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第2章 フン臭村の祠
第4話 ギルド長がヘンタイな件
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「タオベちゃん、ギルド長が呼んでるよ」
「ポッポー」
わたしは『ハイハイ』と答えてギルド長の執務室に向かったけど、嫌な予感がする。
4話目にして初めて登場するギルド長。普通の異世界ファンタジーなら、ニヒルなイケオジギルド長とか、氷のように冷たい表情だけど超イケメンな美青年ギルド長とか、期待するでしょう? ところが!! うちのギルド長は全然かっこよくないヘンタイ、露出狂なのだ!
恐々執務室の扉をノックしたらすぐに返答があった。覚悟を決めて中に入ると……
「ポポポポー!」
ギャー、ズボンぐらい履けぇ~!
昼間から徳利の酒を飲んだくれている狸獣人のオッサン、もといギルド長のタヌさんは頭に笠を被っている以外は真っ裸でソファに転がっていた。
「クククククー?!」
人を呼んでおいて『なんじゃこりゃあ?!』
「いやー、だってボクのモノ、立派だからズボン履くと窮屈でしょう? だから、こう開放的気分なのが……」
トゥヤーッ!!
わたしは華麗に飛び蹴りで必殺金的攻撃を決めた。後でギルド長のポケットマネーで新しい靴を買ってもらわなきゃ。
「ぐわぁ~?! 痛いぃ~……いぃぃぃ……」
タヌさんは、ソファから転がり落ちて床の上をもんどり打った。
「ひ、ひどい、タオベちゃん……」
わたしは、もう1度金的を辞さない姿勢で仁王立ちした。
タヌさんは、仕方なしにソファの上に脱ぎっぱなしになっていたトランクスとズボンを履き、シャツも着た。けど、また太ったタヌさんには、シャツはきついようだ。前を閉めた途端にボタンがブチブチッと弾け飛んでいった。
「おなーかーの大きなギルド長♪ タオベちゃん、元ネタ知ってるぅ?」
「ポッポッポッ!」
笑い事じゃないですよ、ギルド長! 時は金なり! さっさと要件を言え!
「怖いなぁ、タオベちゃん。怒るのは美容によくないよ。眉間に皺ができちゃうよ」
「ポッポッポポポ!」
余計なお世話だっちゅーの! え? 古い?
わたしが仁王立ちになって睨むと、タヌさんはようやく話を始めた。
「実はだな、隣の因習村の鳩小屋、じゃなかった、祠を壊してほしいんじゃ」
「クックックッククク!」
それはカテエラ、もとい、ギルド受付嬢の管轄外です!
「タオベちゃん、そこをなんとか! ボーナス弾むから!」
「クックック!」
「ボーナス5ヶ月分?! いくらなんでもそれは……」
「ククククッ!」
「うーん……3ヶ月分なら、まぁ、仕方ないかのう……」
交渉の結果、今度のボーナスの査定が基本給1ヶ月分だったのを3ヶ月分にさせた。それならギルド受付嬢の管轄にしてあげよう! でもまたどうしてわたしが行く必要があるんだろう?
「その祠は、昔、鳩小屋だったんじゃ。そこで飼われていた鳩は伝書鳩じゃったんだが、伝書鳩の仕事は魔法鳥に取って代わられてしまってのう……その後も世話をしていた者がいて細々と繁殖していたそうなんだが、その者が亡くなった後、誰もエサをくれなくなり、鳩小屋からも出られずに皆、餓死してしまったんじゃ」
「ポポポポ……」
かわいそうに(泣)……わたしが物心がついた時には、魔法で作られた魔法鳥が手紙を運ぶのが既に一般的になっていた。だから、この悲劇は結構前のことだろう。
魔法鳥は定期的に魔力を補充するだけでいいから、鳩を飼うより楽と人々にすぐに受け入れられた。魔力のない人族はギルドで魔法鳥に魔力を補充してもらうが、魔法鳥はそれほど魔力を必要としないので、鳩の餌代や世話の手間を考えると魔法鳥の維持費用のほうが安い。
「鳩小屋の鳩が全部息絶えた後、因習村は、空に鳥がいなくても鳥の糞が村人の頭の上に落ちてくる呪いにかかってしまったんじゃ。それ以来、村はフン臭村と呼ばれておる」
「ククククックッ?」
だからって鳩獣人のわたしがフン臭村に行っても何の助けにもならないよね?
「それがのう、助けになるんじゃ。鳩小屋を祠にして餓死した鳩の魂を慰めているから、その祠を壊すのは鳩でなければならないんじゃ」
「ポ、ポ、ポ、ポッポ?」
いや、いや、いや、祠を壊しちゃ駄目でしょ?! 理屈がおかしいよ!
「いや、壊してもらわなきゃ駄目なんじゃよ。祠で鳩の慰霊をしても全然呪いがおさまらなくてのう、霊験あらたかな予言を的中させる占い師に占ってもらったら究極の予言が出たんじゃ。鳩が鳩小屋、いや祠を壊せば糞害は終わるとな」
「クククゥ~」
眉唾だなぁ。誰が祠を壊しても同じだよね。それにわたしは鳩じゃなくて鳩獣人のギルド受付嬢!
