ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi

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第4章 英雄の落日

107.魔神マリーナ

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「マリーナ!?」

カインは、想定外の事態に驚いていた。突然、現れたことにではない。予定外のタイミングで現れたことに驚いたのだ。

「お兄様、申し訳ありません。ですが、もう我慢の限界です!
セレン!よくもお兄様の唇を奪ったわね!
私ですら、まだなのに!」

マリーナは、嫉妬の炎を出す。魔王を統べる魔王の炎なのである。
さらに魔神と化した者の炎なのである。

悪魔王の力を借りた炎や、魔神ウロボロスの力を模した力と同等以上の力を見せた。

「マリーナの出番は、もっと後のはずだろう?」
「お兄様の作戦に支障をきたすのは分かっております。ですが、もう耐えられませんわ!」

セレンは、マリーナに呆れたように話しかけた。

「満里奈、あなたって人は…。」
「満里奈?私の名前は、マリーナ・レオンハルトよ。カインお兄様の最愛にして最良の妹だわ。」
「可哀想な人。私があなたを解放してあげるわ。」

セレンはマリーナへ構える。神力がセレンに集まりだした。

「何か勘違いしているようね。私があなた達を解放してあげるわ。
セレンだけでなく、クレアもよ!
さぁ、かかってきなさい!」

マリーナも神力が集まり出す。セレンとマリーナは、互角のようだった。

「満里奈、覚悟なさい。その後、カインを落とすわ。」
「情けないわね。お兄様、先をお急ぎ下さい。ここは私で充分ですわ。」

カインは、迷った。見たところ、セレンとマリーナは互角だ。そこにクレアが混ざれば結果は火を見るより明らかである。
しかし、空を見上げると地球が近づいていた。時間がないのだ。

「お兄様、もうお分かりかと思いますが、ソラトはオルヴィスと地球をぶつけるつもりです。なんとか、お止め下さい。」
「…。分かった。三人とも、死ぬなよっ!」

カインは、先に城へと向かおうとした。しかし、セレンとクレアが立ちはだかろうとした。

「カイン、行かせません!」
「海斗くん、行かせないわ!」

しかし、マリーナがさらに立ちはだかる。

「舐めてもらっては困るわね。
『封印の氷地獄(コキュートス)』!」

絶対零度の氷がセレンとクレアを包み込む。しかし、一瞬で壊された。
だが、その一瞬で充分だった。カインは、城へと向かった。

「私たち二人を一人で相手しようなど、自殺行為もいいところだわ。」
「せめて、苦しまないようにしてあげる。」

マリーナは、笑った。それは、壊れた者の笑いではない。マリーナは正気だった。

「海斗くんは、やるべきことをやるために向かったわ。私は彼に救われた。なら、今度は私が彼を救う!」
「なっ!?記憶があるの!?」
「女には誰にも話せない海より深い秘密があるものよ。」

マリーナは小さく笑う。
マリーナの記憶は、ツヴァイによって消されたはずだった。
しかし、全員が気付かなかった。マリーナは、ウロボロスを倒したことがあるのだ。
ウロボロスは時の輪廻を何度も彷徨う存在である。

マリーナは、ウロボロスを倒した時に『神殺し』の称号を手に入れた。その称号により、『時の輪廻』を手に入れたのである。
マリーナは、記憶を失った。本来であれば失った記憶は、戻らない。しかし、マリーナは時を遡り、元に戻った。

その過去は、あまりにもツラいものだった。しかし、カインはマリーナのために記憶を消したのだ。
その優しさを無下にはできなかったマリーナは、ずっと演じていた。
そして、良き妹でいたのだ。ずっと、耐えていたのだ。心が強い者にしか出来ないことだった。
だからこそ、次に繰り出される技をあっさり破る。

「いいでしょう。ソラト様より、授かっているものがあります。喰らいなさい!魔王である貴女には避けられませんわ!『ソラトの紋章』!」

ソラトの紋章がマリーナの瞳に現れる。しかし、一瞬で紋章は砕け散った。

「なっ!?」
「舐めてもらっては困るわね。私は私のために生きるわ!誰にも指図は受けません!」

クレアが間髪を入れずに攻撃する。

「サタンフレイム!」

マリーナは目をつぶり、そして、開いた。それは覚悟を決めたものの顔だった。

「『聖魔人同一』!」

マリーナの能力である。そして、その能力は自分の同位以下の者に対して、聖も魔も人も等しく無効化するものだった。
セレンもクレアも力を無効化にされかける。しかし、二人の力はマリーナに拮抗しているため、無効化を阻止された。

