女騎士アリア~凌辱の限りを尽くされながら、女だけのパーティは魔王討伐を目指す~

タバスコ野郎

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第29話 訪問者

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 結局、夜明け近くまでリーザと交わり続けたアリアは、足腰の立たぬほどイカされてしまったため、目が覚めたのは翌日のが完全に登り切ってからだった。
 
 何やら騒がしい声がして、アリアはくたくたに疲れ切った身体をベッドから起こした。
 リーザの言う『栄養補給』はとどまることころを知らず、汲めども尽きせぬ泉のような性欲は、次から次へとアリアの精を求め続けたのだった。

 ハッとしてアリアはベッドのシーツをどけ、下着の中を確認した。
 幸いなことに、リーザの呪文によってもたらされた肉体的な変化は、跡形もなく消えている。
「参ったわ、ホントに」
 緋色の髪をかき上げながら下着のショーツ一枚の姿からビキニアーマーを身に着けると、よろよろと部屋を出た。

 階下にある宿屋の入口が騒ぎの元のようだった。
 下へ降りるとミサキとリーザが見知らぬ兵士風の男たちと押し問答を繰り返している。

「ですから、アリア様はお休みになっていると何度も申し上げておりますでしょう? 御用があるならまた後にして下さいませ」
 ミサキはすでに苛立っているようだ。案外気が短いらしい。

「非礼は承知しております。ですがそこを何とか、お会いできるようにお執り成しを願えませぬか」
 兵士風の男たちは大剣を提げた物々しい身なりとは裏腹に、随分低姿勢だった。

「困ったわね。アリアはしばらく使い物に……じゃなくて、休ませてあげないと。あら? アリア、起きてきたの?」
 リーザが階段の手すりを伝って歩いてくるアリアに気づいて、愁眉を開いた。

 その時、全く予期せぬ事が起こった。
 リーザと目が合ったアリアは、突如胸の鼓動が速くなるのを感じた。何故か頬まで熱くなっている。
 昨夜の出来事が、初めてディルクと一夜を共にした時のようにアリアをときめかせ、戸惑わせていた。
『まさか、リーザに恋を……? まさか、そんなバカな』

 だが、静かな笑みを湛えてこちらを見つめるリーザの理知的で落ち着いた表情を見ていると、以前とはまた違った意味で温かな気持ちが湧きあがってくるのを、アリアは確かに感じていた。

 昼近くまで眠っていて、まだ腰が引けている自分と違って、リーザはあれだけ乱れたにも関わらず随分前から起きている様子で元気そうである。それどころか何となく肌のツヤすらも輝いているように見える。
 どうやらアリアの苦労が実を結んだようだ。完全に魔力を取り戻したのだろう。

「アリア様! おはようございます。実はさっきからこの方たちが、アリア様に会わせろってしつこくて」

 ミサキが咎めるように横目で男たちを睨みながらアリアに話しかけてくる。
 アリアが口を開こうとした時、先頭にいた男がアリアの足元に進み出て跪いた。

「ご無礼の段、お許しください。私は、エルムーデ王国王都警衛隊第三大隊長、イヴァン・ヤンコフスキーと申します。貴女様に、是非ともお願いしたき儀があって罷り越しました」

「私に、ですか? どういった御用でしょうか。とにかくお立ち下さい」
 驚きながらも訊ねるアリアに、ヤンコフスキーと名乗った男は立ち上がり、きっかりとした眼差しでこう答えた。
「我らにご助力いただき、共にエルムーデの王都ネロスを奪還していただきたいのです」


「先日、貴女方が巨大な山羊の魔物と戦い、見事にこれを倒されたところをこの目でしかと拝見いたしました」
 宿屋の食堂に場所を移し、樫の木の頑丈なテーブルに着いたところで、ヤンコフスキーは落ち着いた口調で語り始めた。

 薄い色の金髪を背中の中ほどまで伸ばし、花崗岩のような重厚な表情と屈強な体つきは、周囲の空気を引き締めるのに十分な役目を果たしていた。
 ヤンコフスキーの背後には一緒に来ていた二人の男が直立している。
 どうやら彼らは、アリアたち三人のサテュロスとの戦いぶりをを岩陰から見ていたらしい。
 ヤンコフスキーは続けた。

