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第2章 サンドリヨンが王子様に捕まってから
王子様と右腕。(下)
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「ヒュー、何かあったときには、アシュリーを頼む。 私は、私の身は自分で守れるからね」
雲英雪の妖精を紹介し終えて満足したのか、殿下は雲英雪の妖精と別れてデスクに向かいつつ、そんなことを言った。
ヒューが、是とも否とも言わないうちに、殿下は先を続ける。
「オリヴィエにも、アシュリーのことは頼んであるんだ。 珍しく、気に入ったみたいだから。 有事の際にはアシュリーを連れて逃げてくれるだろうけど、お前はそちらの護衛に回って」
それは、ヒューには非常に不本意な内容だったので、咄嗟に反論していた。
「ですが、自分は、殿下の」
「お前だから頼むんだよ、ヒュー」
その言葉ですら、殿下に遮られる。
口を噤まずにはいられなかったのは、殿下が自分に向けてきたのが、思いがけず真剣な視線だったからだ。
「オリヴィエは、体術剣術はあまり得意ではないからね。 自分の身は護れても、他人にまで手は回らない。 おまけにあれは今女性の姿だし、いつ戻るかもわからない。 私の護符は魔法には万能だけれど物理攻撃にはそこまでの強度はないから、護衛が必要なんだよ」
そう言って、殿下はあろうことか、ヒューに頭を下げたのだ。
「だから、頼んだよ。 ヒュー」
それだけでも、殿下にとっての雲英雪の妖精が、どんなに大切な存在か、わかろうというものだ。
殿下は、御自分の立場をよく理解しておられる。
そのことを意識して、周囲にどう見られるかを常に計算して、立ち回る。
雲英雪の妖精を見初めたあの舞踏会がいい例だ。
ヒューは、殿下にとっては気のおけない幼馴染でも、あくまで従者。
だからこそ、殿下は、今までヒューに依頼はしても、絶対に頭は下げなかったというのに。
彼は、今、雲英雪の妖精のために、ヒューに頭を下げた。
そのことの意味を、ヒューがわからないわけがない。
それでも、言わずにはおれなかった。
「…王太子殿下が、気安く頭を下げるものではありません」
「今回だけだ。 見逃してくれ」
殿下は、苦笑のような柔らかい微笑みを浮かべる。
そして、視線だけをヒューに流した。
「それに、気安くではないよ。 お前はわかっているだろう?」
雲英雪の妖精を紹介し終えて満足したのか、殿下は雲英雪の妖精と別れてデスクに向かいつつ、そんなことを言った。
ヒューが、是とも否とも言わないうちに、殿下は先を続ける。
「オリヴィエにも、アシュリーのことは頼んであるんだ。 珍しく、気に入ったみたいだから。 有事の際にはアシュリーを連れて逃げてくれるだろうけど、お前はそちらの護衛に回って」
それは、ヒューには非常に不本意な内容だったので、咄嗟に反論していた。
「ですが、自分は、殿下の」
「お前だから頼むんだよ、ヒュー」
その言葉ですら、殿下に遮られる。
口を噤まずにはいられなかったのは、殿下が自分に向けてきたのが、思いがけず真剣な視線だったからだ。
「オリヴィエは、体術剣術はあまり得意ではないからね。 自分の身は護れても、他人にまで手は回らない。 おまけにあれは今女性の姿だし、いつ戻るかもわからない。 私の護符は魔法には万能だけれど物理攻撃にはそこまでの強度はないから、護衛が必要なんだよ」
そう言って、殿下はあろうことか、ヒューに頭を下げたのだ。
「だから、頼んだよ。 ヒュー」
それだけでも、殿下にとっての雲英雪の妖精が、どんなに大切な存在か、わかろうというものだ。
殿下は、御自分の立場をよく理解しておられる。
そのことを意識して、周囲にどう見られるかを常に計算して、立ち回る。
雲英雪の妖精を見初めたあの舞踏会がいい例だ。
ヒューは、殿下にとっては気のおけない幼馴染でも、あくまで従者。
だからこそ、殿下は、今までヒューに依頼はしても、絶対に頭は下げなかったというのに。
彼は、今、雲英雪の妖精のために、ヒューに頭を下げた。
そのことの意味を、ヒューがわからないわけがない。
それでも、言わずにはおれなかった。
「…王太子殿下が、気安く頭を下げるものではありません」
「今回だけだ。 見逃してくれ」
殿下は、苦笑のような柔らかい微笑みを浮かべる。
そして、視線だけをヒューに流した。
「それに、気安くではないよ。 お前はわかっているだろう?」
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