マリーナは確信する。この場の三人は下位の神と同程度の力であると。
わざわざ無効化を阻止したのだ。上位のものであれば、阻止する必要すらない。

マリーナの能力の真髄とは何か。
聖も魔も人も、何故、等しく無効化することができるのか。
それは、一番弱い人族まで力を下げさせることによって、魔王マリーナや魔神マリーナは下位の力を無効化していたのだ。

もし、その能力を自身にかけたら、どうなるか。
マリーナは賭けに出る。そうでもしなければ、この二人には勝てないのだ。

「『聖魔人同一』!」

マリーナは、自身に能力をかけた。マリーナには、聖と魔と人の力が混在している。そして、魔と聖を人の力と同一にさせる。

人はゼリアン革命によって、上限を突破できる。だからこそ、人の力には無限の可能性があった。。

不思議な事が起こる。カインは光と闇を融合した時、白と黒が交ざり合い黄金となった。
聖と魔は、融合することはない。それぞれの力が均等に同時発動した時、不思議なことが起こる。
混ざり合うことのない聖と魔は、人の力が架け橋となり相乗効果を生み出した。

マリーナの姿が変わる。
聖を象徴する白い翼、魔を象徴する黒い翼が現れる。そして、人を象徴する翼として、マリーナの髪色である青い翼が現れた。
それは6翼の天使のようだった。
その翼を広げる。威圧だけで、セレンとクレアを吹き飛ばす。
しかし、二人も負けていない。

「負けるわけには行かない!私も海斗くんが好きなんだから!」

セレンは、限界を突破する。そして、ウロボロスの力を完全に降臨させた。
クレアも、限界を突破する。悪魔王の力を更に降臨させた。しかし、クレアは気づく。

「悪魔王?」

明らかに力が弱かったのである。そして、天使と悪魔の戦いに一閃の光が走った。その影響なのかは分からない。しかし、この場で一人だけ力が劣っているのが明らかだった。クレアは動揺した。その瞬間をマリーナは見逃さない。

「『黙示録の業火!(メキドフレイム)』」

クレアは、憤怒の炎を出す。しかし、その炎は、マリーナから繰り出された光輝く一撃に呑み込まれる。
そのまま、城まで吹き飛び、気を失ってしまった。

「セレン、これで1対1よ。」
「夏凛と呼んでいいわよ。満里奈、最後に聞くわ。ソラト様の元に来ない?一緒に海斗くんを愛しましょう。」
「夏凛、もう言ってることが、めちゃくちゃよ。正気に戻してあげるわ!」
「ふーっ。説得も効果なしのようね。いいわ。」

セレンは、両手を空に広げる。そして、空に召喚の魔法陣が現れる。召喚したのだ。巨神を。ウロボロスは時を自由に行き来できる。そして、既に滅びた地球の一族を召喚したのだ。

「『巨神』よ、蹂躙しなさい!」

巨神は、右手を一振りした。その衝撃だけで、山は吹き飛び、海は割れる。

「なんてことを!」
「はぁはぁ。負けないわっ!」

セレンは、巨神の制御が完全にはできていないようだった。
勝手に左手を一振りする。
その先は、大勢の人間がいる方向であった。

「多重防御結界!」

マリーナは、巨神の一撃を受け止める。しかし、衝撃で、吹き飛んでしまった。
人族のいる方向へ。

その場所には、かつてのフィーナ国にいた人たちがいた。
フィーナ国の滅亡は、王の暴走と、マリーナ姫が何もしなかったことによるものだと思っているものが多い。
マリーナは、その後も表舞台へ出てこないため、怠惰として認識されている。マリーナを逆恨みする者も多かった。
つまり、マリーナを知る人にとって、マリーナは憎き相手なのだ。