「我が国は魔王軍の襲撃を受け、国王陛下を喪い、王都も魔物たちに占拠されてしまいました。恥ずかしながら我々王都警衛隊は何一つ守ることができぬまま、壊滅いたしました。しかし、私のような幾人かの生き残りの兵たちが民を率いて森へと逃れ、行くあてもないまま息をひそめて暮らしております。そんな折、皆様の勇敢なお姿を拝見し、この方たちと一緒ならば魔王軍からネロスを取り戻せるかもしれないと考えたのです」

 ヤンコフスキーは訥々とした中に力強さを忍ばせた声で思いのたけを語り、机に両手をついて頭を下げた。
「お願い致します。どうか我らにご助力を賜り、王都を奪還するための戦いに加わって下さいませ!」
「何卒お願い申し上げます!」
「どうかご助力を!」
 後ろの二人も深々と腰を折っている。


「うーん。ご助力ねぇ……。そう言えば確か、前にこの街の人がエルムーデから逃げ出した人たちがいるって言ってたわね。どうするアリア?」
「何だか相当追い詰められてますね、この人たち。ちょっと可哀想です。ねぇアリア様、助けてあげましょう」

 だがそれには答えず、アリアはヤンコフスキーに訊ねた。
「その生き残りの兵士たちと言うのはいかほどの数ですか? 戦闘に耐え得る者は?」
「兵士はおよそ百二十名ほど。この他、戦うならば是非参加したいという農民たちが五十名ほどおります」
「武器は?」
「持ち出せた武器は剣や弓ぐらいで、大砲などは残念ながら……」
 兵士たちは申し訳なさそうに首をすくめた。

「分かりました。お力添え致しましょう」
 アリアはそう言って優しく微笑んだ。
「本当ですか!? 有難うございます!」
 三人の兵士たちは揃って飛び上がらんばかりに喜んだ。

 それから間もなく、アリアたち三人はネロス奪還作戦の細かな打ち合わせのため、ヤンコフスキーたちと共にエルムーデの兵士が潜んでいるという森に向かって出発した。

「昨夜はありがとうアリア。おかげで魔力は完全回復したわ」
 宿を出てすぐに、そう言ってリーザが歩きながら身体を寄せてきた。
 魔法使いの体温を至近に感じて、またもアリアは頬を紅潮させたが、それを気取られまいと慌てて笑顔を作り、言葉を探す。

「い、いいのよ。お役に立てて良かったわ」
「ええ。ホントにわ。アンタとは相性がいいみたい。一回の回復量が男どもを相手にしてた時と全然違うのよ。すごい発見よこれは」
「そ、そう?」
「そうよ。やっと最高の相棒に巡り合えた気がするわ」

 爽やかな笑顔で天を仰ぐリーザを見て、アリアは昨夜の話を思い出した。
 リーザはこれまで、相当な孤独と悲しみの中で生きてきたに違いない。
 魔法使いの家系に生まれながら、魔力が強すぎるという理不尽な理由で家族から爪はじきにされ、生まれた国を飛び出した彼女は、一人で生きていくと決めたのだ。自分と出会うまでの長い年月、どうやって生きてきたのだろうか。

「あ、そうそうアリア。心配しなくていいわよ。アンタの放った精子だけど、あれは私が呪文で作ったニセモノだから、私が妊娠することは無いから」
 アリアのそんな思いをよそに、リーザは屈託のない声で話しかけてきた。

「えっ? あ、そ、そうなの?」
 そう言えば全くそこまで考えていなかったことに気づいた。

「だから、これからもいっぱいナカに出してね♡ 頼りにしてるわよ、私の女騎士様」
 昨夜のことを思い出すと、思わず立ち止まり、俯いて赤面するアリアだった。



「とにかく、武器と防具が足りないわ。このままではわざわざ魔物に殺されに行くようなものよ」
 会議の席上、アリアはこう告げた。
 エルムーデの兵士と住民たちが潜む森は、先日アリアたちが囚われた魔物の砦から少し西に行ったところにあった。ここから南にある山を一つ越えればエルムーデ王国である。

「しかし、国へ戻ることも出来ず、補給の当てはありません。いかが致しましょう」
 ヤンコフスキーは困り果てた様子で聞いた。

「無い物は仕方ありません。今ある装備で戦うしかないでしょう。王都警衛隊の誇りを見せなければ」
 発言したのはヤンコフスキーの部下のノブチェクと言う男だった。本来は小隊長の役職だったが、味方がほとんど戦死したため今はヤンコフスキーの右腕ような立場にある。小柄だがかなり血の気の多い性格のようだった。

