30 / 37
ご褒美
しおりを挟む
「ミュー、あなたは早速この枝豆を病気の者達に渡してください。人間の方々には私からお願いしたいことがあります」
「承知しました。病気の者達がさぞ喜ぶ事でしょう」
指示を受けたミューは枝豆を背負って女王の間から出て行った。
女王様がこちらを見て話す。
「訊いているかも知れませんが私の名はシーアです。」
「自己紹介が遅れました。僕がキキでこっちが芹奈と乙葉です」
いつものように雑な紹介。
「キキ殿、折り入ってお願いしたいのは男性の人魚探しです」
「男性の人魚探し!?ですか?」
「そうです。この海底都市には男性の人魚が居ないのですが、実のところ100年ほど前までは男性の人魚もここに共存していました」
げ!?そうだのか...少し残念な気がする。
「現在、ここにいる人魚達は私以外ではその事実を知る者はいません。なので極秘に進めて頂きたいのです」
芹奈が話したいのかしゃしゃり出て質問する。
「その男性の人魚の居場所は大体の見当はついているのでしょうか?」
「正確な場所まで把握していないのですが、デンマークの首都コペンハーゲンの海域です」
海外やないかーい。
一応、心の中で突っ込みを入れておく。
「デンマークの首都コペンハーゲンといえば人魚姫のブロンズ像があって、昔は星型の人工要塞カステレットがあった場所ですね」
芹奈はなぜそんな事を知ってるんだ?
あとで芹奈に訊いたけれど、人魚を見たその日にネットを使って調べまくっていただけだった。
「芹奈殿は良くご存知のようですね。その周りの海域にここと同じような海底谷があり、奥深くの海底都市に男性の人魚が居るはずなのです」
もう一つの海底都市か...しかし今度は男性の人魚ばかりとはトホホである。
「分かりました。そのお役目、わたし達が必ずやり遂げて見せましょう!」
あ、勝手にまとめやがった。しかしまだ肝心なことを訊いて無いぞ。
しょうがない僕が訊こう。
「その男性の人魚を探し出したとして、その後はどうするのでしょう?あと、人魚の男性であれば誰でも良いのですか?」
「ここの人魚の繁栄に関係してる話しです。まずはこちらに永住可能な者、その中で出来るだけ容姿が良く頭の良い者を連れて来て欲しいのです」
やはりそういう事か...人魚の繁殖に関係しているらしい。
「なるほど分かりました。ところで、その願いを達成した場合は何かご褒美的な物はあるのでしょうか?」
男性人魚の海底都市に行くだけでは俺にメリットは無い。
これくらい訊いといても良いだろう。
「玉手箱を一つと、河童についての情報を褒美として教えましょう」
どちらも微妙なご褒美だった。
「承知しました。病気の者達がさぞ喜ぶ事でしょう」
指示を受けたミューは枝豆を背負って女王の間から出て行った。
女王様がこちらを見て話す。
「訊いているかも知れませんが私の名はシーアです。」
「自己紹介が遅れました。僕がキキでこっちが芹奈と乙葉です」
いつものように雑な紹介。
「キキ殿、折り入ってお願いしたいのは男性の人魚探しです」
「男性の人魚探し!?ですか?」
「そうです。この海底都市には男性の人魚が居ないのですが、実のところ100年ほど前までは男性の人魚もここに共存していました」
げ!?そうだのか...少し残念な気がする。
「現在、ここにいる人魚達は私以外ではその事実を知る者はいません。なので極秘に進めて頂きたいのです」
芹奈が話したいのかしゃしゃり出て質問する。
「その男性の人魚の居場所は大体の見当はついているのでしょうか?」
「正確な場所まで把握していないのですが、デンマークの首都コペンハーゲンの海域です」
海外やないかーい。
一応、心の中で突っ込みを入れておく。
「デンマークの首都コペンハーゲンといえば人魚姫のブロンズ像があって、昔は星型の人工要塞カステレットがあった場所ですね」
芹奈はなぜそんな事を知ってるんだ?
あとで芹奈に訊いたけれど、人魚を見たその日にネットを使って調べまくっていただけだった。
「芹奈殿は良くご存知のようですね。その周りの海域にここと同じような海底谷があり、奥深くの海底都市に男性の人魚が居るはずなのです」
もう一つの海底都市か...しかし今度は男性の人魚ばかりとはトホホである。
「分かりました。そのお役目、わたし達が必ずやり遂げて見せましょう!」
あ、勝手にまとめやがった。しかしまだ肝心なことを訊いて無いぞ。
しょうがない僕が訊こう。
「その男性の人魚を探し出したとして、その後はどうするのでしょう?あと、人魚の男性であれば誰でも良いのですか?」
「ここの人魚の繁栄に関係してる話しです。まずはこちらに永住可能な者、その中で出来るだけ容姿が良く頭の良い者を連れて来て欲しいのです」
やはりそういう事か...人魚の繁殖に関係しているらしい。
「なるほど分かりました。ところで、その願いを達成した場合は何かご褒美的な物はあるのでしょうか?」
男性人魚の海底都市に行くだけでは俺にメリットは無い。
これくらい訊いといても良いだろう。
「玉手箱を一つと、河童についての情報を褒美として教えましょう」
どちらも微妙なご褒美だった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる