転んだら異世界統一の刑だった!〜元暗殺者の国盗り物語〜 第一部

流川おるたな

文字の大きさ
26 / 39

九字印

しおりを挟む
 そっか、御老体を気遣った戦い方をしているのはバレバレですか...

 それに師匠は現役を退いていたとはいえ、俺の予想を遥かに超える強さだった。

 俺は両膝の土を払いながら立ち上がって九字印を結ぶ。

「臨、兵、闘、者、皆、陣、烈、在、前!チャクラ開放!」

「ボッ!」

 初めてチャクラを生み出した時のように、体内からチャクラが溢れ身体を包む。

「じゃあ一瞬でケリをつけちゃいますけど、あとで泣かないでくださいね」

「なに!?」

「雷遁!雷閃光(らいせんこう)の術!」

「ヒュッ!」

 俺は瞬間移動したかのような速さで師匠の横を通り過ぎ、手には黒い布を握りしめていた。

「これで忍者のこれで試験は合格ですね」

 師匠は何が起こったのか分からないといった顔で俺を見て言う。

「み、見事だ」

 ロロアさんが試験終了を告げる。

「黒布の奪取成功により忍者免許皆伝試験はこれにて終了とする!」

 試験が終わったところで、上で観ていたシャーリが下へ降りて来た。

「レオンやったね!後半は何が起こってるのか分からなかったけど凄かったよ~!」

「ハハ、ありがとうシャーリ」

 雷神憑依を解いた師匠が歩いて近寄り懐から何かを取り出した。

「我が弟子レオンよ、これは忍者免許皆伝証だ。お主が忍者であることの証明になる大切にするんだぞ」

 和紙のように丈夫な紙で作られた証明書を受け取り、俺は深々と頭を下げる。

「ありがとうございます。師匠の弟子として恥じぬよう精進いたします」

「有言実行。本当に3ヶ月で忍者になれましたね!おめでとうございます!」

 ロロアさんが笑顔で祝いの言葉をかけてくれた。


 その夜は忍者になった祝いと、俺とシャーリの送別会を兼ねて宴会が行われた。
 宴会には家のご近所さんも含めて20人以上が集まった。

 シャーリはこの3ヶ月で魔法と錬金術を駆使し、ご近所さんの手伝いや悩みなどを解決してちょっとした人気者になっていたのである。

「シャーリちゃんが居なくなると寂しくなるねぇ」

 などとおじさんやおばさんに旅立つことを惜しまれていた。

 俺は隣に座る師匠に質問を投げかける。
「師匠、ハンゾウに挑戦するための条件として忍者である事の他にも条件があるのでしょうか?」

 だいぶ酒が入って赤くなった師匠が答える。

「そうだのう。訊いた話では1億ギラの献上が必要のようだぞ」

「い、1億ギラ!?」

 挑戦権を買い取るようなものだろうが高すぎる...

「そんな顔をするな、お前はわしの愛弟子だ。1億ギラくらいわしが貸してやるわい。ただし、出世払いの倍返しで頼むぞ。ホホホ」

 倍返しは冗談だろうが、俺は3倍返ししても良い気持ちになっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

SE転職。~妹よ。兄さん、しばらく、出張先(異世界)から帰れそうにない~

しばたろう
ファンタジー
ブラック企業で倒れたSEが、 目を覚ますと――そこは異世界だった。 賑やかなギルド、個性豊かな仲間たち、 そして「魔法」という名のシステム。 元エンジニアの知識と根性で、男は再び“仕事”を始める。 一方、現実世界では、 兄の意識が戻らぬまま、妹が孤独と絶望の中で抗っていた。 それでも彼女は、心ある人々に支えられながら、 科学と祈りを武器に、兄を救う道を探し続ける。 二つの世界を隔てる“システム”の謎が、やがて兄妹を結びつける。 異世界と現実が交錯するとき、物語は再起動する――。 《「小説家になろう」にも投稿しています》

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』

宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

処理中です...