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第2話 出雲の地へ ノ4
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原因不明なのだが仙花には光圀に拾われる以前の記憶が無い。よって、降りしきる雨の中、なぜ山道に倒れていたのか本人も知らないし、生みの親の顔なども当然覚えていなかった。
光圀としては人生最後の我が子とし、蝶よ花よと育て上げ、いずれは何処かの名高い藩主の元へ嫁にやろうと考えていたようだが、彼女を養子として迎えてから数年後、それは儚くも叶わぬ願いとなってしまう。
仙花は女に生まれながら女の子らしい物などに興味を一切示さず、侍の生き様に憧れるような傾向が強く見受けられ、光圀の想いとは真逆の育ち方をしてしまったのである。
「お銀!もし旅先で座頭市に遭遇しようものなら儂は是非とも手合わせを所望したいぞ!」
と、座頭市の凄さを聞いて怖気付くどころか実に交戦的な発言をする始末。
お銀は首を横に振りやれやれといった表情を隠さず述べる。
「手前の話しをしっかり聞かれていたでしょうに。確かに仙花様の剣の腕前は光圀様の折り紙付きと聞いておりますけれど、実戦経験が無いとも聞き及んでおるところにございます。お気を悪くしないでいただきたい所存なれば、座頭市の腕はもはや「神の領域」と云っても過言ではございません。故に、例え遭遇したとしても剣を交えるようなことは天地がひっくり返ろうともあってはなりませぬ」
お銀に釘を刺され心外だと言わんばかりに頬をぷっくりと膨らませて返す仙花。
「それは残念無念。ならば今よりもっともっと強くなれば良いのだな?してどれほど強くなれば良いのだ?」
ここで訊かれていない蓮左衞門が空気を読まずに割って入る。
「仙花様は今でも十分に強いでござるよ。そこら辺の浪人どもではとても太刀打ちできますまい。だから焦らず...」
「うるさい黙れ!蓮左衞門!儂はお銀に訊いておるのだ!斬って煮干しにしてしまうぞ!」
蓮左衞門が話し終える前にキッと睨みつけ、烈火の如く怒る仙花に彼はたじろいだ。しかし言うにこと欠いて年頃の娘が「煮干し」とは...
「も、申し訳ございませんでござる...」
「フン!で、どうなのだお銀?」
お銀にしては珍しく困った顔をし、九兵衛と雪舟丸の方を見て不意に思いつき答える。
「.......左様にございますねぇ。そこにいる『居眠り斬り』の雪舟丸から寝ている時でも良いので一本取ることができれば...或いは勝負になるのかも知れませぬ...」
「ほぉ~、寝ている此奴から一本獲れば良いのだな?クックックッ、それなら今すぐ取ってやろうではないか」
仙花は「姫」という印象とは程遠い下衆顔をしてそう言った。
光圀としては人生最後の我が子とし、蝶よ花よと育て上げ、いずれは何処かの名高い藩主の元へ嫁にやろうと考えていたようだが、彼女を養子として迎えてから数年後、それは儚くも叶わぬ願いとなってしまう。
仙花は女に生まれながら女の子らしい物などに興味を一切示さず、侍の生き様に憧れるような傾向が強く見受けられ、光圀の想いとは真逆の育ち方をしてしまったのである。
「お銀!もし旅先で座頭市に遭遇しようものなら儂は是非とも手合わせを所望したいぞ!」
と、座頭市の凄さを聞いて怖気付くどころか実に交戦的な発言をする始末。
お銀は首を横に振りやれやれといった表情を隠さず述べる。
「手前の話しをしっかり聞かれていたでしょうに。確かに仙花様の剣の腕前は光圀様の折り紙付きと聞いておりますけれど、実戦経験が無いとも聞き及んでおるところにございます。お気を悪くしないでいただきたい所存なれば、座頭市の腕はもはや「神の領域」と云っても過言ではございません。故に、例え遭遇したとしても剣を交えるようなことは天地がひっくり返ろうともあってはなりませぬ」
お銀に釘を刺され心外だと言わんばかりに頬をぷっくりと膨らませて返す仙花。
「それは残念無念。ならば今よりもっともっと強くなれば良いのだな?してどれほど強くなれば良いのだ?」
ここで訊かれていない蓮左衞門が空気を読まずに割って入る。
「仙花様は今でも十分に強いでござるよ。そこら辺の浪人どもではとても太刀打ちできますまい。だから焦らず...」
「うるさい黙れ!蓮左衞門!儂はお銀に訊いておるのだ!斬って煮干しにしてしまうぞ!」
蓮左衞門が話し終える前にキッと睨みつけ、烈火の如く怒る仙花に彼はたじろいだ。しかし言うにこと欠いて年頃の娘が「煮干し」とは...
「も、申し訳ございませんでござる...」
「フン!で、どうなのだお銀?」
お銀にしては珍しく困った顔をし、九兵衛と雪舟丸の方を見て不意に思いつき答える。
「.......左様にございますねぇ。そこにいる『居眠り斬り』の雪舟丸から寝ている時でも良いので一本取ることができれば...或いは勝負になるのかも知れませぬ...」
「ほぉ~、寝ている此奴から一本獲れば良いのだな?クックックッ、それなら今すぐ取ってやろうではないか」
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