61 / 128
▽ 二章 ▽ 明日は今日を嗤い昨日は今日を憫んだ
2-15 Parallelogram〜 並行私片形
しおりを挟む
side第四砦街保安部員
「交代だ」
「おっ早いな、有難いぜ」
そう言って深夜番の同僚は嬉しそうに中へ戻る。
((まだ戻って来てないんだな))
((……あぁ))
イグアスの住処を見ながら確認すると、仲間からは不安そうな返事が返って来た。
もしかして何か有ったのか?
そんな思いが過る俺に
((それにしてもあのクソ団長め、こんな時にまたも気紛れを起こしやがって… ))
苛立ちを露わにした仲間がボヤく。
((まぁ落ち着けよ。もし第二で予定外の事が起きたとしても、進み出した計画はもう止まらない。それにウインザ団長を騙ったこの偽の手紙だって用意してある。何とでもなるさ))
((…けどブライドウ団長は変なとこ鋭いぜ?))
((まぁな。そりゃ上手く騙せれば一番だけど時間が稼げればそれでも良いんだ。もう少し肩の力を抜けよ))
「そうだ… あッ⁉︎ おい、何だアレッ‼︎ 」
「騒ぐなよ」
思わず声を上げた仲間の視線の先には帰って来たイグアス。
「って何だ… 」
空に線を引くように飛ぶその姿だが、今は本当に線を描いている。
「なぁ、あんなのめちゃくちゃ目立つよな?」
や、やられた…
喚く仲間に返事をする気にもならない。
イグアスの足に括り付けられている色とりどりの煌びやかな紐。
それは子供のイタズラみたいな単純なやり方だが、誰がどう見ても普通では無いと解る連絡手段。
だから朝まで…
やはり第二は……いや、それよりも直ぐに他の人間がここに来る。
「………… 」
どうする?
sideジョウゴ
ーー「ハッハァッハッハァッハッ」
やっとだ靄々野郎ォ、漸くその背中を捉えたぜェ~
"ジョウゴよ、あの弓使いは出来る限り生かして捕らえよ "
言いたい事は分かるがそりゃ難しい注文だ。
どんなカラクリかは知らねぇが、こうして補足したてる今ですら気を抜くと見失いそうになる。
こんな半目みたいな状態でそこまでの余裕はねぇよ。
だが頭領よりも気に掛かるのはさっきの落石。
どう考えても野郎にとってタイミングが良過ぎる。
ー『ズザッザッザッザッ… 』
「ハッハッハッハッ… 」
それにこの纏わり付く感覚は何だ?
この山に入ってからずっと俺の中の何かが引っ掛かってしゃあねぇ。
" おいっ、頭を冷やせ "
遠い記憶の中のアイツの顔が浮かぶ。
あん時言う事を聞いてたら……
そうだな、ここで止めるか?
どうせこれは任務外だ。
そう思うと途端に馬鹿らしくなって来た。
「ハァッハァッハァッハァッ… 」
いや違ぇッ
立ち塞がる理不尽をブチ壊す為に、俺は鍛えに鍛えここまで這い上がって来た。
あの煮え繰り返った血の熱さと味は死んでも忘れられねぇっ
俺は届かなかったあの日にこの足で追い付きそして…奪われた全部をこの手で必ず取り戻すッ
だから止まらねぇ。
止まって堪るかよ。
あの女に蹴り上げられた玉の借りも、テメェにまとめて支払わせてやる。
sideシロ
ー『ザザッザッザッダっダっダダっ… 』
ーー『ドスッ‼︎ 』
危なっ
狩りかよクソ…
的を絞らせ無い様に方向を変えつつ走ると、斜め横の草叢に矢が刺さる。
「××××××ッ(なんて見辛いッ)」
「×××××××ッ(マズイぞ逃すなッ)」
さっきの落石、一瞬地震かと焦りもしたけど、あれは天の怒りじゃなかったか。
あれがアイツらをかっ飛ばしてくれてたらなぁ…
そんな愚痴混じりの気持ちを込め、ヘリの向こうに広がった空を見上げる。
やっぱり運はオレだけの味方じゃないなと皮肉混じりに。
「ハァハぁッハッ、はァっハぁっ… 」
まぁでも追いつかれそうだった距離が稼げたのは助かった。
三杯。
家に帰ったら冷えっ冷えのプロテインがぶ飲みして、1時間ふやけるまでシャワー浴びちゃるっ
「ハァッハぁ、はァ……っ」
そうやって自分を鼓舞するけど正直もう限界。
意識しないと手も足も持ち上がらない。
左斜め前の木。
あれを越えたら背にして逃げ切る。
ーシュゥッーー
「ハァっハぁっハァっ」
目的地目の前にして死ぬかよ、オレぁ当分気儘に過ごす予定なんだからなァっ
ーー『ザザッ、ザッダッダッザッダっダっ… 』
よし越えた。
「×××××××××ッ××××ッ(どこでも良いから当てろッ射て射てッ)」
左斜めにあと3歩ッ
「ハァッ…ハぁッハァっ… 」
2歩ッいッ『ドッ!? 』
ーー『『ズシャァァァーーッ‼︎‼︎ 』』
「ッ痛ぅ… 」ザ…
背中からの衝撃に押され転倒するも直ぐに上半身を起こす。
「×××っ×××××(よっしゃッやったぜっ)」
後ろから聞こえる弾んだ敵の声。
でも何故かさっきまでよりも遠い。
「ンぅ…ブっ」
当たった?
膝立ちになったオレが突如覚えたのは、今までに経験した吐き気とは異なる違和感。
「ォ…ッっ、ゲホッ」
それは転倒した痛みをソッチ退けにする締め付ける様な息苦しさで…
ーーズキズキズキッ√
「…ぁガッ」
更にそれを追うようにやって来たのは背中から胸に熱湯を注いだような弾ける灼熱感。
「ヒューッヒューー…ホブっ」
嘘だろ?
マジで…か?
そしてカラカラだった口の中を温く重ったるい液体が満たし…
ボタボタボタ…
あっという間に下唇から溢れ出す。
おい、ヘリまであと10m、ない、んだぞ………
「ブヒュッ、ヒューーヒュー~~…~」
おい立て…よ、動け…
ガサっ…ザサ…
ついた手を支えに全身に力を込める。
「……ぅ…ぁ…っ… 」
けれど一向に言うことを聞こうとしない下半身は、背中とは真逆に冷えて固まったみたい。
「……、
……、
……」
すると動かす視線までコマ送りのように覚束なくなって来る。
これ、マズイ…
「ヒュ~っヒュッ… ……
それよか…
…
…息が
…吸
… …
ドサッ
…… …な…
… ……
…い
… …
…
…
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
…
… …
…
ン…
眩い光が一瞬で暗闇を消して行くように、まだ寝惚けている脳が鮮明な五感によって容赦無く塗り潰されて行く。
「…うん?」
けれど突然場面が切り替わったような違和感は、この現実を前にしてもオレを包んで離さない。
『ザァーーーーーーーーーーーーーーーッ』
「……、……、…ぁ 」バッ
「シロ君どうかした?大丈夫?」
突然慌てて胸を擦るオレに、リュウコウ君が優しく声を掛けてくれた。
リュウ…コウ君。
……て誰だ?
…あれ?
けどオレは間違いなくこの人を知っている。
何だこれ…
「……ぁ~と…、大丈夫、だと思うんですけど… 」ガシ、サッガシ…
何がなんだか理解出来ないまま、両手は腿膝を揉み擦る。
落ち着かせるというよりも感触を確かめるため。
そのおかしな様子に気が付いたリュウコウ君?だけど、敢えてそこに視線を落とさない。
いや、それよりもさっきまでオレ…
"シロっ"
隣で息急き切ってオレを呼ぶ若い女…
白昼夢か?いや違う。
でも何してたんだっけ?
気持ちの悪い引っ掛かりは服の裾を引いていて、痛みとか苦しみとかに似た何かが渦巻いている。
なのにその全部が丸っと抜け落ちていて、取っ掛かりの端っこすらも掴めないし記憶の窓が雨粒で滲んだみたいに見通せない。
それに…
「………これ何」
処に向かっ…
" シロ……早く会いたいよ "
問い掛けようとしたオレに聞き覚えのある声が答える。
そうだ。
オレは彼女に会いに………
だけど名前が思い出せない。
" シロ君っ旅行行こうよっ "
ハジメ……君?
