88 / 131
第3話 芥藻屑との戦 ノ52
しおりを挟む
正面に剣術の極達人を見据えた可惜夜千里(あたらよせんり)が薄い笑みを浮かべる。
「とんでもないお人ですねぇ、あなた。たった一人でこれだけの人間を殺せる方は早々いませんよ...でもまぁ、これくらいの事なら僕でもやってしまえそうな気がしない、でもないですが...」
「...ほう、少年。それは大きく出たものだな」
少年?の物言いに表情の変化に乏しい雪舟丸が微かにニヤリとした。
「あっ、因みに僕は若く見られがちですがぁ、少年と呼ばれるような年齢ではありませんよ。二十歳の立派に成人した大人ですのでその辺お間違いのなきよう」
「......それを聞いて少しばかり安心した。流石の俺も少年を斬るのは些か抵抗があるのでね。っと、すまん。勝手に無謀な闘いを挑んでくるものと判断してしまったが、相違はないか?」
美少年ではなく美青年であることが発覚した可惜夜千里がニコリとして応じる。
「ええ、あなたに挑むことに相違はありませんよ...あっ!そうだそうだ。あなたのような達人とやり合うからには正式に一対一の決闘を申し込ませて貰いましょう。ちょっと待ってて下さいね」
可惜夜千里そう言って背後に控える芥藻屑の賊達へ向けて告げる。
「皆さん!命懸けのお仕事ご苦労様でした。ですが此処より先のこの場はこの可惜夜千里が預かります。皆さんにおいては中央社の加勢に行くなり、蛇腹を捨てて逃げ出すのもありかと存じます。兎にも角にも居てもらっては足手纏いなだけですのでとっとと消えて下さ~い♪」
最後の方のあまりな暴言に族達は一瞬固まった。が、一番近くにいた者が恐る恐る口を開く。
「へ、へい。お言葉に甘えてそうさせてもらいます」
その者は場を駆けて去り、周囲の者達も釣られるように二人の対峙する場から姿を消した。
「うんうんよしよし。これで心おきなく決闘に没頭できますねぇお侍さん♪」
今から生死を分けようという決闘に挑む者のとはとても思えぬほど陽気な可惜夜千里。
「おもしろい男だな...折角だ、俺の名は阿良雪舟丸(あらせっしゅうまる)。剣術と睡眠をこよなく愛す者。と、言ったところだ」
五十数人を倒した後だというのに雪舟丸の顔には疲労の色は見られない。
片や寝起きから未だ一戦もせず元気の有り余る可惜夜千里が応じる。
「へ~、剣術と睡眠?ですかぁ。なるほどねぇ...っと、僭越ながら可惜夜千里と申します。そうですねぇ...雪舟丸さん風に言うならば、『人斬りを極めんとする者』といったところでしょうかぁ...」
「とんでもないお人ですねぇ、あなた。たった一人でこれだけの人間を殺せる方は早々いませんよ...でもまぁ、これくらいの事なら僕でもやってしまえそうな気がしない、でもないですが...」
「...ほう、少年。それは大きく出たものだな」
少年?の物言いに表情の変化に乏しい雪舟丸が微かにニヤリとした。
「あっ、因みに僕は若く見られがちですがぁ、少年と呼ばれるような年齢ではありませんよ。二十歳の立派に成人した大人ですのでその辺お間違いのなきよう」
「......それを聞いて少しばかり安心した。流石の俺も少年を斬るのは些か抵抗があるのでね。っと、すまん。勝手に無謀な闘いを挑んでくるものと判断してしまったが、相違はないか?」
美少年ではなく美青年であることが発覚した可惜夜千里がニコリとして応じる。
「ええ、あなたに挑むことに相違はありませんよ...あっ!そうだそうだ。あなたのような達人とやり合うからには正式に一対一の決闘を申し込ませて貰いましょう。ちょっと待ってて下さいね」
可惜夜千里そう言って背後に控える芥藻屑の賊達へ向けて告げる。
「皆さん!命懸けのお仕事ご苦労様でした。ですが此処より先のこの場はこの可惜夜千里が預かります。皆さんにおいては中央社の加勢に行くなり、蛇腹を捨てて逃げ出すのもありかと存じます。兎にも角にも居てもらっては足手纏いなだけですのでとっとと消えて下さ~い♪」
最後の方のあまりな暴言に族達は一瞬固まった。が、一番近くにいた者が恐る恐る口を開く。
「へ、へい。お言葉に甘えてそうさせてもらいます」
その者は場を駆けて去り、周囲の者達も釣られるように二人の対峙する場から姿を消した。
「うんうんよしよし。これで心おきなく決闘に没頭できますねぇお侍さん♪」
今から生死を分けようという決闘に挑む者のとはとても思えぬほど陽気な可惜夜千里。
「おもしろい男だな...折角だ、俺の名は阿良雪舟丸(あらせっしゅうまる)。剣術と睡眠をこよなく愛す者。と、言ったところだ」
五十数人を倒した後だというのに雪舟丸の顔には疲労の色は見られない。
片や寝起きから未だ一戦もせず元気の有り余る可惜夜千里が応じる。
「へ~、剣術と睡眠?ですかぁ。なるほどねぇ...っと、僭越ながら可惜夜千里と申します。そうですねぇ...雪舟丸さん風に言うならば、『人斬りを極めんとする者』といったところでしょうかぁ...」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる