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154話、カカオの村とカカオ料理
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お昼過ぎのティータイムを終え、更に歩くこと数時間。日が陰り夕暮れ時を迎え始めた頃、私達の前にはとある村が見えていた。
この広い平原地帯には大きな川が隣接している。その川沿い近くは自然と多湿な環境となり、様々な植物が自生していた。そのせいで平原というには、やや背が高い植物が密集している。
私達がやってきたその村は、その背が高い木々の中にひっそりと構えていたのだ。
村の名前はカカオの村。もう名前から分かるように、特にカカオを産出している村だ。
しかしこの村で収穫されるカカオは、元々自生していた物らしい。カカオは環境を選ぶ植物で栽培が難しい。そこをこの村は、野生カカオの群集地に村を設ける事で強引に解決したのだろう。
カカオと言えばチョコ。なのでベルストと同じくお菓子が豊富な村なのかなと思って村の中を観光していたのだが、どうもそんな雰囲気はない。収穫したカカオ豆が開けっ広げな倉庫にごろごろ転がっていたが、チョコを製造する工場的なのはなかった。
もしかして収穫して出荷するだけで、二次製品は他の町に任せているのでは。そう思って、村人の何人かに尋ねてみる。すると、こんな答えが返って来た。
「ああ、この村ではカカオ豆は料理に使ってるんだよ。チョコとかは作ってないし、あれは邪道だと思うね」
……チョコが邪道ってどういう事だろう。カカオ豆ってチョコにしているイメージしかない。
だがベアトリスは思い当たるふしがあったらしい。
「そういえばカカオ料理って聞いたことあるわね」
「そんなのあるんだ?」
「一応豆だからね。料理の用途としては幅広いと思うわよ」
チョコのイメージが強いけど、意外と料理でも使うらしい。少なくともこの村ではそっちの方が一般的なようだ。
「この村にお店もあるし、良い時間だから食べていく?」
ベアトリスの問いかけを聞き、ライラが魔女帽子の上からひょこっと逆さまに顔を出して私の顔を覗いてきた。
「私、カカオ料理興味あるわ。せっかくだから食べていきましょうよ」
好奇心旺盛なライラの弾んだ声。それに後押しされたという訳ではないが、私は頷きを返した。
「そうだね。私も気になる」
カカオ料理、どんなのだろう。
小さな村だが、数軒料理店が並んでいる。そのうちの一つを適当に選び、入店。小さな店内なので、カウンター席しかない。なのでベアトリスと肩を並んで着席した。
壁にかけられた木札のメニューを眺める。カカオ料理以外にも色々あったが、それに目移りしてはいけない。今日はカカオを食べるのだ。
「カカオと赤ワインの牛肉煮が良さそうね。赤ワイン煮ならベースの味はよく知ってるし、カカオの風味がより味わえそうだわ」
「へえ~……じゃあ私もそれ」
「あとはカカオ豆とレンズ豆のサラダでも頼みましょう。カカオ豆その物を食べられるのが珍しいわ」
「じゃあそれで」
ぽんぽんとベアトリスが決めていくので、私は完全にそれに乗っかった。お互い別のを頼んでシェアするというのもありだけど、同じのを食べて感想を共有するのも楽しいのだ。あと単純にカカオ料理にピンと来てないので、人任せにしてしまった。
注文を終えて一息つくと、店内が結構香ばしい匂いなのに気づいた。香ばしくもどことなく嗅いだ事ある匂い。そう、チョコとかココアに似た匂いだ。きっとこれがカカオ豆本来の匂いなのだろう。
チョコのせいで甘いイメージがあったが、考えればチョコは砂糖をたくさん入れているはず。現に糖分を抑えてカカオ成分を前に出した、ほろ苦いチョコも結構あるのだ。
そう考えると、料理には色々と使いやすいのかもしれない。結構期待が持てそうだ。
そうして待っていると、まずはカカオ豆とレンズ豆のサラダが出てきた。大きな皿にたっぷりと入っていて、小皿が二つ。もともと複数人で取り分ける前提の料理らしい。
ライラとは同じ皿で食べればいいかと思ったので、追加の小皿は頼まなかった。
カカオ豆とレンズ豆のサラダは、まさに豆尽くし。他に余計な野菜は入ってない。カカオ豆はなんだか周りに白いゼラチンのような物が付着していて、豆というより植物の果肉のように見えた。
小皿に取り分けて早速一口。カカオ豆は、見た目通り柔らかい食感だ。やっぱり果肉に近い。多分種に果肉が付着しているのをそのまま出しているのだろう。味は結構素朴。やや苦みがあるが、カカオの匂いが香って風味良し。レンズ豆がぽりぽりした食感でバランスも良い。
