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河童の手のミイラ(下)
第十四話
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「クソッ待て!!」
利音をネコに託し、一人大蝦蟇と対峙していた真尋は今大蝦蟇を追い掛けていた。
大蝦蟇を倒すと息巻いていたが、額と腕から出血しており、あまつさえ逃げられてしまい、利音の元へ大蝦蟇が向かっているのを真尋が追っている。
「このっ!!
斬石!!」
攻撃を繰り出し大蝦蟇の動きを封じ、更には上から大蝦蟇に飛び乗ると錫杖で頭を突き刺した。
「ぐぁぁぁぁ!!」
「おわっ!!」
踠く大蝦蟇に振り切られる。
その時、真尋の前に狐の啼が現れた。
「栗郷さんの狐さん!?」
「啼じゃ。
それより、もう大蝦蟇を追わずとも良い」
「え、なんで?」
「向こうが片付いたようじゃ」
片割れの狐の魁とは魂で繋がっており、謂わば一心同体である為、栗郷らと一緒にいる魁から情報を受け取っている。
「宗像殿から呪いは消え去った。
お主が足止めしたお陰じゃ」
それを聞いて真尋は地面にへたり込んだ。
狐の啼から足止めしたお陰と言われほっとした感情と、結局大蝦蟇を倒せなかったと言う不甲斐なさ。
それに身体の何ヵ所かを負傷してしまった。
これだけの怪我を負ったのは初めてで、少し怖さもあった。
今は、少しだけ休もうと思う___
呪詛返しで蹲って踠き苦しむ目の前の葛西は憎悪に満ちた目を栗郷へ向ける。
「隠り世では弱肉強食。
生き死にを決めるのは自分自身だ。
生きるには強くなるしかない。
弱い奴は死ぬ、それだけだ………」
「黙れっ……!!
やっと……ここまで辿り着いたんだっ!!」
葛西は呪いに蝕まれながらも立ち上がろうとする。
手を伸ばし栗郷へ掴みかかろうとするも、遠く届かない。
それを哀れむ様子で見つめる彼等にまた屈辱を与えられているようで怒りが増す。
「殺してやるっ!!」
葛西がそう叫んだその直後だった。
大蝦蟇が上空から飛び降りて来て、利音と栗郷は踏み潰されないよう避ける。
だが動けない葛西は大口を開けた大蝦蟇に呑まれた。
「………っ!!」
声を上げる間も無く呑まれ、大蝦蟇が嚥下すると喉から腹へ膨らみが降りていくのが分かった。
すると大蝦蟇の失った片腕が元に戻った。
そして今度は利音と栗郷の方へ目を向けてきて二人とも構えるが、大蝦蟇はじっと見つめた後方向転換して去って行った。
利音をネコに託し、一人大蝦蟇と対峙していた真尋は今大蝦蟇を追い掛けていた。
大蝦蟇を倒すと息巻いていたが、額と腕から出血しており、あまつさえ逃げられてしまい、利音の元へ大蝦蟇が向かっているのを真尋が追っている。
「このっ!!
斬石!!」
攻撃を繰り出し大蝦蟇の動きを封じ、更には上から大蝦蟇に飛び乗ると錫杖で頭を突き刺した。
「ぐぁぁぁぁ!!」
「おわっ!!」
踠く大蝦蟇に振り切られる。
その時、真尋の前に狐の啼が現れた。
「栗郷さんの狐さん!?」
「啼じゃ。
それより、もう大蝦蟇を追わずとも良い」
「え、なんで?」
「向こうが片付いたようじゃ」
片割れの狐の魁とは魂で繋がっており、謂わば一心同体である為、栗郷らと一緒にいる魁から情報を受け取っている。
「宗像殿から呪いは消え去った。
お主が足止めしたお陰じゃ」
それを聞いて真尋は地面にへたり込んだ。
狐の啼から足止めしたお陰と言われほっとした感情と、結局大蝦蟇を倒せなかったと言う不甲斐なさ。
それに身体の何ヵ所かを負傷してしまった。
これだけの怪我を負ったのは初めてで、少し怖さもあった。
今は、少しだけ休もうと思う___
呪詛返しで蹲って踠き苦しむ目の前の葛西は憎悪に満ちた目を栗郷へ向ける。
「隠り世では弱肉強食。
生き死にを決めるのは自分自身だ。
生きるには強くなるしかない。
弱い奴は死ぬ、それだけだ………」
「黙れっ……!!
やっと……ここまで辿り着いたんだっ!!」
葛西は呪いに蝕まれながらも立ち上がろうとする。
手を伸ばし栗郷へ掴みかかろうとするも、遠く届かない。
それを哀れむ様子で見つめる彼等にまた屈辱を与えられているようで怒りが増す。
「殺してやるっ!!」
葛西がそう叫んだその直後だった。
大蝦蟇が上空から飛び降りて来て、利音と栗郷は踏み潰されないよう避ける。
だが動けない葛西は大口を開けた大蝦蟇に呑まれた。
「………っ!!」
声を上げる間も無く呑まれ、大蝦蟇が嚥下すると喉から腹へ膨らみが降りていくのが分かった。
すると大蝦蟇の失った片腕が元に戻った。
そして今度は利音と栗郷の方へ目を向けてきて二人とも構えるが、大蝦蟇はじっと見つめた後方向転換して去って行った。
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