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第3話 芥藻屑との戦 ノ35
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「たっ、度重なるご厚意、感謝してもしきれませぬ。山窮水尽の村にとってはこの上なく有り難き幸せにございまする」
郷六が感謝の意を表して頭を下げると、後ろに居る村人達もこぞって頭を下げ感謝した。
「うむ、大いに有効活用してくれ。おっとそうそう、その巾着袋は儂らが発ち、姿が見えなくなってから開るのだぞ。面倒なことにならぬようにな」
「?…………承知しました...」
仙花の念押しに合点がいかない様子の郷六だったけれど、己がまた余計なことを言ってしまわぬかと危惧しこの場は黙って頷くことにした。
実際のところ仙花の一行が村を発ったのち、巾着袋を開けて中身を見た郷六は卒倒することになる。巾着袋の中には未だかつて目にしたことのない小判が何十枚も入っていたのだから....
それをある程度予測して忠告した仙花が、出発前にずっと注目している村人達へ向かって話す。
「皆の者!よく聴いてくれ!儂らはこれより芥藻屑の巣窟へと進む!百五十人に及ぶであろう敵をたったの五人で相手取れるかとの不安もあるかも知れない。だが、我が父である水戸光圀の名にかけて必ずや賊を一掃し、其方らの大事な者達が村へ帰って来ることを此処に約束しよう!...儂らは賊を倒し、捕虜となった者達を救ったあとはそのまま旅を続け、この村へ帰って来ることはない。これで皆とはお別れだ」
そこまで言い終えると郷六を始めとする村人達は深々と頭を垂れ、中にはその場に座り込み目を瞑り手を合わせて拝む者もいた。
「頑張って生きるのだぞ!さらばだっ!」
別れの言葉を力強く述べた仙花は村人達にサッと背を向ける。合わせて一行の全員も無言で背を向けた。
そして闇夜の中に眼光をするどくさせた仙花が低くうねるように一行の面々に言う。
「芥藻屑の外道共を根絶やしにするぞ」
「畏まりました」
「おう!でござる!」
「は、はいぃ」
「すぴぃ~、すぴぃ~、すぴぃ~」
呑気な居眠り侍の寝息を除き、一行の面々は引き締まった表情をして主人に応え、芥藻屑の巣窟へ向かい足早に歩き出したのだった。
月の照らす夜道を一刻で三里ほど歩いた一行。
ここまでかなりの速さにて順調に進んでいたが、超人的体力を持つ四人とは違い、並々の並体力しか持たない九兵衛に疲労困憊の色が見え始め、堪らず前を歩く仙花に申し出る。
「ゼェゼェ、せ、仙花様...ゼェゼェ、あっしの身体がさっきから休みたい休みたいと、ゼェゼェ、悲鳴を上げているでやんす...ゼェゼェ」
「なにっ!?やはり其方は脆弱だのう...仕方がない、少し休憩を入れるか?」
郷六が感謝の意を表して頭を下げると、後ろに居る村人達もこぞって頭を下げ感謝した。
「うむ、大いに有効活用してくれ。おっとそうそう、その巾着袋は儂らが発ち、姿が見えなくなってから開るのだぞ。面倒なことにならぬようにな」
「?…………承知しました...」
仙花の念押しに合点がいかない様子の郷六だったけれど、己がまた余計なことを言ってしまわぬかと危惧しこの場は黙って頷くことにした。
実際のところ仙花の一行が村を発ったのち、巾着袋を開けて中身を見た郷六は卒倒することになる。巾着袋の中には未だかつて目にしたことのない小判が何十枚も入っていたのだから....
それをある程度予測して忠告した仙花が、出発前にずっと注目している村人達へ向かって話す。
「皆の者!よく聴いてくれ!儂らはこれより芥藻屑の巣窟へと進む!百五十人に及ぶであろう敵をたったの五人で相手取れるかとの不安もあるかも知れない。だが、我が父である水戸光圀の名にかけて必ずや賊を一掃し、其方らの大事な者達が村へ帰って来ることを此処に約束しよう!...儂らは賊を倒し、捕虜となった者達を救ったあとはそのまま旅を続け、この村へ帰って来ることはない。これで皆とはお別れだ」
そこまで言い終えると郷六を始めとする村人達は深々と頭を垂れ、中にはその場に座り込み目を瞑り手を合わせて拝む者もいた。
「頑張って生きるのだぞ!さらばだっ!」
別れの言葉を力強く述べた仙花は村人達にサッと背を向ける。合わせて一行の全員も無言で背を向けた。
そして闇夜の中に眼光をするどくさせた仙花が低くうねるように一行の面々に言う。
「芥藻屑の外道共を根絶やしにするぞ」
「畏まりました」
「おう!でござる!」
「は、はいぃ」
「すぴぃ~、すぴぃ~、すぴぃ~」
呑気な居眠り侍の寝息を除き、一行の面々は引き締まった表情をして主人に応え、芥藻屑の巣窟へ向かい足早に歩き出したのだった。
月の照らす夜道を一刻で三里ほど歩いた一行。
ここまでかなりの速さにて順調に進んでいたが、超人的体力を持つ四人とは違い、並々の並体力しか持たない九兵衛に疲労困憊の色が見え始め、堪らず前を歩く仙花に申し出る。
「ゼェゼェ、せ、仙花様...ゼェゼェ、あっしの身体がさっきから休みたい休みたいと、ゼェゼェ、悲鳴を上げているでやんす...ゼェゼェ」
「なにっ!?やはり其方は脆弱だのう...仕方がない、少し休憩を入れるか?」
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