同期が迫ってきて困っています

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あいつにそばにいて欲しい

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「仕事終わった?一緒に帰ろ、真央。」


「なっ…!?」


「まぁまぁ!いこっ!」



そのまま強引に引きずられ会社を後にする。


「ねぇ!朝のは悪かったと思ってるけどなんなのこれ!」

私と近江が完全に恋人繋ぎをしている。
恥ずかしくてたまらない。

「今のうちに攻めないと逃げられちゃうかなって思って」


平然という彼に驚いた。そんなに私のことが好きなのだろうか。


「私、その、近江のことそういう目で見てなかった…」


「それ過去形な。今は違うでしょ?そーゆ目で見て?」


「は……」

私は今ゆでダコのようだろう。顔が真っ赤に染まっている自信がある。
なんでこんなに近江はど直球なんだろ。


「今日は夜遅いし家まで送るよ。じゃあいこっか。」


ニコニコして、私を見つめる彼に嬉しいと感じてる私……


「駅から近いからここまででいいよ!」


「え、まだ一緒にいたい…それに家会社からこんな近いの?」



「う、うん。ここから裏路地入ってすぐ!じゃあね!」

逃げるように走って家までいった。

この路地は狭いしくらいけどそのおかげであまり都心近くの駅にしてはおしゃれではなく、満足のいく家賃で会社の近くに住めている。

この先を進めば家に……


「えっ!?」

後ろから誰かに抱きつかれた。
え、流石に近江じゃないよね……

「さっきの男だれ?手なんて繋いでさ、俺君の帰りを毎日心配で待ってたのに。ついに俺を裏切ったね?」


やばいなんか当ててきてる……き、気持ち悪い……

どうしよう…臭いし気持ち悪い。

口を抑えられて息が出来なくなる。

意識が遠のいていく。

「近江……助けて……」

声を振り絞ってだしたらこの男の逆鱗に触れたのだろう。


「誰だよ!!近江って!俺だけ見てろ、な?」


私の体を地面に横たわらせて、男は馬乗りになった。服の上から胸をさわられ、絶望と恐怖で体が震えて止まらない。


気持ち悪い、気持ち悪い、なのに声が出ないのだ。声がかすれていて、出したくても何故か出せない。




「おい、お前なにしてんだよっ」


ボカっと音が鳴り、この男が倒れる音がした。殴ったのかな。気絶している…


「お、近江……?」


「うんそうだよ。真央……ごめん。ちゃんと送ってれば………」


途中から意識が遠のき彼にしがみついたまま意識を手放した。



それから起きたのは警察が来てから。
説明などは彼が少ししてくれたらしい。

思い出しただけでも気持ち悪く、私は話せる状況ではなかったためその日はそれで終わった。


そして防犯カメラが存在していることがわかったため私からは何も語らなくていいそう。

よかった。もし話してと言われても気持ちが悪くて思い出したくもない。

あの男はずっと私のことが好きでいつも待ち伏せしていたらしい。そして駅前で男と手を繋いでいた私に苛立ったと。
俺の女によくも触ったなと。怒り狂って、私に大丈夫だよと言ってあげたかったがつい気持ちが抑えられず襲ってしまった。とはなしているらしい。

気持ち悪い。殺したいくらいには気持ちが悪い。本当にそう思っているくらいつらい。私の気持ちはどうなるんだよって言いたくてでも考えるだけで気持ちが悪くなる。


「近江……ありがとう…来てくれて……」


泣いてしまったが今回は許してほしい。

近江がこなかったらどうなってたのかと思うとゾッとする。

それに来てくれたのが近江でよかった。


「近江、私近江のこと……好き……」


「っ……!まじかすげぇ、嬉しい。だけど今はとりあえず俺の家いこうか。あの男は隣の部屋らしい。今はいなくても俺が真央のこと1人にしたくない。」


「いいの……?近江迷惑しない……?」


「ぁー可愛い。どうしよ。全然しない。寧ろ今は俺といよう。俺も気持ち悪く見えたら言って。その時は離れる」

そういって私を抱き上げた。

「えっ。自分で歩けるよ……多分…」


「無理。気持ち悪く思われない限りは絶対俺離さないから。」


何故か嬉しくて、彼の胸に頭をちょんっと置いてみた。

落ち着くなぁ。さっきまではあんなに気持ち悪いと思ってた男の人も近江なら全く嫌じゃない。


私って近江のことこんなに好きだったんだ……

さっきまで蓋をしていた恋心が暴かれたようで自分が一番驚いている。

近江と出会えてよかった……










「近江…車なの?」

駅前に留めてある高級車……

「そうだよ~ここからは意外と車の方が便利なんだ。道も朝そんなに混んでないし」


近江って前から気品あるなーとは思ってたけどお金持ち……?


「助手席ね。乗せるよー」


彼が優しく座らせてくれて足の置き場まで……

「ちょっ!恥ずかしいよぉ…自分でやるっ!」


「真央可愛すぎる…」

唇に優しく口づけられた。

「これは嫌…?」

「い、嫌じゃないよ。近江なら……」

「まって今日はそれ以上煽るの禁止ね。あのクソ野郎みたいにはなりたくない…。2人でゆっくり進んでいこう。」

「うん……」

よかった…私は今まで恋とかしてこなかったから、急展開だと追いつける自信はなかった。

それにえっちなこともしたことはない。もし彼と今日そういう風になっても仕方ないとは思ったけど今日は何故か嫌だ。

あの男に触れられた部分だけは彼に消毒してもらいたくはあるけど…

多分そんなこと言ったら気持ち悪がられるかな……


言える自信はなかった。


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