「誇りだけで勝てるものなら、そもそも今こうして魔物に追われて隠れるようなことになってはおらんよ。冷静に考えろ」
 ヤンコフスキーに静かにたしなめられて、ノブチェクは押し黙った。

「私に考えがあるんだけど、いいかしら?」
 白い手を上げて発言を求めたのは、リーザだった。
「はい、どうぞご遠慮なくご発言下さい」
 会議を仕切るヤンコフスキーが促した。

「ラルーク公国にお願いしましょう」
 一言、こともなげに言った魔法使いの言葉に、一同は目を見合わせた。

「あの、ローエンベルン殿、それはどういう……」
「リーザでいいわよ。あのね、つまりこういうことよ。先日私たちは魔物の砦を落とした。すぐそばにあるラルーク公国からすれば、これで一つ脅威は取り除かれた。しかも自分たちは何もせずにね。これだけでも感謝されていいくらいだけど、これでもし、私たちがエルムーデを取り戻せたらラルークは当面は安泰なわけでしょう? そのための投資として、兵士を貸せとは言えないけど、装備ぐらい貸してくれといっても罰は当たらないんじゃないかしら?」

「なるほど! そういう手がありますか」
 ヤンコフスキーは野太い声で感嘆した。
「しかし、貸してくれますかな。剣にしても鎧にしても、戦えば傷が付きますし、刃こぼれも生じます。元通りにして返すというわけには参りませんが」
 同席する兵士たちが異口同音に懸念をあらわにした。

「その時は、それなら自分たちも兵を送れって言ってやるわ。まあやるだけやってみましょうよ、交渉なら私が行くから」

「貴女が行くの?」
 アリアが驚いて聞いた。
「そうよ。発案者だし、それにむさ苦しいおっさんが行くより私みたいな美人が行った方がうまくまとまるでしょう?

 結局リーザの提案通り、ラルーク公国に装備の貸し出しを願い出ることに決まった。

「くれぐれも気をつけてね。本当に私も行かなくて大丈夫?」
 翌日、お供の兵士3名と輸送用の荷馬車台を連れて出発しようとするリーザに、アリアは別れを告げた。
 共に旅をするようになって以来別行動は初めてだが、これほど心細くなろうとは思ってもみなかった。
 心配するアリアに向かって、美貌の魔法使いは破顔した。

「大丈夫よ。ここからラルークまではすぐだし、来た道を引き返すだけじゃないの。アンタには私が戻るまで、戦闘訓練を監督する仕事があるでしょう。しっかりしなさい」
「それならリーザさん、私が一緒に参りましょうか?」
 ミサキが手を上げた。
「ありがとうミサキ。でもアンタも戦闘訓練に参加することになってるでしょう、自分の役目を果たしなさい。すぐ戻るから」

 そう言ってそのままリーザたち一行は出発した。

 取り残された少女のように不安げに手を振るアリアの姿に、リーザはいささか戸惑った。
 これまでの道中で危険な場面や強敵は幾度も経験したが、あれほど弱気なアリアの表情は見たことが無かった。
 一体何がそこまで心配なのだろうか。確かに魔物の影はちらつくものの、元いたラルークの国境の街までは荷馬車で一時間ほどで、そこからラルーク大公の居城までは約三時間。国内の移動なので敵と出会う可能性は格段に低いと言うのに。

 大体、今朝から様子がおかしかった。こちらの顔を見ると挨拶するより先に顔を赤らめて俯いたりして。

「ははーん。さては……」
 荷馬車の御者台の横で、車輪の振動によって豊かな胸をぷるぷると揺らしながら、リーザは思い当たった。
 昨夜の一件が、アリアの心を揺さぶったに違いない。何しろこれまでは剣一筋、男も一人の恋人一筋に真っ直ぐ生きてきた彼女である。必要に迫られて、という名分はあっても女と交わるというのは相当な衝撃だったのだろう。

「情が移っちゃったかな? 可愛いコねぇ」
 一つ伸びをすると、狭いところで組んでいた美しい脚を伸ばして組み替えた。スリットから突き出した生足に御者が目を瞠る。

 リーザにとってもアリアは愛おしい存在だった。
「戻ったら今度は栄養補給に関係なく可愛がってあげちゃおうっと」

 緋色の髪の美しい女騎士の笑顔と、快感に悶える昨夜の恍惚の表情を思い出し、リーザは馬車の振動の中で、一人欲情するのだった。
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