「うん、カカオ豆結構おいしい」
「そうね、独特な味と食感で面白いわ」
私とベアトリスが食べていると、ライラも惹かれたのか近寄ってきて一口食べた。もぐもぐ咀嚼してごっくん。そして一言。
「チョコとは全然違うのね」
そう、チョコとは全然違う。なんていうか、この豆から大分加工してチョコになるんだなっていうのが分かる。
カカオ豆のサラダをもしゃもしゃ食べていると、メインであるカカオと赤ワインの牛肉煮がやってきた。私とベアトリスの前に置かれた皿を前にして、思わず呟く。
「……黒っ」
カカオと赤ワインの牛肉煮は、見た目まっ黒。お皿の真ん中に鎮座した牛肉の塊の上に、溶かしたチョコみたいに黒いソースがかかっている。
そして香りはカカオの独特な匂い。はっきり言うとチョコ系の匂いだ。
見た目もそうだが、匂いも相まってチョコレートを牛肉にかけているかのように見えた。そのせいですごく甘そうな料理に感じられる。
ちょっと恐る恐るナイフで切り分け、一口大の牛肉を食べてみた。
「……ああ~、なるほど」
自分で言っていて、何がなるほどなのか。思ってたよりは甘く感じない。でもほのかに甘さは感じられて、カカオの香ばしいほろ苦さもある。牛肉は柔らかく、噛むと繊維がほどけて旨みが溶け出すような感じ。
確かにこれはカカオだ。カカオ料理だ。
私と同じく一口食べたベアトリスは、うんうんと頷いていた。
「初めての味だけどおいしいわね。甘く感じられるのは赤ワインのせいかしら? カカオ自体が香ばしいから、煮られているのにローストしたような風味があるわ」
……食通の意見かな?
確かにカカオと赤ワインの牛肉煮はおいしい。だけど、単体で完結してしまっているというか、完成度が高すぎるというか。
パンと合うとは思えないし、ごはんと合うとも思えない。付け合わせなんて必要ない。単体で完結した完成度の高級料理。そんな印象だ。
逆にこの村でのカカオ豆を使った家庭料理はどんな物なんだろう。やっぱりそっちが気になってしまう私だった。
ちなみに、この料理を食べたライラはと言うと。
「……おいしいけど、なんだかチョコっぽいけどチョコじゃない味で、頭が混乱するわ」
との事だった。
……それだ。私も何だか違和感あったけど、匂いのせいでチョコに引きずられて実際の味との差異で驚いてしまう。
料理って、意外と先入観によって感じ取る味が変わってしまうのかもしれない。そう考えると、このカカオと赤ワインの牛肉煮は面白い料理だった。
この広い平原地帯には大きな川が隣接している。その川沿い近くは自然と多湿な環境となり、様々な植物が自生していた。そのせいで平原というには、やや背が高い植物が密集している。
私達がやってきたその村は、その背が高い木々の中にひっそりと構えていたのだ。
村の名前はカカオの村。もう名前から分かるように、特にカカオを産出している村だ。
しかしこの村で収穫されるカカオは、元々自生していた物らしい。カカオは環境を選ぶ植物で栽培が難しい。そこをこの村は、野生カカオの群集地に村を設ける事で強引に解決したのだろう。
カカオと言えばチョコ。なのでベルストと同じくお菓子が豊富な村なのかなと思って村の中を観光していたのだが、どうもそんな雰囲気はない。収穫したカカオ豆が開けっ広げな倉庫にごろごろ転がっていたが、チョコを製造する工場的なのはなかった。
もしかして収穫して出荷するだけで、二次製品は他の町に任せているのでは。そう思って、村人の何人かに尋ねてみる。すると、こんな答えが返って来た。
「ああ、この村ではカカオ豆は料理に使ってるんだよ。チョコとかは作ってないし、あれは邪道だと思うね」
……チョコが邪道ってどういう事だろう。カカオ豆ってチョコにしているイメージしかない。
だがベアトリスは思い当たるふしがあったらしい。
「そういえばカカオ料理って聞いたことあるわね」
「そんなのあるんだ?」
「一応豆だからね。料理の用途としては幅広いと思うわよ」
チョコのイメージが強いけど、意外と料理でも使うらしい。少なくともこの村ではそっちの方が一般的なようだ。
「この村にお店もあるし、良い時間だから食べていく?」
ベアトリスの問いかけを聞き、ライラが魔女帽子の上からひょこっと逆さまに顔を出して私の顔を覗いてきた。
「私、カカオ料理興味あるわ。せっかくだから食べていきましょうよ」
好奇心旺盛なライラの弾んだ声。それに後押しされたという訳ではないが、私は頷きを返した。
「そうだね。私も気になる」
カカオ料理、どんなのだろう。
小さな村だが、数軒料理店が並んでいる。そのうちの一つを適当に選び、入店。小さな店内なので、カウンター席しかない。なのでベアトリスと肩を並んで着席した。
