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無職でお出掛け
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「また、これ直してもらえないかな?」
夕飯を終え、みんなで喋っていると、エリカから懐中時計を渡された。
これは俺がエリカにあげたものだ。俺が十歳の時ギルドで、壊れてもう要らないからと貰ったものだ。
貰いはしたが、持ち運びのできる小さな時計はそれなりに高い。中の部品を少し直せば使えるものだった為、修理して返そうかと返そうかと思った。
しかし、もう新しいものを買ったから要らないと言われ、そのまま貰った。
あれからずっと持ち歩いていたが、町にいると大時計の鐘は鳴るし、設置型の時計はあるしで、それほど使わなかった。
そんな時、リオとエリカが冒険者になった。町から離れて過ごすため、時計が欲しかったが、懐中時計は高く、駆け出しの二人には手が出せなかった。
俺はそれほど使わなかったし、有効活用してもらえるならと二人に渡した。リオは時計を管理できそうもなかった為、エリカが基本的に持っているようになった。
「うわ、なんだこれ。蓋はへこんでるし、鎖は切れてるじゃないか」
「ホーンウルフと戦ったときに時計に当たっちゃって…」
「今回だいぶ数が多くて避けきれなくてな」
リオは思い出したのかめんどくさそうな顔をした
「え、それ大丈夫だったのか?怪我は?」
「ちょっとした掠り傷程度だし問題ないよ」
「そっか。でもこれ中の部品は大丈夫みたいだけど、他は替えないと…お金もある程度はあるんだろ?買い替えた方がよくないか?今の型はもっと小型化してるぞ?」
移動の持ち歩きや、戦闘時を考えれば小さい方がいいだろう。
「ううん。これが…アランがくれた時計を使いたいの」
「んー二人はそれでいいのか?」
「あぁ、元々買うつもりはねぇよ」
「はい。二人と同じく」
三人とも変える気はサラサラないってか…
時計をあげてよかったと思えたと同時、気を使われてるんじゃないかと思ってしまう。
「明日材料を買い足しに行ってくる。二日…いや三日ほしい。」
「わーかった。じゃ俺らはそれまで休みにしようぜ。このところ大変だったからな」
「サーンセーイ!」
「そうだ。それじゃ明日、エリカはアランと買い物行ってきたらどう?」
「「え?」」
テイットは名案!とばかりに提案してきた。エリカも驚いて固まっている。
「別に俺だけでもいいぞ?せっかくの休みなんだろ?」
「時計はエリカが基本的に持ってるし、好みを反映してもいいんじゃないかな?休みだって丸一日潰れるわけでもないんだし」
おいおい、エリカの気持ちは?
テイットはエリカにヒソヒソと話すと、エリカの顔がどんどん赤みをおびて、俯いてしまった。
「何言ったんだ」
「んー?」
「あ、あの、行く。明日」
「いいのか?」
コクコクと俯きながらも頭を上下に激しく振った。
「えっと…時間もし、よかったら三の刻はどうかな?」
大時計の下には大きな鐘が設置されている。朝六時の鐘を一の刻と言い、そこから二時間おきに夜八時の八の刻まで鳴る。
時計を持っていない人、時間を見るのが苦手な人が多かった時代の流れがまだそのまま残っている。
いちいち見る手間が省けていいという人も多い。
エリカの言う三の刻とは十時の事だ。商業区まで少し距離があるため、もう少し早めにした方が午前中で済むのだが、いいんだろうか?
「俺はいいけど。早めにした方が午後はちゃんと休めるんじゃないか?」
「いや、その、大丈夫!!大丈夫だから!!」
いやに食いぎみだな。
「じゃぁいつもの木の下で」
テイットはなにかやり遂げたような表情で、リオはニヤニヤ顔で俺とエリカを見てくる。
ちょっとなんとなんとなく腹がたったので追加のワインは無しだな。と決意した。
夕飯を終え、みんなで喋っていると、エリカから懐中時計を渡された。
これは俺がエリカにあげたものだ。俺が十歳の時ギルドで、壊れてもう要らないからと貰ったものだ。
貰いはしたが、持ち運びのできる小さな時計はそれなりに高い。中の部品を少し直せば使えるものだった為、修理して返そうかと返そうかと思った。
しかし、もう新しいものを買ったから要らないと言われ、そのまま貰った。
あれからずっと持ち歩いていたが、町にいると大時計の鐘は鳴るし、設置型の時計はあるしで、それほど使わなかった。
そんな時、リオとエリカが冒険者になった。町から離れて過ごすため、時計が欲しかったが、懐中時計は高く、駆け出しの二人には手が出せなかった。
俺はそれほど使わなかったし、有効活用してもらえるならと二人に渡した。リオは時計を管理できそうもなかった為、エリカが基本的に持っているようになった。
「うわ、なんだこれ。蓋はへこんでるし、鎖は切れてるじゃないか」
「ホーンウルフと戦ったときに時計に当たっちゃって…」
「今回だいぶ数が多くて避けきれなくてな」
リオは思い出したのかめんどくさそうな顔をした
「え、それ大丈夫だったのか?怪我は?」
「ちょっとした掠り傷程度だし問題ないよ」
「そっか。でもこれ中の部品は大丈夫みたいだけど、他は替えないと…お金もある程度はあるんだろ?買い替えた方がよくないか?今の型はもっと小型化してるぞ?」
移動の持ち歩きや、戦闘時を考えれば小さい方がいいだろう。
「ううん。これが…アランがくれた時計を使いたいの」
「んー二人はそれでいいのか?」
「あぁ、元々買うつもりはねぇよ」
「はい。二人と同じく」
三人とも変える気はサラサラないってか…
時計をあげてよかったと思えたと同時、気を使われてるんじゃないかと思ってしまう。
「明日材料を買い足しに行ってくる。二日…いや三日ほしい。」
「わーかった。じゃ俺らはそれまで休みにしようぜ。このところ大変だったからな」
「サーンセーイ!」
「そうだ。それじゃ明日、エリカはアランと買い物行ってきたらどう?」
「「え?」」
テイットは名案!とばかりに提案してきた。エリカも驚いて固まっている。
「別に俺だけでもいいぞ?せっかくの休みなんだろ?」
「時計はエリカが基本的に持ってるし、好みを反映してもいいんじゃないかな?休みだって丸一日潰れるわけでもないんだし」
おいおい、エリカの気持ちは?
テイットはエリカにヒソヒソと話すと、エリカの顔がどんどん赤みをおびて、俯いてしまった。
「何言ったんだ」
「んー?」
「あ、あの、行く。明日」
「いいのか?」
コクコクと俯きながらも頭を上下に激しく振った。
「えっと…時間もし、よかったら三の刻はどうかな?」
大時計の下には大きな鐘が設置されている。朝六時の鐘を一の刻と言い、そこから二時間おきに夜八時の八の刻まで鳴る。
時計を持っていない人、時間を見るのが苦手な人が多かった時代の流れがまだそのまま残っている。
いちいち見る手間が省けていいという人も多い。
エリカの言う三の刻とは十時の事だ。商業区まで少し距離があるため、もう少し早めにした方が午前中で済むのだが、いいんだろうか?
「俺はいいけど。早めにした方が午後はちゃんと休めるんじゃないか?」
「いや、その、大丈夫!!大丈夫だから!!」
いやに食いぎみだな。
「じゃぁいつもの木の下で」
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ちょっとなんとなんとなく腹がたったので追加のワインは無しだな。と決意した。
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