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第12話 雲峡
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「グァグァグァグァッ!これはまたおもしろい。まさか人間界で現役の仙人に会えるとはな!しかも単独でのこのことよくもまぁ現れたものだ!」
亜孔雀は仙葉に乗った雲峡の姿を見るなり彼女が仙人であることを悟っていた。
なんせ過去に仙人界で暮らしていたのだから、魔界の誰よりも仙人について詳しかったかも知れない。
「ん、とぉっ!」
ふわふわとゆっくり降下する仙葉から雲峡が勢いよく飛び降りる。
雲峡の身の丈は若干小柄な仙花とほぼ変わらず、何百年と生きているのに肌は十代の女子のように瑞々しい。
顔はお銀の妖艶で美しいものとは違い、あどけなさが残っている童顔の美少女と云ったところだろうか。
煌びやかで黒い長髪を風に靡かせながら雲峡が口角を上げ笑う。
「ハッハッハッ~!お馬鹿な悪魔の小童よのう。我が名を聞いても同じことが言えるのかなぁ?」
つまらなそうに亜孔雀が仄めかす。
「...勿体ぶってないで早く名乗れ」
雲峡が応じて名乗ろうとするが彼女が口を開く前に、様子を眺めていた仙花が口を挟む。
「あっ!思い出したぞ!突然現れて道を破壊した迷惑極まりない阿呆な馬鹿仙女じゃ!」
阿呆の上に馬鹿を重ねられた雲峡が仙花をキッと睨みつける。
「おっと、この間の人間の一味であったか。この雲峡を小馬鹿にするとは無礼千万。悪魔めを退治した後に少しばかり懲らしめてやろうか?」
亜孔雀は仙葉に乗った雲峡の姿を見るなり彼女が仙人であることを悟っていた。
なんせ過去に仙人界で暮らしていたのだから、魔界の誰よりも仙人について詳しかったかも知れない。
「ん、とぉっ!」
ふわふわとゆっくり降下する仙葉から雲峡が勢いよく飛び降りる。
雲峡の身の丈は若干小柄な仙花とほぼ変わらず、何百年と生きているのに肌は十代の女子のように瑞々しい。
顔はお銀の妖艶で美しいものとは違い、あどけなさが残っている童顔の美少女と云ったところだろうか。
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「ハッハッハッ~!お馬鹿な悪魔の小童よのう。我が名を聞いても同じことが言えるのかなぁ?」
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