ミニゴブリンから始まる神の箱庭~トンデモ進化で最弱からの成り上がり~

リーズン

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エルマン渓谷攻防戦

敗因、天使が二人笑って居たから。

「しかし、びっくりなスキルが出たね?【自己進化付与】は何と無く分かるけど【武装作成能力】とかは予想外だよ」

「ある意味ではどちらも、白亜さんと同じ自己強化系と言えなくも無いですがね」

 ああ、そんな考え方もあるか。

「でもさ?武装ってどうやって作るの?私この世界で部品ってあんまり見た事無いんだけど、色々作れる程在るの?」

 前回の戦いで作ったヘルさんのロマン武装は、アリスベルで何とかかき集めた部品と、コロに土下座で頼み込んで作って貰った物だから、純粋な部品ってアリスベルですらそんなに無かったんだよね?

「なら、ここで試してみては如何ですか?ヘルも流石に【武装作成能力】までは分からないでしょうから簡単な部分だけここで教えますよ」

「そうですね。お願いします」

 へ、ヘルさんが誰かに教わる・・・だと!?・・・・あれ?何だろう。ちょっと悔しい。

「どうかしましたかマスター?」

「・・・・・何でもないです」

「大丈夫ですよヘル。ただ単に貴女が自分以外に頼っているのが悔しいだけですから」

「そ、そんな事はない・・・」

 無いからな!だから皆して何か微笑ましい物を見る様な眼でこっちを見るなよ!?違うんだからな!!

 弁明しようかとも考えたが多分誰も信じてくれないのでそのまま黙る。そんな私の事など意に介さずテアによる説明が始まった。

「まず【武装作成能力】をスキルとして選ぶとその中に【素材変換】と言う項目が在る筈です。そうですね・・・・先ずはこれに使うと良いですよ」

「分かりました」

 テアの言葉に一つ頷き、テアが取り出した何かの毛皮に手を翳すヘルさん。

 すると毛皮が淡く光ると共に一つのネジに姿を変えた。

「成功ですね。あまりに粗雑な素材だと失敗する恐れも在るのでお勧めしません。素材の系統毎に作れる物が違うので色々な素材で試す事をオススメしますよ。後はそうやって集めた素材で【設計図】の項目に在る部品を揃え【作成】で作るだけですね」

「【設計図】って幾つくらい在るの?」

「取り敢えず在るのは【アクセルパーツ】と【スカイパーツ】と書いてありますね」

「機人種は素のステータスも大事ですが本当に重要なのは外部強化パーツ何ですよ。今あるフリーウィングにも強化ポイントが割り振れますよ」

「・・・確かに、フリーウィングの初速や最高速、高度など色々と割り振れますね」

 こ、これは、ヘルさんのロボ子化企画が始動できる?娘メカ、娘メカを目指そう!

「・・・マスター。取り敢えず落ち着いて下さい」

「私の興奮は止まらないよ!!」

「落ち着け馬鹿」

「フリーウィングにも【自己進化付与】で、能力を付けておくのを勧めますね。一定値の強化ポイントを割り振るとそれに適した形に変化しますから」

「ほうほう。つまりは最高速を目指せばブースターが付いたりとか?」

「どう変わるかは分かりませんがその可能性は在りますね」

 やべぇ。マジで興奮するんですが!?こう、さ?可愛い女の子が無骨なメカメカしい外部パーツ付けてるのって良くない?私は良いと思います!!

「でも、そうやってパーツを一つ一つ作るのは大変そうですね?」

 う~ん。確かにアリシアの言う通りだな。

「ええ、普通は機人種同士でパーツや設計図を交換、有用したりしますしね。後は誰かから奪ったり、破壊したりなどですかね」

 結構恐ろしい事を素で言いやがったよ。

「ですが、武装を手に入れる事が出来ればマスターの力にもなれるでしょうし頑張ります」

「うん。私も協力するよ」

 それはもう頑張りますよ?

「でも、伸ばしたい方向に伸ばせるパーツって言うのは良いわね。勇者のギフトみたいにランダムだと困るものね」

「あ~。それなら一応の推測は出来てるぞ。お前もだろ白亜」

「いや、まあ」

 あんま喋るのは気が進まんが確かに予想は出来てるよ?

