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ノ27 怖いもの知らず
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「くっくっくっ...年寄りには優しく接して大事にせぇと、親から教わらんかったらしいのう」
「...ふた~つ」
老婆の言葉など完全に無視して雪舟丸が二つ目をつつがなく数える。
「ちっ!仕方が無いのう...」
「バサッ!ゴロゴロゴロ...」
雪舟丸が三つ目を数えたなら、問答無用で刺して来るであろうことを察したのか、舌打ちをした老婆が地べたを寝返りをうつように横へ転がりながら長椅子の下から姿を現した。
老婆はこれでもかというほど顔がしわくちゃで、手入れのされていない長い髪は完全に白髪になっており、相当な老齢であることが窺い知れた。
老婆が寝たまま地に肘をつきながらお銀に話しかける。
「珍しいやつだねぇ、あんたぁ何故仙人に興味を持ってるんだい?」
寝たまま喋る老婆の態度に多少なりともイラッと来たお銀だったが、何か知ってそうな老婆から情報を引き出そうと冷静に応じる。
「お婆さん、取り敢えず人と話す時は寝転ぶのやめときましょうかぁ。起きるのが大変でしたらお手伝い致しますよぉ」
彼女は周りが引くほど穏やかな優しい口調でなんと手助けを申し出た。
普段のお銀の素行を知る者なら全くもって信じられぬ光景である。
だが、この老婆がそんなことなど知る由もなく...
「ケッ、だぁれが不細工な女の手なぞ借りるもんかい。起きあがろうと思えば儂一人で楽に起きれるわい。そうしないのはお主らを揶揄っているからに決まっておるじゃろぉ、くっくっくっ...」
老婆がとんでもない暴言で返したものだから、その場の空気が一瞬で凍りつき、誰もが「婆さん死んだな」と確信したのだった...
「...あらあらぁ、お婆さん。お年寄りだからと思ってちょいと優しくしてやったっていうのにぃ...汚い言葉しか出てこぬ口ならばぁ、いっそあたしが自慢のクナイ捌きで縫って差し上げましょう...それとぉ、あたしは絶対に不細工でも不器量でないのでねぇ...」
お銀は言い終えるや否や、袖からクナイを一本スッと取り出し、般若の如き表情で老婆を睨みつけた。
まぁ実際にクナイで口を縫うわけではなかろうが、現実的に行えば口に穴が開くだけでは済まないことは容易に想像できる...否、怒り切ったお銀なら本当にやりかねないから怖いのである...
「くっくっくっ、お主もくの一の端くれならこんな挑発に乗るもんじゃなかろう。仙人について知りたかったんじゃないのかえぇ?」
お銀の怒り心頭な様を見てもとんと動じない老婆。長椅子の下から登場した奇天烈な行動といい、いったい何者なのであろうか...
「...ふた~つ」
老婆の言葉など完全に無視して雪舟丸が二つ目をつつがなく数える。
「ちっ!仕方が無いのう...」
「バサッ!ゴロゴロゴロ...」
雪舟丸が三つ目を数えたなら、問答無用で刺して来るであろうことを察したのか、舌打ちをした老婆が地べたを寝返りをうつように横へ転がりながら長椅子の下から姿を現した。
老婆はこれでもかというほど顔がしわくちゃで、手入れのされていない長い髪は完全に白髪になっており、相当な老齢であることが窺い知れた。
老婆が寝たまま地に肘をつきながらお銀に話しかける。
「珍しいやつだねぇ、あんたぁ何故仙人に興味を持ってるんだい?」
寝たまま喋る老婆の態度に多少なりともイラッと来たお銀だったが、何か知ってそうな老婆から情報を引き出そうと冷静に応じる。
「お婆さん、取り敢えず人と話す時は寝転ぶのやめときましょうかぁ。起きるのが大変でしたらお手伝い致しますよぉ」
彼女は周りが引くほど穏やかな優しい口調でなんと手助けを申し出た。
普段のお銀の素行を知る者なら全くもって信じられぬ光景である。
だが、この老婆がそんなことなど知る由もなく...
「ケッ、だぁれが不細工な女の手なぞ借りるもんかい。起きあがろうと思えば儂一人で楽に起きれるわい。そうしないのはお主らを揶揄っているからに決まっておるじゃろぉ、くっくっくっ...」
老婆がとんでもない暴言で返したものだから、その場の空気が一瞬で凍りつき、誰もが「婆さん死んだな」と確信したのだった...
「...あらあらぁ、お婆さん。お年寄りだからと思ってちょいと優しくしてやったっていうのにぃ...汚い言葉しか出てこぬ口ならばぁ、いっそあたしが自慢のクナイ捌きで縫って差し上げましょう...それとぉ、あたしは絶対に不細工でも不器量でないのでねぇ...」
お銀は言い終えるや否や、袖からクナイを一本スッと取り出し、般若の如き表情で老婆を睨みつけた。
まぁ実際にクナイで口を縫うわけではなかろうが、現実的に行えば口に穴が開くだけでは済まないことは容易に想像できる...否、怒り切ったお銀なら本当にやりかねないから怖いのである...
「くっくっくっ、お主もくの一の端くれならこんな挑発に乗るもんじゃなかろう。仙人について知りたかったんじゃないのかえぇ?」
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