ーーズキンッ√
「…っ」
ぁ…
" 栄養ドリンクと、今回はシャンプーも買ってかないとな "
" 7700円になります "
浮かび上がる鮮明な映像。
これはついさっきの記憶…なのか?
今回はって事はこれは二回目?
この突発的な現象は既視感とよく似ている。
けれど既視感に見られる一瞬の断片と決定的に違うのは、この不可思議な現象の記憶には確かな物語の羅列があること。
ツツーーーー…
うん?
「ズズッ」
慣れた違和感から鼻をすすり、喉の奥に鉄の味が広がる。
上を向いたオレは直ぐとポケットティッシュを取り出して、それを千切って丸め鼻の穴を確認する。
「……ねぇシロ君、本当に大丈夫?」
突然鼻血を出したオレ見て、再度心配そうに声を掛けてくれるリュウコウ君?は45度。
勿論隣に座るオレも。
「…あぁとはい、気圧の所為ですかね?昔からよく出るんで大丈夫です」
『ザァーーーーーーーーーーーーーーーッ』
鼻栓を詰めながら誤魔化す様に答えるオレは今、重力に逆らって上昇する航空機の中に居た。
▽ 二章 ▽
明日は今日を嗤い昨日は今日を憫んだ
~糸冬~
次回からは
▽ 三章 ▽ 其々のカルネアDeath
へと入ります。
お読み頂いている方には申し訳有りませんが、今後は更新頻度が落ちるかと思われます。
そんなでもポチっと応援してくれる人が増えたらいいなぁなんて願いつつ、色々な毎日をお過ごしの皆様へ…
ふとした時に敢えて手や足を少し止め、ゆっくりと呼吸を整えてみて下さい。
広い場所で下を向くときも、1人で後ろを振り返ってみるときも、あなたの今はあなただけのモノ。
「交代だ」
「おっ早いな、有難いぜ」
そう言って深夜番の同僚は嬉しそうに中へ戻る。
((まだ戻って来てないんだな))
((……あぁ))
イグアスの住処を見ながら確認すると、仲間からは不安そうな返事が返って来た。
もしかして何か有ったのか?
そんな思いが過る俺に
((それにしてもあのクソ団長め、こんな時にまたも気紛れを起こしやがって… ))
苛立ちを露わにした仲間がボヤく。
((まぁ落ち着けよ。もし第二で予定外の事が起きたとしても、進み出した計画はもう止まらない。それにウインザ団長を騙ったこの偽の手紙だって用意してある。何とでもなるさ))
((…けどブライドウ団長は変なとこ鋭いぜ?))
((まぁな。そりゃ上手く騙せれば一番だけど時間が稼げればそれでも良いんだ。もう少し肩の力を抜けよ))
「そうだ… あッ⁉︎ おい、何だアレッ‼︎ 」
「騒ぐなよ」
思わず声を上げた仲間の視線の先には帰って来たイグアス。
「って何だ… 」
空に線を引くように飛ぶその姿だが、今は本当に線を描いている。
「なぁ、あんなのめちゃくちゃ目立つよな?」
や、やられた…
喚く仲間に返事をする気にもならない。
イグアスの足に括り付けられている色とりどりの煌びやかな紐。
それは子供のイタズラみたいな単純なやり方だが、誰がどう見ても普通では無いと解る連絡手段。
だから朝まで…
やはり第二は……いや、それよりも直ぐに他の人間がここに来る。
「………… 」
どうする?
sideジョウゴ
ーー「ハッハァッハッハァッハッ」
やっとだ靄々野郎ォ、漸くその背中を捉えたぜェ~
"ジョウゴよ、あの弓使いは出来る限り生かして捕らえよ "
言いたい事は分かるがそりゃ難しい注文だ。
どんなカラクリかは知らねぇが、こうして補足したてる今ですら気を抜くと見失いそうになる。
こんな半目みたいな状態でそこまでの余裕はねぇよ。
だが頭領よりも気に掛かるのはさっきの落石。
どう考えても野郎にとってタイミングが良過ぎる。
ー『ズザッザッザッザッ… 』
「ハッハッハッハッ… 」
それにこの纏わり付く感覚は何だ?
