顔見知りの許嫁

りりあ

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第3章

嫁修行じゃない嫁修行

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 だから何で俺の知らない間に物事がとんとん進むのかなー。
後続車から降りてきたのは星野1人だった。いや、荷物係兼ドライバーの男はいたけど。てか、花嫁修業って、何すんだよ。母さんの料理教えるとか?この家の成り立ちとか?面倒くさそーだけど俺の事じゃないし、これに関してだけは聞かなくてもいいだろ。
「まぁ、もううちの子なんだし、ゆっくりしてて。娘ができたみたいで嬉しいわー」
修行しろ修行
「え、いいんですか?私頑張る気満々で来ちゃったんですけど」
母さんの言うことに流されるなよな、星野も
「いーのいーの。まずは、うちの一日も流れを知らなきゃ何事も始まらないでしょ?気楽に過ごしてちょうだい」
正論を言っているようで何かがおかしいぞ。お鉢がこっちに回らないうちに部屋に逃げて...
「あ、湫。玲奈ちゃんを案内してあげてよ。さ、玲奈ちゃん。荷物を置いてらっしゃいな」
ちぇ。逃げきれなかったか
「お願いしますね、湫さん」
あくまでその素振りを貫くのか
「じゃ、玲奈さん、こっちへ」

『あーかったる』
その言葉は二人同時に出た。
「いつまで通すよ、この演技」
「しばらく時間かけて、仲良くなったので呼び捨てタメ口になりました、って言えるようになるところまで」
「随分時間かからねーかそれ」
「たかが一ヶ月もしないわよ」
「たかが一ヶ月されど一ヶ月だろ」
そんな会話をしながら、案内する部屋に着いた。その部屋は、俺の部屋の隣だった。
「じゃ、俺の部屋隣だから。」
「ん。ありがと」
あー...............ほんとこれからどうなるんだか。不安で仕方がねーよ俺...

部屋のベッドに倒れ込むように寝っ転がり、俺はいつの間にか眠っていた。

「......ぅ」
「.........ん......?」
「ゅう......しゅう」
「なんだよ...」
「湫っ!」
「うわっ?!」
起されて目を開いた先にいたのは、荷解きを終えた
星野だった。
「晩御飯だけど」
「おー。......てか、何勝手に人の部屋入ってんだよ!」
「入っていいって言われたのよ、お義母さんに」
既にお義母さん呼ばわりさせているとは。
「わぁーった、今いくよ」
それを聞いた星野は無言で部屋から出て、リビングの方へ向かっていった。
リビングへ行くといつもとは全く違う豪華な食事が並んでいた。
「お。すごいなでも毎日こんな食事作るわけじゃないだろ?母さん」
「当たり前でしょ。今日だけよ、今日だけ。さ、玲奈ちゃんたくさん食べてね」
「はい、いただきます」
そんなこんなで食事後
「ごちそうさまでした、おいしかったです」
「そう、頑張った甲斐があったわ」
「食器洗い、お手伝いしますよ」
なんてことを聞きながら自室へ帰ろうと席を立った時
「あら、いいのよ手伝いなんて。それよりうちのこと知るのが先でしょう?湫、家を案内してあげてね」
嫌な役が回ってきたよ
「俺これから風呂入って勉強するんだけど」
「案内なんて十分足らずでできるでしょう?お願いね」
笑顔の圧力がすごい。ったく...
「じゃあ玲奈さん行きましょうか」
「はい、お願いします」
あー気まずい。特に話すこともないのに二人きりってこんなに気まずいんだ
「で、こっちが親の部屋でこっちが-」
そんなこんなで部屋の案内、ゴミ出しなんかの説明を終え、俺は自分の部屋に戻ってきた
「あー疲れた。早く風呂入って明日の用意しないと...」
コンコン
「あーい?」
「ごめん、湫、聞き忘れてたんだけど」
「何?」
「お風呂って順番あるの?」
「あー、そんなはっきり決まってるわけじゃないけど、俺が大体一番で、それから母さん、父さんの順だな。」
「ふーん。私はどのくらいで入ればいい?」
「俺のあとでいいんじゃない?星野がいいんなら」
「ん、じゃあ二番目ね。ありがと」
バタン
...いいんだ、俺のあとで

そんなこんなで慌ただしく1日が終わった。明日学校の奴らに問い詰められたらどう説明しよう...
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