図まで書いて」
さっきおじいさんが木の話聞き流してるときに渡してくれたメモの内容に書いてた。
「何で知っとる!?」
「おじいさんが『ちょっと見てみたい恥ずかしい過去』ってメモに書いてたよ」
「じじい!!」
「ホッホッホッ、何のことやら知らんのぉ。わしは落ちてあった紙の中身が偶然見えてしまっただけだからの。一応メモにとっておいただけじゃよ。恥ずかしいなら後生大事に抱えておればよかったのにのぉ」
「置き手紙や言うとるやろ!」
仲が良さそうで何より。
「それで、その人とは会えたの?」
「ん? 会えたぞ。会えたんやけどなぁ...」
「どしたの?」
「何ぞ変な宗教に入ったみたいやってなぁ。明らかに不調そうやったから辞めるように伝えてそれっきりやなぁ」
変な宗教ねぇ。宗教なんかは全然わかんないからなあ。神様を信じてないわけじゃないんだけど、人間の作り物感が凄いやつとかあるからなぁ。
「ふーん、まあどうでもいっか。いつか会えるかもしれないしね。それより、そろそろ別のとこ見て回ってきますね」
「おお、そうかい。また何時でも来ておくれよ」
もうできるだけ来んなや、という樹の言葉に、また来るねと返して店を出た。そもそも何でこの店に入ったんだっけ?
ま、いいか。
煽るような口調とバカにするような顔で言った。
「なんやムカつくなぁ、当たり前やろ。耳かっぽじってよう聞きぃや。
ぱっと見て分かるんは奇妙な空の色やな。透き通った綺麗な空の色をしているかと思えば、毎秒ごとに赤黒いおぞましい雰囲気の空に変化しよる。その空の下、広がるものは様々な生き物の臓物や骨。それを食い漁る飢えた鬼。そんな悲惨な光景のすぐそばに綺麗な花畑が広がっていて幾人かの人が幸せそうに笑いあっとる。その光景を囲むように見たことない文字の羅列がびっしり空まで昇っとる。そんなとこやな」
なんか大分カオスなのは分かった。
「しっかし、今まで見たなかでも上位には届くぐらい気持ち悪いオーラやな。やっぱ性根が腐っとるんやろうな」
何をいってるんだか、僕ほど綺麗な心の持ち主はこの世にいないと自負している。目が腐りきって正しいものも見れてないんだな。可哀想に。
「でもそのオーラって見えたところで何か変わるの?」
ただ見えるだけなら何の役にもたたない。
「あー、なんやったか。あのー、ユニーク、魔法ゆうたか? それがなんか変化?、するんやとか聞いたな」
へえ、それが本当なら覚えておいて損はないな。でも全部は分からないんだ。
「でも知らんで、聞いた話ってだけなんや」
「誰に聞いたの?」
そう、それなら本人に聞けばいいのだ。それをしゃべった本人と。こんな木に話しかけるくらいなんだからよっぽどかわいそうなやつに違いない。そんな頭がおかしい人物なら是非ともお友だちにしたい。
「ワイがまだ、自我をもって間もない頃や。尋常じゃないオーラを放つ一匹のアンデッドがフラりと現れた。そいつはワイに近づいてこういった、『俺の姿は何に見える?』と」
「で?」
「素直にゾンビ以外の何に見えるっちゅうねんって言ったんや。そしたら『そうか、これならどうだ?』ってゆうてオーラを引っ込めたら、あら不思議!ひょろっとした出で立ちの若い人間が現れたんや」
「そいつも、不死身やった。あんたと違うんは、まるっきりアンデッドってことやな。もう何百年も生きとるらしい。でもなんで、オーラについて聞いたんやと不思議に思って聞いたら」
「どうだったの?」
「友達がほしかった、やと。不死身なのが気持ち悪いゆうて排斥されたみたいでな、人間以外の友達がほしかったって言うとった。自分も人間やのにな。
苦しい、辛い、寂しいが口癖の暗い奴やった。見た目はまんま人族のくせして、お腹すいたら自分の臓物を喰らう変な奴やった」
それは人間社会に溶け込めるわけないなぁ。控えめにいっても変人、もっと言うなら化け物だ。僕は嫌いじゃないけど。会えたらどの部位が好きか聞いてみようか。
「そいつが話し相手が出来て嬉しかった、お友達連れてまた遊びに来る、言うたから、待っといたるわ言うたら、笑って去ってって直ぐそこの老害が現れたんや」
「へぇ。じゃあ律儀に待ってるんだね」
「? 何でそうなる?」
「え、だって約束覚えて置き手紙してきたんでしょ? 『この花屋で待っとる』って地図まで書いて」
さっきおじいさんが木の話聞き流してるときに渡してくれたメモの内容に書いてた。
「何で知っとる!?」
「おじいさんが『ちょっと見てみたい恥ずかしい過去』ってメモに書いてたよ」
「じじい!!」
「ホッホッホッ、何のことやら知らんのぉ。わしは落ちてあった紙の中身が偶然見えてしまっただけだからの。一応メモにとっておいただけじゃよ。恥ずかしいなら後生大事に抱えておればよかったのにのぉ」
「置き手紙や言うとるやろ!」
仲が良さそうで何より。
「それで、その人とは会えたの?」
「ん? 会えたぞ。会えたんやけどなぁ...」
「どしたの?」
「何ぞ変な宗教に入ったみたいやってなぁ。明らかに不調そうやったから辞めるように伝えてそれっきりやなぁ」
変な宗教ねぇ。宗教なんかは全然わかんないからなあ。神様を信じてないわけじゃないんだけど、人間の作り物感が凄いやつとかあるからなぁ。
「ふーん、まあどうでもいっか。いつか会えるかもしれないしね。それより、そろそろ別のとこ見て回ってきますね」
「おお、そうかい。また何時でも来ておくれよ」
もうできるだけ来んなや、という樹の言葉に、また来るねと返して店を出た。そもそも何でこの店に入ったんだっけ?
ま、いいか。
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