この山に入ってからずっと俺の中の何かが引っ掛かってしゃあねぇ。
" おいっ、頭を冷やせ "
遠い記憶の中のアイツの顔が浮かぶ。
あん時言う事を聞いてたら……
そうだな、ここで止めるか?
どうせこれは任務外だ。
そう思うと途端に馬鹿らしくなって来た。
「ハァッハァッハァッハァッ… 」
いや違ぇッ
立ち塞がる理不尽をブチ壊す為に、俺は鍛えに鍛えここまで這い上がって来た。
あの煮え繰り返った血の熱さと味は死んでも忘れられねぇっ
俺は届かなかったあの日にこの足で追い付きそして…奪われた全部をこの手で必ず取り戻すッ
だから止まらねぇ。
止まって堪るかよ。
あの女に蹴り上げられた玉の借りも、テメェにまとめて支払わせてやる。
sideシロ
ー『ザザッザッザッダっダっダダっ… 』
ーー『ドスッ‼︎ 』
危なっ
狩りかよクソ…
的を絞らせ無い様に方向を変えつつ走ると、斜め横の草叢に矢が刺さる。
「××××××ッ(なんて見辛いッ)」
「×××××××ッ(マズイぞ逃すなッ)」
さっきの落石、一瞬地震かと焦りもしたけど、あれは天の怒りじゃなかったか。
あれがアイツらをかっ飛ばしてくれてたらなぁ…
そんな愚痴混じりの気持ちを込め、ヘリの向こうに広がった空を見上げる。
やっぱり運はオレだけの味方じゃないなと皮肉混じりに。
「ハァハぁッハッ、はァっハぁっ… 」
まぁでも追いつかれそうだった距離が稼げたのは助かった。
三杯。
家に帰ったら冷えっ冷えのプロテインがぶ飲みして、1時間ふやけるまでシャワー浴びちゃるっ
「ハァッハぁ、はァ……っ」
そうやって自分を鼓舞するけど正直もう限界。
意識しないと手も足も持ち上がらない。
左斜め前の木。
あれを越えたら背にして逃げ切る。
ーシュゥッーー
「ハァっハぁっハァっ」
目的地目の前にして死ぬかよ、オレぁ当分気儘に過ごす予定なんだからなァっ
ーー『ザザッ、ザッダッダッザッダっダっ… 』
よし越えた。
「×××××××××ッ××××ッ(どこでも良いから当てろッ射て射てッ)」
左斜めにあと3歩ッ
「ハァッ…ハぁッハァっ… 」
2歩ッいッ『ドッ!? 』
ーー『『ズシャァァァーーッ‼︎‼︎ 』』
「ッ痛ぅ… 」ザ…
背中からの衝撃に押され転倒するも直ぐに上半身を起こす。
「×××っ×××××(よっしゃッやったぜっ)」
後ろから聞こえる弾んだ敵の声。
でも何故かさっきまでよりも遠い。
「ンぅ…ブっ」
当たった?
膝立ちになったオレが突如覚えたのは、今までに経験した吐き気とは異なる違和感。
「ォ…ッっ、ゲホッ」
それは転倒した痛みをソッチ退けにする締め付ける様な息苦しさで…
ーーズキズキズキッ√
「…ぁガッ」
更にそれを追うようにやって来たのは背中から胸に熱湯を注いだような弾ける灼熱感。
「ヒューッヒューー…ホブっ」
嘘だろ?
マジで…か?
