刀姫 in 世直し道中ひざくりげ 鬼武者討伐編

流川おるたな

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第3話 芥藻屑との戦 ノ33

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「郷六、其方は未だ儂のことを分かっておらんようだのう...」

 微妙に怪訝な表情をする仙花。
 その表情の変化に気付いた郷六が少し焦る。

「も、申し訳ございません。手前は人心把握が少々苦手なものでして...」

「村長のくせに人心把握が苦手とは...其方、正直なのは良いがもう少し思慮深くあった方が良いかと思うぞ。まぁ、若輩者の儂から忠告されても大して心に刺さらぬだろうが...」

「めめ、めっそうもございまぬ。仙花様の人格が常人のそれと異なることくらい把握しておりますゆえ...」

「ハッハッハッ、やはり其方は分かっておらぬなぁ。まぁ良い。まずは儂に対して固く緊張して接するのはやめて欲しい。確かに儂は水戸光圀の娘ではあるけれど、儂自身は身分云々には全く興味も無いしもっと皆に溶け込みたいのだ。それと、御恩や奉公などという面倒くさい概念も一切合切不要だぞ。以上の念頭に置いてもらえれば儂はすこぶる嬉しい限りだ」

 と、仙花は気さくにして簡単に論じたが、平民の郷六にしてみれば徳川御三家一角の娘に対し、立場的な概念を捨てておいそれと出来る行為ではない。
 しかし、仙花の機嫌を下手に損ねたくなかった郷六は言葉を選んで返事する。

「仙花様のお考え、誠に痛み入ってございます。さすればこの郷六、頂いたお言葉を確かに頭へと叩き込みましょう」

「うむ、そうしてくれると助かる♪」

 仙花は淡麗な顔を緩ませ、天使のような微笑みを見せた。のも束の間、芥藻屑に関しての情報を聴き出そうと口を開く。

「してだ。今は余り考えたくないであろうが芥藻屑について其方の知る限りのことを教えてくれぬか?儂らは飯を食いおえたのちこの村を直ぐに出て、夜明けまでには芥藻屑共の巣窟へ到達したいのだ」

「そっ、そのようなことをなされては身体を壊してしまいます。差し出がましいようですがせめて、せめて一晩だけでもこの村に留まり英気を養われた方がよろしいのではないでしょうか?」

 郷六の言うことを予測していた仙花は、左隣で食事をしながら聴き耳を立てていたお銀の方を向き説明するよう目配せした。

「郷六殿のお気持ちは有り難いのですけれど我らは芥五人衆のうち三人も葬っておりますゆえ...芥藻屑の首領も明日になれば事のおかしさに気付き、またこの村を訪れるやも知れませぬ。仙花様はその前に先手を打って攻め入ろうというお考えなのですよ」

「っ!?.........................」

 お銀の説明を受けた郷六はハッとして黙り込んだ。
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