「私は大丈夫だ」

「それで?どんな法則が在るの?」 

「「そいつの本質か欲望だ(よ)」」

「本質か欲望ですか?ハクア様、澪さま?」
  
「欲望、もしくは召喚時に心に強く思って居た事かな?願い、願望とも言って言いかもしれんけど」

「まず結衣ちゃんだけど、役に立たなかったとか誰かの為に何て良く言ってる結衣ちゃんには【存在強化】はピッタリじゃない?」

「確かに、じゃあ他の勇者はどうなの?」

「私は簡単だぞアイギス。私は白亜を失い瑠璃まで居なくなった。その現実を受け止め切れなくてずっと願ったんだ《あの頃のままずっと時を止められれば、あの時をずっと閉じ込めて置ければ》とな、まあ流石に時間に関する様な能力では無いが、それでも召喚された時私を強く支配していたのはそんな感情だった」

「確かにそう聞くと氷の能力は合っていますね」

「じゃあ、あの・・・・・変なのは?ゴブ」

 うん。すっかり姿形を忘れてるね君?私も対して覚えてないけど。

「あれはもっと簡単だよ。自分が優位な立場で一方的に相手を支配したいそれがあのスキルだよ」

「最低ね」

「そんな者を勇者として呼ぶとは・・・」

 アリシアの説明を聞いていたアイギス、フーリィーが露骨な嫌悪を示す。さもありなん。

「では、魔族に付いて居たあの方はどうしてあんな能力だったんですかハクア様?」

「それは、恐らく私のせいだな。あいつは私が白亜の事で落ち込んでいるのを知っていた。そして召喚された時私の見舞いに来ようとしていたらしいからな。恐らくその時思っていたんだろう。《どんな些細な事でも良いから無理矢理にでも連れだそう》とな。本人もこっちで逢った時に似たような事を言っていたしな」

「そう、なのね」

「はあ、悔やんでもしょうがない事はもう良いよ。それは私とお前の罪だ。其を忘れなければ良い」

「ふっ、そうだな・・・なあ白亜?お前は勇者の事をどう思う?」

 勇者の事?また漠然とした質問だな?しかし、そうだな~。私が会った事ある勇者。

 ・・・・・天使な良い子。不幸な少年。頭の悪い屑。澪。

「一勝一敗二引き分け?」

「おい。どう考えても私は勝利だろ!」

「涌いてんのか?頑張った所で引き分けだよ!」

「まあまあ、お二人共落ち着いて。ミオは何故いきなりそんな事を?」

「これからの事を考えるとな。お前はどう動く積もりだ?」

 どう・・・ね?正直に言えば私は皆に危ない目に合って欲しくない。だからマッタリスローライフが望みだけど、まだガダルが居るから強くならなきゃいけない。

「アイギスさえ良いのなら、暫くはここで心の修行かな?向こうに家が在るからたまには帰ったりもしないとだけど」

「私は良いわよ。城の方に部屋を用意すれば良いかしら?それとも幾つか空いてる所を紹介する?」

「どっちが良いヘルさん?」

「そうですね。今後も相談する機会は多そうですし、アイギスの立場も在る為城の方が良いのでは?それに城に部屋を用意すれば、マスターはアイギスの庇護下に在ると分かりやすいですからね」

「あら、良いわね。家賃代わりに丁度良いわ」

「注文を付けるなら城の離れか、もしくはある程度の広さの在る場所なら、勝手にマスターが巣を作ります」

 巣とか酷くないですか!?何で誰も突っ込まないのさ?!

 〈日頃の行いですね〉

 解せぬ?

「う~ん。城の離れも良いけど正直ハクアの作る家も興味在るのよね?あっ、そうだ。裏手の庭園が今回の事で駄目になっちゃったのよね?あそこで良いかしら?自分で作るならコロの工房も作って良いわよ?」

 何だろう話が旨すぎる?

「見返りは?」

「そんな嫌ね?この国を救ってくれた人間に見返りなんて求めないわよ?ただちょっと暇な時にでもコロに武器を作って貰えたらな~って思っているだけよ?」

「思いっきり下心在るじゃん!」

「まっ、そりゃそうよね?因みにハクア?」

「何だよ」

「後ろの二人の気持ちを無視出来るかしら?」

「あん?」

 アイギスの言葉に後ろを振り返ると、私達の話を聞いていたアクアとアレクトラが、何時でも遊べると嬉しそうに話していた。

 これは・・・無理だろ!?何これ狡い!

「・・・・鍛治に付いてはコロに聞いて」

「ふふ、分かったわ」

 アイギスに敗北した私は裏手に巣作りする事が決定したのだった。

 敗因、天使が二人笑って居たから。

 〈通常運転ですね〉
  
 別に良いんだけどね!!
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