こぎちゅねさまっ!

かねざね

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いせかい?

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「成る程、……それなら問題は無いな。」

真剣な表情のまま、数秒の空白を空けたと思えばあっさりとルノアが言った。

まてまてまてまて。

「何を言うて居るのじゃ!これは充分な問題であろう!?」
「否、解いてしまった方が問題になろう。変化で力を多少なりとも力を使って居なければ身が持たないが為、この様に術を解けぬ様にして居るのかもしれん。元の姿に戻ればその身体に収まり切らぬであろう、力の解放先が何一つないからな」
「成る程、それで先程こちらに来る前に解こうとしても解けなかった訳ですか」
「ならばわしの身体はこのままということか?!」

なんと言うことじゃ…意味の分からぬうちに呪いの土産を持たされた挙句に異国へ飛ばされ、果てや元の姿に戻れぬと!?

「いや、あの主に会えれば大丈夫であろう。まぁ、その主の姿が今見えないんだがなぁ…」



ルノアの考察といえど、もしそうなのだとすれば主に会えるまで、わしはこのままという事になる。
余りの衝撃に絶句していれば、席を立ったルノアが隣まで移動し、宥めるかのように二度撫でた。

「…まぁ、良いではないかきつね殿。別段、変化をしたままで困る事は何もないのであろう?」
「そうですね、着替え等も準備しておきましょう」
「う…うむ。」

命に別状がないのであれば、そうか問題は無しに等しいか…

…なんであろうか、こうも似た二人の間に挟まれていると妙に落ち着かぬ。
そんなわしの心情を知ってか知らずか、ルノアの手は頭上から頬に落ち、顎下に移動すると指で掬う様に撫でて来た。
逃げる様に顎を引くも、細く長い指は追って来る

「ン、…やめんか、くすぐったいであろう」
「耳は跳ねたぞ、気持ちよいのではないのか?」
「…わたしの前でセクハラしないで貰えますか…」

せくはら?なんだ、それは。
腕を解かれては居たものの、先程から変わらぬ場所に居たルーノがまた低い声を出す。
それに笑いを零すとルノアは素直に手を引いた。

「人の型を取っておっても中身はきつね殿であるからな、つい撫でてみたい気もわかるであろう?」
「確かに、どちらの姿でも可愛らしい事に変わりないですよ」
「おい、わしの姿は…」
「それはルーノ、お前は生で見たのか?」
「勿論、出会って速攻ハグです」

ルーノの様子に臆することもまったく悪びれた様子なくルノアが言えば、何を思ったかルーノは肯定と更に褒め言葉を足して言うが、可愛いとは何だか複雑な…
それにわしの本当の姿はもっとかっこ良いであろう、そこを訂正させねばと思うが、わしを挟んで会話をする二人の論点はものの見事にズレていく。

ルーノよ、ハグではなくお前はわしの上に落ちて来たのであろうが。
そしてわしの本来の姿を見たと言うルーノに対しルノアはひどく悔しげなんじゃ…

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