壁にかけられた木札のメニューを眺める。カカオ料理以外にも色々あったが、それに目移りしてはいけない。今日はカカオを食べるのだ。
「カカオと赤ワインの牛肉煮が良さそうね。赤ワイン煮ならベースの味はよく知ってるし、カカオの風味がより味わえそうだわ」
「へえ~……じゃあ私もそれ」
「あとはカカオ豆とレンズ豆のサラダでも頼みましょう。カカオ豆その物を食べられるのが珍しいわ」
「じゃあそれで」
ぽんぽんとベアトリスが決めていくので、私は完全にそれに乗っかった。お互い別のを頼んでシェアするというのもありだけど、同じのを食べて感想を共有するのも楽しいのだ。あと単純にカカオ料理にピンと来てないので、人任せにしてしまった。
注文を終えて一息つくと、店内が結構香ばしい匂いなのに気づいた。香ばしくもどことなく嗅いだ事ある匂い。そう、チョコとかココアに似た匂いだ。きっとこれがカカオ豆本来の匂いなのだろう。
チョコのせいで甘いイメージがあったが、考えればチョコは砂糖をたくさん入れているはず。現に糖分を抑えてカカオ成分を前に出した、ほろ苦いチョコも結構あるのだ。
そう考えると、料理には色々と使いやすいのかもしれない。結構期待が持てそうだ。
そうして待っていると、まずはカカオ豆とレンズ豆のサラダが出てきた。大きな皿にたっぷりと入っていて、小皿が二つ。もともと複数人で取り分ける前提の料理らしい。
ライラとは同じ皿で食べればいいかと思ったので、追加の小皿は頼まなかった。
カカオ豆とレンズ豆のサラダは、まさに豆尽くし。他に余計な野菜は入ってない。カカオ豆はなんだか周りに白いゼラチンのような物が付着していて、豆というより植物の果肉のように見えた。
小皿に取り分けて早速一口。カカオ豆は、見た目通り柔らかい食感だ。やっぱり果肉に近い。多分種に果肉が付着しているのをそのまま出しているのだろう。味は結構素朴。やや苦みがあるが、カカオの匂いが香って風味良し。レンズ豆がぽりぽりした食感でバランスも良い。
「うん、カカオ豆結構おいしい」
「そうね、独特な味と食感で面白いわ」
私とベアトリスが食べていると、ライラも惹かれたのか近寄ってきて一口食べた。もぐもぐ咀嚼してごっくん。そして一言。
「チョコとは全然違うのね」
そう、チョコとは全然違う。なんていうか、この豆から大分加工してチョコになるんだなっていうのが分かる。
カカオ豆のサラダをもしゃもしゃ食べていると、メインであるカカオと赤ワインの牛肉煮がやってきた。私とベアトリスの前に置かれた皿を前にして、思わず呟く。
「……黒っ」
カカオと赤ワインの牛肉煮は、見た目まっ黒。お皿の真ん中に鎮座した牛肉の塊の上に、溶かしたチョコみたいに黒いソースがかかっている。
そして香りはカカオの独特な匂い。はっきり言うとチョコ系の匂いだ。
見た目もそうだが、匂いも相まってチョコレートを牛肉にかけているかのように見えた。そのせいですごく甘そうな料理に感じられる。
ちょっと恐る恐るナイフで切り分け、一口大の牛肉を食べてみた。
「……ああ~、なるほど」
自分で言っていて、何がなるほどなのか。思ってたよりは甘く感じない。でもほのかに甘さは感じられて、カカオの香ばしいほろ苦さもある。牛肉は柔らかく、噛むと繊維がほどけて旨みが溶け出すような感じ。
確かにこれはカカオだ。カカオ料理だ。
私と同じく一口食べたベアトリスは、うんうんと頷いていた。
「初めての味だけどおいしいわね。甘く感じられるのは赤ワインのせいかしら? カカオ自体が香ばしいから、煮られているのにローストしたような風味があるわ」
……食通の意見かな?
確かにカカオと赤ワインの牛肉煮はおいしい。だけど、単体で完結してしまっているというか、完成度が高すぎるというか。
パンと合うとは思えないし、ごはんと合うとも思えない。付け合わせなんて必要ない。単体で完結した完成度の高級料理。そんな印象だ。
逆にこの村でのカカオ豆を使った家庭料理はどんな物なんだろう。やっぱりそっちが気になってしまう私だった。
ちなみに、この料理を食べたライラはと言うと。
「……おいしいけど、なんだかチョコっぽいけどチョコじゃない味で、頭が混乱するわ」
との事だった。
……それだ。私も何だか違和感あったけど、匂いのせいでチョコに引きずられて実際の味との差異で驚いてしまう。
料理って、意外と先入観によって感じ取る味が変わってしまうのかもしれない。そう考えると、このカカオと赤ワインの牛肉煮は面白い料理だった。
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