そしてカラカラだった口の中を温く重ったるい液体が満たし…
ボタボタボタ…
あっという間に下唇から溢れ出す。
おい、ヘリまであと10m、ない、んだぞ………
「ブヒュッ、ヒューーヒュー~~…~」
おい立て…よ、動け…
ガサっ…ザサ…
ついた手を支えに全身に力を込める。
「……ぅ…ぁ…っ… 」
けれど一向に言うことを聞こうとしない下半身は、背中とは真逆に冷えて固まったみたい。
「……、
……、
……」
すると動かす視線までコマ送りのように覚束なくなって来る。
これ、マズイ…
「ヒュ~っヒュッ… ……
それよか…
…
…息が
…吸
… …
ドサッ
…… …な…
… ……
…い
… …
…
…
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
…
… …
…
ン…
眩い光が一瞬で暗闇を消して行くように、まだ寝惚けている脳が鮮明な五感によって容赦無く塗り潰されて行く。
「…うん?」
けれど突然場面が切り替わったような違和感は、この現実を前にしてもオレを包んで離さない。
『ザァーーーーーーーーーーーーーーーッ』
「……、……、…ぁ 」バッ
「シロ君どうかした?大丈夫?」
突然慌てて胸を擦るオレに、リュウコウ君が優しく声を掛けてくれた。
リュウ…コウ君。
……て誰だ?
…あれ?
けどオレは間違いなくこの人を知っている。
何だこれ…
「……ぁ~と…、大丈夫、だと思うんですけど… 」ガシ、サッガシ…
何がなんだか理解出来ないまま、両手は腿膝を揉み擦る。
落ち着かせるというよりも感触を確かめるため。
そのおかしな様子に気が付いたリュウコウ君?だけど、敢えてそこに視線を落とさない。
いや、それよりもさっきまでオレ…
"シロっ"
隣で息急き切ってオレを呼ぶ若い女…
白昼夢か?いや違う。
でも何してたんだっけ?
気持ちの悪い引っ掛かりは服の裾を引いていて、痛みとか苦しみとかに似た何かが渦巻いている。
なのにその全部が丸っと抜け落ちていて、取っ掛かりの端っこすらも掴めないし記憶の窓が雨粒で滲んだみたいに見通せない。
それに…
「………これ何」
処に向かっ…
" シロ……早く会いたいよ "
問い掛けようとしたオレに聞き覚えのある声が答える。
そうだ。
オレは彼女に会いに………
だけど名前が思い出せない。
" シロ君っ旅行行こうよっ "
ハジメ……君?
ーーズキンッ√
「…っ」
ぁ…
" 栄養ドリンクと、今回はシャンプーも買ってかないとな "
" 7700円になります "
浮かび上がる鮮明な映像。
これはついさっきの記憶…なのか?
今回はって事はこれは二回目?
この突発的な現象は既視感とよく似ている。
けれど既視感に見られる一瞬の断片と決定的に違うのは、この不可思議な現象の記憶には確かな物語の羅列があること。
ツツーーーー…
うん?
「ズズッ」
慣れた違和感から鼻をすすり、喉の奥に鉄の味が広がる。
上を向いたオレは直ぐとポケットティッシュを取り出して、それを千切って丸め鼻の穴を確認する。
「……ねぇシロ君、本当に大丈夫?」
突然鼻血を出したオレ見て、再度心配そうに声を掛けてくれるリュウコウ君?は45度。
勿論隣に座るオレも。
「…あぁとはい、気圧の所為ですかね?昔からよく出るんで大丈夫です」
『ザァーーーーーーーーーーーーーーーッ』
鼻栓を詰めながら誤魔化す様に答えるオレは今、重力に逆らって上昇する航空機の中に居た。
▽ 二章 ▽
明日は今日を嗤い昨日は今日を憫んだ
~糸冬~
次回からは
▽ 三章 ▽ 其々のカルネアDeath
へと入ります。
お読み頂いている方には申し訳有りませんが、今後は更新頻度が落ちるかと思われます。
そんなでもポチっと応援してくれる人が増えたらいいなぁなんて願いつつ、色々な毎日をお過ごしの皆様へ…
ふとした時に敢えて手や足を少し止め、ゆっくりと呼吸を整えてみて下さい。
広い場所で下を向くときも、1人で後ろを振り返ってみるときも、あなたの今はあなただけのモノ。
0
あなたにおすすめの小説
【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~
月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』
恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。
戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。
だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】
導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。
「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」
「誰も本当の私なんて見てくれない」
「私の力は……人を傷つけるだけ」
「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」
傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。
しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。
――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。
「君たちを、大陸最強にプロデュースする」
「「「「……はぁ!?」」」」
落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。
俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。
◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる