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違和感の正体
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部屋に戻り、頭を抱える。
「はぁ……」
猶予はあと4日。さて、どうするか。
ゲームの記憶を思い出す。だが、どうにも噛み合わない。
優秀であるはずの攻略対象者達は俺の話を全く聞こうとしない。
ヒロインのロイもゲームの様子とは違ったように見えた。
ーーあまりにも、作られたような仕草だった。
(これは偶然か…?
ゲームの強制力…?いや、もしそんなものがあったなら俺はロイをいじめてるはずだしな……)
とにかく、何とかしなければ。あの3人に無実を証明する必要がある。この違和感の正体も突き止めたい。
……一旦誰か呼び出してみるか。
3人同時は今日の二の舞になるし御免だ。
殿下は立場的にも流石に難易度が高そうだ。
キールは……正直怖い。
(となったら選択肢は1つだな。)
俺は机に向かい、手紙を出した。
宛先はアルベルト。
自分の罪を晴らしたいという名目で。
翌日
アルベルトは、レオンの屋敷を訪れた。
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。アルベルト様。」
屋敷の一室に案内する。
「無実を証明したいなど、一体どういうおつもりですか。」
向けられた視線は、警戒心と嫌悪感が混じっていた。
(それでも正直に俺のところに来るあたり、本当に真面目だな。……そこは嫌いじゃない。)
「なぜそこまでして私を断罪しようとするのですか?」
「それは、ーー貴方が、殿下と仲が良いロイに嫉妬しをいじめたからではないですか……」
(何に対して嫉妬するんだ、俺は殿下ともロイとも極力関わってこないようにしていたのに。)
「私がロイ様に嫉妬などしておりませんし、ロイ様をいじめた事実はありません。」
「そんな嘘を私が信じると思っているのですか。」
やっぱり、俺の意見を全く聞き入れようとしない。
(ゲームでは、こんな思考が曇ったやつだったか、こいつ)
「ですから嘘だと断定するには証拠も不十分ですよ。
アルベルト様、少し焦りすぎではないですか……
何か、おかしいですよ」
ついおかしいだと言ってしまった。
(やば、ちょっと今のは失礼だったか?)
アルベルトがその一言で固まる。
図星をつかれたような目だ。
「では、ロイが言っていることが間違っているとでも言いたいのですか!」
声がわずかに上ずる。
アルベルトの様子が変だ。
(なんだ、)
「ロイが、貴方は悪い人だと。自分に貴方が嫉妬しているのだと……そう言っていました。」
(ロイがそう吹き込んだのか……)
ゲームでは、ロイはそんなキャラではなかったはずだ。
一体どうなっているのか。
「…アルベルト様、ロイ様は、出会った時、どのような様子でしたか…」
ゲームの内容と照合させる為にそう聞いた。
「なぜ私がそのようなことを貴方に言う必要があるのですか。」
そう言いつつも、アルベルトの視線は揺れている。自身の記憶を確かめるように呟き始める。
「私とロイは図書館で出会い……そこから交流を深めるように…」
「……いや、違う」
「あの後、ロイは私に何かの魔法を……」
かなり混乱している。
魔法という言葉が引っかかった。
背筋が冷える。
(魔法……?まさか、、ロイが洗脳魔法でも使っているというのか……)
「なぜ、そこまでロイ様を信じているのですか?」
確かめるように、問いかける。
「それはロイが、愛おしいからで……」
いや、私は……いつロイのことを好きになって……」
「あの図書館の時から、ロイへの気持ちが止まらなくて……」
その言葉で、疑問は確信に変わった。
これは純粋にヒロインに恋をする姿でない。
ーー攻略対象者は、ロイに洗脳されている。
(まじかよ。こんな展開聞いてねぇよ)
「はぁ……」
猶予はあと4日。さて、どうするか。
ゲームの記憶を思い出す。だが、どうにも噛み合わない。
優秀であるはずの攻略対象者達は俺の話を全く聞こうとしない。
ヒロインのロイもゲームの様子とは違ったように見えた。
ーーあまりにも、作られたような仕草だった。
(これは偶然か…?
ゲームの強制力…?いや、もしそんなものがあったなら俺はロイをいじめてるはずだしな……)
とにかく、何とかしなければ。あの3人に無実を証明する必要がある。この違和感の正体も突き止めたい。
……一旦誰か呼び出してみるか。
3人同時は今日の二の舞になるし御免だ。
殿下は立場的にも流石に難易度が高そうだ。
キールは……正直怖い。
(となったら選択肢は1つだな。)
俺は机に向かい、手紙を出した。
宛先はアルベルト。
自分の罪を晴らしたいという名目で。
翌日
アルベルトは、レオンの屋敷を訪れた。
「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。アルベルト様。」
屋敷の一室に案内する。
「無実を証明したいなど、一体どういうおつもりですか。」
向けられた視線は、警戒心と嫌悪感が混じっていた。
(それでも正直に俺のところに来るあたり、本当に真面目だな。……そこは嫌いじゃない。)
「なぜそこまでして私を断罪しようとするのですか?」
「それは、ーー貴方が、殿下と仲が良いロイに嫉妬しをいじめたからではないですか……」
(何に対して嫉妬するんだ、俺は殿下ともロイとも極力関わってこないようにしていたのに。)
「私がロイ様に嫉妬などしておりませんし、ロイ様をいじめた事実はありません。」
「そんな嘘を私が信じると思っているのですか。」
やっぱり、俺の意見を全く聞き入れようとしない。
(ゲームでは、こんな思考が曇ったやつだったか、こいつ)
「ですから嘘だと断定するには証拠も不十分ですよ。
アルベルト様、少し焦りすぎではないですか……
何か、おかしいですよ」
ついおかしいだと言ってしまった。
(やば、ちょっと今のは失礼だったか?)
アルベルトがその一言で固まる。
図星をつかれたような目だ。
「では、ロイが言っていることが間違っているとでも言いたいのですか!」
声がわずかに上ずる。
アルベルトの様子が変だ。
(なんだ、)
「ロイが、貴方は悪い人だと。自分に貴方が嫉妬しているのだと……そう言っていました。」
(ロイがそう吹き込んだのか……)
ゲームでは、ロイはそんなキャラではなかったはずだ。
一体どうなっているのか。
「…アルベルト様、ロイ様は、出会った時、どのような様子でしたか…」
ゲームの内容と照合させる為にそう聞いた。
「なぜ私がそのようなことを貴方に言う必要があるのですか。」
そう言いつつも、アルベルトの視線は揺れている。自身の記憶を確かめるように呟き始める。
「私とロイは図書館で出会い……そこから交流を深めるように…」
「……いや、違う」
「あの後、ロイは私に何かの魔法を……」
かなり混乱している。
魔法という言葉が引っかかった。
背筋が冷える。
(魔法……?まさか、、ロイが洗脳魔法でも使っているというのか……)
「なぜ、そこまでロイ様を信じているのですか?」
確かめるように、問いかける。
「それはロイが、愛おしいからで……」
いや、私は……いつロイのことを好きになって……」
「あの図書館の時から、ロイへの気持ちが止まらなくて……」
その言葉で、疑問は確信に変わった。
これは純粋にヒロインに恋をする姿でない。
ーー攻略対象者は、ロイに洗脳されている。
(まじかよ。こんな展開聞いてねぇよ)
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