顔見知りの許嫁

りりあ

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第2章

不思議なお見合いとその結果

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 星野玲奈って…中学の時の同級生と同じ名前…
名前を聞いてバッと顔を上げ相手の子を見た瞬間、緊張感は一気に消え、その代わり頭の上のはてながいくつも増えた。
俺の感じた通り、星野玲奈という子は、知ってる子と名前が同じ、というか、その知っている同級生だった。で?これからどうすりゃいいの?「あ!星野!」とでも指差して立てばいいの?と、その時
『おい、何ボケっとしてんだよ。名前言えよ。あ、可愛い子だからぼーっとしちまったかぁ?』
…馬鹿親父。
「あ…と、申し遅れました、錐生湫と申します」
さて、星野はどう出るか
「宜しくお願いします、錐生さん」
他人のふりと出たか
「こちらこそ宜しくお願いします」
「…ふふっ」
ん?「ど、どうしました?」
「いえ、写真で見たよりもかっこいいなーと思いまして」
なんじゃそりゃ。てゆーかあっちは写真みてんのかよ!で俺だってこと知ってんのかよ!ならLime交換してんだから連絡しろよ!
(Lime《ライム》・・・無料連絡通信アプリ)
「あ、ありがとうございます。玲奈…さんも写真よりずっとお綺麗です」
写真みてねーけどな。ノーテンキ両親のせいで。あーあ、俺いまめちゃくちゃ顔引きつってんだろーなー。自分でもわかるよ。視界に入ってくる隣の父親はにやけててキモいし。

そんな挨拶を終えた俺達は食事を終え、さあどうするのかな、という所になっていた。
今日は天気いいし桜も綺麗だからな。散歩にでも誘ってみるか。というか本音として、横にいる野次馬全開の親を引き離したい!星野と2人で話してどう思ってこの見合いを受けたのか聞きたい!よし!
「玲奈さん、桜が綺麗で天気もいいですし、どうですか?散歩でもしながら少し2人でお話しませんか?」
「ええ、いいですね、行きましょうか」
引き出し成功
 さて…と、まず何から聞き出すかな
「なんでLimeしなかったの?私の事忘れたの?」
あ、いきなり強気?
「ち、違うんだよ。親が勝手に決めてて俺は全く知らされてなくてだな、写真も名前も聞けなかったんだよ。この見合いだってやるって聞いたのこないだの水曜なんだ」
「…ふーん?」
「てか、星野こそどうなんだよ。知ってたならそっちだって連絡してくるだろ、普通」
「そっちがしてくると思って待ってたんじゃない」
「待つだけだったからこうなったんだろが!」
…………そうだった、こいつこういう性格なんだった
「…で?どうすんだよ。同級生で許嫁ってそろそろアウトだろ。」
「だからって今更婚約破棄とか無理でしょ。親同士はあの状態だし」
星野の指さす方を見ると、既に親同士は仲良くなって、話が弾んでいるようだった。
「だからってどうすんだよ。破棄しなきゃほんとに許嫁になっちまうんだぞ?」
「私は別に構わない。3年前から覚悟決めてたし」
覚悟って…俺そんな覚悟決められるほどなのか?
 俺の考えが行き詰まった時
「どうだ?仲良くなれたか?」
野次馬親父め
「あ、あぁ、それがさ、実は」
「ええ、湫さんとてもいい方ですわ。」
?!何言ってんの星野!てゆーか俺の話を切るなよ!
「そーかそーか、そりゃ良かった。そろそろここを移動しようかって言ってるんだが、おふたりさんは大丈夫か?」
…話を進めるなよな…。てか移動って、どこ行くんだよ。
「あ、はい、分かりました。私達は大丈夫です」
どこが大丈夫なんだよ
「じゃ、玲奈ちゃんまた後でね。行くぞ、湫」
「ん。じゃ、玲奈…さん、また」
…また?…また?!まだこいつと会うの?どこで?は?ちょっとちょっとちょっと………

その後、普段着に着替え、車に乗ったその移動中、俺はどこへ行くのかさっぱり分からず、いろんな考えが頭の中を巡った。それをかき消すように、馬鹿な親の会話ははずみ、かれこれ40分以上は話していた。
「いやー、玲奈ちゃんほんと可愛かったな、写真見ずに来て正解だったんじゃないか?湫」
3年前に俺に話してくれてるんだったら絶対写真は貰ってたけどな
「あんな子がお嫁に来てくれるなんて夢みたいだわ」
夢であってくれ
「そういえば、玲奈ちゃんのお家ってうちに近いらしいわね」
中学一緒だったからそりゃ家も近いだろうよ
「もしかしたら知らない間にすれ違ってたこともあるのかもな」
確実にあるだろうよ。授業参観あったんだから
そんな感じで心の中でツッコミまくってたら目的地に到着したみたいだ。ドアを開けて降りた先には、自分の家が待っていた。なーんだ、ただ帰ってくるだけか。心配して損した。そうだよな、今日会ってその日から一緒に暮らします、なんてあるわけないよな、ははは。
〔フラグ発生〕
…?なんだ、今の頭の中に響いた声は?フラグ?フラグって、あのフラグか?………まさか………
その時、一台の車がうちの前で止まった。まさかなーと考えながら玄関まで来ていた俺は振り返り、その車を見た。車から出てきたのは……
「お待たせいたしました、遅れてしまって」
「いえいえ、こちらも今着いたところだから気にしないで」
う………うそぉー?!
〔フラグ建設お疲れ様です〕
だから何なんだよその声はー!でなんで星野が来てんだよ!お待たせしましたってなんだよ!俺の考えたとおりになったってのかよ!
「あ、湫、さっき言うの忘れちゃったんだけど、今日から玲奈ちゃんうちで住むことになったの。嫁入り修行ってやつよ。玲奈ちゃん、これからよろしくね」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
だからよぉ……当の本人に言えって何回言えばいいんだよー!この馬鹿親ー!ほんとこの先どうなるの俺…今すぐ家出したいわ…それか…死ぬ

第3章へ続く
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