【R18】翡翠の鎖

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第三章.婚姻編

4.初夜②*

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「ぁ、だめ、…わたし、またっ…」
「我慢しないで…悦くなっちゃったほうが、楽だよ…」
 ヴェルドライトは、リーファの太腿の内側に口づけながら、くぷ、くぷ、とリーファのなかに指を潜り込ませて、揺らしている。


 予感がして、リーファが目を閉じると、案の定、それが来た。
 真っ暗な視界で、光が、明滅する。
「っあっ…!」
 びく、びく、と四肢が痙攣したようになり、リーファは小さな悲鳴を上げた。
 ようやくそれが治まったので、リーファはほっと息を吐いて四肢を弛緩させる。

「リーファ、可愛い…」
 甘く、蕩けそうな声でヴェルドライトは言い、リーファの身体に覆いかぶさってきた。
 先程まで、彼に愛撫されていたところに、彼自身が当たっている。

 押し入って、くるのだろうか、と緊張したが、ヴェルドライトはそうしなかった。

 こんなに優しくされて、甘やかされて、いいのだろうか?
 堪らない気持ちになって、リーファはそっと舌を差し出した。

 ヴェルドライトは、すぐにそれに気づいて、リーファの舌に、舌を合わせてくれる。
 舌を合わせて、擦りつけ合っているうちに、腰が動いてしまって、ハッとする。
 これでは、まるで、誘っているようではないか。

 腰の動きを止めると、ヴェルドライトはリーファの唇を吸って、間近に見つめた。
「やめないで、続けて…」


 甘えるような声に、恥ずかしさを押し殺して、期待に応えたいような気がするけれど。
 いざやろうとすると、うまくいかなくて、落ち込むしかない。
「…ごめんなさい。 意識すると、どうやっていいのか、わからない…」

「じゃあ、僕がするね…」
 ヴェルドライトは、怒った風でも、がっかりした風でもなく微笑み、リーファの唇の端に、やわらかく口づけた。
 そして、ゆっくりと、腰を揺らし始める。

「ぁ、ん」
「リーファ…すごい、熱い…。 こんなに、とろとろにして…。 音、聞こえる…?」
 ヴェルドライトが腰を動かすたびに、リーファとヴェルドライトが擦れて、ちく、ちゅく、と小さな水音が立つ。
 リーファの体内から零れる、粘液のためだ。
 リーファは耳まで赤くなる。

「っ…ごめんなさい…」
「褒めてるんだから、謝らないでよ…」
 ヴェルドライトは啄むような口づけをリーファの唇にくれて、上体を起こす。
「ねぇ、僕、もう我慢できない。 リーファのなか、はいりたい…。 いい?」

 そっと、ヴェルドライトの手がリーファの膝を折り曲げて、その膝裏に、膝を差し込んだ。
 熱く猛った彼は、リーファの秘裂に沿って、上下に動かされている。
 まだ、リーファの秘孔に、押し込まれる角度では、ない、けれど。
 伝わる快感に、震えてしまう。

「ん…」
「…だめ?」
 問われて、リーファは気づいた。

 ヴェルドライトは、リーファを焦らしているのではなく、リーファのお許しを待っているらしい。
 だからリーファは、上手にできているかわからないながらも、そっと、腰を揺らした。
「いい、よ…? …しよ?」

「ああ、本当可愛い」
 ヴェルドライトが、そっと、腰を引いた。
 リーファの、奥へと続く入口に、ヴェルドライトの先端があてがわれたのが、わかる。


 ドッと、心臓が、跳ねるような気がした。


「お願い…、ゆっくり、して」
「うん。 痛かったら、教えて」
 ヴェルドライトは、微笑んで、少し、前のめりになる。

「ん」
 彼の屹立の先端が、リーファのなかに、ちゅぷ、と押し込まれたのだ。
 押し広げられる感覚に慣れなくて、反射的に、身を硬くすると、ヴェルドライトはそこで、動きを止める。
「慣れないよね。 変な感じだよね。 …やめる?」

 リーファは、見下ろすヴェルドライトの瞳をジッと見つめた。
 きっと、ヴェルドライトは、リーファがやめると言ったら、それ以上進まない。
 そうしたら、次にいつ、触ってもらえるだろう。
 だから、リーファは首を横に振った。

「やめない。 …やめたら、いや」
「うん…、わかった…」
 ヴェルドライトは、ゆっくりと、腰を進める。


 ぐぐ、と押し広げられる、感じ。
 苦しい、とは思うけれど、痛くは、ない。
 むしろ、身体の内側から、ぞわぞわ、する。


 少し、息は弾んでいるかもしれないが、見下ろすヴェルドライトの瞳にはまだ、理性が残っていて、リーファの反応を、観察しているようだ。
 痛いところは、ないか。
 気持ちいいところは、どこか。

「あ…」
 それに気づくと同時に、リーファは身じろぎして、声を漏らしていた。
 ヴェルドライトは、リーファの反応を見逃さず、聞き逃さなかったようで、動きが止まる。
「…リーファ、ほんと、狭いよ…。 痛い…?」

 ヴェルドライトは、リーファが身じろぎし、声を漏らしたのを、痛かったから、と解釈したようだ。
 だから、すごく恥ずかしかったけれど、リーファは首をふるふると横に振り、否定する。
 リーファが痛いことだから、やめよう、と判断されてしまっては、いやだから。


「…違うの…。 痛く、ないの。 …初めて、なのに」
 気持ちいい、なんて。


 口には出さなかったけれど、耳まで熱いから、きっとリーファは耳まで赤くなっている。
 それだけで、ヴェルドライトは気づいたのだろう。
 何が、どうなって、いるか。

「ん。 なんとなく、わかった。 …続けて、いいね」
 ぐぅ~…と、ヴェルドライトが、腰を進めた。


「あぁ~~…!」
「っ…」
 体内を、ヴェルドライトで満たされる感覚に、声を我慢できなかったし、軽く、意識を飛ばしていたのかもしれない。
 身体が跳ねるのが治まって、のろのろと瞼を持ち上げたリーファは、気づく。
 リーファの上で、眉根を寄せたヴェルドライトが、目を閉じて、唇を噛みしめていたことに。
 だから、手を伸ばして、彼の頬に触れた。


「ヴェルは、痛い…?」


 リーファが痛いかどうかだけを、ヴェルドライトが気にしてくれていたから、失念していたが、ヴェルドライトが痛い可能性だってあるのだ。
 リーファの問いかけに、ヴェルドライトは弾かれたように目を開けて、苦笑した。
「その、逆」
 苦笑、というよりは、困り果てた、やさしい微笑み、だったと思う。


「…逆…?」
「リーファの中、すごく熱くて…とろとろで、狭くて…信じられない、こんなの、初めて…。 蕩けそう。 …よすぎて、つらい、って、わかる?」
 色っぽい笑みを向けられて、リーファはまた、頬が熱を持つのを感じた。
 よすぎて、つらい、なんて。
 ヴェルドライトに触れられているときに、いつもリーファが感じていることだ。


「わかる…」
 リーファが素直に告げると、ヴェルドライトは微笑む。
 そして、指先で、リーファの下腹部に触れた。
「…奥まで、はいったのも、わかる…?」

 そっと、羽毛のようなタッチで触れるヴェルドライトに、小さく震えつつ、リーファは頷いた。
「ん…、ヴェルが、いる…」

 自分のなかに、彼を感じる。
 よすぎて、つらい、と思いながら。
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