「マリーナ姫!」
「ご存命だったのか!」

巨神が追ってきて、更に一撃が放たれる。マリーナは、後ろを見た後、退路がないと知った。
そのまま、またもや受け止める。

「『多重防御結界』!」

吹き飛ぶわけには、いかない。その場で堪えたものの、マリーナは倒れてしまった。
翼が消える。今の防御に力を全て使ってしまったのだ。

本来の歴史であれば、ここにエレナがいた。聖騎士エレナが人々を煽動し、マリーナを討とうとするのだ。マリーナの最後はフィーナ国の人々により、殺されてしまうのだった。

しかし、ここに聖騎士エレナはいない。だからこそ、人々を守ろうとしたマリーナの姿に人々は動揺した。

「マ、マリーナ姫をお守りしろっ!」

巨神とマリーナの間に人の群れができた。

「マリーナ姫、魔力をどうぞ!」

人々は、マリーナへ魔力を渡していく。

「どうして!?」
「何か、事情がおありなのでしょう。」
「そうです!よくよく考えれば、誰よりも人を愛したあなたが何もせずにいるわけがない!」
「そうですよ!何よりマリーナ姫は、レオンハルト家の内乱の際に人々を守ろうと紛糾したではありませんか!」

人の気持ちは分からない。ずっと疑問だったのだろう。巨神と戦うマリーナを見て、その疑問に自分なりの答えを見つけたようだった。

「ありがとう。でも、大丈夫。あなたがたは、お逃げなさい。国民を守ることこそ、貴族の務め。私がその役を果たしましょう。」

マリーナは立ち上がる。その姿は、ボロボロだった。
服もボロボロなのである。
人々は、そんなマリーナに服をかけてあげた。

そして、セレンが現れる。魔神の力を出しているのである。
人々は、本能的に敵と認識した。

人々は、セレンに攻撃しようとする。しかし、圧倒的に力の差があった。
セレンが一撃を放てば、人々はあっさり死ぬ。
だからこそ、マリーナはセレンの一撃を止めたかった。

セレンが一撃を放とうとする。何も能力を使用していないマリーナが受け止める。
それは、マリーナにとって致命傷となった。

「えっ?」

セレンは、自らの手に貫かれるマリーナを見て、動揺する。目の前に血を吐く満里奈がいる。
そして、一瞬だけ正気に戻った。マリーナは、それを見逃さない。最後の力を振り絞って、セレンとソラトの紋章の間に楔を打ち込む。
セレンは、まだ操られた状態へと戻った。

「さよなら、満里奈。」

満里奈は微笑む。そして、手を回りにかざした。
その瞬間、人々は遠くへ飛ばされていく。
巨神の一撃が満里奈を襲い、大きなクレーターができた。跡には何も残っていない。

セレンは、自然と涙が出たが、もはや何故、泣いているのか分からなくなっていた。

「さて、私も城へ向かわないと。」

セレンは、城へと向かい空へ飛んだ。
その数分後、空間が歪む。そこに、マリーナが現れた。

「私は、生きてるの?」
「ギリギリで間に合ったよ。」

マリーナに数瞬だけ遅れて、魔神ウロボロスが現れる。

「ウロボロス様!?」
「巨神か…。随分、懐かしい奴が現れたものだ。」

ウロボロスも地球の神である。巨神と面識があったのだろう。

マリーナは、本来の歴史では死ぬタイミングで死ななかった。だからこそ、ウロボロスの救出がギリギリで間に合ったのである。

しかし、その救出方法は独特であった。
ウロボロスは時を操る。マリーナをほんの少しだけ未来へ転移させたのだ。
セレンは、マリーナが消滅したと思ってしまったのは仕方なかった。
何故なら、その時間に存在しなかったのだから。

「さて、セレンのことは、君のもう一人の友へ任せなさい。最終決戦まで、まだ時間がある。それまで休みなさい。」
「ありがとうございます。ウロボロス様はいかがされるのですか?」
「僕は、あのお方に会いに行く。」

そうして、マリーナは、来るべき最終決戦に向けて、またもや雲隠れしたのだった。
セレンを追う赤い髪の女性が空へとあがるのを見届けて。

この出来事は、マリーナ姫が人々を救ったという事実を残す。
その事実は噂となり、尾ひれがついて広まっていく。
しかし、記録に残されることはなかった。


次回、『108.天魔の翼』へつづく。
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