「いや、タオベちゃんは十分に鳩だよ。鳩以外が祠を壊すと、祠から糞が温泉みたいに地面から永遠に湧き出てくるっていうんだ。このギルドにはタオベちゃん以外に鳩獣人がいないだろう? 頼むよ」
わたしはタヌさんをもう一押ししてボーナス査定3.5ヶ月分をぶんどり、隣のフン臭村へ出発した。
「ポッポー」
わたしは『ハイハイ』と答えてギルド長の執務室に向かったけど、嫌な予感がする。
4話目にして初めて登場するギルド長。普通の異世界ファンタジーなら、ニヒルなイケオジギルド長とか、氷のように冷たい表情だけど超イケメンな美青年ギルド長とか、期待するでしょう? ところが!! うちのギルド長は全然かっこよくないヘンタイ、露出狂なのだ!
恐々執務室の扉をノックしたらすぐに返答があった。覚悟を決めて中に入ると……
「ポポポポー!」
ギャー、ズボンぐらい履けぇ~!
昼間から徳利の酒を飲んだくれている狸獣人のオッサン、もといギルド長のタヌさんは頭に笠を被っている以外は真っ裸でソファに転がっていた。
「クククククー?!」
人を呼んでおいて『なんじゃこりゃあ?!』
「いやー、だってボクのモノ、立派だからズボン履くと窮屈でしょう? だから、こう開放的気分なのが……」
トゥヤーッ!!
わたしは華麗に飛び蹴りで必殺金的攻撃を決めた。後でギルド長のポケットマネーで新しい靴を買ってもらわなきゃ。
「ぐわぁ~?! 痛いぃ~……いぃぃぃ……」
タヌさんは、ソファから転がり落ちて床の上をもんどり打った。
「ひ、ひどい、タオベちゃん……」
わたしは、もう1度金的を辞さない姿勢で仁王立ちした。
タヌさんは、仕方なしにソファの上に脱ぎっぱなしになっていたトランクスとズボンを履き、シャツも着た。けど、また太ったタヌさんには、シャツはきついようだ。前を閉めた途端にボタンがブチブチッと弾け飛んでいった。
「おなーかーの大きなギルド長♪ タオベちゃん、元ネタ知ってるぅ?」
「ポッポッポッ!」
笑い事じゃないですよ、ギルド長! 時は金なり! さっさと要件を言え!
「怖いなぁ、タオベちゃん。怒るのは美容によくないよ。眉間に皺ができちゃうよ」
「ポッポッポポポ!」
余計なお世話だっちゅーの! え? 古い?
わたしが仁王立ちになって睨むと、タヌさんはようやく話を始めた。
「実はだな、隣の因習村の鳩小屋、じゃなかった、祠を壊してほしいんじゃ」
「クックックッククク!」
それはカテエラ、もとい、ギルド受付嬢の管轄外です!
「タオベちゃん、そこをなんとか! ボーナス弾むから!」
「クックック!」
「ボーナス5ヶ月分?! いくらなんでもそれは……」
「ククククッ!」
「うーん……3ヶ月分なら、まぁ、仕方ないかのう……」
交渉の結果、今度のボーナスの査定が基本給1ヶ月分だったのを3ヶ月分にさせた。それならギルド受付嬢の管轄にしてあげよう! でもまたどうしてわたしが行く必要があるんだろう?
「その祠は、昔、鳩小屋だったんじゃ。そこで飼われていた鳩は伝書鳩じゃったんだが、伝書鳩の仕事は魔法鳥に取って代わられてしまってのう……その後も世話をしていた者がいて細々と繁殖していたそうなんだが、その者が亡くなった後、誰もエサをくれなくなり、鳩小屋からも出られずに皆、餓死してしまったんじゃ」
「ポポポポ……」
かわいそうに(泣)……わたしが物心がついた時には、魔法で作られた魔法鳥が手紙を運ぶのが既に一般的になっていた。だから、この悲劇は結構前のことだろう。
魔法鳥は定期的に魔力を補充するだけでいいから、鳩を飼うより楽と人々にすぐに受け入れられた。魔力のない人族はギルドで魔法鳥に魔力を補充してもらうが、魔法鳥はそれほど魔力を必要としないので、鳩の餌代や世話の手間を考えると魔法鳥の維持費用のほうが安い。
「鳩小屋の鳩が全部息絶えた後、因習村は、空に鳥がいなくても鳥の糞が村人の頭の上に落ちてくる呪いにかかってしまったんじゃ。それ以来、村はフン臭村と呼ばれておる」
「ククククックッ?」
だからって鳩獣人のわたしがフン臭村に行っても何の助けにもならないよね?
「それがのう、助けになるんじゃ。鳩小屋を祠にして餓死した鳩の魂を慰めているから、その祠を壊すのは鳩でなければならないんじゃ」
「ポ、ポ、ポ、ポッポ?」
いや、いや、いや、祠を壊しちゃ駄目でしょ?! 理屈がおかしいよ!
「いや、壊してもらわなきゃ駄目なんじゃよ。祠で鳩の慰霊をしても全然呪いがおさまらなくてのう、霊験あらたかな予言を的中させる占い師に占ってもらったら究極の予言が出たんじゃ。鳩が鳩小屋、いや祠を壊せば糞害は終わるとな」
「クククゥ~」
眉唾だなぁ。誰が祠を壊しても同じだよね。それにわたしは鳩じゃなくて鳩獣人のギルド受付嬢!
「いや、タオベちゃんは十分に鳩だよ。鳩以外が祠を壊すと、祠から糞が温泉みたいに地面から永遠に湧き出てくるっていうんだ。このギルドにはタオベちゃん以外に鳩獣人がいないだろう? 頼むよ」
わたしはタヌさんをもう一押ししてボーナス査定3.5ヶ月分をぶんどり、隣のフン臭村へ出発した。
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