無職で透明

sui

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無職でお出掛け2

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いつも通りの時間に起きて朝御飯を食べ、支度をする。今日は『コードQI』はお休みだ。と言っても相手にそれを伝えることはないのだが。

「早めに行くかな」

一時間前だが天気もいいし、木の下で本でも読んでようかな。
読みかけの小説をバッグに詰め、壊れた懐中時計もバッグへと入れた。

待ち合わせ場所に行くとエリカはもう既に居た。
もしかして俺の家の時計壊れてる?いやいや、大時計が鳴った時間と合わせれば確かに合ってるはずだ。
昨日聞き間違えたとか?

「あっ!」

あ、気づかれた。

「は、早いね!」

「エリカの方が早いんだけど。もしかして時間間違えた?」

「ううん!私が早く来ただけだから。」

不安になって訪ねてみたのだが時間は合っていたようだ。

「じゃぁ早速行こうか」
 
エリカは戦闘時動きやすいように軽装備で、ストレッチ素材のノースリーブタートルネックに胸の部分のみの鎧を付けている。
下はショートパンツに膝までのスパッツ。ブーツは頑丈そうな茶色のショートブーツだ。
肘や膝は強敵のみ付けるんだと。
普段は殴って蹴ってで十分らしい。

今のエリカはオフショルの腕の裾が広がっている白のトップスに、黒のスキニー、少しヒールのあるブーツだった。

ぶっちゃけなぜ、戦闘時の方が露出が多いのかと思う。動きやすさ重視なんだろうけどな…

商業区に移動するまでなんて事ない話をしていた。
冒険の話、装備の話、本の話、いろいろと話していたが、話題が噂話になった途端、俺は冷や汗をかくこととなった。

「ねぇ、ミドリさんって知ってる?」

「は?ミドリさん?知り合いにはいないけど」

「違う違う。商業ギルドにね悩みを聞きますよ~っていう張り紙があるんだけど、そこに書いてるクリスタルコードにかけて、相談事を話すと不安なこととか、悩みとか全部無くなっちゃうんだって!」

「へ、へー…」

思いっきりむせたがなんとか一言返せたのはいいのだが、は?ミドリさん?なにそれ?俺一度も名乗ったことねぇよ? 

「私の友達もかけたらしいんだけど、なかなか繋がらないって言ってて、そのコード事態本物なのかな?って私は思ってるんだけど。」

タイミングと俺の気が向いた時に聞いてるだけだしな。

「なぁミドリさんってどんな人なんだ?」

もしかして同じようなことしてる、『ミドリさん』がいるだけかも知れないしな!!

「さぁ?噂では男性で、名前は名乗ってないんだけど『癒してくれる』ってことで、ミドリさんになったみたい。他にもあるみたいだよ。
あ、確か…コードなんたらっていう張り紙だったはず」

うわ。最後の言葉でほぼ俺の事じゃねぇか。なんつーことだ…
庶民はクリスタルコードを近しい人にしか教えない。俺も同様で、教えてるのは五人だ。
リオとエリカはそのうちの二人だが、まさか、エリカに伝わるほどの噂になっているとは…
二人とも商業ギルドにはほとんど行くことは無い為安心していたんだが、思わぬ伏兵が居たとは!!

俺がこういうことをしているということを絶対に秘密にしたいという訳ではないが、『癒してくれる』と言われた後だとなんだか気恥ずかしい。
それにエリカがうっかりと口を滑らせて友達に話してしまったりしたら大変だ。
見ず知らずの人間に相談できるというメリットが失くなってしまう。

どうしたものか。

「これ聞いて思ったんだ、アランっぽいよね。って!」

俺にしか聞こえないくらいの声で囁き
首を傾げる笑顔のエリカ

普通なら可愛いと思える仕草だが、今の俺には脅迫の笑みにしか見えない。
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