やしあか動物園の妖しい日常 第一部

流川おるたな

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温泉を満喫!

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「うわぁ!こんな温泉初めて見た!凄いなぁやしあか温泉!」

 露天風呂ではなかったけれど、胸が高鳴り感動すらしてしまうスケール。

「おっと、入湯するまえに身体の汚れを洗い流さなきゃっと」

 蛇口を探し横を向くと直ぐ側にあった。
 壁にはシャワーが付いていて風呂イスと洗面器もあり、シャンプーとリンスにボディソープまで置いてある。
 躊躇せず風呂イスに座り、シャワーのお湯を出して頭から浴びた。

 シャンプーを使い頭髪をワシャワシャ洗っていると、なんだか嬉しくなり自然に鼻歌を歌ってしまう。誰もいない貸切状態の広い空間にわたしの鼻歌が響いた。

 頭髪をシャワーのお湯で洗い流しリンスをしたあと、ボディソープをつけたタオルで身体を擦り、しっかりと洗い流していよいよ入湯準備完了!

「よ~し!温泉に入っちゃうぞ~!」

 意気揚々と温泉の岩場に近づき、勢いで飛び込んでしまおうと思ったけれど、温泉が激アツだった時の自分の姿が頭の中に浮かび踏み止まった。

「ちゃ、ちゃんと熱さは確認しないとね...」

 温泉に近づき水面を覗くと底が見え、飲めそうなほど透き通っていた。
 右手をそ~っと温泉の中に入れて湯加減を確かめる。

「お、これは丁度良い熱さかも...」

 この湯加減なら飛び込んでも問題無さそう。
 本当は絶対にやってはならない行為と分かっていながらも、若いうちにしか出来ない?し、周りに誰もいな居ないから迷惑をかけることも無い!大袈裟かも知れないけれど、欲望に負けてしまい温泉に飛び込む決意を固めた。

「せ~の!」

「ザッブン!」

 水中で勢いのなくなった身体がゆっくりと沈み温泉の底にお尻がついた。
 直ぐに足を立てて水面から顔を出す。

「ブッ、プハ~ッ!」

 今まで味わった事のない解放感に満たされ、勢いそのままに水面をクロールで泳ぐ。

「き、気持ち良い~っ!」

 温泉でこんな風に泳ぐのは人生で二度目だ。一度目は小学6年生の時に両親が連れって行ってくれた熱海旅行。

 無知で無邪気な幼い当時と違い、成人となり社会の法律やルール、常識をある程度理解した大人としてのこの行為は、尋常でない格別な解放感がある。

 とは言え、いつまでも馬鹿はやっていられない。
 はしゃぎ過ぎると歓迎会で持たないと考え、温泉の端っこに腰掛け落ち着くことにした。

 両腕をおもいっきり上げて伸びをする。

「う~ん、幸せ~」

 全然イメージと違ったなぁ...こんなに良い温泉ならたまに利用させてもらっちゃおう。

「ん!?あれは」

 岩場の片隅に木製の立て札がちょこんと立っているのを見つけた。
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