神の愛子は溺愛される

蒼葉縁

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11:新たな家族はとある集団

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春並学院から出ると車が待っていた
私は自分の力を使ってその人を見る
この人は
大丈夫そうだ
そう思い車に乗る前に挨拶をする
「………宜しく」
「えぇ,宜しくお願い致します」
車に乗り私は外を見る
外には皆が居て泣いていた
私も泣きそうになったが運転する人がいるため泣かない
手を振ると皆が手を振ってくれる
私は車が動き離れるまで手を振っていた
離れた後は会話も一切無く屋敷まで静か
「着きましたよ」
「………ありがとう」
素っ気ない言い方でも彼女…皇さんはニコニコとしてくれる
私はそっぽを向いて屋敷のチャイムを鳴らした
「はーい!ってハロハロ!君が神楽ちゃん?」
「………はい」
「クール無口系!!タイプ!」
意味がわからない
私は無口のまま中に入りソファに座る
彼は雪之丞ハウル,ハーフらしい
どうりであの性格だと思ってしまった
「神楽ちゃん来たの!?」
「兄さん落ち着いて」
一人は髪が片方長くて三つ編みしている男性
もう一人は左の髪が長くて三つ編みしてる女性
私は一礼して前を向いた
「神楽ちゃん!男の方はー」
雪之丞さんが話そうとしたその口を大きな手で塞ぎながら男性は話し始める
「神楽ちゃん!俺は千歳玉藻!宜しくね!」
玉藻さんは私を見てまるで愛しい人を見るかのように微笑んだ
「兄さん…僕は千歳川柳,仲良くしてくれると嬉しいよ」
川柳さんは玉藻さんに困ったように笑いつつも私に優しく微笑み掛ける
私はそっぽを向きつつも一礼した
「おい!神楽っつー奴来たかよ!」
バンと扉が開く
そして
私を見つけズカズカと来た
そして
私の腕を掴み持ち上げる

私は片手で男の首に当てようとしたが寸止めをした
「………やるならこちらもやるぞ」

自分でも警戒心丸出しの声を出す
男は目を見開き笑った
「面白いな!俺にここまで対抗するとは!」

大笑いしている
私の腕を掴んでいたその手をぐいっと自分の方へ引き私は彼の腕の中に今いた
「!?」
真っ赤になると皆が幸せそうに笑っている
「可愛い妹だな!」
「そうだな!」
「………誰ですか」
私の言葉に彼ともう一人の人は自己紹介を始めてくれた
「俺は霧谷夜刀だ!」
「私は市原隼人です」
私は一礼する
夜刀さんと隼人さんはニコニコとして私の頭を撫でる
「これで全員ではないけれど一応ね?」
「………」
無口で頷く
私は私の力が怖い
扱えるようになったもののまだ弱い
この人たちはどんな人かすら分からない
警戒しないと
まだ
まだだ
「俺達は」
「「力を」」
「持ってんだぜ!」
「神楽だけではないんですよ?」
私の目がこれでもかというくらい見開いた
力を持っている?
何故?
「流石に神楽よりは弱いかもだけどね?」
「………」
私の警戒心がさらに大きくなる
疑いより不安
「僕は神の力ではないけど魔法だよ」
雪之丞さんは片手に虹色の風を起こす
「俺は風神」
ふわりと私の身体を風が包む
「僕は雷神」
川柳さんは自分の身体に雷を纏う
「俺は戦の神」
いつの間にか出した槍を舞わす夜刀さん
「私は癒しの神」
私を抱き締める隼人さん
警戒していたはずの心が少し楽になる
「俺達は」
私は
「決して」
決して
「神楽ちゃんを」
この人達を
「守り」
護り
「愛する」
大切にする
そう
「「「「「決めたんだ」」」」」
私も泣きそうになったが
「………………私も」
呟くように言うと皆に抱き締められる
その温もりが優しくて好きだ
スリっと擦り寄ると皆が赤くなる
ここでもか
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